死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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すみません。
なのは達のキャラが違うとご指摘を受けまして修正版を掲載いたします。




撃墜

「さぁ戦争を始めるか」

 

軍用自律デバイス、ガジェット、簡易魔力炉、傀儡兵、固定砲台、質量兵器を除いたあらゆる形態の武器を前にエレクが嗤う。

 

「これどうしたんですか!?」

 

「買った」

 

「えっ」

 

「現金で一括購入したのを改造した物だ」

 

「えっ!?」

 

「俺はそれなりにお金持ってるし。それ使ったり貴重品売ったりして買った。奥の手のブラスタービットの修理こそこの時代じゃできなかったがまぁ戦力にはなるだろ」

 

「すいません。ご飯まで用意してもらってるのに」

 

「いや全然いい。お前も知っての通り俺は戻れば金はあるからな。今お前らが戦えなくなる方が怖いし摂れる時に摂っとけ」

 

「そう、そう。人生助け合いですよ」

 

シュークリームを両手にヴィヴィオがアインハルトを諭す。

 

付け加えるならば一個八百円の高級品である。

 

「ヴィヴィオの夕食レーション決定な」

 

「ひどい!!」

 

「水は付けてやる」

 

「今助け合いの美しさを語ったばっかりなのに!?」

 

「助け合い?お前は俺の役に立ったか?」

 

「まだです。しかしこれは先行投資だと思いませんか?」

 

「じゃあ今日の襲撃ヴィヴィオは囮な」

 

「絶対嫌です。そしたら敵に寝返ってやる」

 

「不良債権だわこいつ」

 

「でも正直返り討ちになる可能性はありますよね?そしたらどうするんですか?」

 

「まぁそりゃゼロじゃあないが………まっ、大丈夫だろ。現時点では最大の戦力を揃えたんだ。最悪なのはさん達のマテリアルがオリジナルの二倍強くても撤退だけはできる戦力を確保してるしな」

 

「なるほど」

 

「さっ始めるか。科学の、機械の力見せてやるぜ」

 

 

 

 

 

「セット・アップ。武装展開、光剣。魔力変換資質再現。Type-Rio起動。対魔導師用装甲AMF起動。収束機構起動。内蔵魔力炉全力稼働。武装をミドルレンジに特化。全武装の出力リミッター解除。フルバースト」

 

ヴィヴィオ達が最も相手にしたくないと思っている見慣れた黒い機動鎧。

 

いつもと違うのは身に纏う炎と雷と両手足に常時起動させている高速機動魔法。

 

姿勢と方向の制御の為の黄金に輝く羽根が手には三枚、足には五枚も伸びている。

 

そして現れるは二メートルの鎧武者に相応しい 大きさを誇る高密度に圧縮された魔力刃の二刀 。

 

黄金の雷が剣の形を成したそれを両手に握りしめ、傀儡兵とガジェット、固定砲台に号令を下す。

 

「目標指定区域に侵入、弾幕展開、狙撃」

 

《Cross Fire Full Burst》

 

《Snip Shot》

 

「お前らは王のマテリアルを潰せ。それ以外は俺が相手をする。増援が来たら即座に離脱しろ。じゃ、行くか。転移」

 

「「転移」」

 

《Transporter》

 

固定砲台からの一斉射撃が飛行中のマテリアル三人を囲むように展開され軌道を阻む。

 

そして地上に配置された傀儡兵のシールド貫通に特化した狙撃が不意討ちで三人を襲う。

 

「なっ」

 

――が流石は英雄になる彼女達のマテリアル。

 

一発も当てられない。

 

シュテルと呼ばれていたマテリアルが隣の王とか呼ばれていたマテリアルを引き寄せ、助ける余裕すらある。

 

が、そんな三人を彼女達の少し上空に転移したエレクらが襲い掛かる。

 

「貴様はシュテルを倒した鎧武者!!」

 

「ボクが出るっ」

 

フェイトのマテリアルである青いツインテ少女がそれにも対応して即座に迎撃にくる。

 

ツインテ少女の持つ青い稲妻の剣が神速で振るわれる。

 

それは並みの魔導師ならば防御の上からでも断ち切れる威力を持ってエレクの装甲を叩く。

 

「光翼斬!!ってあれぇ!?」

 

しかしAMFを全開にした装甲とかち合った大剣が十全に威力を発揮できずに弾き返される。

 

そこを狙ってミカヤからパクった剣術に炎と雷を纏わせて切り掛かる。

 

「模倣天瞳漣月」

 

「わわっ!!」

 

青いツインテ少女が慌てて大剣を前方に掲げ防ぐがエレクの刀は光剣の刀身を易々と貫通し、ツインテ少女のバリアジャケットを掠める。

 

「なっ、何で!?」

 

「当たり前だ」

 

相手はフェイトのザンバーフォームを模しているようだがエレクはそのフェイトの十年後の切り札をほぼ完全再現している。

 

バルディッシュのフルドライブ。

 

