インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

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こんばんは皆様、大極光です。

そろそろ夏休みですね〜

通算UA20000突破致しました!
これからも頑張らせていただきます!


第13話 晴天の大洋と凶報

2045年 6月某日

 

バスの中

 

臨海学校の当日、エーレン達はクラスごとにバスに乗り、目的地を目指していた。

簪は「なんで私だけ別なの…」なんて愚痴を言っていたが…

ちなみに水面下ではエーレンの隣の席争奪戦が繰り広げられていた。

その勝者はと言うと…

 

エミリア「………すう………すう………」

 

エーレンの膝を枕替わりに眠っていた。

前日楽しみすぎてあまり寝れなかったのだ。

 

シャル「そういえばエーレンは海慣れているんだっけ? 」

 

エーレンがエミリアの頭を撫でながら携帯をいじっていると通路を挟んで隣のシャルがその隣から絡んでくる一夏を無視し、エーレンに話しかけてくる。

 

エーレン「ええ、と言われましても僕は基本艦に乗っていたので海水浴は初めてですが」

 

これはエーレンのみならずドイツ全体に言えることなのだがその頃のドイツは第一次世界大戦に負け、国家レベルで貧困状態だったため、海水浴などの娯楽に当てる金があるのはごく一部の富裕層のみであった。

ヒトラー総統率いる国家社会主義ドイツ労働者党が台頭し、経済が回復した時にはエーレンは既に研究所入りを果たし、余計に娯楽に行く時間がなくなったのである。

 

ラウラ「では兄様も楽しみなんですね!」

 

エーレン「そうですね、…噂をすればなんとやら、見えてきましたね」

 

エーレンが窓の方を見ると太陽の光を反射して輝く海が広がっていた。

 

千冬『そろそろ目的地に着く、全員降車準備をしろ』

 

車載のマイクを使い、千冬がそう言う。

 

エーレン「エミリアそろそろ起きてね、もう着くからさ」

 

エーレンがエミリアの身体を揺らして起こす。

 

エミリア「う…ん… なぁに? 」

 

エミリアがトロンとした表情で目を擦りながらエーレンの膝から起き上がる。

 

「「「(可愛い…)」」」

 

クラスメイト全員シンクロ。

 

エーレン「おはよう、もう着くから降りる準備してね」

 

そう言いつつ、広げていた書類と携帯を片付けるエーレン。

そんな感じでバスは目的地である旅館に到着した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

旅館前

 

エーレン達が旅館に着き、荷物を持って整列していると、旅館の中から着物を着た女性が出てきた。

 

千冬「諸君、この方はこの旅館の女将さんだ。 …ご迷惑をおかけします」

 

千冬は全員にそう言ったあと、女将に向かって礼をする。

 

女将「いえいえ、賑やかになってこちらも嬉しいです。 …おや、そちらがもしかして件の…」

 

千冬「はいそうです。 織斑、ヴァルトフォーゲル兄、自己紹介をしろ」

 

一夏「織斑一夏です、よろしくお願いします」

 

エーレン「エーレンフリート・ヴァルトフォーゲルです、お世話になります」

 

女将「はい、こちらこそ」

 

千冬「では配られたしおりの通りに各自の部屋に行け」

 

千冬がそう言ったあと、それぞれ行動を開始する」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

旅館内

 

エーレン「織斑先生、僕の名前が記載されていないのですが? 」

 

千冬「ああ、お前達を普通の部屋にすると時間を守らない生徒が多発しそうだからな」

 

歩きながら千冬がそう言う。

 

千冬「故にお前達は教員と同じ部屋にした、織斑は私と、ヴァルトフォーゲル兄は山田先生とだ」

 

エーレン「確かにおっしゃる通りですね…、分かりました。 すみません山田先生、ご迷惑をおかけします」

 

真耶「いえ、大丈夫ですよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

海岸

 

エーレンは部屋に荷物を置いた後、買った水着に着替えてパラソルやクーラーボックス等を持って海岸に出た、ここまで重武装なのも考えものである。

 

「ねえ、あれエーレン君じゃない!? 」

 

「えっ!? 私の水着ダサくないよね? 」

 

エーレンがパラソルを設置しているとそんな声も聞こえる。

そこに…

 

???「お兄ちゃぁぁぁぁぁん!!!」

 

エーレン「おっと、…足元気をつけてね」

 

エミリア「はーい」

 

