バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

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いつも思うけどUAってなんだろう?


分からず屋なら無視しよう

「よくやってくれたね。番外のナンバーズ、ガーラ」

 

「ハッ」

 

「これが例のレリックですか? ドクター」

 

「その通りだよウーノ。これは普通のレリックとは違ってエネルギーがとても安定している上に遥かに魔力量が多い。伝承の通りなら伝説の復活だってできるかもしれない」

 

「伝説……ですか?」

 

「その通り。古代ベルカ時代から現代まで語り継がれてきた伝説を蘇らせるのさ。ああ、そういえば侵入者達はどうなったんだい?」

 

「始末して来ました。瓦礫に埋もれていると思われます」

 

「よろしい、ならば早速研究を始めよう。ついてきたまえ、二人とも」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次元艦アースラ:

 

「……あれ? 牢屋?」

 

アントは牢屋に入れられていた。

 

 

ここまで嫌なことが起こりっぱなしなのに、癇癪を起こすことはない。ヨネ婆さんが死んでからアントは変わった。

 

 

「スプーン無いかな? プリズンなんとかの真似とかできそう」

 

すると先程の真っ黒な青年がやってきた。

 

「さて、話を聞かせてもらおうか」

 

「その前になにも悪いことしてないんだし、出してくんない?」

 

「黙れ‼︎ お前が無実かどうかはこちらで判断する‼︎」

 

「ジジイはどうなった?」

 

「詳細を聞いた後でご家族に引き渡した。まさかあの有名ジュエリーショップの社長とは思わなかったが……」

 

「あちゃー、ジジイも今回で家族にはこってり絞られるんだろうなぁ。あとで連絡してみよう」

 

「お前のことも聞いたよ。傭兵アント、見た目は子供だが依頼すれば100%やり遂げる凄腕なんだって?」

 

「おおっ、突然褒められるとお前がいいやつに見えてくるな」

 

「ふん、傭兵風情が。どうせ簡単な依頼ばかり受けてるんだろう?調子にのるな」

 

「あっ、ダメだ一瞬で嫌いになったわ」

 

「そんなことより何があったか説明してもらおうか」

 

俺は渋々あの遺跡で起こったことを説明した。

 

「ふむ、ロイ氏が言ったことと一致しているな」

 

「わかったらとっとと牢屋から出してくれ」

 

「ダメだ。ロイ氏は趣味の遺跡探索をしていて巻き込まれたと判断したが、身元不明の傭兵を簡単に出すわけにはいかない。今回の事件に何か関係しているかも知れないしな」

 

「いや、無関係だから。金持ちと貧乏人差別してねえ?っていうか犯人だって確定してないのに牢屋に入れるとか完全に違法じゃん。訴えるぞ管理局」

 

「遺跡に押しつぶされたのにほぼ無傷で、身元不明の傭兵。牢屋に入れるには十分な理由だ。わかったら大人しくしていろ‼︎」

 

言うだけ言って真っ黒な青年は去って行った。

 

 

 

 

 

 

「よし、脱獄するか」

 

しばらくして睡眠をたっぷりとったアントはそう呟いた。

 

ボキッバキッ

 

関節を次々と外していき、牢の隙間から外へ抜け出す。

 

「ふぅ、小さい体ってこういうとき便利だな」

 

関節をはめ直しながらルリを探しに行く。

 

 

 

 

 

途中で食糧庫を見つけた。

 

グウゥゥゥ

 

「……そういやもう昼か……」

 

食糧庫の食材を持って食堂に忍び込みチャーハンを作ることにする。

 

「あれ? ウェイパーがないな」

 

しかも本格的なチャーハンにこだわっている。

 

「いただきます」

 

チャーハンを食っているとサイレンが聞こえて来た。

 

「脱獄だ‼︎ 総員警戒態勢に移れ‼︎」

 

局員たちの足音が聞こえてくる。

 

「よし、そろそろ行くか」

 

 

 

 

廊下を走っていると整備室と書かれた扉が見えてきた。

 

