死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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そろそろリンネちゃんでも出そうかなとアニメを見ていたらヴィヴィオの余りの可愛さに悶え死んだ。
おのれエレク・クレイヴィル!!


天才の真価

「マジかーマジかーなのはママが仲間を呼んで再登場かーここが地獄かー」

 

「ヴィ、ヴィヴィオさんしっかりしてください。気持ちはわかりますが気を強く持ってください」

 

「いやもう正直詰んでないか?」

 

「エレク先輩!?」

 

「知ってたか? AAAランク以上の魔導師は次元世界最大の組織である時空管理局でも5%にすら満たないんだぜ。つまりあいつら全員管理局の上位5%なんだぜ」

 

「ええっ!」

 

「更に付け加えるならAAAクラスが本気で戦うと街がひとつ消し飛びかねない。俺が限定的Sランクだって言ってもAAAランク二人とSランクは無理じゃねーかな。援軍が来ない保証もないし本当に詰んでるわ」

 

「諦めるんですかエレク先輩!」

 

「あぁ常識的に考えて無理だろ」

 

「そんな…………」

 

いつでも自信満々で、ウザくとも有事の際は頼りになる先輩の諦めを聞いて落ち込むアインハルト。

 

ヴィヴィオ?

 

現実逃避でクリスを弄ってる。

 

「そういう訳だ。俺達は投降する。こちらも事情があったんだ。お手柔らかに頼む。俺はエレク・クレイヴィル。デバイス技師でDSAA選手だ。それでこちらはアインハルト・ストラトス。最後にあそこでヌイグルミを弄ってるのが常に錯乱状態の高町ヴィヴィオ。お前の娘だ」

 

「えっ、それは――

 

「ディバインバスター全機発射」

 

《Divine Buster Extension》

 

「なっ何を――

 

「「知ってた!」」

 

ディバインバスターの掃射を見てヴィヴィオとアインハルトがなのは達に襲いかかる。

 

ディバインバスターの発射と同時にバリアジャケットを纏い、掃射が終わると同時に申し合わせていたかのような完璧なタイミングで追撃を加える。

 

「ソニックシューター・アサルトシフト」

 

虹色の魔力弾が高速で飛来する。

 

「アクセルシューター」

 

「旋衝破」

 

ヴィヴィオの魔力弾を相殺しようと放ったアクセルシュートを掴んで投げ返す。

 

「嘘ッ!?」

 

咄嗟に張ったプロテクションで投げ返された魔力弾とソニックシューターを防ぐ。

 

アインハルトがはやてに向かい拳を固める。

 

「覇王断空拳」

 

「くっ」

 

アインハルトの拳をフェイトが間一髪はやてとの間に滑り込むことで防ぐが――

 

「フォトンバースト、追尾弾」

 

《Shoot Barret Barret-F》

 

圧縮された魔力が爆発し、視界を防ぐのと同時に追尾弾を放つ。

 

それをひとつひとつ落としていくが何故か動き辛い。

 

中遠距離のなのはとはやてを近接特化のアインハルトと中近距離戦闘が行えるヴィヴィオが押し込む。

 

魔力量を戦闘経験と技量で何とか優位を保つ。

 

「なのはッ」

 

「対象転送、這え 穢れの地に(グラビティブレス)

 

《Transporter High》

 

魔女の魔法が起こした重力でエレク以外の全員が体勢を崩す。

 

腕を環状の魔法陣が囲み、体勢を崩していたアインハルトとヴィヴィオを自分の周りに避難させる。

 

「捕らえろ」

 

《強装結界》

 

それを合図に半径三十メートルを越える巨大結界が三人を囲む。

 

「スターライトブレイカーEX-FB」

 

全ての自動防衛砲台と小型砲台の前方に魔方陣が展開され、そこに魔力が収束し巨大な球体を形成する。

 

浮遊する盾が反動を相殺する為に機動鎧の背面に収納され、推進力を強化する。

 

そして先程の砲撃が雨霰と降り注ぐ光景が可愛く見えるような光が視界を満たす。

 

七方向から放たれた砲撃が『シグナムのファルケンかヴィータのギガント級じゃないと破れない』と言われた強装結界を紙のように貫通して交差する。

 

膨大な魔力が氾濫し、防御も越えて蹂躙する。

 

「ブレイクシュート」

 

そしてその掛け声で一際大きな魔力球が爆ぜ、前方に砲撃として三人に殺到する。

 

神々しくも本能的な畏怖を感じさせる強烈な光。

 

絶対に人間が放つような規模の魔法ではない。

 

死を超越し、美しいと思わせる程にその魔法は次元が違った。

 

「うわぁお、私よくあれでイキテタナー」

 

「ヴィヴィオさん!?目が、目が死んでますよ!!」

 

そしてそれが晴れると、バリアジャケットを解除し、完全に意識を失った三人が落下していく。

 

それを結界で何とか受け止めて、公園らしき場所に着陸する。

 

先程の過ちを繰り返さない為にもそれなりに移動し、幻術で姿を隠している。

 

「辛勝ってところか」

 

「やっぱり投降の意思なんてなかったんですね」

 

「不意討ちでペースを掴むことこそあの場での最善手」

 

「さすがエレク!私たちにできない事を平然とやってのけるッ!そこにドン引く!恨まれるゥ!」

 

「おいヴィヴィオお前アースラに転送するぞ」

 

「やめてください、死んでしまいます」

 

「てか仕方なかったとは言えこれで俺らも犯罪者だな。公務執行妨害だ」

 