エーレンがパラソルを設置し終わった時、エミリアが魚雷よろしく突っ込んで来た。

エーレンはそれを屈んで受け止める。

 

エミリア「お兄ちゃん、どうかな? 」

 

エミリアがクルリと一回転しながらそう聞いてきた。

 

エーレン「思った通り、よく似合っているよ」

 

エミリア「ありがと、じゃあお兄ちゃん、早速泳ぎに行こうよ」

 

急かすようにエーレンの腕を引っ張るエミリア。

 

エーレン「ああ待って、その前にこれ膨らませなきゃ」

 

エーレンは持っていたカバンから灰色のビニールの塊を取り出す。

 

エミリア「何それ? 」

 

エーレン「まあ見ててよ」

 

そう言いつつ取り出した灰色の塊に電動空気入れを使い、膨らましてゆく。

すると…

 

ギュエール「エミリアちゃん、速すぎです…」

 

遅れてギュエールがやって来た。

 

エーレン「すみませんギュエールさん、ご迷惑をおかけしました」

 

ギュエール「いえ、大丈夫です。 それより艦長、あの… その… 似合っていますでしょうか…? 」

 

ギュエールが珍しく言葉を濁しながらエーレンに自身の白色のビキニタイプの水着について聞く。

 

エーレン「ええ、すごく綺麗です」

 

ギュエール「そうですか、ありがとうございます!」

 

ギュエールが一転明るくなる。

エーレンはそれを特に気にしなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

あのあとエーレンの元にはいつメンが集合し、それぞれがエーレンに水着を見せて感想を聞いた。

エーレンはそっち関連は疎いがちゃんと感想をそれぞれに述べた。

ちなみにその後、ラウラがミイラ化していたり、セシリアがエーレンにサンオイルを塗って欲しいと言ってきたので適切な塗り方を慌てて調べるエーレンがいたり、あれこれしているうちに…

 

エーレン「良し、完成です!」

 

エーレンの身長の何倍もある巨大な物体を海に放り込む。

すると軽い音のあと、一部に海水が注水され、船のように(と言うより完全に船いや艦の形をしている)水面に浮かんだ。

 

簪「エーレン、何これ…? 」

 

セシリア「戦艦のように見えますが…」

 

エーレン「良くぞ聞いてくれました!この日のために仕事の合間に作った巨大浮輪、その名も《1/144 ぼるけんくらっつぁー》です!」

 

本音・エミ「「すっごーい!」」

 

本音とエミリアは素直に感想をのべ…

 

ギュエール「また変な物を…」

 

ギュエールは頭を抱え…

 

ラウラ「兄様、これはひょっとすると…」

 

ラウラは以前資料で見たものと同じものと思い

 

シャル「エーレン、これ乗れるの? 」

 

エーレン「ええ、乗れますよ」

 

そんなこんなでエーレン達は海水浴を楽しみ始めるのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

一通り泳ぎ終えたエーレンはパラソルの影で持ってきていたジュースを飲んで休憩していた、エミリアはエーレンにもたれ掛かりウトウトしている。

ぼるけんくらっつぁーは現在、ほかの生徒にもみくちゃにされている。

やったねぼるけん、モテモテだよ!

 

とその話は置いといて…

 

ギュエール「艦長、今大丈夫でしょうか? 」

 

エーレン「ええ、問題ありません、どうしました? 」

 

ギュエール「実はビーチバレーをやる事にしたのですが人数が足りないので艦長に来て頂きたいと思いまして」

 

エーレン「分かりました行きましょう、エミリアはどうする? 」

 

エーレンは持っていた缶の中身を飲みきると隣にいるエミリアにそう聞く。

 

エミリア「行くー!」

 

ギュエール「分かりました、では行きましょうか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

ビーチバレーコート

 

ギュエールについて行くと即席で作られたようなビーチバレーコートがあった。

 

ギュエール「では早速始めましょうか」

 

エーレンがギュエールの開始の合図を聞き、ボールを弾こうとしたその時…

 

千冬「面白そうだな、私も混ぜてもらえるか? 」

 

千冬、真耶、結衣の3人がエーレン達の元にやって来た。

 

「大丈夫ですよ。そうだ! どうせなら千冬様対エーレン君にしましょう! 」

 

それにクラスメイトが悪ノリし、エーレンは苦手分野で世界最強と戦う羽目になってしまったのである。

 

 

 

 

 

「それでは織斑先生チーム対エーレン君チームの試合を始めます!」

 