「この部屋かな?」

 

入ってみるとたくさんのデバイスがあり、ルリが籠の中に入っていた。

 

「あったあった」

 

《ボス‼︎ 気を付けて‼︎》

 

近づくとルリが注意してくる。

 

「わかってる」

 

後ろからのバインド攻撃をしゃがんで避ける。

 

「躱した⁉︎」

 

後ろにいたのはさっきの青年だった。

 

「待ち伏せしてたみたいだけど、なんとなく気配でわかるぞ。黒ちゃん」

 

「誰が黒ちゃんだ⁉︎ 僕はクロノ・ハラオウンだ‼︎」

 

「クロちゃんであってんじゃん」

 

「黙れ‼︎ お前に逃げ道はない‼︎ 観念しろ‼︎」

 

「道ならあるよ、あんたの後ろに」

 

そう言ってアントはルリを手に取るとまっすぐクロノに向かって行く

 

「なっ⁉︎」

 

アントの予想外の行動を見て慌てて魔力弾を放つ

だが、全て当たらない

 

「くっ‼︎ なんで当たらないんだ‼︎」

 

魔力を使ってるわけではない、ただの先読みだけで躱している。

 

「じゃーな」

 

そのままクロノの脇を走り抜ける。

 

「待てっ‼︎」

 

追いかけようと振り返るがもうそこにアントの姿はない。

 

「〜ッ‼︎ どこだ‼︎ どこに行った⁉︎」

 

そう叫ぶクロノの死角には子供一人が通れるだけの穴が空いていた。

 

 

 

 

 

 

「うまく逃げ切れたな」

 

《お見事です。ボス》

 

アントはアースラを脱出し地上に降り立っていた。

 

「さて、あの筋肉ダルマを追うとするか。やられっぱなしはなんか腹立つし」

 

《しかしどうするのですか? 手掛かりがありません》

 

「とりあえず情報を集めてみるか。一番遺跡から近くて一番大きな国に行ってみよう」

 

《了解です》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

再びアースラ:

 

「これはどういうことですか? クロノ?」

 

本部から帰ってきたリンディ・ハラオウンは珍しく語気に怒りを含ませている。

 

「か……艦長、それが……」

 

怪しい輩に脱獄された上に逃げられたと素直に説明するしかなかった。

 

「……脱獄した後にチャーハン作ってたの? ……訳がわからないわ……アント……だったかしら、聞いたことあるような……」

 

「なんでも成功率100%の凄腕の傭兵らしく10歳くらいの子供でした」

 

「子供? まぁいいわ、おそらく遺跡の件は巻き込まれただけだと思うけれどそのアントって傭兵のことも調べておいてちょうだい」

 

「了解です‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

王国の酒場:

 

「だから‼︎ 俺は見たんだよ‼︎」

「いやー、信じられねぇなあ」

「ほんとだって‼︎ この指名手配の男が夜中に散歩してたんだよ。大男と一緒にいたんだ、大男の方はフード被ってて顔はよくわからなかったが赤い目をしてた‼︎」

 

(お? ウエイター生活一週間目でそれっぽい話が出て来たな)

 

アントは情報収集ついでに生活費を稼いでいた。

 

(どれどれ?)

 

後ろからその指名手配書を盗み見る

 

(ジェイル・スカリエッティ?確か裏社会でも有名なマッドサイエンティストだったか……)

 

「お〜い、ビールおかわり〜」

 

「はい、ただいま〜」

 

考え事は仕事を終わらしてからにしよう

 

 

 

 

 

 

 

城内:

 

「おい‼︎ ジェイル・スカリエッティ‼︎ 勝手に街をうろつくなと何度言ったらわかるんだ!!」

 

「おや? ダメだったかな?」

 

「ダメに決まっているだろう⁉︎ 管理局に嗅ぎつけられたじゃないか‼︎」

 

だが、ジェイル・スカリエッティはまったく気にした様子はない。

 

