今回は予告通りタッグマッチです。
翌日…
午後06:30
IS学園食堂
トレーニングを終えたあと、エーレンはいつメンと食事を摂っていた。
まもなくクラストーナメントなのでエーレン以外も気合いが入っているようだった。
そこに…
ドドドド…
エーレン「うん? なんですこの揺れは? 」
エーレン達は奇妙な揺れを感じていた、そしてそれが徐々に近づいているのも、しかしその正体はすぐに判明した。
「「「織斑君!」」」
「「「デュノア君!」」」
「「「エーレン君!」」」
「「「私のパートナーになってください!!!」」」
エーレン達はその揺れの正体、生徒の群れに完全に包囲されたかと思うといきなり、何かの書類を見せられた。
エーレン「えーとなになに、『今回のクラストーナメントはより実戦に近い形にするため、タッグでの開催とする』…ふむふむ、つまり個人戦ではないと… ならばシャルルさん、どうです? パートn…」
一夏「あ、いたいた。 おーいシャルルー!」
シャルル「イチカどうしたの? 」
一夏「なあシャルル、俺と組んでくれないか」
シャルル「うんいいよ」
エーレンがシャルルを誘おうとした瞬間、一夏がシャルルの元にやって来て、そのままパートナーになってしまった。
「まあ、男同士なら仕方ないね。 という事でエーレン君! 私と組もう? 」
エーレン「えーと、ほかの皆さんは…」
エーレンは周りを見ると…
エミリア「よろしくね、ギュエールお姉ちゃん!」
ギュエール「はい、こちらこそ」
一番相手にしたくたい最凶タッグが出来ていたり…
簪「本音、優勝するよ」
本音「おっけー」
連携抜群であろう幼馴染タッグが出来ていたり…
セシリア「鈴さん、あの時の雪辱を果たしますわよ!」
鈴「ええ、汚名返上しましょう!」
バランスの良い強固なタッグが出来ていたりとエーレンのタッグ相手がいなくなってしまったのだ。
ちなみに皆、口に出してはいないがシャルル含め目的は打倒エーレンであった。
というのも最近、エーレンの唯一の弱点であった実力不足が解消されつつあり、模擬戦で急激にエーレン以外の勝率が伸び悩んでいたからである。
まさに四面楚歌。
エーレン「………(33-4)」
「エーレン君、誰と組むの?」
周りの1人にそう言われ…
エーレン「そうですね… 知り合いが壊滅状態ですので当日発表の抽選に委ねます」
エーレンは 今ここで選んでもねぇ と思い、当日発表のくじ引きに頼る事にした。
そう言うと くじ引きなら公平ね と言って全員が撤収していった。
エーレンはその後、どんな相手がパートナーになっても良いようにトーナメントの日までトレーニングしながら、ありとあらゆる戦術を練っては消しの繰り返しだった。
数日後…
タッグトーナメント当日
エーレンはパートナーを確認するためにトーナメント表がある所まで来ていた。
ギュエール「艦長、エミリアちゃん、おはようございます」
エーレン「ええ、おはようございます」
エミリア「おはよう!」
ギュエールが先に来ていた、何でもいつメンの位置を調べておいてくれたらしい。
ただギュエールはエーレンの位置については言葉を濁し、トーナメント表のある1点を指さした。
そこには…
織斑一夏
シャルル・デュノア
VS
ラウラ・ボーデヴィッヒ
エーレンフリート・ヴァルトフォーゲル
そう書かれてあった。
数時間後…
アリーナ ピット内
エーレンが自分のピットに来るとすでにラウラの姿があった。
ラウラ「遅いぞ!」
エーレン「すみません、お早いですね」
エーレンはISスーツ代わりの白衣(本人は装甲白衣と命名)を着ながら返事をする。
ラウラ「まあいい、織斑一夏の相手は私だ、お前はデュノアの相手でもしていろ」
エーレン「ええ、もとよりそのつもりです。 …念のため聞いておきますが援護射撃は?」
ラウラ「必要ない、余計なことはするな」
エーレン「分かりました」
そうこうしているうちに試合開始の時間となったため、それぞれISを展開してアリーナ内に出た。
数十秒後…
反対側のピットから1回戦の対戦相手、一夏とシャルルが出てきた。
一夏「まさか最初の相手がお前らとはな」
ラウラ「ああ、待つ手間が省けた」
対面するやいなや一触即発状態になる2人。
シャルル「イチカ落ち着いて、そんなんじゃ勝てる戦いも勝てないよ」
一夏「あ、ああ、そうだなシャルル、じゃあ作戦どおりに」