クラスメイトが試合開始の合図と共にギュエールが相手陣地にボールを弾く。

 

ちなみにチーム分けは…

 

エーレンチーム

 

エーレン エミリア ギュエール

 

千冬チーム

 

千冬、真耶、結衣

 

こんな感じである。

 

エーレン「(勝てるんですかねこれ…)」

 

エミリア「お兄ちゃん! そっちいったよ!」

 

エーレン「了解! (考え事している場合ではありませんか…)」

 

エーレンは勝てる勝てないの考えを止め、ボールを弾き返す事に専念する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

旅館内

 

すっかり日が暮れ、エーレン達は現在、旅館の宴会場で夕食を食べていた。

 

エーレン「負けましたか…」

 

あの後、エーレン達は僅かな点差で負けてしまった。

 

ギュエール「まあ織斑先生相手によく戦った方では? 」

 

エミリア「そうだよお兄ちゃん」

 

エーレン「ですね、明日は色々忙しいですしいつまでも落ち込んでいては乗り切れませんね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

またまた数時間後…

 

千冬の部屋

 

千冬の部屋には箒、鈴、セシリア、シャル、ラウラ、簪、ギュエール、そしてエミリアが千冬からそれぞれ飲み物を口止め料として渡され、千冬自身はビールを飲んでいた。

メンツから分かるようにエーレンはいない、となると…

 

千冬「で、お前らはあいつらのどこが良いんだ? 」

 

突然千冬がそう切り出す。

千冬も一応女性だ、こういった話には興味が無いわけではないのだ。

 

箒「私は、同門の不出来が腹立たしかっただけです…」

 

鈴「私は… 分かりません、一夏への想いはもうありませんし、かと言ってエーレンは友達ですし」

 

セシリア「私はエーレンさんです、出会った時にあんな言動をしたにも関わらず仕方ないの一言で許してくれただけでなく、練習にも誘って下さいましたし」

 

シャル「僕もエーレンです、僕をあの地獄から救ってくれましたから」

 

ラウラ「私は兄様です、と言っても純粋な敬意のみでそう言った類の感情はありませんが…」

 

簪「私もエーレンです…、かなり無茶なお願いをしたのに笑顔で引き受けてくれて、さらにハシラジマにも誘ってくれましたし、感謝してもしきれません」

 

ギュエール「私も艦長なのですが… あまり踏み込めないと言いますか… なんと言いますか…」

 

それぞれ自分の心情を伝える。

 

千冬「ほう? だいたいヴァルトフォーゲル兄か、…その辺は妹としてどうなのだ? もしかするとこの中に未来の義姉がいるかもしれんぞ? 」

 

千冬がエミリアに顔を向けてそう言う。

未来の義姉 その言葉に若干顔を赤らめている人が数人いた。

だが…

 

エミリア「恐らくそれはありえないと思います、今のままでは…」

 

その言葉が場の空気を一転させ、全員が黙り込む。

 

千冬「…どういう事だ? お前の兄には好きな人でもいるのか? 」

 

最初に沈黙を破ったのは千冬だった。

 

エミリア「正解です、最もその人は、ユキナお姉ちゃんはもうこの世にはいませんが…」

 

エミリアが泣きそうな顔でそう言う。

 

ラウラ「辛いなら話さなくても良いぞ? 」

 

ラウラがエミリアを心配して止めようとする。

 

エミリア「ううん、大丈夫。 皆お兄ちゃんの事が好きなら知っておくべきだよ」

 

簪「……分かった、エミリア、教えて」

 

エミリア「うん、ユキナお姉ちゃん、フルネームは奥遠和雪奈、日本の巨大企業 奥遠和重工のご令嬢でその企業が独自に建造した双胴戦艦 奥遠和のメンタルモデル。

と言っても本人の適性の為であってお姉ちゃん自身は戦争なんて望んでいなかったんだけどね。

お兄ちゃんと同い年でお兄ちゃんがゼーロス艦長になる前に研修として日本にいた頃に出会った人だよ。

もうみんな察しがついてると思うけどお兄ちゃんが御付き合いしていた人でお兄ちゃんは今でもお姉ちゃん愛し続けるよ。

でもユキナお姉ちゃんは1943年の4月、日本軍は太平洋解放作戦を決行、一部の艦を除いた全艦艇がアメリカ西海岸を目指して進軍していた時、連合軍は最初で最後の反攻作戦を実行、超兵器を含む100隻近い艦隊が横須賀を目指して進撃してきた時に単艦で出撃、自らの命と引き換えにその艦隊を殲滅し、日本は太平洋を制圧したんだよ。

