「エレくんは?」
「何かDSAAに出資してる会社で、エレク先輩の特許卸してるところがあるから圧力掛けに電話してくるって」
「流石エレくん!ルールの撤回を求めて圧力かけるなんて普通できないよ」
「先輩は普通じゃないですから………ルールーはアインハルトさんと何話してたの?」
「ああ、エレくんがあんな感じになっちゃったからデバイスの用意をね」
「あぁ、なるほど」
「おい、何勝手なこと言ってんだ。アインハルトのデバイスは俺が作成するぞ‼
電話を終えたのかエレクが部屋に入って来る。
「まあそれはそうなんだけど、私の人脈にはそれを専門にしてる様な
「は?そんなん聞いたことないぞ。ルールー詐欺られてねぇか?」
「八神家を知らない?」
「…八神家だと……!?」
「そうよ~」
「最後の夜天の主にして生体デバイスの権威‼多くのベルカ式デバイスを現代に復活させ、真正古代ベルカ式では並ぶ者無き実力者‼魔導師としても優秀で機動六課の部隊長も務めた八神はやてなのか!?」
「ええ」
その言葉が、終わるか終わらないかという時にエレクは席を立ち、背筋を伸ばし、頭を下げる。
「お願いしますルーテシア様‼八神はやてさんを俺に紹介して下さい‼」
「え~どうしよっかな~、詐欺られてるかもしれないしな~」
「さーせんした‼俺が間違えてました」
「うわ、変わり身早‼」
「はぁ!?俺は今ルールーと話してんだけどぉ。関係無いのに入ってくんなよ」
「……はやてさんとは私も知り合いですけど」
「チッ、幾ら欲しいんだよ。一万か?二万?」
「さ、最低だぁ‼」
「ゲコゲクォゲココォオォッォオオオ」
ドアを突き破り巨大な蛙が飛び込んでくる。
人間大の巨大なカエル。
両生類特有のみどりの皮膚は、ヌラヌラと水気を含んで光を反射する。
水掻きの付いた腕をブンブンと振り回し、人間より巨大な目玉をギョロギョロと動かしている。
「グワッゴワッゲゴォオォォオオ」
そしてロッジに響き渡るような声で鳴く。
それはまるで泣き叫んでいるかの様な悲しげな慟哭だった。
「うっ、うわぁルールーの新しいペット!?」
「奇妙な化け物‼」
「わ、私もこんなの知らないわよぉ」
ヴィヴィオが驚き後ろに倒れ込み、アインハルトが拳を構え、ガリューがルーテシアを後ろに下がらせる。
「ゲゴォゲコォゲゥゴワッグワッグワッ」
そしてこちらに一歩、一歩と踏み込んでくる。
ペタリ、ペタリと水掻きがロッジの床を叩く音がやけに大きく聞こえる。
その顔つきは無表情ながらも確かな意思を感じさせるもので、人間に根源的な恐怖を抱かせる。
「ゲグゴォゲゴォウ」
蛙が野太い声を響かせながらヴィヴィオに向かって腕を伸ばす。
「いやぁあぁああぁ」
それは恐怖したヴィヴィオにディバインバスターを撃たせた。
その砲撃は蛙の白いブヨブヨとした腹に当り、向こうの壁に叩き付ける。
そして盛大な魔力光をばら蒔きながら床に落ちリオに変身する。
「「「え!?」」」
「だ、か、ら!!バリアジャケットを纏ったら蛙になったの!!」
「ど、どういうこと」
「あれは俺の自信作だ」
「え?あれって先輩がやったんですか!?」
「そう‼そうだよ‼先輩がソルフェージュの設定を変更したのぉ」
「バリアジャケットのデザインを蛙のキグルミに固定したんだよ。デザインは勿論、質感や匂いも完璧に再現したんだぞ。それで一度変身したら勝手には解除できないようにしたんだ。一番苦労したのはあの蛙の鳴き声のボイスチェンジャーでこのプログラム組むのはすんげぇ大変だったわ」
「そんなことに才能使うな‼」
「やっぱり先輩は凄いですね。私にはとてもじゃないけどできません」
「アインハルトさん!?アレはやらなくていいことですよ‼」
「ルーテシアさんお願いします。このバリアジャケットのデザインを元に戻して下さい。お願いです。こんなのじゃDSAAに出られませんよぉ」
「それ作成した俺がマジでキモくて直視を躊躇う程だから効率的だとは思うぞ」
「やだよ‼何で女子小学生が蛙の格好で戦わなくちゃいけないのさぁ!!」
「でもそれ実はお前のいつものバリアジャケットより防御力高いよ」
「うぇ!?」
「リオ、ごめんね。私の技術じゃこのロック解除できない」
「……先輩、すみませんでした。ロックを解除してください」
「えぇ?でもほら俺って外道らしいし?」
『そういう所が外道なんだよ』という台詞をグッと飲み込みお願いする。
「お願いします。なにとぞ、なにとぞお願いします」
「エレク先輩……はやてさんを紹介するんでリオのバリアジャケット直して下さい」
「フッ、良い友達を持ったなリオ」
「そういえばDSAAの運営に圧力掛けるのは成功したの?」
「まぁ取り敢えずは経過待ちだ」
「まぁそうよね。ルール改訂してすぐに変更取り消しなんてできないわよねぇ」
「そ、だから今は現在のルールでも戦えるデバイスの開発に注力するわ」
「思ったんだけど、リオの奴で使った様なロックを掛けちゃ駄目なの?」
「俺の為にルールを改訂した位なんだぞ。ブラックボックスがある様な怪しいデバイスを認可はせんだろ」
「あぁ、そうよね」
「俺のデバイスは特に念入りに調べられるだろうしな」
「じゃあそれでもバレない様な偽装をしなきゃいけないわね」
「ああ、一応偽造データの作成はそれなりに時間掛ければできないことはないんだが、それでも相当痛い」
「まぁ諦める気はないんでしょ?」
「当然」
「じゃあ頑張んなさい。手伝い位ならやってあげるから」
「じゃあこのデバイス持ってなのはさんを不意打ちしてきて」
「死ね」
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