バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

10 / 70
今回は少し短めです。


王国滅亡編
新たな厄介ごと


ピリリリッピリリリッ

 

ガシャアン‼︎

 

「……まだ眠いんだよ……」

 

 

 

 

 

 

 

《ボス、遅刻です早く起きてください》

 

「……はぁ? 遅刻? ……まだそんな時間じゃ……あっ」

 

時計を見ると既に約束の時刻を2時間も過ぎている。

 

「おい、ルリなんで起こしてくれなかったんだよ」

 

不機嫌そうに相棒に問いかける。

 

《タイマーを鳴らしたところ、床に叩きつけられましたが?》

 

「……」

 

軽く天井を見上げる

 

「さっ……行くか」

 

《いつも通り、謝罪なしですね。ヨネ婆さんが見たら何と言うか……》

 

「俺を地面に叩きつけて、相棒とお揃いになったねぇ、似合ってるよ。なんて言うだろうな」

 

そんな会話を交わしながら宿を出る。

 

「あれから2年か……早いな……」

 

アントは懐かしそうに空を見上げる。

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの王国:

 

「時空管理局所属、提督のリンディ・ハラオウンです」

 

「よく来てくださいました。私がこの国の総理大臣、グエン・キクナムです。どうぞこちらへ」

 

二人は向かい合って座った。

 

「さて、今回はどういったご用件で?」

 

「はい、この度こちらでSクラス犯罪者、ジェイル・スカリエッティが目撃されたとの情報を入手しました。何か知りませんか?」

 

「はて? こちらにはそのような情報は一切入っていないが?」

 

「……そうですか。こちらでも調査してみましたところ、この辺りを拠点としているようです。何かわかったら連絡してください」

 

「そうですね、いつまでも犯罪者にうろつかれるのはこちらとしても迷惑だ。すぐに調べさせましょう」

 

「……」

 

「どうなさいましたか?」

 

「いえ、なんでもありません。では……」

 

話は終わったとリンディは席を立つ。

 

「おや、もう行ってしまわれるのですか?食事の準備をしてありますが……」

 

「いえ、この後も用事があるので遠慮させていただきます」

 

「そうですか、ではまたの機会を」

 

 

 

 

城を出ると息子のクロノ・ハラオウンが待っていた。

 

「かあ……艦長どうでしたか?」

 

「怪しいわね。何かを隠してる感じはするけど、確証は得られなかった。調査を継続してちょうだい」

 

「了解です」

 

 

 

 

 

リンディが去ったあと、グエンは苛立たしげに机を蹴飛ばす。

 

「くっ‼︎ あの女狐め‼︎ 勘付かれたか? だがあと少しだ‼︎ いつまでも従ってると思ったら大間違いだぞ、管理局‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

どこかの遺跡前:

 

「よう、ジジイ。待たせたか?」

 

「いや、ルリ君から連絡が来てたよ。2時間ほど遅れると」

 

「なんだ、急ぐことなかったな」

 

《ボスは最初から急いでなんていませんでしたよ》

 

「結構知り合って長いんだ。私もよく知っているよ」

 

アントと親しく会話する紳士風な壮年の男の名はロイ・ベルリネッタ。

アントが傭兵や護衛、遺跡探索をするようになった時、偶然ほかの遺跡で出会って以来意気投合し、たまにこうして一緒に探索したりもしている。

 

「あんた、確か社長だよな? こんなとこ来てていいのか?」

 

「私だってたまには息抜きしたくなるものさ、そんなことより早く行くとしよう」

 

「ジジイに振り回される部下が不憫だな」

 

「趣味はやめられなくてね。なに、家族への口止め料や給料アップしたりしているから大丈夫さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……」

 

遺跡に入って行く二人を遠くから見つめる男がいた。

 

「ドクター、例の遺跡に二人入りました。如何しましょう?」

 

『ふむ、目撃者はいない方がいいね。二人とも始末してくれたまえ。そして例の物を必ず見つけ出すんだ』

 

「了解です。ドクター」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今のところ順調だな」

 

「ああ、だが油断は禁物だ。何が起こるかわからないよ」

 

二人は慎重に奥へ進んで行く。

 

その時だ

 

《ボス、なにかが急接近してきます》

 

「そうみたいだな、なんか音がするし」

 

「何? 何も聞こえないが……」

 

二人は息を潜めて耳をすませる。

 

ガシャン、ガシャン、ガシャン

 

「ああ、確かに聞こえる。何かがこちらに向かって来ている?」

 

近付いてくるにつれその正体が明らかになる。

 

「ガジェット⁉︎ なんでこんなところに⁉︎」

 

「下がれ、ジジイ。剣に当たるぞ」

 

