バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

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ごめんなさい。引っ越しでバタバタして書く暇がありませんでした。
また、生活が安定するまで投稿速度がかなり遅くなると思われます。ですが完結まで書きたいと思っておりますので末永くお願いします。

度々すみません。間違えて修正前の話を投稿してました。ご迷惑おかけしてごめんなさい。


ジュエルシード編
休息などなかった


「この店で一番のおすすめを下さい」

 

爺さんを尋ねた後、怪我が回復した俺はしばらく地球へ旅行することにした。やはり俺の知ってる地球ではなかったが、せっかくなので有名店で飯にしたい。

調べた結果この翠屋が高評価だとわかったので早速食べに来たのだ。

 

「そうですね、当店ではシュークリームとコーヒーの二つがおすすめです」

 

「じゃあシュークリームください」

 

「コーヒーと合わせて食べるともっと美味しくなりますよ?」

 

「……じゃあ、コーヒー追加で……」

 

この茶髪の女の人押しが強いな。苦いのはあまり好きじゃないんだけど……

 

「はい、少々お待ちください」

 

店員さんは少し微笑んで去って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

やばかった……。なんだあの美味しさは……。中毒になりそうだ。

 

翠屋の食事に満足した俺は寝泊まりしている廃墟ビルに戻ってきた。

 

《ボス、ロストロギアの反応です》

 

「は?どこで?」

 

《ここの近辺かと思われます》

 

「……よし、小遣い稼ぎに行くとするか」

 

封印してコレクターに売り飛ばそう。

 

 

 

 

 

 

現場に向かうと、でかい猫が倒れており。側では茶髪の白い魔導師と金髪の黒い魔導師が戦っていた。

 

「どうゆう状況? これ?」

 

《おそらくあの猫はロストロギアの影響を受けてしまったようです。そしてそのロストロギアを二人の魔導師が奪い合っていると思われます》

 

「なるほど、漁夫の利とは正にこのことだな」

 

あれは俺が貰うとしよう。

 

 

 

 

 

こっそりと猫に近づいていく。大丈夫、バレてない。

そして俺は猫に触れた。

 

よし、封印開始。

 

だが封印が完了してずらかろうとした時だ。

 

「ニャァゴ」

 

猫が呻いた。

 

二人の視線が猫を触る俺に移る。

 

「な⁉︎」

 

「いつの間に⁉︎」

 

「誰だ‼︎」

 

やべ……ん? 今声が三つあったような……。

 

その時、目の前を金色の光が横切りロストロギアは無くなっていた。

 

「おお、速い」

 

俺からロストロギアを奪った少女はそのまま行ってしまった。

 

「ああーっ‼︎」

 

「そんな……」

 

……なんか悪いことした気分になるな。

 

「あー、ごめんな? 飴いるか?」

 

「いらないの‼︎」

 

「君は一体なんなんだ⁉︎」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの後、話はあとでと言われた俺は、あの白い魔導師の自宅にて待機している。イタチと会話しながら。

 

「その護衛任務でな、なぜか護衛対象に毒を盛られたんだよ。問い詰めてみたら腕試ししたかったらしいんだけどよ、そもそも毒を盛って何を試す気だったんだんだろうな?護衛と関係なくないか?」

 

「へ、へえー……。なんででだろうね……?」

 

おかしい、同業者にこの話をしたら大爆笑してたのに。少し引かれてる気がする。

 

「今戻ったの。じゃあ、まずは名前から教えて欲しいの」

 

俺が楽しく談笑していたところに白い魔導師が戻ってきた。

 

「名を聞くときはまず自分から名乗れ。アント・バーキン。11歳、傭兵だ」

 

「自分から詳しく教えてくれたの……高町なのはなの」

 

「ユーノ・スクライアだよ」

 

「よし。じゃあ今日はもう解散しようか。お疲れ様でした」

 

「待って⁉︎ まだ自己紹介しかしてないの‼︎」

 

「いや、そこのイタチ君とたくさんお喋りしたし、もう十分かなって」

 

「なのはとお話ししてないの‼︎」

 

自称高町なのはが掴みかかってくる

 

「話すことなんてあったかな?」

 

「あるの‼︎ アント君はなんであんなところにいたの?」

 

「ああ、偶々この辺りを通りがかったらロストロギアの反応があったから危ないと思って様子を見に行った。そしたらロストロギアを放置して戦ってる魔導師がいて早く封印しておいた方がいいかなって思った結果ああなった」

 

「うっ……それは……ごめんなさいなの……」

 

漁夫の利を狙ってたことは言わない。その上自分は悪いことはしていない、むしろ危険物を放置してたあんた達が悪いと誘導する。そして謝らせたら勝ち。長年の経験による処世術である。

