バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

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教える

 

 

ダァン‼︎ ダァン‼︎ ダァン‼︎

 

早朝の広場にて、クロスミラージュの銃声が響き渡っていた。

 

的へ向けて銃を撃ち続けるティアナ。ティアナとスバルは早朝鍛錬に励んでいた。

 

日々に充実感はあった。アントの鍛錬によって、少しずつだが、自分が出来ることが増えていっている気はする。だが、それでもまだティアナの心のモヤモヤは晴れなかった。

 

もっと強く。その思いは、もはや強迫観念に近いものとなっていた。

 

「これじゃダメね、修正しないと……」

 

難しい表情で微調整をするティアナ。

 

「まだまだアントさんの腕前には追いつけてない……」

 

一撃の重みも、速さも、防御力も、そして魔力も、負けているものは一つもない。なのに──勝てる気がしなかった。

 

魔力量が少ないというのは、魔導師にとっては最も致命的な弱点。

でもアントさんは気にしていない。むしろその弱点を利用してる節まである。

 

そして、なんといっても隊長達とは違う異様なオーラ。

不用意に手を出そうものなら、大怪我することになりそうな、そんな恐ろしさがあった。

 

どうすれば、あれほどの域まで達することができるのか──

 

「遅いな。的に合わせてからバン、そうじゃない」

 

「ひゃあ⁉︎」

 

突然、真横から声をかけられた。驚きのあまりティアナは声を上げてしまう。

 

「アントさん⁉︎ いつの間に⁉︎」

 

「広場にはずっといたぞ、気付かなかったか?」

 

アントは、そう言うと的へ向かって指をさした。

 

「銃口で相手を()()()、スーッとな。交わった瞬間トリガーを引けば当たる。見てな」

 

ドドドン‼︎

 

横一列になっていた的がほぼ同時に撃ち抜かれた。

 

「敵は動いてるモンだから、追っつかねえと当たらねえぞ」

 

銃をしまうアント。未だにティアナが呆然としていると、少し離れた場所からスバルが駆けつけてきた。

 

「アントさーん‼︎」

 

凄まじい勢いでアントの前まで来ると、キキーッと急ブレーキをかけてとまった。

 

「アントさん‼︎ おはようございます‼︎」

 

スバルの大声によって耳がキーンッとなるアント。

 

「…………おはよう、元気なのはいい事だ。でも声量は下げてくれ」

 

「あ、すいません‼︎」

 

スバルは声のボリュームを少し下げ、改めてアントに問いかける。

 

「アントさん、これから早朝鍛錬ですか?」

 

「いや、一通り終わったから、そろそろ帰ろうと思ってたところだ」

 

「えぇ⁉︎ あたし達より早くいたんですか⁉︎ いつからここに?」

 

「ん? あー、日が昇った直後くらい、か? 今日は少し寝坊しちまったけど」

 

「「っ⁉︎」」

 

驚くティアナとスバル。まさか自分達より早く起きている人がいるとは思わなかったのだ。

 

「毎朝やってるんですか?」

 

「ああ、十年くらいやってる。偶にサボるけどな」

 

「「……」」

 

十年。自分達の年齢の半分以上だ。それだけの長期間、鍛錬に励み続けていたという事実を知り、ティアナは唇を噛み締めた。

 

「……やっぱり強くなるには、それくらいしないとダメなんだ……」

 

ティアナがポツリと独り言を漏らす。すると、アントは眉をしかめた。

 

「いや、強くなるため、というより惰性だぞ?」

 

「「へ?」」

 

予想外過ぎる言葉に思わず素っ頓狂な声を上げてしまった二人。

 

「そんなストイックな性格してないしなぁ」

 

「じゃ、じゃあ、なんで十年も……」

 

強くなるためではないなら、何故そんなに続けているのか。当然すぎるティアナの問いに、アントは飄々と答えた。

 

「俺の師匠的な人に、お前は才能ないんだから毎朝欠かさず鍛錬しろって言われてな、それからずっと続けてる」

 

