死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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今回のエレク君は、外道の先輩ジャギ様リスペクトです。


覇王と外道

「私絶対に勝ちたい人がいるんです」

 

「ほう、言ってみろ」

 

「アインハルト・ストラトスさんって言うんですけど……その、一度負けてしまって…その時に趣味と遊びの範囲内なら充分強いって」

 

「そうじゃない」

 

「えっ!?」

 

「お前の思い出話なんざ興味ないわ‼ルールと場所と日時だよ」

 

「えっと…魔法はなしの格闘オンリーの一本勝負。五分間の試合で廃棄倉庫区画でやります。勝負は五日後です」

 

「ふむ。身体強化やバリアジャケットはありか?」

 

「アリです。確か大人モードもアリです」

 

「ふむふむ。ならばこれを持っていけぃ」

 

「何ですかこれ?」

 

「覇王絶対に殺すシリーズ四作目、戦闘用強化スーツだ」

 

「えっ!?覇王……殺…す…!?」

 

「ああ。これはあるクソ野郎をぶっ殺す為のシリーズ。それのプロトタイプだ」

 

「な、何で?」

 

「ああそれね。それ聞いちゃうかぁ。仕方ねぇな。何日か前に覇王とか名乗っちゃう中二病の女に会ってね。その時ハイディ・E・S・イングヴァルトとか言うクソ野郎に、ストリートファイト申し込まれてぶちのめされたんだよ。勿論俺は最低限の武装しか持ってなかったし、魔力炉も使わなかったんだけどな。でもムカついたから今はそいつを探してんだよ。次会ったらたっぷりお礼してやるぜ」

 

(ハイディ・E・S・イングヴァルト……アインハルトさんとは違うかな。ストリートファイトとかしそうにないし。覇王って言うから焦っちゃった)

 

「おいヴィヴィオ、聞いてんのか!?」

 

「あ、はい、聞いてます」

 

「それなら良いが」

 

「そっそれで、このスーツは何なんですか?」

 

「よくぞ聞いてくれた。これはAMF搭載の、身体強化もできない奴を科学力と重機の力で一方的にぶちのめすスーツだ」

 

「外道ぉ‼」

 

「貴様相談に乗ってやった優しい先輩に向かって外道だと!?」

 

「外道ですよ‼そんなの勝負にならないじゃないですか‼」

 

「戦闘機人ならば互角に戦えるぞ」

 

「それは狡いですよ‼」

 

「何故だ!?このスーツは 現在の市場には出回っていない優れモノだぞ‼バリアジャケットだと言い張れば良いじゃねぇか‼魔法だってAMF以外は使ってねぇぞ!!」

 

「AMFを使ってるじゃないですか」

 

「あれは防御魔法だからバリアジャケットの一部だ」

 

「とにかく卑怯です」

 

「ぐっ、じゃあAMFを切るが良い。それでも並の奴なら、粉砕、玉砕、大喝采できる性能だ」

 

「違います‼」

 

「何が?」

 

「だからスーツを使うこと自体が卑怯です」

 

「馬っ鹿‼ルールには抵触してねぇって」

 

「仲良くなりたくて試合するんです‼そんなの使ったら友達になれないじゃないですか‼」

 

「でも勝ちたいんだろう?」

 

「うっ」

 

「趣味でも遊びでもなく全力でいけよ。高町家の家訓はいつも全力全壊だろ」

 

「でもなんかそれは、水かけっこで消防車持ってくるようなものかと」

 

「大体なぁ、持てる全力で相手に当たらないと逆に失礼だろ」

 

「はっ‼」

 

天啓を得たかのようにはっとした顔をするヴィヴィオ。

 

「全力でぶつかることで心が通じ合うんだろうが‼」

 

「それは、その通りでした」

 

「わかったかヴィヴィオ、全力全壊だ」

 

「はい」

 

「これから格闘家殺しの必勝法とデバイスを授ける。これを使いこなせればお前の勝利は確定的に明らかだ‼」

 

「押忍」

 

 

 

 

 

「ヴィヴィオ遅いね」

 

