バカは死んだら治るのか?   作:夏のレモン

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原作キャラと本格的に絡むのはまだまだ先です、早めようとも思いましましたが自分好みの作品を作りたくて始めたので自分のペースでやっていこうと思います。


出会い編
勝ち組の一歩手前


深い森の中のどこかの洞穴:side盗賊残党

 

「ひぃぃいいい‼︎」

 

どんだけしつこいんだ‼︎ アジトまで追いかけて来やがった‼︎

 

「ごめんなさい‼︎ ごめんなさい‼︎ もう許してください‼︎」

 

俺はただひたすら悪魔に懇願する。

 

「るせぇ‼︎ バラバラに逃げやがって、手間かけさせんじゃねーよ‼︎無駄に疲れたわボケ‼︎」

 

だが悪魔はこちらの言うことに耳を傾けようとしない。

 

「ったく、まぁいい。おい、質問に答えろ。この大剣について知ってること全部話せ」

 

そう言って悪魔はボスを真っ二つにした大剣を俺の前に振りかざす。

 

「しっ知りません‼︎」

 

「知らねぇだぁ? 甘えたこと言ってんじゃねーぞ。こんだけ俺に手間かけさせたんだ知らねェなんて答え認めねぇ」

 

大剣が俺の頬をかする。

 

「ひっ‼︎ ざっ、財宝‼︎ 財宝の隠し場所なら知ってる‼︎ それで許してくれ‼︎」

 

財宝という言葉を聞いた時、悪魔の目の色が変わった。

 

「財宝?」

 

よしっ手応えありだ。

 

「はいっそこらの村から徴収した金銀財宝やこの世界の国から巻き上げた国宝だって揃っています‼︎」

 

「へ〜、悪くない案内しな‼︎」

 

食いついた‼︎

 

 

 

 

 

宝の隠し場所:sideアント

 

 

 

 

ククッやっと俺にも運が回って来た。苦労した甲斐があったってもんだ。

 

「ここか?」

 

「はいっ‼︎ 間違いありませんっ‼︎」

 

そこはまるでヒラケゴマとでも言えば開きそうな感じの扉で閉ざされた洞穴だった。

 

「少々お待ちください」

 

そういうと盗賊は扉に近づき

 

「ヒラケゴマ‼︎」

 

えっ‼︎ やっぱりそれなの⁉︎

 

ゴゴゴゴゴゴッ

 

開いた‼︎

 

なんかいきなりテンプレに出会って興奮してしまう。

 

「どうぞこの奥です」

 

覗き込んで見ると山のように積み上がった金塊が見える。

 

「おおっ‼︎」

 

思わず駆け寄って確認する

 

「すげぇ‼︎ これで俺は大金持ちだ‼︎ ハハッ最初は思ってたのと違ったがとうとうここまで来たぞっ‼︎」

 

これで俺は勝ち組だ‼︎

 

 

 

 

 

 

「トジロゴマ‼︎」

 

 

……えっ?

 

 

完全に俺の中から存在が消えていた盗賊がそう叫ぶと扉が閉まり始める。

 

「なっ‼︎」

 

急いで扉に戻るが間に合わない

完全に閉じ込められた。

 

「ヒヤッハハハハハ‼︎ 所詮はガキだな‼︎ こんなアホみたいな手に引っかかるとはな‼︎」

 

あのクソモブがっ‼︎

 

「ふざけんな‼︎ ヒラケゴマ‼︎ ヒラケゴマ‼︎」

「ププッ、外からじゃねーと開かねーよバァーカァーっ‼︎」

「くそったれがぁーーっ‼︎」

 

チクショウッ奴らを全員仕留めるまで気を抜かないって決めてたのに‼︎ 金に目が眩んだ‼︎

 

「こんな扉っ‼︎」

 

大剣で斬りつけるが傷一つ入らない。

 

「ヒヒッ無駄無駄、テメーに出来んのは餓死することだけだ」

 

あと少しで全てが上手く行くところだったのに‼︎ 余計な真似しやがって‼︎

 

「じゃーな化け物‼︎ せいぜい足掻いてみな‼︎ ハーッハハハハ‼︎」

 

クソッ‼︎ なんかないか⁉︎ 宝物庫だろ⁉︎ 伝説の剣とか置いてないのか⁉︎

 

ガシャン

 

焦って動き回った拍子にレバーを下げていたみたいだ。

壁が開き水晶のような紫色の球が姿を現した。

 

「なんだこりゃ? まさか本当に伝説の兵器か?」

 

手に取ってみるがただの水晶にしか見えない。

 

「なんだよどう見たって兵器じゃねーな」

 

今欲しいものじゃない

 

アントは無造作に水晶を放り捨てる。

 

水晶が割れた、その瞬間割れた水晶の破片が光りだす。

 

「は?」

 

割れた水晶から大量の魔力が溢れ出す。魔力は渦になり天井を貫いた。

 