シャルル「おーけー」
そう言っていると試合開始の合図がなる。
シャルル対エーレンside
エーレン「ほらほらどうしました? そんなのでは効きませんよ? 」
エーレンが挑発を含めた言葉をシャルルに投げかける。
気のせいかも知れないがエーレンの笑顔もいつもよりかなり邪悪に見える。
シャルル「ははは… ならそのバリア解除してよ…」
シャルルは半ば諦めたかのような苦笑いを浮かべる。
かれこれ10分くらいエーレンに攻撃している。
それでもアサルトライフルやショットガンを駆使し、攻撃の手は緩めない。
しかし、その攻撃はヴァイスの装甲から発生しているクラインフィールドにあっさり弾かれる。
戦況はどう見てもエーレン達が優勢であった。
もちろんこうなったのには訳がある。
それはシャルルの作戦が上手く作用しなかったからである。
シャルルは自分と相手の長所短所をきちんと理解していた、自分の武器ではヴァイスに効果的なダメージを与えられないことももちろん分かっていた。
何故かというと相手の長所である第三世代兵装、すなわちヴァイスの強制波動装甲とレーゲンのAICのためである。
どちらとも防御タイプではあるがエーレンのは面の防御に対し、ラウラのはある1点の動きを止める点の防御であった。
加えてAICはかなりの集中力を必要とする。
これらを踏まえて火力のある一夏にエーレンの相手をして貰い、シャルルがラウラの相手をすると言うのがシャルルの立てた作戦だった。
相手は連携してこないのでこの状況に持ち込むのは簡単だと考えていた。
そして白式の零落白夜がクラインフィールドを突破出来るのは悪い意味で実証済みだ。
そして、シャルルのIS ラファール・リヴァイヴ・カスタムⅡの機動力ならばレーゲンのAICに捕まる可能性も低い。
勝てる。
シャルルはそう思っていた。
しかしそんなに上手くいかなかった。
相手はまるでこちらの作戦を見抜いていたかのようにラウラが一夏に、エーレンがシャルルに向かった。
さらにエーレンはセイライを展開し、一夏とシャルルを完全に分断した。
これにより、突撃を繰り返す一夏はことごとくレーゲンのAICに止められ、シャルルも有効なダメージを与えられずエーレンと戦っていた。
シャルル「(不味いな…、どうにかして一夏と変わって貰わないとこのままじゃ負けちゃうよ…)」
シャルルは万策尽きた訳では無い、まだ手はあった。
「
これをくらえばヴァイスといえどただでは済まない。
しかし、エーレンに中々近づけない。
というのもエーレンはいつも通り、ヴァイスガトリングで敵の進路を限定させつつ、ズィーガーマグナムでトドメをさすと言った戦術をとっていた。
そのため、近づこうとすればガトリングの餌食になり、離れようとすればビットの包囲網に捕まるという状況に陥っていた。
一方エーレンはと言うと…
エーレン「(そろそろですかね…)」
エーレンはフリューゲルから送られてくるシャルルの発射弾数のデータからそろそろ弾切れではないかと考えていた。
というのも、ヴァイスガトリングが弾切れになった時に
そのため、ヴァイスガトリングの使用を極力控え、ズィーガーマグナムのみで攻撃していた。
エーレン「(まあ、状況は優勢ですし、急ぐ必要も無いのですが…。 そろそろ決着を付けますか…)」
エーレンはズィーガーマグナムの砲撃の照準をあえて甘めにして、シャルルにわざと弾を撃たせていた。
そして…
カシンッ
シャルル「あ!」
ついにシャルルの兵装の弾が尽きた。
そのスキをエーレンが見逃すはずもなく…
エーレン「今です! スティンガーミサイル一斉射撃!」
ヴァイスの両肩に搭載されている6発のスティンガーミサイルが一斉にシャルルに襲いかかる。
シャルル「うわぁ!? 」
弾が尽きたシャルルにミサイルを迎撃出来るはずもなく、一方的に攻撃に晒される。
さらに…
シャルル「何これ!? 煙と… 紙? 」
エーレン「それはチャフですよ」
エーレンの声が
シャルル「!? しまった!」
シャルルがエーレンのした事を理解した時にはもう遅かった。
エーレン「これで終わりです!」
『アタックファンクション 我王砲』
直後、ヴァイスの胸部から発射された光線がシャルルの
シャルル「はぁ〜、負けちゃったか…」
シャルルはため息をつきながら、エーレンに運ばれて行く。
エーレン「まあ、今回のは作戦勝ちですかね」
