世界は光と闇で出来ている。
 暖かな太陽の光。涼やかな闇の影。
 命を輝かせる光の世界。前も後ろも見えない闇の世界。
 太古の昔、闇を恐れる人間は、本能が求めるまま心安らぐ太陽の光を求めた。しかし、闇もまた人間の持つ希望を狙い、その腕を伸ばして、身体を掴み取ろうとした。

 人間は闇を、影を恐れた。
 闇もまた人間を憎み、妬み、羨み、悪感情を迸らせた。
 怒りに狂った闇が生み出したのは、影の獣。人間に害を為す悪の魔獣。

 世界の影、歴史の影において、多くの人々の血が、涙が、魂が魔獣に喰われた。

 その時、光の中から、剣を携えた戦士が現れた。

 魔を断つ剣を携えた戦士によって、人々に希望の光がまた灯った。

 それから、長き年月が経ち、魔獣は闇の中、騎士は光の中へと消え、人々はその存在を忘れ去ってしまった。

 しかし、世界は光と闇で出来ている。光がある限り、闇もまたその隣に潜んでいる……。
  第一話 遭遇()
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