「う~ん。遅れるような奴じゃないからもう少しで来ると思うんだけど……」

 

「すいません‼遅れましたか?」

 

「大丈夫だ。時間通り…だっ!?なっ!?何でエレクがいんだよ‼」

 

「ははは、呼ばれたのだよ」

 

「エレク先輩ヴィヴィオに変なこと吹き込んでませんよね」

 

「おいぃ‼コロナは俺を何だと思ってんだよ‼」

 

「次元思想犯」

 

「おめぇよぉ、あんまり先輩舐めてるとブランゼルを多機能フォークに改造するぞ」

 

「先輩煩いです。もう始まるんで静かにしてください」

 

「こいつっ‼」

 

アインハルトとヴィヴィオが向かい合う。

 

片や自らの努力と科学と重機の力を示す為、片や覇王流こそがベルカ最強だと示す為に。

 

「セイクリッド・ハート、セット・アップ」

 

「武装形態」

 

変身し構える。

 

「死に晒せぇええぇぇええ」

 

そして唐突に横合いから放たれた砲撃でアインハルトが海に落ちた。

 

「覇王絶対に殺すシリーズの出力リミッター解除。フルドライブ。魔力炉から魔力を流せ。全力で沈める」

 

その上、海に向かって追撃のアクセルシュートが飛ぶ。

 

そこにいたのはやはりというべきか、エレク・クレイヴェルだった。

 

黒い全身鎧に身を包み、2機の自動防衛砲台と3機の対魔導師用の盾が浮遊状態でエレクの周囲に滞空している。

 

戦争をしているかのようなフル装備だった。

 

「どうだぁ見たか‼要するに勝てばいいんだぁどんな手を使おうと」

 

「汚いなさすがエレクきたない」

 

唖然とする周囲と違いコロナだけが冷静にエレクを評価する。

 

「バカめ!なに使おうが勝ち残りゃあいいんだぁ!それがすべてだ!!」

 

「アインハルトさーーーん」

 

「いきなり何を!?」

 

アインハルトが海から上がる。

 

「馬鹿か貴様‼お前に殴られた痛みはそんなものではなかったわ」

 

「そんな!?貴方は……」

 

「傷が痛むたびにきさまへの憎悪を燃やしつのらせて生きてきたのだ!!!」

 

「凄いよやってることは只の不意討ちだったのにドラマのワンシーンみたいだ」

 

「それよりあれ誰!?」

 

「エレク先輩です。デバイス制作と汚い戦術にかけては次元世界一です」

 

「ヴィヴィオ!?」

 

このカオスな状況や、普段言わない様な暴言に周りの大人は付いていけない。

 

「死ねぇ‼」

 

浮遊する砲台から数多の魔力弾が発射される。

 

「旋衝破」

 

アインハルトはそれを掴んで投げ返すことで、直撃を防ぐ。

 

「時間が稼げりゃ十分だ‼ 百式・神雷‼」

 

魔力炉で生成した魔力を湯水の如く消費した広域魔法は痛みを感じさせる暇もなく、アインハルトの意識を刈り取った。

 

「魔力変換資質を再現したの!?」

 

「あれはヴィクトーリア・ダールグリュン選手の技だよ」

 

「すげえな」

 

「天才ね」

 

「勝った‼全システムのリミッター生成。機能停止」

 

鎧をパージしてエレクが出てくる。

 

「何でいきなり砲撃したの?」

 

「復讐」

 

エレクの乱入によって客観性を取り戻したヴィヴィオは無事アインハルトと友達になれた。

 

人の振り見て我が振り直せができるヴィヴィオはやはりいい子であった。

 

大人達のエレク君の評価が下がった。




シリアスも予定はあるんですが、書いても面白いか分からないんですよねぇ。

評価、感想をつけてくれた人は本当に励みになりました。ありがとうございました。

一応裏設定

覇王絶対に殺すシリーズ1
魔力炉ヒュードラ改

覇王絶対に殺すシリーズ2
魔力変換資質再現アーマー

覇王絶対に殺すシリーズ3
アーマー付属の子機(砲台タイプと多機能盾タイプ)

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