 

「まあ、あんた駆け出しだろ? 仕方ない部分もあるんだろうけどさ、私情より周囲への被害を第一に考えないと、わかるな?」

 

さらに説教をする事で完全に相手の上に立つ。これで俺は責められることはなくなった。

 

「はいなの……」

 

「そっそれは僕が悪いんだ。僕がなのはを巻き込んだから……」

 

「巻き込んだ?」

 

ユーノはこれまでの経緯を話した。

自分が掘り出したロストロギアが謎の攻撃によりこの世界にばらまかれてしまった。急いで回収しようとしたが負傷していて出来なかった。その後、偶然出会ったなのはに魔導師になってもらい回収を手伝ってもらっていたそうだ。

 

「なるほど、頑張ってたんだな」

 

「でも、私だけだときっとまた危険なことしちゃうの。お願い、手伝って欲しいの」

 

「え?」

 

「さっき傭兵って言ってたよね? 僕からもお願いだ。お金ならいくらでも出すから。手伝って欲しいんだ」

 

どうしよう、ぶっちゃけやりたくない。しばらく仕事は休んでのんびり旅行するつもりだったのに……でも、説教した手前断りにくい……しくじった。

 

「わ、わかった。その依頼、受ける」

 

「本当⁉︎」

 

「やったね、なのは‼︎」

 

終わったら絶対長期休暇取ってやる……

 

 

 

 

 

 

 

 

俺が依頼を受けてから数日経った。あの日以来ロストロギア、ジュエルシードの反応はない。特にすることもなくぶらぶらしていたらなのはから連絡が来た。

 

「温泉?」

 

「そうなの、家族と友達で温泉に行くの。アント君も来ない?」

 

「いや、俺めっちゃアウェイじゃん。空気読めてない人みたいじゃん」

 

「大丈夫なの。お父さんとお母さんはアント君のこと知ってたの」

 

知ってる? なんでだ?

 

わからないことはとりあえず置いておこう。俺は少し考えてみる。

もともと休暇するつもりで来ていたのだ。温泉くらい入ってもいいんじゃないか? 依頼人もこう言ってるし。

 

「わかった。俺も行く」

 

「よかったの。じゃあ、明日の朝8時に翠屋に来て欲しいの」

 

「はいよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「やあ、初めまして私がなのはの父、高町士郎だ。よろしく」

 

「俺がなのはの兄、高町恭也だ」

 

……殺気がすごい。なんでだ……俺はただ温泉でのんびりしたかっただけなのに……

 

「あらあら、ふふふ。なのはの母の高町桃子です。いつも翠屋に食べに来てくれてありがとう。よろしくね」

 

あの店員さん、なのはの母親だったのか。確かに翠屋へは毎日通っていたからな。

 

「なのはの姉、高町美由希です。よろしくね‼︎」

 

「あなたがアントね。私がなのはの友達、アリサ・バニングスよ」

 

「はじめまして、なのはの友達の月村すずかです」

 

「はじめまして。すずかの姉、月村忍よ」

 

「……はじめまして、アント・バーキンです。お世話になります」

 

帰ろうかな……嫌な予感してきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

「「「着いたー‼︎」」」

 

「温泉だー‼︎」

 

久しぶりの温泉にテンションが上がってしまう。

 

「ふふっ、気が早いわよ。まずは部屋に荷物を置きに行きましょう」

 

 

 

 

 

 

 

「アント君はどっちに入るの?」

 

何を聞いているんだ?

 

ガッ、ガッ

 

両肩が掴まれた。

 

「悪いななのは、アント君とはこっちで話があるんだ」

 

「そういうことだ。残念だったな。アント」

 

いや、言われなくとも男湯入る気だったんだけど。っていうか痛い痛い痛い。

 

「そっかー、じゃあユーノ君はこっちだね」

 

「きゅ⁉︎」

 

ユーノが跳ね上がった。

 

「ずるいわよ、なのは。ユーノは私が洗ってあげるんだから」

 

「きゅ‼︎ きゅきゅ‼︎」

 

なにやらこっちに来たそうにしている。

 

「ピ〜♪」

 

口笛を吹いてみるとユーノがこれ幸いとこっちに走ってくる。

 

「さーて温泉温泉♪」

 

「きゅ‼︎」

 

俺はユーノを肩に乗せ温泉に向かう。

 

「あー‼︎ ずるい‼︎」

 

「残念だったな。一番風呂は俺のものだ」

 

「論点ずれてる⁉︎」

 

誰にも俺は止められない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Side:高町恭也

 

「ふい〜」

 