あの時エーレンはミサイルに細工をしておいたのだ。
というのも、ミサイル全ての弾頭を炸薬にしても、シャルルの
そこでエーレンはミサイル6発中、1発に煙幕、1発にチャフを入れ発射、残りの4発は炸薬のため爆発し、残りの細工ミサイル2発は遅れて着弾、煙とチャフをばら撒き、シャルルの視界を電子の目も含めて塞ぎ、そのスキにエーレンは死角を無くすためにシャルルの上をとり、我王砲でトドメをさしたのであった。
ちなみにエーレンが煙幕の中、外さずにシャルルに命中させたのかと言うと、フリューゲルのサーモグラフィー機能を使い、シャルルの位置を割り出したためである。
エーレン「さて、僕はシャルルさんをピットに送り届けたら、あのバカがボコボコにされて行く様子を高みの見物と行きましょうかね」
そう、ラウラが一夏の相手をするのを二つ返事で了承したのは誰でも良いから一夏をフルボッコにして欲しかったからである。
理由はもちろんクラス代表戦のことである。
この男、割と陰湿なのかも知れない。
シャルル「ははは…、ほんとイチカの事が嫌いなんだね」
エーレン「ええ。まあ、万が一にも負けることはn…」
無いでしょう そう言おうとしたが言えなかった、何故かというと…
ラウラ「がぁああああああ!!!」
突然ラウラの悲鳴が聞こえたからである。
数分前…
一夏対ラウラside
一夏「うおおおおおお!!」
一夏は何度目か分からない突進をする。
しかし、一夏の攻撃が当たる前にラウラのAICに捕まり、搭載されたレール砲やワイヤーブレードの攻撃に晒され、蹴りで吹き飛ばされる。
もはやテンプレと化していた。
ラウラ「ふん、この程度か。 やはり教官にはお前のような人間では無く私の方がふさわしい」
一夏「違う! 千冬姉はお前のものなんかじゃない!」
そう言うと一夏は今度は突きを放つように突進する。
ラウラ「もうその手は見飽きたぞ!」
ラウラは右手を突き出し、再び一夏の動きを止める。
だが…
一夏「まだだ! 零落白夜!」
一夏は止められた状態から零落白夜を発動、突きの構えでいたため、ビーム状の刃はAICを貫き、レーゲンの右肩に突き刺さり、レーゲンの
ラウラ「ば、ばかな…」
ラウラ「(このまま負けるのか…? 嫌だ嫌だ嫌だ!)」
《チカラガホシイカ?》
ラウラ「(ああ! よこせ!)」
《……イイダロウ》
『VTシステム 起動』
ラウラ「がぁああああああ!!!」
アリーナ 管制室
千冬「あれは… まさか!? 山田先生、すぐに全員に避難指示を!」
真耶「は、はい!」
直後管制室からアリーナ内の全員に避難指示が発令された。
アリーナ内
アリーナ内にラウラの悲鳴が鳴り響いた後、レーゲンから石油のような黒いものが出てきて、レーゲンとは別の形を作り上げる。
その姿はエーレン含め、IS関係者ならば誰もが知っているだろうものだった。
エーレン「あれは… 暮桜!? ということはあれはVTシステムなのか!? 」
VTシステム 正式名称ヴァルキリートレースシステム。
過去のIS世界大会 モントグロッソでの著名な選手の動きを模倣するシステムのことである。
しかし搭乗者の身体への負担を考慮しておらず、使用すれば命に関わるシステムという事で、今では開発・研究・生産・保有の全てが国際条約で禁止されている代物だった。
エーレン「(僕の仮説が正しいのならボーデヴィッヒさんの命が危ない、早急に何とかせねば…)」
一夏「てぇぇぇめぇぇぇ!! 千冬姉の真似なんかしやがってぇぇぇ!」
一夏が暮桜に突っ込むがあっさり躱され、それだけではなくカウンターをもらい、
エーレン「あのバカは!」
エーレンは一夏を拾い、そのままピットに戻る。
ピット内
エーレンは一夏をシャルルに任せ、自分は再びアリーナに出ようとするが…
一夏「待てよエーレン! あれは俺が倒すんだ!」
エーレン「はい? 僕でも勝てるか分からない相手を君が? 申し訳ないが君の笑えない冗談に付き合っている暇はないので失礼するよ。 シャルルさんお願いします」
シャルル「分かったよ、気をつけてね」
エーレン「もちろんです」
そういい、エーレンは管制室に連絡を繋ぎつつ、アリーナ内に戻る。
一夏がまだ何か言っていたが状況が状況なので無視しておいた。
エーレン『管制室、応答願います』
千冬『ヴァルトフォーゲル兄、何をしている! 早く避難しろ!》
通信が繋がるとすぐに千冬の怒鳴り声が聞こえる。