ザンバーフォームの魔力を高密度に圧縮することで高い切断力を会得した片刃の長剣形態。

 

更に言えば第六世代でもないデバイスならばAMF下では魔力結合・魔力効果発生は阻害されるのだから当然だ。

 

「ブラストファイアー」

 

更に切り込もうとするが振りかぶった刀に炎の魔力弾がぶつかり、それを止められる。

 

「私が出ます。レヴィは王を――

 

「双龍円舞」

 

炎と雷を龍の形にして突撃させる。

 

「ッ、プロテクション」

 

プロテクションを張ると同時に刀を放棄して拳を握る。

 

「ガイスト・クヴァール」

 

ジークリンデの魔法を右手で放ち、プロテクションを消し飛ばすと左手で敵のボディに拳を捩じ込む。

 

「抜剣 槌牙(ついが)

 

咄嗟に間にデバイスを挟んで防御したようだがそれでも後方に殴り飛ばす。

 

「ファントムスマッシュ」

 

拡散して放たれた魔力弾を操作して抉るように撃ち込んだそれがーー

 

「ディバインバスター」

 

ピンクの砲撃に呑み込まれて消滅する。

 

それを確認するやマテリアルを仕留めることを諦める。

 

「退避」

 

《Transportーー

 

「させないよ」

 

その瞬間世界から隔絶されるような感覚と共に結界内に閉じ込められる。

 

「ちっ」

 

「あわわわわ‼なのはママだぁ‼」

 

「これはどうすれば……」

 

なのはがシュテルの隣に飛行してこちらと対面する。

 

「大丈夫、シュテルちゃん?」

 

「!?」

 

「ええ、ありがとうございます。ナノハ」

 

「待て‼待て‼何でなのはさんが自分のマテリアルと仲良さ気にしてんだよ!お前ら敵同士だっただろ!!」

 

「えっ、あの後友達になって……」

 

「コミュ力お化けがっ!!」

 

「いつものかぁ~」

 

エレクはアースラメンバーに漁夫の利狙いで襲われても逃げられるだけの戦力を確保はしていたが、なのは達がマテリアルと同盟を組んでいたのは致命的な誤算だった。

 

「全機突撃、時間を稼げ」

 

ガジェットを差し向けて時間を稼ごうとするが、その全てが撃ち落とされる。

 

「もう大丈夫だよレヴィ」

 

「ん、案外大丈夫そうやな。王様」

 

「あーへいとー」

 

「遅いぞ子鴉」

 

危うくガチで投降しようかと思う程の過剰戦力だった。

 

未来のエース級が六人である。

 

その全てが武装局員の上位5%以内である。

 

魔導師ランクAAAは伊達ではない。

 

とりあえずオプティックハイド、フェイク・シルエットを併用してこっそり逃げる。

 

一瞬ヴィヴィオとアインハルトのことが頭を過るが『まぁ、いいか』と考え直す。

 

面倒臭いがそれなら彼女達全員に勝てるだけの戦力を確保してから出直すしかないだろう。

 

「紫雷一閃」

 

と思った矢先に炎の剣がこちらに振るわれる。

 

自動防御のプロテクションで受け止めるがオプティックハイドが解ける。

 

「そこのお前。匂いでバレバレだ」

 

「今度は逃がさんぞ」

 

何時の間にかヴォルケンリッターの四人とクロノがいる。

 

「詰んだわ」

 

「あっ、貴様っ。我らに手を出して只で帰れると思うなよ。シュテル‼レヴィ‼」

 

「かしこまりました」

 

「うんっ」

 

「ちょっ、シュテルちゃん!?」

 

甲高い音を立ててカートリッジがロードされる。

 

「待て‼それは駄目だ‼こちらは投降する!!それを人間相手に使おうとするな!!」

 

「降参っ‼降参しますっ‼そんなものをエレク先輩以外に撃つなぁあああぁあ」

 

「凄い魔力ですね」

 

「アインハルトさんもそんな呑気なぁ!!」

 

「大丈夫です。なのは。非殺傷設定ですから」

 

「えっ、でも……」

 

「それに全力でぶつかることで心が通じ合う場合も存在します」

 

「それは……」

 

「集え、明星(あかぼし)全てを焼き消す炎となれ――

 

「砕け散れ――

 

「絶望に足掻け塵芥――

 

魔力がデバイスに集中している。

 

魔方陣が展開し、なのはさんの魔法に勝るとも劣らない力が集中する。

 

「ちょっ、根に持ち過ぎだろ」

 

「せめて‼せめてエレク先輩だけにぃいいぃぃいいい」

 

――ルシフェリオンブレイカー」

 

――雷刃滅殺!きょっこーーーざん!!」

 

――エクスカリバー」

 

その魔法は自動防御のプロテクションと前方に展開していた自動防護障壁を丁寧に一枚、一枚粉砕してエレク達に迫る。

 

「あぁ綺麗だなぁ」

 

その現実逃避はエレクの本心ではあった。

 

エレク達は落ちた。

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