インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

15 / 34
こんばんは皆様、大極光です。

次回は予定通り行けそうですが、来週はお休みさせてください。
そうです、我々の天敵、定期考査です…
その代わりといってはなんですが今回は1日早く投稿させていただきます。



第10話 黒き雨の襲来

2045年 某日

 

神奈川県横須賀市沖 人工島ハシラジマ

 

エーレンはこの日、デュノア社の調査の経過報告を聞くためにハシラジマに来ていた。

報告だけなら電話で構わないのだが、直接来たのは…

 

簪「エーレン、今回もあの戦艦に乗り込むの? 」

 

簪に関する理由があるからだ。

 

話は数日前に遡る…

 

 

 

 

 

 

数日前…

 

IS学園 一年生寮 屋上

 

エーレンは経過報告を聞くため、屋上に来ていた。

 

エーレン『……ほう? たった一日でそんなにですか? もうそれだけで倒産ものですね。 ……いや続けてください、徹底的にです。 ……ええ、ではまた』

 

エーレンは通信を切ると部屋に帰ろうとするが…

 

エーレン「ん? 」

 

先程使っていた軍事用の携帯ではなく、研究所用の携帯から着うた(starlog)が流れた。

 

エーレン『はい』

 

ハンス『久しぶりだな少佐!』

 

電話の相手はハンスだった。

いつもよりハイテンションなので何か成功したのだろう。

 

エーレン『ええ、お久しぶりですドクトル、元気そうでなによりです。 それで、どうしました? 』

 

ハンス『ああ、実はな、簪君の機体が完成したのだ、だから最終調整を行いたいので近々こちらに簪君を連れてきてもらえないかね? 』

 

エーレン『分かりました』

 

ハンス『よろしく頼むぞ少佐』

 

そこで通信が切れる。

エーレンも簪にメールを送り、屋上をあとにする。

そして翌日、簪から返事がもらえたため、ハシラジマに行くことになった。

 

 

 

 

 

 

 

そして冒頭に戻る。

 

エーレン「いえ、先日完成した本所の方に移設が完了したとの事なので今回からはそちらになります」

 

そんな会話をしながら地下鉄に乗り込む2人。

ハシラジマは全長十数キロの巨大人工島だ、歩きでは広すぎる。

そのためハシラジマには地下鉄やモノレールが整備されている、一応道路はあるが前者を使った方が早い、加えてハシラジマの電力は全てエターナルサイクラーで賄われている、つまり環境的にもそちらの方が良いのだ。

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

ハシラジマ海上技術研究所 第1研究室

 

ハンス「待っておったぞ少佐! 簪君!」

 

エーレン達が研究室に着くとハンスが出迎える。

 

エーレン「お待たせしましたドクトル、簪さんも連れてきましたよ」

 

ハンス「ふむ、では早速。 簪君、こっちに来てくれるかね? 」

 

簪は頷いたあと、ハンスに続く。

エーレンは研究員達に挨拶してから2人のあとを追う。

 

 

 

 

 

 

第1研究室 機体格納庫

 

格納庫の扉前で2人に追いついたエーレンはその2人と共に格納庫に入る。

格納庫には様々な機材が運び込まれており、何人もの研究員がモニターを見ながら作業を進めていた。

そして奥に鎮座するひとつの機体。

 

簪「これが…」

 

ハンス「ああ、我がハシラジマとドイツ第三帝国海軍が誇る技術の結晶だ、恐らくスペックのみなら日本…、いや世界最強だろうな」

 

エーレン「何てものを造っているんですか…」

 

エーレンは研究員から渡された簪のIS、打鉄極式のデータを見ながらそう言った。

何故エーレンがこう言ったのかと言うと、各種スペックが大幅に強化され、もはや先進国の第三世代を完全に踏襲する性能が極式は持っていた。

 

ハンス「何、少佐から送られたマルチロックオンシステムが一個大隊を同時に相手に出来るものだったからな、機体の方もそれに対応出来るようにしたのだ」

 

エーレンはハンスから話を聞いたあと、振り返ると研究員全員がサムズアップをしていた。

 

エーレン「つまり僕が原因というわけですか… まあ、それは良いとしていきなりそんな機体を簪さんが動かせるのですか? 」

 

ハンス「その辺は問題ない、まあ見ていると良い。 簪君、始めようか」

 

簪さん「はい!」

 

そう言って簪は極式に乗り、ハンスは自分のモニターの前に行き、キーボードを操作する。

それに伴い、ほかの研究員達も行動を開始する。

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

エーレン「そう言えばドクトル、よく極式の計画を連中からかっさらえましたね」

 