突然なのはに纏わり付いた男、アント・バーキン。今回その男がどれ程の器か父さんと見極めようとなのはに連れてくるように頼んだが……

 

「いい〜湯〜だ〜な〜♪」

 

本気で温泉を楽しんでいると言うこと以外、よくわからない。しいて言うなら……

 

「アント、お前は何か格闘技をやっているのか?」

 

「いや? 特に何も」

 

「ふむ、その割には軸がしっかりしている。そして何より隙がないね」

 

そう、アントには隙がない。まるで常に戦場に立っていると言わんばかりだ。

 

「ははっ、いやー照れるなあ」

 

ユーノを洗いながらニヤニヤ照れている。

 

「冗談抜きで君はかなりの強者だね。もしかしたら恭也と張り合うレベルだ」

 

悔しいが父さんの言う通りだ。俺でも勝てるかどうかわからない。

 

「やだなぁ、流石にそれは言い過ぎ……」

 

「よし、なら今度手合わせしてみないか?」

 

「……そんな物騒な話はまた今度ってことで」

 

そう言うとアントは温泉に溶けるようにふにゃふにゃになった。

 

「あ〜、染みるぅ〜」

 

「まあ、そうだな。今は温泉を楽しもうか、恭也」

 

「そうしよう、父さん」

 

いつか手合わせしてみたいものだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あいつはまだ入ってるの?」

 

すでにアントを残して全員湯を出ていた。

 

「にゃははは、アント君楽しみにしてたからね」

 

「車の中で手ぬぐい頭に巻いてたしね」

 

そんな感じで会話していると

 

「あんただね? うちの子をあんな目に合わせた犯人は」

 

なのはが振り返ると大人の女性が自分を見ていた。

 

「騒ぐんじゃないよ、騒いだらこの場にいるアンタのお友達がどうなっても知らないよ」

 

小声でそう告げてきた。

 

「な⁉︎」

 

「さて、よくも邪魔してくれたね。なんなら今すぐあんたを噛みちぎってやりたいところだ」

 

殺気がなのはにぶつけられる。

 

「ひっ‼︎」

 

初めての本物の殺気に当てられ、なのはは床にへたり込んだ。

 

「なのは‼︎」

 

「ははっなんだい? 腰が抜けたのかい? この程度なら気にする必要なんてなかったね」

 

「ちょっと‼︎ あんた‼︎ なのはに何してるのよ‼︎」

 

アリサが怒鳴り散らした。

 

「だ、ダメ……アリサちゃん……」

 

忠告したいが恐怖で声が出ない。

 

「おや? お友達に守ってもらうなんて情けない娘だね」

 

「なんですって⁉︎ あんた失礼にも程があるでしょ‼︎ なんなのよ‼︎」

 

「……やめて……」

 

恐怖で動けなくなったなのはを見て女性は態度を変える。

 

「あら、ごめんね。人違いだったわ。子供はもうお家に帰る時間だよ」

 

そう言い残してどこかへ消えていった。

 

「なんなの⁉︎ あの人‼︎」

 

アリサは怒り続けているがなのははそれどころじゃない。

怖い、ただそれだけの感情に心が覆われ……

 

「いや〜やっぱ温泉最高だわ」

 

場違いな調子でアントが戻ってきた。

 

「あんたやっと出てきたのね」

 

「おう、あと三回は入るぞ」

 

「呆れた……まあ、いいわ。ご飯よ、着いてきなさい。なのは、立てる?」

 

「うん、大丈夫なの」

 

なのはが立ち上がる。

 

「おお、飯か。楽しみだ」

 

だが、食堂に行こうとしたアントがふとなのはに声をかけた。

 

「どうした? おもしろい顔になってるぞ?」

 

「そ、そんな変な顔してないの‼︎」

 

「そうか? ……じゃあ取り敢えず深呼吸してみな」

 

「え? なんで?」

 

「いいから」

 

「……す〜は〜」

 

「次にゆっくり周りを見渡す」

 

キョロキョロ

 

「何も怖いものなんてないだろ?」

 

「‼︎」

 

なのはは首を縦に振る。

 

「よし、何があったか知らんが落ち着けたみたいだな。なら、とっとと飯に行くぞ」

 

そう言い残してアントはさっさと先へ行ってしまった。

 

「あっ、ちょっと待ってほしいの‼︎ って速い⁉︎全力で走ってるの⁉︎」

 

すごいマイペースなの。だけど、アント君と会話して少しだけ安心できたの。

 

「待って〜‼︎ 今行くの‼︎」

 

 

 

 

 

そして夜になり、ジュエルシードの反応が発生した。

 

 

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