バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

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とりあえずでき次第投稿していきたいと思います。連載をどこまで続けるかどうかは読者の皆さんの反応を見てから決めたいと思うので遠慮せずに感想お願いします。


世紀末編
はじまり


この世にはどうしようのないクズが大勢いる。

だが、クズになったのは環境のせいでもあるのだろう。

取り巻く状況でその人の人柄が決まるのなら、今はクズでもこれからの経験で人格が変わる人がほとんどの筈だ。

これは本来なら踏み台としての役割しか果たせないようなクズの成長の記録である。

 

 

 

 

東京とある一室

 

「おい、ババア‼︎ とっとと飯もってこい‼︎」

 

そう叫ぶのはもう30といういい年にもかかわらず、一切働こうとしないでアニメ、ゲーム、2チャンネルに勤しむニートである。

 

「ババア‼︎ ババア‼︎ チッいねーのかよ使えねーな」

 

彼の両親はあまり家にいることはない。仕事が忙しいというのもあるが、家に帰ると目を背けたくなるような現実に直面しなくてはならないからだ。

そんなことはつゆ知らず、母親がいないとわかった彼はとりあえず小腹を満たすために台所へ行く。

 

「なんもねーな、ほんと使えないババアだ。」

 

そう言って戸棚の奥から餅をとりだして、焼き始める。

 

「とりあえずこれでいいか」

 

焼けた餅を皿に移し醤油をかけて口に運ぶ

 

「モグモグ……、うぐっ⁉︎ うごっ⁉︎ ウムムゥ⁉︎ ウムムムムムゥ‼︎」

 

たが、ろくに噛むことなく飲み込もうとした餅は、彼の喉につまってしまった。

 

「ウムムムゥ!!ウム!! ・・・・・・」

 

喉に詰まった餅はそのまま彼の命を奪った。

しかし彼の死を悲しむ者はいない。彼の両親は台所で倒れる彼を見つけて最初は大いに驚いた。

なぜ息子はたおれているのだ……⁉︎ と

だが病院に搬送され死亡が確認された時、両者は安堵のため息をつく。

やっと解放された……。

その溜息はまるでそう言っているかのようであった。

彼の葬式は形式上行われた。参加者は彼の両親と葬式のサクラのバイトをしている人達だけ。友人など一人も来ない、いや一人もいないと言った方がいいだろう。彼は自分に都合の悪いことが起きると癇癪を起こし周囲に当たり散らす性格であるが故に、周囲の人間は彼と関わろうともしなかった。

そして彼の死の3日後あたりで彼を育てていた両親でさえ彼のことを綺麗さっぱり忘れ去り、夫婦で海外旅行に行くなどし余生を謳歌することにしたのだった。

 

 

 

「ここは……どこだ?」

 

一方、彼は何もない白い空間を漂っていた。

 

「俺は……確か腹が減って台所で餅を食って……」

 

そこまで呟いて彼は思い出した。餅が原因で自分が死んだことを。

 

「あぁ……そうだ……俺はあの時餅を喉に……はあああああアアァ⁉︎ ふざけんなよ‼︎ なんでそんなみっともない死に方しなきゃなんないんだよ‼︎ まだクリアしてないゲームがたくさんあるんだぞ‼︎ クッソッ‼︎ あのババアのせいだ‼︎ あの時家にいなかったから俺が死んじまったじゃねーか‼︎」

 

白い空間の中で彼は逆ギレし怒鳴り散らす、しかし誰もいないので当たり散らすことも出来ず鬱憤は溜まるばかりである。

 

《目覚めたか》

 

その時どこからともなく声がした。

 

「誰だ!!」

 

《我の正体など知る必要はない、此度貴様は資格ありと認められた。》

 

「は?資格?なんだよそれ」

 

《本来であれば貴様の記憶は全て消え去りこの世の一部として溶け込むはずだった。だが貴様には記憶を持ったまま別の世界で生き直す資格がある》

 

「まさか……これって神様転生ってやつか?」

 

《好きに思うがいい》

 

「イィィヤッホォォオオオ‼︎ 来た‼︎ 来たぞ‼︎ おいっ‼︎ 神‼︎ 俺を金髪オッドアイのイケメンにしてくれ‼︎ チートもだ‼︎ あとニコポナデポも俺によこせ‼︎」

 

しかし、彼が神だと思っている存在は彼の願いに返答することはなかった。

 

《この宇宙で最も知識の発達した種族、だがそれでも出来損ないが必ず存在する一方で、素晴らしい人格を持つものもいる。なぜ同じ種でここまでの違いがあるのか、我はそれが知りたい。》

 

そう言った途端白い空間が突然消えた。そして彼は旅立つ、チートとも言えなくもない呪いをその身に伴って。

 

 

 

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