「へぇ〜、やっぱり真面目じゃないですか」

 

スバルの言葉にアントは苦笑いを浮かべた。

 

「いや、最初そう言われた時はめっちゃ反発した。やってられるかクソババアッ、てな。その度に鉄拳制裁食らってたわ」

 

くはははっ、と笑うアント。

 

「ク、クソババア……?」

 

「……本当ですか?」

 

とても今のアントからは想像できない。スバルとティアナは信じられないといった表情を浮かべた。

 

「くはははっ、まぁ、結局は色々と受け継いじまったんだけどな。邪魔して悪かった、気にせず続けてくれ」

 

アントはそう言い残すと、片手を振りながら二人から離れていった。

 

去っていくアントを見ながら、ティアナは心の中で考える。

 

自分は本当に兄の意思を受け継げているのか。これが本当に、ランスターの弾丸と言えるのか。

 

分からない。本当にこれでいいのか。でも、それでも──

 

「ねぇ、ティア、昨日言ってたコンビネーションの特訓はやらないの?」

 

「そうね……やりましょう」

 

あたしは止まれない。立ち止まっている暇なんてない。

 

『強くなる』

 

ただそれだけのためなら、あたしは何だってやる。

 

ティアナは胸にモヤモヤを抱えつつも、鍛練を開始するのだった。

 

 

 

広場から少し離れた頃、ルリはアントに問いかける。

 

《止めないのですか? どう見ても、あの二人は迷走しているようですが?》

 

「んー? いや、止めねえよ。これは、あいつらにとって必要なことだ」

 

《おや? 随分と気に入ってるようですね?》

 

「まぁな、数日間とはいえ教導したんだ。強くなってもらいたいさ」

 

そう言いつつ、タバコを咥えるアント。

 

「……一応、なのはに頼んでおくか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それから数日後、なのはによるスターズの模擬戦が始まろうとしていた。

 

アントはフェイト達と共に少し離れた場所から眺めていた。

 

「なあ、アント、なのはと何かあったのか?」

 

不思議そうに尋ねるヴィータ。

 

「ん? なんでそう思うんだ?」

 

「いや、なんて言うか……妙にぎこちないような気がしてな」

 

「そうか?」

 

「うん、なんか違和感を感じるよ? 何か心当たりとか……」

 

心配そうなフェイトに対し、アントは何事もなかったと言うように手を振った。

 

「まあ、今はこの模擬戦を見ようぜ」

 

目線をフェイト達から訓練場へ移す。

 

すでに模擬戦は始まっていた。

 

だが、そこで繰り広げられていた戦闘は、なのは達が訓練にて教えた戦い方ではなかった。

 

本来なら援護する筈のティアナは見当たらず、なのはとスバルが一対一で戦っていた。

 

「あ? なにやってんだ、あいつら?」

 

二人の動きに、ヴィータが困惑する。

 

「どうしちゃったのかな?スバル、ティアナ」

 

同じく困惑した様子で眺めるフェイト達。

 

戦闘中のなのはの表情が、悲しそうに曇る。

 

そんな中、アントの表情は変わらない。だが、目線は別のものを捉えていた。

 

アントの視線の先で光が灯った。なのはとスバルが戦っている場所からは少し離れた場所だ。

 

ティアナだった。

 

遠い位置からクロスミラージュを構えている。

 

そのクロスミラージュの先に、魔力が収束している。

 

「砲撃?ティアナが?」

 

驚くなのは。

 

『特訓成果、クロスシフトC。行くわよ、スバル‼︎』

 

「おう‼︎」

 

スバルはカードリッジを一発消費し、ローラーでなのはに突撃する。

 

「うおぉぉぉぉりゃあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

魔力により強化されたナックルがなのはに突き出される。

 

「くっ‼︎」

 

ガッ‼︎

 

バリアでナックルを防ぐなのはだったが、スバルは強引に押し込んでくる。

 

ガガガガガガガッ‼︎

 

お互いの魔力が弾け、衝撃が周囲に響く。

 

最初は押していたスバルだったが、徐々になのはに押し戻されている。

 

