死ぬ気で楽して勝ってやる   作:聪明猴子

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実験場

「こんにちは高町なのはさん、フェイト・T・ハラオウンさん。エレク・クレイヴェルです。ヴィヴィオさんとはいつも仲良くさせてもらっています。本日は合宿に御同行させていただきありがとうございます。また、これはつまらない物ですが」

 

そう言ってミッドの高級お菓子を差し出すエレク。

 

うん。

 

端的に言ってキモい。

 

「ごめん、エレク君とは初対面じゃないよね。それとフェイトちゃんが震えてるから、計測用のデバイスはしまってもらっていいかな」

 

 

 

 

 

「おいエレクお前合宿行く気あるか?」「あります」というとっても思慮深い応答で誘いを受けたエレクは、ヴィヴィオの知り合いが住むという無人世界に向かっていた。

 

「楽しいな~楽しいなったら楽しいな~‼」

 

「エレク先輩大丈夫かな?頭が可笑しいのはいつも通りだけどテンション上がり過ぎて壊れちゃってるんだけど」

 

「そうだよね。合宿用に自分の船出してくれるなんて外道の先輩がする筈ないもんね」

 

そう現在なのは御一行はクレイヴェル家の所有する次元航行船に乗って無人世界カルナージを目指しているのだ。

 

しかもこの次元航行船は浴場やベッドルーム等の長期航行用の設備から、エレクお手製の武装まで。

 

あらゆる要素を詰め込まれた高級感溢れる大型船だった。

 

「それより私はエレク先輩がこんな次元航行船を持ってる方が驚きだよ」

 

「エレク先輩開発した製品の特許とか売って暮らしてるから実はお金持ちなんだよ。だから普段は次元航行船の中にラボを作ってそこで暮らしてるらしいよ。まあミッドにも幾つか住む所あるらしいけど」

 

「外道に才能に加えてお金まで与えて、神様は何考えてるんだか」

 

「リオそんなこと先輩に聞かれたらまたソルフェージュ改造されるよ」

 

「そっ、そうだった」

 

リオはソルフェージュを喋るコースターに改造された過去があるのだ。

 

その時はリオの必死の謝罪で元に戻してもらったが、それでもリオには多大なトラウマとなっていた。

 

因みにAI搭載の多機能コースターは他人からしたら爆笑モノであったが。

 

そのせいでエレクの評価は、プッツンしたら何するか分からないヤベー奴から、プッツンしなくても何するか分からないヤベー奴になったのだ。

 

「エレク先輩、ここジムがありましたよ」

 

「俺のだから知ってるよ。それよか覇王様は何でこんなとこいんの?」

 

「先程説明したじゃないですか。ヴィヴィオさんのお母様に誘っていただきましたって。それより覇王って呼ばないでください‼」

 

「前は『覇王を名乗らせていただきます』キリッとか言ってたじゃん」

 

「うぅ、それはぁ」

 

「ヤバイ、エレク先輩がアインハルト先輩を煽ってる。外道だ」

 

「どうしたんだよ覇王様ぁ。俺をぶちのめした時に高らかに名乗ってたじゃん」

 

「それは謝ったし、私を海に沈めたでしょう‼」

 

「それは不意討ちの分だろぉ。しかも『謝ったし』って誠意が足りないんじゃねぇの?」

 

「いい加減にしろい」「あまりアインハルト先輩を苛めないの」

 

コロナの喉潰しパンチと、ヴィヴィオの脳髄粉砕回し蹴りがエレクを沈めたのも宜なるかな。

 

この一件以来エレクは自分の船に乗る時も防御用デバイスを手放すことはなくなった。

 

 

 

 

 

「ここがカルナージか。実験場になりそうな良い世界だ」

 

「ヤバイ、先輩のマッド具合が加速してる」

 

「いや初めからあんな感じだったよ」

 

「そうだった」

 

といういつものやり取りを交えながら、アルピーノ宅へ向かう。

 

「紹介するね。こっちが友達のリオ・ウェズリーとコロナ・ティミル。こっちが先輩のアインハルトさん。そしてあそこでガリューの右手をロケットパンチにしようとしているのが、頭の可笑しいエレク先輩」

 

「おいヴィヴィオ、俺の紹介だけ悪口なんだが。そして俺はまだ改造しようとなんてしていない。こんにちは、ご紹介に預かったエレク・クレイヴェルだ」

 