エーレン『しかし、僕がやらねばボーデヴィッヒさんの命に関わりますよ!? 先生も気づいているのではありませんか? あれがVTシステムだということを 』
エーレンも引き下がる気は無かった。
千冬『……ああそうだ、だから避難指示を出した、教員部隊も今大急ぎで用意してはいるが、いつまでかかるか正直分からん』
エーレン『でしたら私が行きます、許可してください! ボーデヴィッヒさんが死んでは元も子もないですよ!? 』
千冬『……分かった、許可しよう、毎度毎度すまないな…』
エーレン『いえ、問題ありません。 そこで吉報をお待ちください』
エーレンは通信を切るとズィーガーマグナムを発射する。
しかし…
エーレン「なっ!? 」
エーレンが叩き出せる最高レベルの正確さで放った一撃は無茶苦茶なスピードで躱され、さらにエーレンに急接近し、横一線に切り払われる。
エーレン「ぐは…」
エーレン自身はクラインフィールドを展開していたので壁に吹き飛ばされてもダメージはそこまでないが構えていたズィーガーマグナムは真っ二つに割られ、使い物にならなくなっていた。
エーレン「ここまでとは… ですが!」
エーレンはズィーガーマグナムの代わりにレギオンセイバーを取り出し、ヴァイスガトリングで弾幕を張りつつ急接近し、弾切れになったヴァイスガトリングを囮に使い敵の刀を誘導し、そのまま敵を切る。
しかし…
エーレン「ばかな…、速すぎる…」
ヴァイスガトリングを囮に使ったにも関わらず、暮桜はレギオンセイバーの刃をその刀で受け止めていたのだ。
エーレン「不味い!」
エーレンはスピードを強化するため、クラインフィールドに割くエネルギーを全て推力に回していたため、エーレンは現在無防備であった。
それを敵が見逃すはずもなく、再び吹き飛ばされるエーレン。
エーレン「(ここまでとは… 不味いな、ミサイルは残弾0、ビットはおそらく通用しない、射撃も近接も勝ち目なし、万策尽きたかな…)」
エーレンが初めて勝てないかも知れないと思った瞬間…
???『ふーん、じゃあ諦めるの? 』
突然、エーレンの脳内に別の人間の声が響く。
エーレン「誰です!? 」
???『うーん、まだ言えないかな? そんなことより良いの? そんなに簡単に諦めて』
エーレンは気がつくと船の甲板のような所に立っていた。
しかし、周囲は霧がかかり、何も見えない状態だった。
だがエーレンはそんなこと気にせずに見えない声と話をする。
エーレン「諦めるも何ももう打つ手がありません…、遠距離武器はあるにはありますがおそらく通用しませんし、近距離では歯が立ちません…」
???『いいえ、まだ手はあるわよ。 自分の能力を信じてみて。じゃあまたね、エーレン』
そう言われた後、エーレンは再び現実に戻される。
エーレン「自分の能力を信じて、ですか… ふっ、確かに武器が無くなった訳ではない、やるだけやってやる!」
その瞬間、エーレンの中で何かが切り替わった。
エーレンはレギオンランスでは取り回しが悪いのでレギオンセイバーを両手に持ち、敵に攻撃を仕掛ける。
当然の如く敵も応戦して来るが…
エーレン「(何です? 敵の動きが遅く… いや、敵だけではなく周りの景色まで遅く… これがさっき聞いた能力? )」
エーレンは不思議に思いつつも敵に斬撃を食らわせる。
敵も攻撃してくるがスピードがかなり下がった攻撃をエーレンは軽々と躱して行く。
さっきの状況が嘘のようだった。
そして…
エーレン「これで終わりです!」
エーレンは左手のレギオンセイバーで敵の刀を地面に突き刺し、もう片方のレギオンセイバーで敵の胴体を縦に切り開く。
すると中からラウラが出てきて、エーレンはレギオンセイバーを離し、ラウラを受け止める。
エーレン「良かった、本当に…」
エーレンはラウラが生きている事と敵が完全に沈黙したのを確認すると、急に疲労が全身を襲い、意識を手放した。
今回のはここまでです。
やはり戦闘描写難しいですね…
次回は事後処理から始まります。
次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦
第12話 ヴァルトフォーゲル家+αのお買い物
誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたら教えてください、お待ちしております。