「ティ、ティア‼︎」

 

歯を食いしばり、なのはの圧力に耐えるスバル。

 

スバルを押し込みながらも、なのははティアナの砲撃を警戒する。

 

不意に、ティアナの姿がゆらいで消えた。

 

「幻影……⁉︎」

 

なのはは周囲を素早く見渡す。

 

すぐにウイングロードを走るティアナを捉えた。

 

手にするクロスミラージュの先端から、オレンジ色の魔力刃が突き出ているのが見える。

 

「バリアを切り裂いて、フィールドを突き抜ける‼︎」

 

ループ状になっているウイングロードを一気に駆け上がったティアナは、頂点からなのはめがけて飛び降りた。

 

「一撃必殺‼︎」

 

スバルがなのはを抑え、ティアナが頭上から攻撃を仕掛ける。

 

「でぇあぁぁぁぁぁぁ‼︎」

 

その瞬間、なのはの目がスッと冷たいものになった。

 

「……レイジングハート、モードリリース」

 

次の瞬間、凄まじい爆煙が三人を包む。

 

やがて、徐々に煙が晴れ、なのはの姿が現れた。

 

「二人とも……どうしちゃったのかな……」

 

煙が完全に晴れると、二人の特攻は両手で止められていた。

 

「あ……ぁ……」

 

「え…………」

 

狼狽える二人。魔力刃をじかに掴んでいるためか、なのはの手からは血が流れていた。

 

「頑張ってるのは分かるけど、模擬戦は喧嘩じゃないんだよ? 練習の時だけ言うこと聞いてるふりで、本番でこんな危険な無茶するなら、練習の意味、無いじゃない」

 

「あ……」

 

「ちゃんとさ、練習通りやろうよ。私の言ってること、私の訓練、そんなに間違ってる……?」

 

「っ‼︎」

 

ティアナは魔力刃をしまい距離をとった。

 

「あたしは……‼︎ もう誰も失いたくないから‼︎ 無くしたくないから……‼︎」

 

「ティア……」

 

「だから……強くなりたいんです‼︎」

 

なのははティアナへ指を向けた。

 

「……少し、頭冷やそうか」

 

「あっ……」

 

「クロスファイヤー」

 

なのはの指先に魔力が収束する。

 

「ファントムブレ──」

 

「シュート」

 

砲撃を放とうとしていたティアナに、なのはの砲撃が直撃した。

 

「ティア⁉︎ ──っ⁉︎ バインド⁉︎」

 

駆け寄ろうとしたスバルだったが、すでになのはに動きを封じられていた。

 

「じっとして、よく見てなさい」

 

スバルにそう言うと、すでに気を半分失っているティアナに向け、なのはは再び魔力を収束する。

 

「っ⁉︎ なのはさん⁉︎」

 

スバルの呼びかけも虚しく、砲撃は容赦なく放たれた。

 

ドッゴォォオン‼︎

 

再び直撃した。

 

完全に気を失い、力なく落ちていくティアナ。

 

「ティアーーーーー‼︎」

 

ヴィータは険しい表情で、フェイト、キャロ、エリオは哀しげな表情でその様子を眺めていた。

 

だが、そんな中、エリオは先程まで隣にいた人物が消えているのに気付いた。

 

「あれ……? 兄さん……?」

 

 

 

アントはすでに訓練場を後にしていた。

 

《よいのですか?》

 

「決着は付いただろ? あの二人にはいい経験になるだろうさ」

 

立ち止まり、遠目にティアナとスバルを振り返る。

 

「痛みを伴わない教訓には意義がない、か。まったくもってその通りだよな」

 

歩き始め、アントは訓練場から離れていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その夜、なのははモニターを操作して何やら作業をしていた。

 

何者かが近付いてくる気配を感じたなのはは顔を上げた。

 

「アント君……」

 

「よお、ティアナ、目え覚ましてたぞ。スバルと一緒に謝りに来てた、ご機嫌斜めって感じだったけどな。今はいないから明日の早朝に出直してこいって言っておいた」

 