結果、亡くなったのは乗組員脱出までの間、1人艦橋に残ったユキナお姉ちゃんだけ…」

 

エミリアは一通り話終えると貰った飲み物を一口飲む。

 

セシリア「それで…、その後はどうなったのです? 」

 

エミリア「お兄ちゃんが第一報を聞いた時、私達は大西洋から母港へ帰還中だったからお兄ちゃんすぐに飛行機を飛ばしてもらい、日本に行ったよ、その時はまだ奥遠和が沈んだという事しか分からなかったからね、でもお兄ちゃんが日本に着いたちょうどその日に艦体のサルベージが行われて、ユキナお姉ちゃんの死亡が確認されたんだよ、まるで示し合わせたかのように、ね。

そして日本から帰ってきた時のお兄ちゃんは異常だったよ、後にも先にもその時だけだったよ、お兄ちゃんの事が怖いって思ったのは」

 

今のお兄ちゃんからは想像出来ないと思うけど と付け加えるエミリア。

その時のエーレンは悲しみで何に対しても無気力になるわけでもなければ今のように戦争だと割り切れるほど大人でもなかった。

溢れ出した感情は怒り、連合国の全てを焼き尽くさんとする烈火の如き憤怒であった。

 

シャル「でも今のエーレンは怖くないよ? 」

 

エミリア「うん、実はある日にユキナお姉ちゃんのお父さんから言われたらしいんだ、『娘の事は忘れるんだ、そうしないと君が駄目になる』って、自分でもそれはよく分かっていたお兄ちゃんはユキナお姉ちゃんの事を頭の隅に追いやったんだよ」

 

千冬「そうか… ヴァルトフォーゲル妹、私から振ったのに言うのもなんだがそろそろ部屋に戻れ」

 

そう言いつつ時計を指さす。

もうすぐ消灯の時間であった。

千冬以外は慌てて部屋に戻った。

 

千冬「まさかここまで重い話だったとはな…」

 

千冬は真面目なエーレンにもそういった話がある事に面白半分で話させたことを後悔していた。

それは話を聞いた他の候補生達も同様だった。

 

そしてそれぞれに考える時間を与えるように夜は更けていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

IS学園 臨海学校予定地 某海岸

 

エーレン達専用機持ちは周囲が崖に囲まれた入り江のようなところに集まっていた。

エーレンとエミリア以外のテンションが低いのは寝不足だけが原因ではないだろう。

そこに…

 

???「ちぃぃぃぃぃちゃぁぁぁぁぁん!!!」

 

崖から何かが滑り降りる様にこちらに向かってきて、千冬に向かうが千冬はそれを片手で捕まえる。

 

千冬「うるさいぞ束」

 

束「酷いよちーちゃん! せっかく久しぶりだって言うのに、いっくんもそう思わない? 」

 

一夏「あはは…」

 

???「全く、私を置いて行くとはどういう事だね? 篠ノ之研究員?

 

束が千冬に絡んたり箒にセクハラ紛いの行為をしていると上から聞きなれた声が聞こえた。

 

エーレン「ドクトル、いらしていたのですか」

 

ハンス「うむ、ラウラ君とシャルロット君の機体が完成したものだからね」

 

そう言った感じの話をし、千冬から声が掛かり束とハンスは自己紹介をしてから、束は箒に自身が作った第四世代IS「紅椿」を渡し、ハンスは最近ハシラジマで始動した新たなる機体開発計画、超兵器再生計画に基づいた新型機「シュトゥルムヴィント」と「ナハト・シュトラール」をそれぞれシャルとラウラに渡し、調整をキーボードの二刀流で同時に終わらせ、エーレン達には新しいパッケージを渡した。

そんな感じで新装備を試していると山田先生が慌ててこちらに来て、千冬に耳打ちをする。

その直後、千冬は箒を含む全員に招集をかけた。

 

この時エーレンはまだ何も説明されていないが経験からくる勘で何となく理解した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

軍事的な要因が絡む異常事態が発生したことに…




今回はここまでです。

やっと出せた、雪奈ちゃん…
後半はかなり突貫工事なので色々おかしいと思います…

次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦
第14話 錆びゆく砲、朽ちゆく翼

誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたら教えてください、お待ちしております。
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