エーレンは作業をしながらハンスにそう言う。

 

ハンス「ああその事なんだがな、先日倉持技研から何人か来ていてな…」

 

 

 

 

 

 

 

数日前…

 

ハンス「ふむ、完成だな」

 

ハンスは極式の荷電粒子砲 春雷を完成させ、他のパーツに取り掛かろうとするが…

 

『ハンス・シューゲル第1研究室長、直ちに第3応接室まで起こし下さい。 繰り返します、ハンス・シューゲル第1研究室長、直ちに第3応接室まで起こし下さい』

 

エントランスホールからと思われるアナウンスによって妨害される。

 

ハンス「やれやれ、誰だこの忙しい時に…」

 

ハンスは愚痴りながらも部下に研究室を任せ、第3応接室に向かう。

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

ハンス「いや失礼、お待たせしてしまいましたな」

 

ハンスが応接室に着くと、数名の人物が座っていた。

 

ハンス「(なんだ倉持の連中か、適当にいなすとしよう)お互い忙しい身でしょう、ご要件をお伺いしましょう」

 

倉持重役1「ええ、我々の要求は打鉄弍式の返却です」

 

倉持重役2「今はこの研究所が保有していると聞いてね」

 

倉持重役3「搭乗者の意志らしいがコアは我々のものだ」

 

あくまで打鉄弍式は倉持のものだと主張する重役達。

それに対するハンスはと言うと…

 

ハンス「君達はIS保有のシステムを知らないのかね? ISはコアを含めて、全て国によって配布される、それがここハシラジマにあると言うことはそのコアはハシラジマのものだと認められた、ということだ。

だとすれば諸君らが行くべきなのはここではなく防衛省などではないのかね? 」

 

そう言って出されていたコーヒーを飲むハンス。

そして…

 

ハンス「それとももう行ったが断られたため、それを知らないだろうここに直談判に来た、という訳かね? 」

 

ハンスにそう言われた重役達は図星だったのか若干顔を引き攣らせる。

 

倉持重役1「で、では共同では? 共同開発ではどうでしょう? 」

 

ハンス「……呆れた、ここまで現実が見えていないとは…」

 

倉持重役2「どういう事だ!? 」

 

流石に一流企業、プライドが高いのかハンスが言っていることを理解しなければしようともしていない。

 

ハンス「お宅らと共同開発したところで機体の完成度が下がるだけだ、我々は企業では無いから一概には言えないが少なくとも技術部門においては質も誇りもそちらよりも遥かに高いレベルを保持している。

我々にはお宅らと組んだところでデメリットしか無いのだよ」

 

ハンスは淡々とそう言ってから再びコーヒーを飲む。

 

倉持重役3「あ、あれは我々の本気ではない! それに我々には第二世代シェアトップだ、メリットはいくらでも…!」

 

重役達はまだ食い下がらなかった、そしてまだ何か言おうとしたが…

 

ハンス「じゃあ本気を出してからまた来てくれたまえ、過去の栄光に縋る三流企業。 弍式…、いや極式は返還しない、力ずくで取り返したいのなら令状でも持って来るんだな」

 

そう言ってもういくら会談をしても無駄と判断したハンスは一方的に会談を打ち切り、応接室を後にした。

 

 

 

 

 

 

ハンス「こんな感じだったな」

 

一通り話し終わると、作業のほとんどが終了していた。

 

エーレン「予想よりゴミですね、連中」

 

エーレンもあんまりよく思わなかったのか、率直な感想を述べる。

 

ハンス「ああ、恐らく金のために技術者になった奴らだろうな。 誇りというものが全く感じられん、よくあれで一流企業を名乗れるな」

 

ハンスは作業終了と共に呆れながらそう言う。

すると2人のそばに極式から降りてきた簪が現れる。

 

簪「エーレン、シューゲルさん、ようやく完成です、ありがとうございます!」

 

そう言って深くお辞儀をする簪。

 

ハンス「なに、こちらもISをいじれたからな、お互い様だ。 そうだ簪君、その機体で練習したいだろう、ここの練習場を使うと良い。 おい誰か案内して差し上げろ」

 

そう言う簪は1人の研究員と研究室を後にし、エーレンはハンスと共に研究室のさらに奥へ入って行く。

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

ハシラジマ海上技術研究所 レベル5実験室

 