「……うん、ありがとう」

 

なのはが感謝の言葉を言うと、それっきり、二人はしばらく無言だった。

 

しばらくすると、なのはがゆっくり口を開いた。

 

「……ごめんね……ちゃんと忠告してくれてたのに……」

 

謝罪するなのは。模擬戦をする数日前、なのははティアナに関してアントから話をされていたのだった。

 

「いや、あれは忠告じゃねえんだ。まぁ、わざわざ言う必要もなかったみたいだけどな」

 

「え?」

 

疑問符を浮かべるなのは。だがアントは答えず話を促す。

 

「それで? ちゃんと話しはするんだろ?」

 

「……うん、明日の朝に。話さないわけにはいかないから」

 

「……そうか」

 

なのはの意思を聞いたアントは軽く頷くと、

 

 

なのはの頭に手を乗せた。

 

 

「…………………………うにゃ⁉︎」

 

突然のことに動揺するなのは。アントは構うことなく少々乱暴に撫でる。

 

「な、な、なななな何⁉︎ どうしたの⁉︎」

 

咄嗟に手を頭にやり、撫で続けるアントの手を止める。すると、アントはからかうような笑みを浮かべた。

 

「やっといつものなのはに戻ったな」

 

「ふぇ?」

 

「昔っからそうだ。私は辛くないですって、我慢する顔は変わってねえ」

 

アントの笑みが優しいものに変わり、再びなのはの頭を撫でた。

 

「よく頑張った。辛かったろ? 教え子を叩きのめすのは」

 

「………ぁ」

 

不意になのはの瞳から涙がこぼれる。

 

「あ、あれ? なんで……」

 

拭っても拭っても、次から次へと溢れてくる。

 

「悲しかったな。一生懸命考えて、必死に教えたのに、分かってもらえなくて」

 

「……う……ぅぐっ……」

 

涙が止まらない。無意識に溢れてくる。

 

涙を流したのは、本当に久しぶりだった。

 

小さい頃、魔導師になってから数年が経った。

 

気が付けば、泣かなくなっていた。

 

堪えるのが当たり前になっていた。

 

それなのに──

 

ポフッ

 

なのはは弱々しくアントの胸元を叩く。

 

「なんで……そういうこと言うのかな……私はもう……大人なのに……みんなの先生なのに……」

 

ポカポカと叩き続けていたなのはだったが、やがてよろめくようにアントに寄りかかった。

 

「……ずるいよ……ずっと居なかったくせに……」

 

心の内を全部見透かされて、堪えられなくなってしまった。

 

アントを前にすると、どうしても弱い部分が出てしまう。弱音を吐いてしまう。

 

悔しい。全部見透かされたのが。

 

悔しい。見透かされて、励まされて、甘えてしまう自分が。

 

「っ〜‼︎」

 

ガブッ‼︎

 

「イタタタタッ⁉︎ なんだ⁉︎」

 

なのはがアントの二の腕に噛み付いた。

 

アントは驚いてなのはの頭から手を離しかけた。だが、なのはは、そうはさせないと手を重ねて抑え込む。

 

「いいって言うまで離しちゃダメ」

 

「はあ⁉︎ ならなんで噛んで──イタタタッ⁉︎」

 

有無を言わせないように、更に強く噛み付く。

 

せめてこれくらいの意趣返しをしないと、気が収まらない。

 

「イダダダッ‼︎ ごめん‼︎ 謝る‼︎ 謝るから‼︎」

 

本気で痛そうなアントの声に、なのはは若干胸がすくのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

機動六課にて、緊急アラートが鳴り響いた。

 

司令室には、はやて、グリフィスとロングアーチスタッフが敵戦力を捕捉していた。

 

「東部海上にガジェットドローン2型が出現しました‼︎」

 

「機体数、現在12機。旋回行動を続けています」

 

アルトとルキノが、敵航空戦力の状況を報告する。

 

「レリックの反応は?」

 

「現状では、付近に反応は有りません」

 