剣を振りかぶり斬りかかる。

 

ガジェットは一撃で真っ二つになった。

 

「やったか。にしてもなんでこんなところに……」

 

ロイ爺さんが近づこうとするが、

 

「待て、奴ら何体もいるようだ」

 

奥の方からさらに4体のガジェットが現れた。

 

「これじゃきりがねえな……」

 

流石にジジイを守りながらこの数は相手できない。

 

「……よし、逃げるぞ、ジジイ」

 

走り出す二人だったが、正体不明のガジェットはどこまでも追いかけてくる。

 

「こいつらしつこ過ぎるだろ……」

 

「こっちだ‼︎ アント君‼︎」

 

扉の方からジジイが呼びかける。

 

「よし」

 

入ってすぐに扉を閉める。

 

メキャ‼︎ ガシャガシャン‼︎

 

扉にガジェット達がぶつかる音がするが扉はビクともしない。

 

「ふぅ、ひとまずなんとかなったか」

 

「あのガジェット達は最新型だった。つまりこれは遺跡のトラップじゃなくて同業者の仕業か?」

 

「そうかもしれない」

 

一息ついてから改めて周囲を見渡すと、厳かな雰囲気が漂う部屋だった。

 

「ここは何だ?」

 

「とりあえず調べてみようか」

 

二人は部屋を調べ始める。

 

「ん? なにか仕掛けがあるな」

 

「気をつけろよ、罠かもしれない」

 

「その時は任せるよ」

 

ロイ爺さんが仕掛けを解くと突然部屋が動き出した。

 

「な⁉︎」

 

「部屋が……⁉︎」

 

突然動き出した部屋に警戒をしていると二人の前に金色に輝く宝石が現れた。

 

「……これは……美しい……」

 

それを見たロイ爺さんが感嘆した。

 

「お宝っぽいがめっちゃ怪しいな。回収しておこう」

 

アントはその怪しい宝石を回収しようと近づいた時、

 

ドゴォォオン‼︎

 

けたたましい音と共に扉が破られた。

 

「なっ⁉︎」

 

そこにいたのは灰色の髪をしていて、赤い目をもった筋肉質でローブを着こんだ大男だった。

 

「それに触れるのはやめてもらおうか」

 

男の突然の乱入に一瞬呆然としていたアントだったがすぐに態勢を立て直した。

 

「お前だな?俺たちにそこのポンコツをけしかけた犯人は」

 

「トラップの解除とついでに侵入者の抹殺も命じてあったんだが、逃げ切っていたか。まあいい、大人しくしていれば苦痛なく終わらせてやる」

 

「誰がどうやっても痛いからお断りするわ」

 

「そうか、残念だ」

 

男が殴りかかってくる。

 

速い⁉︎

 

「ッ‼︎ ジジイ、下がれ‼︎」

 

アントは剣で防御した。

 

だがあまりの拳圧に吹っ飛ばされ壁の中にめり込んだ。

 

「アント君‼︎」

 

男はアントを殴り飛ばしたあと、黄金の宝石に手を伸ばす。

 

「とりあえず目的の物を回収してから、残りの一人を始末するとしよう」

 

だが、男が宝石を手に持った瞬間、遺跡が崩れ始めた。

 

「罠か……遺跡が崩壊をはじめたようだな、これ以上時間をかけるのは危険か」

 

男は動じることなく小さい機械を取り出すとワープして逃げて行った

 

「くっ‼︎ アント君‼︎ しっかりするんだ‼︎ 逃げるぞ‼︎」

 

ロイ爺さんは壁を掘り起こそうとするが、ロイ爺さんの真上から天井が落下して来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

崩れゆく遺跡を男は遠くから眺める。

 

「あれから逃げ切ることはないだろう。ドクターの元へ帰るか」

 

生存は難しいと判断すると、自身の生みの親の元へ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

謎の男が去った後、誰もいないはずの遺跡の瓦礫が動き出した。

 

「ブハァ‼︎ はぁ……はぁ……おい、ジジイ生きてるか?」

 

アントである

 

「はぁ……はあ……ああ、でも足を負傷したみたいだ」

 

「野郎、随分好き勝手やってくれたな……」

 

どうしてくれようかと考えいるとアントの頭上から声が聞こえた。

 

「そこを動くな‼︎」

 

「時空管理局だ。少し話を聞かせてもらおうか」

 

真っ黒な格好をした青年がゆっくり近づいてきた。

 

「……正体不明の襲撃者の次は管理局かよ……ついてねえ」

 

「ここは大人しくしよう。別にやましいことなんてないんだ」

 

 




どう話を展開させるか悩んでいたら連日投稿できなかった・・・
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。