「ルーテシア・アルピーノです」

 

「ルールーは凄いんだよ。一流の魔導師なのに、建築もデバイス作成もできるんだぁ」

 

「…ルールー……だと!?貴様俺のブログを炎上させることに命懸けてるルールーか!?」

 

「なっ……あなたもしかしてエレくん!?」

 

「ど、どうしたの!?」

 

「リオは知らないの!?エレク先輩はエレくんとかいうハンドルネームでデバイスのレビュー載っけたブログやってるんだよ」

 

「ええっ!?」

 

「だけどここ最近ルールーってブロガーにブログが炎上させられてるんだよ。デバイスにも詳しいから技師だと思ってたけどまさかヴィヴィオの友達だったなんて」

 

「それより何でコロナはそんなに詳しいのぉ!?」

 

「私も炎上祭には参加したし」

 

「コロナのキャラ崩壊が留まるところを知らない‼エレク先輩に会うまではまさしく健気って言葉が似合う女の子だったのに」

 

「まさかこんな所で会うなんて思いもしなかったぞルールー‼」

 

「私もよエレくん」

 

「何か険悪っぽいけど仲良さそうだ」

 

「大体あなたの作るデバイスは癖が強すぎるのよ‼確かに分野を限れば一流のモノばかりだけど、使い捨てと、持ち主を選ぶ物が多すぎるのよ」

 

「はっ‼皆が使える汎用性優れた量産品なんていらねぇんだよ。こちとらオンリーワン、ナンバーワンで売ってんだ。嫉妬してんじゃねぇよ」

 

「何が嫉妬よ‼私はコストの問題を言ってんのよ‼」

 

「ばーかっ‼金をケチって良いもの作れっかよ‼」

 

「良いものが作れないのはあなたの実力がないからじゃない?」

 

「はぁ!?俺はDSAAで優勝してるんですけどぉ。それより貴様が特に理由もないのに低評価つけるから、俺のレビューはボロくそだ。参考にならないなら見んじゃねーよ。そして低評価つけるならコメントいれろや‼」

 

「はぁ!?低評価つけられたくなかったら、ハードディスクの肥やしにでもしてろや。てか、元々あんたのブログはボロくそでした~」

 

「てめえ自分のブログがカスいからって人のを叩くんじゃねぇよ。貴様に文才と才能がねぇからてめえのブログはカスなんだよぉ」

 

「でもエレク先輩ブランゼルを作った奴は天才だって言ってたよね。俺はこんなに汎用性の高いのは作れないって」

 

「あ?」

 

「あらあら、な~んだ結局嫉妬してたのはあなたじゃない。うん、大人気なかったわね~。あなたが頼むのならラボを見学させてあげても良くってよぉ~」

 

「ルールーだって魔力変換資質再現アーマーの話を聞いたとき、『ありふれた物を優秀に作ることはできるけど、私には一から創造することはできない。それができるのが本当の天才だ』って言ってたじゃん」

 

「あ!」

 

「「…………………」」

 

「こんにちは、ルーテシア・アルピーノさんですよね。私はエレク・クレイヴェルです。本日はお招きいただき本当にありがとうございます」

 

「いえいえ、こちらもこんな遠い所までお越しいただきありがとうございます。自然しかないところではありますが、ゆっくりしていって下さいね」

 

「うわ、出会いからやり直しやがった」

 

「流石にこれは予想できなかった」

 

「御二人はもう仲良くなられたのですね」

 

「アインハルトさん、それは違うと思いますよ」

 

 

 

 

 

「こんちは~」

 

「うわ、前にいきなりアインハルトを海に突き落とした子供‼」

 

「スバル、あんたどんな覚え方してんのよ」

 

「だってあの時のインパクトが大き過ぎて」

 

「ちょっと待って下さい‼俺ってそんなイメージなんですか!?」

 

「「うん」」

 

「くそっ、仲良しかよ‼」

 

 

 

 

 

「エリオ・モンディアルです。今回はよろしくお願いします」

 

「キャロ・ル・ルシエって言います」

 

「こんちはー。エレク・クレイヴェルです。エリオって呼んで良い?」

 

「うん。僕もエレクと呼ばせてもらうね」

 

「私もキャロでいいです」

 

「突然だけど、デバイスのメンテ無料でやるから戦闘データくれない?」

 

というようにエレクは楽しく過ごした。




次回は模擬戦できたら良いな~
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