グリフィスの言葉に、アルトが答える。

 

「ただ、これ……機体速度が今までよりも大分、いえ、かなり速くなってます‼︎」

 

敵機のデータを収集していたルキノが、驚きとともに報告する。

 

「敵は航空戦力、場所は海上か。新人には荷が重いなぁ」

 

はやてはモニターに映るガジェットを見て呟いた。

 

そこに、なのはとフェイトが駆け込んでくる。

 

「「状況は?」」

 

ピッタリな呼吸で二人は聞いてきた。

 

「グリフィス君」

 

「はい」

 

はやてに促され、グリフィスは二人に状況を説明した。

 

その間にも、ガジェットの数は増えていく。

 

「航空2型、4機編隊が3隊、12機編隊が1隊‼︎」

 

アルトの声が響く。

 

「発見時から変わらず、それぞれ別の軌道で旋回飛行中です」

 

ガジェットの動きを観測していたルキノがデータを映す。

 

「場所は何もない海上。レリックの反応も無ければ、付近には海上施設も無ければ船も無い」

 

それまでガジェットの様子を伺っていたはやてはグリフィスに目を向ける。

 

「まるで撃ち落としに来いと誘っているようですね」

 

「そやね。テスタロッサ・ハラオウン執務官、どう見る?」

 

いつもの”フェイトちゃん”ではなく、仰々しい言い方をするはやて。

 

このような言い方をする時は、あくまで職務としての意見を求めている。

 

つまり、執務官としての意見を聞きたいのだ。

 

「犯人がスカリエッティなら、こちらの動きとか、航空戦力を探ろうとしてるんだと思う」

 

フェイトの意見に周囲が同意の空気になった。だが、二人の後からやって来た人物によってそれは否定される。

 

「いや、違うな。得られるなら得るだろうけど、目的はそれじゃない」

 

「違う? ならアント君はなんやと思っとるの?」

 

「ただの自慢だ」

 

「へ? 自慢?」

 

「正確には性能チェックだな。今頃『やはり私の作品は素晴らしい』なんて言って気色悪く笑ってるだろうさ」

 

「……すごい分析しますね」

 

苦笑いを浮かべるグリフィス。

 

ツヴァイは可愛らしく首を傾げた。

 

「んー? でも、そんな事のために仕掛けるのですか?」

 

「仕掛ける。アイツなら仕掛ける。奴の本性は感情を最優先に動く変態サイコナルシストだからな」

 

「じゃあどうするべきやと思う?」

 

「……俺だったら相手せず逃げる。奴の思い通りに動くのは癪だ」

 

「それは無理だ。他には?」

 

「……」

 

ピシャリとリインに言われ、アントは目でフェイトに助けを求める。

するとフェイトは苦笑しつつ助け舟を出した。

 

「とりあえず、奥の手は見せない方がいいかな」

 

フェイトは超長距離攻撃案を否定した。

 

「まあ実際、この程度の事で隊長達のリミッター解除って訳にもいかへんしな。高町教導官はどうやろ?」

 

もともと超長距離攻撃をする気は無かったのか、はやてはなのはにも意見を求めた。

 

「こっちの戦力調査が目的なら、なるべく新しい情報は出さずに、今までと同じやり方で片づけちゃう、かな」

 

作戦は決まっていたのか、はやてとグリフィスは頷いていた。

 

「うん、それで行こう」

 

はやての言葉を皮切りに、局員達は行動を開始した。

 

 

 

 

 

 




その後の司令室



「ところで、なんで腕抑えてるんや?」

「ん? いや、ちょっとな。少しヒリヒリしてるだけだ」

「怪我でもしたんか? なんや、ちょっと見せてみい」

「っ⁉︎ いや、いい‼︎ 大丈夫だ‼︎ 気にしないでくれ‼︎」

脱兎の勢いで逃げていくアント。

「……女か?」

「あ、主……何を根拠に……」

「女の勘や」

「なんかよく分からないですけど、流石はやてちゃんです‼︎」

「ツヴァイ、お前はまだ知らなくていいことだ」





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