自由に歩む【数多の記録】〇番目-オーバーロードの世界- 作:えーきち
歩の想定外の行動から、
なんとか復旧した、マーレとアウラ。
そんな2人と歩は、
スタッフ·オブ·アインズ·ウール·ゴウンの能力確認を
自身で召喚したモンスター相手に行うモモンガの様子を眺めていた。
「歩様はやらないんですか?」
「そうだね~、そろそろかな…」
歩がそう呟くと、モモンガの能力確認が終わったところであった。
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少し時間を遡り、円卓の間での会話。
「モモンガさん、守護者達を呼び出したのはいいですが、時間があるようですけど?」
「ちょっと試したい事がありまして、第六階層の円形闘技場がちょうどいいなと。」
モモンガはスタッフ·オブ·アインズ·ウール·ゴウンの性能確認と、魔法の使用感などを試すために、階層守護者の集合までの時間に猶予を作っていた。
「歩さんも魔法とか、刀を実際振った感覚を確かめておいた方がいいんじゃないですか?
たぶん時間の余裕はあるので。」
「そうですね、少し動かしておきます。」
「あ、あの仮面は使わないようにして下さいね…ナザリックが崩壊する可能性もあるので…」
モモンガが言う仮面とは、死神の虚化の能力の事である。
以前、大群にナザリック地下大墳墓へ攻め込まれた際に、使用するまでもなかったが、歩の機嫌が非常に悪く、つい使用してしまい、敵にとっての大惨事をお見舞いした事がある。
その事を知るモモンガが、心配しての一言であった。
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歩は虚化の力を使う気など一切ないため、
能力確認が終わったモモンガと入れ替わりで、
表情も変えずスタスタと歩く。
モモンガはそんな歩の表情が、
少しだけ怖くなり、再度声をかけてしまった。
「あれは使わないですよね?」
普通であれば、これほどに念を押さなかったであろうが、歩の見た目は人間種と同様で、今は現実と化し表情は変化するのが当たり前だとモモンガは思う。
そんな中、表情を崩す事のない歩に、色んな意味で恐怖を感じているのも事実。
思わず、といった感じで、そんな言葉が出てしまった。
そんな言葉に、歩の時折でる悪戯心が擽られてしまった。
「仮面は使わないですよ…」
なんとなく、【仮面は】を強調されたように感じたが、モモンガの心境で気づけるはずもなく…。
モモンガとスレ違い、背中合わせとなった歩の姿は、一瞬にして白に変わった。
いや、死覇装は変わらないので、黒い部分も見えてはいるが、白い布を一枚羽織っていた。
隊長羽織。
背中には、【0】の文字。
零ではなく、数字の【0】。
※この意味は、BLEACHの世界編で語ろうと思う。
歩はその足を止め、
ゆっくりと刀を引き抜いた。
モモンガの召喚したモンスターに向け、
その刀の切先を向ける。
一方、モモンガが待機地点につき、
歩の方に振り向いた瞬間、隊長羽織を見て小さく言葉を漏らした。
「何かイヤな予感が…」
「卍解…神殺鎗(かみしにのやり)」
ただ何かを読むかの如く、あっさりと、
そう言葉にしたが、何も起こらない。
否、何も起きていないように見えてしまった。
何も起きなかった事に、安堵するモモンガであったが、その安堵も一瞬にして消え去ることとなる。
アガギャァア!
そんな悲鳴をあげるかの如く、叫び声を発し、
モモンガの用意したモンスターが、苦しみ出した。
かと思えば、モンスターの後側の闘技場の一部が砂煙をあげながら崩壊し、
更にその先の森林の木々が倒れゆく。
モンスターは消滅し、円形闘技場の一部は崩壊、
森林には切株の道が一直線に続き…。
「歩さん!?」
モモンガは驚きのあまり、名を呼ぶ事しか出来ず…、
精神異常無効の能力が発動する
「ボクハ キット ナニモ シテナイ」
いつもの無表情さと変わらぬまま、
カタコトの言葉で否定するものの、
微かに笑い、誰かのツッコミ待ちのように感じた、モモンガ達であった。
BLEACHがわかる方は、神殺鎗の持ち主をご存じのはずですが、
何故、歩が持っているかは、BLEACH編(GWぐらいからゆっくり書き始めたいなぁとか思ってます)で。
ある程度、オバロ編が書き終わったら、他の世界のも書いて行きます。
現状行かせたい世界での大体の筋書きや、キャラ設定、能力などは決まっているので。
長くお付き合い頂ければ幸いです。