「あぁごめんなさいママ」

 

「俺も十四年後だったら弁護士や技術提供なんかで公務執行妨害くらいなら無罪にはできるが………こちらとなると厳しいな」

 

「すいません。それなら何で御三方を拉致して来たのですか?追跡の手は厳しくなると思うんですけど」

 

「現状少しでも情報と新しい魔法が欲しい」

 

「…………………………」

 

「アインハルトさん無駄です。『そんなのいつものことだろうが』とか言ってもどうせエレク先輩はやめません。しかも現状の最大最強戦力ですし」

 

「いや俺は今現在ちょっと戦闘は無理だわ」

 

「えっ?」

 

「あの砲撃は馬鹿みたいな威力を誇る反面魔力負荷がヤバい。その魔力負荷は発射後にあの高町なのはが一定時間魔法が使用不可能になり、レイジングハートはメンテナンスが必要となるレベルって言えば分かるだろ。だから砲撃特化のブラスタービットも三機が半壊、二機も小破。小型に至っては射出口が完全にイカれて全滅だ」

 

「そんな……」

 

「だから今日は俺の魔導師ランクはC+相当。お前らのがよっぽど強いだろうな」

 

「楽勝だと思ってたけど」

 

「そんな訳あるか!!大規模魔法の行使が行われてて収束の魔力が充分にあったことと、まだなのはさん達の経験が少なかったからこそあれは成功したんだ。未知の魔法と不意討ちでペースを握らせずに短期決戦で捩じ伏せる。天才相手に真面目にバトってられるか。言っとくが今現在なのはさん達は九歳だぞ。更に言うならフェイトさん以外の二人はまだ魔法を知って一年も経ってない筈なんだぜ。DSAA優勝者の俺が負けられるかよ」

 

「不意討ちしてる時点で敗けみたいなもんだと思うんですけど」

 

「じゃあお前が戦うか?」

 

「無理です」

 

「それはそうとしてエレク先輩の戦線離脱はかなり厳しくありませんか?」

 

「時間移動してる時点でそんなのは元々だがな。まぁお前が思う程ではないと思うぜ」

 

「どういうことですか?」

 

解析を終えたのかなのはやフェイトをどこかに転移しながら器用にタブレットをこちらに投げ渡す。

 

そこにはなのはの偽者だけではなく、色が違うだけでフェイトとはやてにそっくりな人物がいる。

 

「それはあのなのはさんの色違いのデバイスに映ってたやつで、マテリアルって言う魔力情報生命体らしい。マテリアルはその三人だけじゃなくて似たような奴がそこら中にいるみてーだぜ 。映像では確認できなかったがヴォルケンリッターやユーノ司書長なんかの偽者もいるらしいな。最悪俺らのあるかもしれん」

 

「何と……」

 

「だけど意識は混濁してて、性能も大したことない奴が多いみたいだ。何であの三人のマテリアルだけあんなに意思らしきものがあるのかは知らねぇけどな。まぁとにかく今の俺らでも倒せるレベルっぽい」

 

話ながらも顔も上げず、淡々と夜天の書を解析していく。

 

「ふんふん、それで?」

 

「だから俺らはアースラ勢力から逃げながらこいつらを狩ろう。そんな広範囲に作用するロストロギアが俺達のに関係ないとは思えねぇし、何か手掛かりくらいにはなると思うんだよ」

 

「なるほど」

 

「まぁそんな訳だから無理はしねぇで狩れる奴を三人で安全に狩れば良いさ」

 

《魔力反応あり、推定魔導師ランクAAA。速やかに拠点を移動させることを推奨します》

 

「エレク先輩!」

 

「ちょっと待て。何かおかしい。何かがおかしいぞ」

 

「何を言ってるんですか今は移動を優先しましょうよ」

 

「待て!闇の書の解析が終わるまで待ってくれ!!」

 

「今はヴィヴィオさんの言う通りです」

 

「いや逃げるならお前らだけで逃げろ」

 

「どうしますか?」

 

「エレク先輩を置いてはいけません」

 

尚も解析を続けること十分弱。

 

「そこまでだ!僕は時空管理局執務官、クロノ・ハラオウン。 君らには公務執行妨害の疑いがかかっている。 この場にいる全員は速やかにデバイスを収めてバリアジャケットを解除するように。詳しい事情を聴かせて貰うぞ」

 

「ヤバいぞ。思った以上にヤバい気配だ」

 

「本当ですよっ!こんなんだからクロノ伯父さんに会っちゃうんじゃないですか!!」

 

「おっ、おじさん?」

 

「そんなどうでもいいことじゃねぇよ」

 

「どっ、どうでもいい?」

 

「ほらよ」

 

片腕でアインハルトとヴィヴィオを抱き寄せもう片方の腕で気を失ったはやてをクロノに向かって投げつける。

 

「なっ、ちょ――

 

「転移」

 

 

 

 

 

「宣言通りクロノ伯父さんは難なく回避できてましたけど。じゃあ結局何がヤバかったんですか?」

 

「闇の書に偽装データの痕跡があった。何重にも上書きされたデータの下に何かがあった筈なんだ」

 

「えっ?つまりどういうことですか?」

 

「簡単に言うとロストロギアの中でも一級品の闇の書から何かが逃げた」

 

「えっ?」

 

「正真正銘世界の危機だ」

 

「嘘ッ!?」

 

「予定変更。一番怪しいあのなのはさん達のマテリアルを襲うぞ」

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