ハンスとエーレンはハシラジマでも最高機密の研究を行うレベル5実験室まで来ていた、簪を練習場に行かせたのはこのためである。

 

エーレン「ドクトル、何があるんです? レベル5はまだ使われていないと聞かされていたのですが」

 

エーレンは作業中にここに来るように言われたため、簪について行かずハンスとここに来ていた。

 

ハンス「済まない少佐、だが通信では周りに聞かれる可能性があるのでな…」

 

そう言いながら部屋のセキリュティを外していくハンス、直接最後の電子ロックが解除され、中に入る2人。

 

ハンス「少佐に見せたかったのはこれだ」

 

ハンスが部屋の照明を付けると部屋の奥には幾つもの硬質ガラスに囲まれた機体が鎮座していた。

紫色をベースに装甲のところどころに紫色の発光するラインが入り、さらに目のような模様がある、この世のものとは思えないほど禍々しいオーラを纏うISがそこにはあった。

 

エーレン「ドクトル、これは…」

 

ハンス「篠ノ之研究員から話は聞いているだろう。この研究所の衛星が北極の当たりで超兵器ノイズを感知してな、何人か引き連れて調査に行ったのだ。 そしてその発信源がこれだ」

 

エーレン「なっ!? ではこれは超兵器!? 」

 

ハンス「その通りだ少佐、これは超兵器、それも祖国の

ヴォルケンクラッツァー級と同等もしくはそれ以上の出力を誇る、

あくまで計算上だがな…、そしてこれは超兵器だが枢軸はもちろん連合の超兵器でもない、それどころか…」

 

エーレン「我々が保有するいかなる造船技術とも通じない艦、という訳ですね…」

 

エーレンはドイツ海軍無敵の象徴 超巨大戦艦ヴォルケンクラッツァーより強力な超兵器を前にして、思考が混乱し、辛うじてハンスの言葉に反応する。

 

ハンス「それで少佐、どうする? 私達が拾った時には内部で核爆発でも起こったみたくバラバラだった、一応ここまで形にしたが…」

 

恐らく研究を継続するのか否かを聞いていると思ったエーレンは…

 

エーレン「続けましょう、ハンス・シューゲル第1研究室長、

この超兵器、開発及び研究コード ARC-Z-690

コードネーム マキナ・インコグニタの主任研究員を任せます」

 

ハンス「了解した」

 

そう言って研究室を後にする2人。

そして簪と合流し、ハシラジマを後にした。

 

 

 

 

 

 

翌週の休み明けの放課後…

 

IS学園 寮へと続く通路

 

エーレンはいつもの練習に簪を加えて行った。

そしていつものようにエーレンがアリーナの手続きを済ませ、寮へと向っていた。

 

エーレン「(あの超兵器…、少なくとも我々の世界には存在しなかった…、そもそもIS化してあっただけであの威容、何なんだ… 我々と同じく転移して来たものなのか? しかし北極なんて戦場にすらならなかった… 一体なんなんだあれは…)」

 

エーレンが歩きながら先日の事を考えていると…

 

???「何故なんですか!」

 

突如海岸の方から声が聞こえた。

 

エーレン「あれは織斑先生に… たしかラウラ・ボーデヴィッヒさんでしたか、どうしたのでしょう? 」

 

エーレンは気にはなったがエミリア達が待っているためそこを通り過ぎた。

 

千冬「何度も言ったはずだ、私の今の仕事はここの教師だ」

 

ラウラ「ここではあなたの能力は半減します!ここの生徒はISをファッションかなにかと勘違いしています! それよりももう一度我がドイツでご指導を!」

 

千冬「自惚れるなよ小娘? たった16でもう選ばれたつもりか? 」

 

ラウラは必死に千冬を説得しようとするが千冬も自分を曲げるつもりはないらしい。

 

千冬「お前は1度ヴァルトフォーゲル兄と戦ってみろ」

 

ラウラ「エーレンフリート・ヴァルトフォーゲルですか? 何故?」

 

千冬「奴は強い、実力的な意味では中の上あたりだがな。 奴はそれを自分の技術力で戦術で情報戦で補っている。 もし奴もISをファッションかなにかと勘違いしていると思うのなら、奴に勝ってみろ。 話はそれだけだ」

 

そう言って立ち去る千冬。

残されたラウラも何かを決めたように走って行った。

 

 

 

 

 

 

翌日の放課後…

 

IS学園 アリーナ

 