「どうせいずれはバレるんだ。そこまで気にすることはないだろう。そんなことより、そろそろ実験段階に移れるんだがね」

 

「なに? そうか、やっとか。ならすぐにでも始めてくれ」

 

グエンは満足そうに命じて去って行った。

 

去ったことを確認し、隠れていたウーノが現れる。

 

「…….愚かですね、すでに悲願が叶うことはないと言うのに……」

 

「なに、彼の悲願の一部は私が叶えてやるさ。ただしその頃にはこの国は存在しないがね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アントは情報屋を訪ねていた。

 

「ジェイル・スカリエッティ?」

 

「知ってることを全部おしえてくれ」

 

「そうだな、居場所を知っているが……これっぽっちじゃなあ?」

 

「……そうか」

 

顔面をぶん殴った

 

「ほがっ‼︎ てっ手前‼︎ 何を……」

 

俺は奴の胸ぐらを掴み上げる

 

「あ?」

 

「ひっ⁉︎」

 

「ゴネてないでとっとと教えやがれ。そんくらいの金額で十分だってことは調べがついてんだよ。奴はとくに自分の居場所を隠していない。バレても困らない場所にいるからだ。違うか?」

 

「わかった言う、言うから。奴は城内にいるんだ。なんでもこの国の総理大臣に頼まれてなにやら作ってるらしい」

 

「なるほど、どうも」

 

金を置いて去ろうとする。

 

「まっ待ってくれ、お前は一体何者なんだ?」

 

「昔、似たような質問をされたことがあったな」

 

昔を思い出して軽く微笑みながら答える

 

「アントだ。アント・バーキンが俺の名前だ」

 

「あっアント⁉︎」

 

「なんだ? その反応?」

 

「お前が……いや、あなた様がアント⁉︎」

 

「え? 知ってんの?」

 

「そりゃもう‼︎ 裏社会じゃ有名ですよ‼︎ 迂闊に手を出して潰された組織は一つや二つじゃない。戦争に参加すれば必ず勝利をもたらす。裏社会屈指のマフィアのボスの護衛に選ばれ100を超える殺し屋達から守り抜いた。語ろうとしても語り尽くせない伝説の数々‼︎」

 

「へー」

 

こいつ、めっちゃ褒めてくるな。でも、そうか。色々あったもんなこの2年。気がついてみれば転生した直後に一番望んでいたチート主人公ルートに辿り着いていたみたいだ。

 

(今となっちゃどうでもいいんだよな)

 

「ついたあだ名は疲れ知らずの働きアリ」

 

「おい待て」

 

ダサい。主人公とか関係なくそこはかとなくダサい。

 

「はい?」

 

「え? アリ? 働きアリ? まじで言ってる?」

 

「あ‼︎ 今のは一番マイナーな方でした‼︎」

 

「そうか、よかった……」

 

「一番メジャーなのは地獄の使者アビスアント……」

 

「うん、わかったもう黙ろうか」

 

世間に期待した俺がバカだった……。

 

 

 

 

 

 

 

《お似合いですからしょげないでください。ボス》

 

「ほっとけ‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アースラ:

 

「艦長‼︎」

 

「どうしたの?」

 

「アントという人物の情報が揃いました‼︎」

 

「ご苦労様、資料を見せてもらってもいいかしら?」

 

「はっ‼︎」

 

「どれどれ……?」

 

 

「え……? これが…….?」

 

「はい、間違いないと思われます‼︎」

 

信じられない。10歳にも満たない子供の経歴じゃない。

 

「おそらくですが表に出ていない経歴も有ると思われます。つまり……」

 

「この倍はあるとみた方がいい、ってわけね」

 

傭兵アントか……

 

「もしかしたらジェイル・スカリエッティとも何か関係が?」

 

要注意人物だわ……

 

「艦長‼︎」

 

突然別の局員が乱入して来た。

 

「膨大な量の魔力を観測しました‼︎」

 

「何ですって⁉︎ 場所は?」

 

局員は呼吸を整えてから答える。

 

 

「王国です‼︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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