「なっ‼︎ なんだ⁉︎」

 

渦はさらに大きくなっていきアントを飲み込んだ。

 

「うぉぉおおおおお‼︎」

 

渦は止まらない、天井を貫き外へ出た渦は巨大な竜巻となり空へ昇っていった。

 

 

side:盗賊の残党

 

「はぁはぁ、やってやった。やってやったぞ‼︎ あの悪魔を俺が始末した‼︎」

 

生き残ったことが嬉しすぎて背後から迫ってくる竜巻に気づかない。

 

「はっははははは、あっ……」

 

これが彼の最後の言葉である。その後、竜巻に細切れにされチリになった。

 

 

 

side:老婆

 

「今夜は冷えるねぇ」

 

止む気配のない雪を窓から眺めながら老婆は編み物を続ける。

周囲には老婆の家以外何もない、この老婆は雪山に一人で暮らす変わり者であった。

 

ドサッ

 

「おや?」

 

一瞬窓に人が見えた。

 

「おやおや、こんな山奥に来るとは物好きがいたもんだ」

 

誰が来たのか確認するためにドアを開ける。

 

「子供?」

 

玄関に倒れていたのは黒い髪を持ったボロボロの少年だった。

 

「こりゃいけない」

 

老婆は急いで少年を家に運びベットに寝かせる。

 

「軽い凍傷と内出血に多数の切り傷、内臓は大丈夫だが肋骨は折れてる。それに強く頭を打っている。何があったらこんな重症になるんだい?」

 

老婆は自前の薬でなんとか治療する。

 

 

 

 

翌朝

 

 

目を開くと見覚えのない天井が見えた。

 

「……知らない天井だ」

 

馬小屋じゃない? どこだここは?

 

その時ドアの方から気配を感じる

 

「誰だ‼︎」

 

入って来たのは腰のひん曲がったシワくちゃなババアだった。

 

「目が覚めたようだね?」

 

そう言って老婆は背中に背負っていた荷物を下ろす。

 

「これ、お前さんのかい? ずいぶんでかい剣だね?」

 

老婆が持って来たのは俺がラスボスからぶんどった大剣だった。

 

「おい‼︎ ババア‼︎ それは俺のだ‼︎ 触んじゃねぇ‼︎」

 

「そんなに怒鳴らなくとも、奪いやしないよ」

 

ババアはおれの剣を脇に置き近づいてくる。

 

「なんだババア‼︎ 近づくんじゃ……うぐっ‼︎」

 

「怪我に障るからあんまり怒鳴るんじゃないよ」

 

ババアは布団をめくり触ってくる。

 

「ちょっ‼︎ おい‼︎ 人の話を・・・痛っ‼︎」

 

「うん、しばらく安静にしときゃ治るね、これなら大丈夫だ」

 

満足げにババアはうなずく。

 

「いや痛えわ‼︎ ふざけんな‼︎」

 

「お前さん名前はなんていうんだい?」

 

「聞けっ‼︎俺の話‼︎」

 

「キケかい? 変わった名前だね?」

 

「違う‼︎ よく聞け‼︎俺の名はアブソリュート・ジャッジメントだ‼︎」

 

「えっ? なんだって? アント?」

 

「なんでだ‼︎ なんでそう聞き間違える‼︎ アブソリュート・ジャッジメントだ‼︎」

 

「長いからアントでいいね」

 

「略すな‼︎ ちゃんと言えるだろう⁉︎」

 

「お腹空いてないかい?アント」

 

「だから聞いて‼︎ まだ話しは終わってないからな‼︎」

 

いますぐにでも殴りかかりたいが痛くて指一本動かせない。

 

「ほら、おかゆだ。口開けな」

 

おかゆなんて本来なら一口も食べたくはないが、今は少しでも腹に入れたい気分だ。

 

「ふんっ、たいして旨くない」

 

「おや、カブトムシの幼虫を掘り出して来たんだが、お口にあわなかったかねぇ?」

 

「ブホォーッ⁉︎」

 

カブトムシ⁉︎ 幼虫⁉︎ たしかによく見たら足みたいなの浮いてる‼︎

 

「もったいないねぇ、何すんだい」

 

「こっちのセリフだ‼︎ なんてゲテモノ食わせやがる‼︎」

 

だがババアは悪びれることなく

 

「栄養満点なんだ好き嫌いせずに食べないと大きくならないよ」

 

幼虫の頭部のような部位が乗ったスプーンを近づけてくる。

 

「おい、待てやめろ、無理だから。虫とか食えないから‼︎ やめて‼︎おいババア聞け‼︎ ぶち殺すぞ‼︎」

 

 

結局食わされた、完食しちまった。

 

「いつか殺す……絶対殺す……」

 

「そんだけ元気があればすぐ元気になりそうだね」

 

いつまでもこんな生活してられるか‼︎ こんな場所とっとと出て行ってオリ主人生をこの手で掴み取ってやる‼︎

 

 

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