エーレンはいつも通り、エミリア ギュエール セシリア 鈴 そして新たに加わったシャルルと簪と共に練習をしていた。

ちなみにアリーナの都合上、一夏達もここにいるが全員が総スルーである。

そこに…

 

ラウラ「織斑一夏! 私と戦え!」

 

一夏「断る、戦う理由がねぇよ」

 

ラウラがISを纏って一夏に勝負を仕掛けるが一夏はそれを断ったため、ラウラは自身のISシュヴァルツェア・レーゲンの88mmレール砲を一夏に向けて放つ。

しかし…

 

シャルル「ずいぶん沸点が低いんだね」

 

シャルルがIS ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡのシールドで砲弾を防ぐ。

 

ラウラ「ふん、フランスのロートル機でこの機体に挑むか!」

 

シャルル「まだ実験段階の機体よりは動けるだろうさ」

 

そう言ってニヤリと笑うシャルル。

一触即発の空気の中…

 

エーレン「お二人共一旦落ち着きましょうよ」

 

エーレンが仲介に入る、一応当たり障りのないようにしたつもりだった。

 

ラウラ「エーレンフリート・ヴァルトフォーゲルだな! ちょうど良い、私と戦え!」

 

目標を一夏からエーレンに変更したラウラはエーレンにそう言う? 」

 

エーレン「はい!? 僕とですか!? 理由が分かりません…」

 

流石のエーレンも訳が分からないようだ。

 

ラウラ「どうした? お前も逃げるのか? 織斑一夏のように」

 

エーレン「! ……良いでしょう、そのかわり他の皆さんには危害を加えないと約束出来ますか? 」

 

ラウラ「良いだろう」

 

エーレンはそれだけ聞くといつものように白衣を着て、ヴァイスを展開する。

そしてラウラ以外の人間が退避を終えたのを確認すると…

 

エーレン「行きます!」

 

エーレン対ラウラの試合はエーレンの先攻で始まった。

エーレンは牽制目的で両肩に搭載されたスティンガーミサイルを数発放つ。

しかしラウラは回避しようともしなければその場から動こうともせず…

 

ラウラ「そんなもの無駄だ!」

 

右手を突き出すと力場が発生し、その力場に突っ込んだミサイルが軒並み運動を停止する。

そして止まった所をレール砲で撃ち抜かれる。

 

エーレン「それがAICですか…」

 

エーレンも情報が無かった訳ではない。

AIC アクティブ・イナーシャル・キャンセラーはありとあらゆるものの運動を停止させることが出来る事を事前に知っておいての行動だ。

では何がしたかったのか、それはAICの弱点を証明するために行ったのだ、そしてその情報を元に…

 

エーレン「最大戦速!」

 

エーレンは右手にレギオンランス、左手にヴァイスガトリングを持って突撃、ヴァイスガトリングを発射しAICを誘発させる。

だがここでエーレンに誤算が生じる。

ヴァイスガトリングの弾丸消費が予想より早く、エーレンの突撃をラウラに対応させてしまったのだ。

そしてAICにエーレン自身も捕まるが…

 

エーレン「終わりですね」

 

エーレンはラウラにズィーガーマグナムを突きつけながらそう言う。

実はエーレン、シャルルから高速切替(ラピッドスイッチ)を教わっていたのだ。

 

ラウラ「馬鹿な…」

 

エーレン「一斉射撃!」

 

エーレンはズィーガーマグナムのトリガーと連動させて、展開していたセイライを一斉に発射しラウラを沈める。

 

『シュヴァルツェア・レーゲン、SE(シールドエネルギー)0、勝者エーレンフリート・ヴァルトフォーゲル』

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間…

 

エーレンはあのあと来た千冬にラウラを任せ、エーレン自身はアリーナの手続きをして帰って来ていた。

 

エーレン「つ、疲れた」

 

エミリア「あれ? お兄ちゃんもう寝るの? 」

 

風呂に入った後、今日の戦闘やマキナ・インコグニタのことなどで、頭も体も疲労困憊のエーレンは早めに寝ることにした。

 

エーレン「うん、今日は先に寝るよ、おやすみ」

 

エーレンはそう言うとすぐに寝てしまった。

 

 

 

 




今回はここまでです。

簪の機体、打鉄極式に関してはそのうち紹介します。

次回はいよいよクラスマッチ、はたして無事に終われるのか!?

次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦
第11話 狂気の剣閃

※ 活動報告に第7話初登場のオリキャラ 三笠結衣に関するアンケートがあります。
このあとも出番はあるので出来ればお答え頂きたく思います。

誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたら教えてください、お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。