死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

26 / 28
アースラ交遊会 後編

「あのぉ……」

 

「えっとぉ、エレクさんですよね?」

 

顔を上げると、俺が出会い頭にディバインバスターを撃ち込み、強装結界に閉じ込めて、スターライトブレイカーで撃墜したなのはさんとフェイトさんが立っていた。

 

即座に土下座した。

 

脚を揃えて、膝を地面に着いて頭を下げる。

 

それをデバイスを使わないで出せる最高速度で成していた。

 

エレク・クレイヴィル。

 

プライドを捨てられる男である。

 

「すいませんでした」

 

「ちょっ、やめてください」

 

「あの時は突然の時間遡行に混乱してたんです。俺が悪かったです。本当にすいませんでした。賠償金も払いますのでどうかバスターは勘弁してください」

 

「しないよっ!?」

 

「ザンバーも勘弁してください」

 

「そ、そんなことしませんっ!」

 

「では砲撃も斬撃も?」

 

「しませんよっ!!」

 

「それは良かった。で、用件は?」

 

「おぉう、切り替えが早い」

 

「とりあえず土下座のまま話すのはやめてください」

 

 

 

 

 

「まず確認なんですけど、黒い鎧の人がエレクさんなんですよね?」

 

「そうですね。カラーリングは5秒もあれば変えられますけど、確かに俺が黒い鎧の人です」

 

「多分エレクさんは知ってるんだろうけど高町なのはです」

 

「私はフェイト・T・ハラオウンです。好きに呼んでください」

 

「これはこれはご丁寧にどうも。俺がデバイスマイスターにしてDSAA競技選手のエレク・クレイヴィルです。好きなものは魔法で、嫌いなものは権威主義です」

 

「エレクさんは未来から来たんですよね?」

 

「そうですね。なのはさんやフェイトさんから見ればという注釈はありますが現在より十四年未来から来ましたね」

 

「アインハルトちゃんと一緒に?」

 

「正確にはヴィヴィオが一緒ですけどね」

 

「あのすっごい上手い子だね?私の魔法も殆ど見切られちゃったし」

 

「貴方の娘ですからね」

 

「「えっ?」」

 

「なのはさんの砲撃をあれだけ知ってるのはあいつを除けばフェイトさんくらいですかね~」

 

「「……………………………」」

 

「あっ、また冗談――

 

「動揺を誘ったのは事実ですけど嘘じゃないですよ」

 

「待って!?じゃあ本当になのはの子供なの?」

 

「うぅ~ん。二十三歳だからそんなにおかしくはないのかな~」

 

「待って!待って!ヴィヴィオってどうみても私達と同年代なんだよ!?それにエレクさんは十四年先から来たんだよ!?」

 

「因みにヴィヴィオは十歳です」

 

「四年後!?」

 

「流石!理系は強いですね!!」

 

「どういうこと!?」

 

「更に補足するならヴィヴィオはなのはさんとフェイトさんの子供ですよ」

 

「「!?」」

 

「えっ、待って!?私の未来はどうなってるの!?四年後に何があるの!?」

 

「なのはと私の子供!?女の子同士で子供ってできるの!?」

 

「「せ、せつめいしてください!!」」

 

 

 

「養子です」

 

 

 

「「あ」」

 

 

 

「なのはさんがヴィヴィオを引き取りました」

 

「「……………………………………………」」

 

「どうしました?まだ用件を聞いてませんけど 」

 

「確かに言葉だけ見れば嘘じゃないし、私達が早とちりしただけなんだろうけど今の説明の順序的にわざとだよね?」

 

「少し、頭冷やそうか」

 

「あれれ?敬語が消えたぞ?」

 

「尊敬できない人に敬語はいらないの」

 

「付ける意味が消失したからね」

 

「あぁん?やんのか、コラ?大人だったら怖くて喧嘩なんかできねーが、九歳だったら二対一でも負けねぇぞ!」

 

「土下座してたのに!?」

 

 

 

 

 

昼食後の腹ごなしにかるぅく二人と模擬戦をしたエレクはその後アースラをぶらぶら散歩していた。

 

現在のアースラ未来のエースオブエースを筆頭に、才能の宝庫とも呼べる人材が多く存在する。

 

そんな若き天才達に触れ、話し、解析する時間はエレクにとって掛け替えのない宝物である。

 

そんなことを後輩に言えば『それならエレク先輩は宝物庫に忍び込んだ盗賊ですかね』くらいは言うだろうと容易に想像できるから言わないが、確実にエレクは時間遡行を一番楽しんでいた。

 

「貴方は夜天の主、八神はやてさん!こんばんは!模擬戦しましょう!」

 

「エレクさんやしたっけ?」

 

「はい。次元世界最強にして最狂の十代、エレク・クレイヴィルです!座右の銘は報復攻撃で、人は俺を『最低王者』とか『裁けないインチキ野郎』と呼びます!」

 

「は、はぁ」

 

「どうしました、はやてさん?魔法とデバイスのことだったら相談にのりますよ?」

 

「投降したフリして私らハメたからエレクさんってもっとヤバ、怖い人だとおもってまして……」

 

「それは誤解ですね。あれは状況がそうさせたのであって本意ではありませんって。そもそも俺は人格者で通ってるんですから」

 

「う~ん、さっきの紹介を思い返すとネタか冗談か判断に困るとこや………」

 

「そうそう、それではやてさんは何故ここに?魔法とデバイスの相談以外にもお金のこととか戦闘のこととかなら頼って良いんですよ?はやてさんのお願いきちゃあ、闇討ちまでなら協力しますよ」

 

「いりません。特にこれといって目的はないですし。なのはちゃんとお話でもしようかなぁ~くらいの気持ちでしたし。あと『さん』付けやめません?エレクさんの方が歳上ですし、恥ずかしいというかむず痒いです」

 

「英雄であるはやてさんを呼び捨てにはできません。熱心なファンに半殺しにされますから」

 

「えっ?」

 

「冗談です。雑魚が幾ら集まったところでこの俺に傷ひとつつけられませんから」

 

「そっちかい!!」

 

「歴史に名を残すレベルの天才なんで!」

 

「私が交戦することがないように祈っときますわ」

 

「そんなっ!俺の好感度は、はやてさんが管理局相手にクーデターを起こしたって裏でスポンサーになるぐらい高いのにっ!!」

 

「どんな想定や!!そして好感度高過ぎやろっ!私は未来でエレクさん相手に何したんやっ!」

 

「俺とはやてさんの間に個人的な関係はありません。二、三度顔合わせした程度です。デバイスの買収もできませんでしたし。だからこれは、デバイスマイスターとしての純粋なる尊敬です。あと付け加えるならこの時代で売った恩は利益率が高そうだったからです」

 

「ドライな関係や!ビジネスライクや!でも尊敬してるのは本当っぽいからとっても複雑!」

 

「『それはそれ、これはこれ』の精神ですね」

 

「自分で言うなや!」

 

「それではやてさん、模擬戦しません?」

 

「どこから『それで』が出てきたんか聞いても良いですか?あと模擬戦は遠慮させてください。エレクさんの相手になれるとも思えませんし。あ、模擬戦はシグナム辺りだったら喜んでやってくれると思いますよ」

 

「ふむ。それは楽しみですね。また後にでも誘ってみます。三時間のインターバル付きで、二人までなら不意討ち、闇討ち、敵討ちは大歓迎です」






登場人物が多すぎる………kんそうを…感想をくれ、ください…それなら頑張れますので………

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。