戦艦勢の皆様、お待たせしました。
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これからもよろしくです!
2045年 7月某日
横須賀沖
特一等級空中戦闘母艦 ゼーロス 艦橋
夏休みが目前に迫ったこの日、エーレンはエミリア、ギュエールと共にゼーロスに乗艦していた。
ギュエール「艦長、演習開始です」
エーレン「了解。 クラスメイトのみなさんも見ていることですし、頑張りますか」
なぜこのような状況になったかというと、話は数週間前に遡る…
数週間前…
IS学園 1年1組教室
7月に入り、すっかり夏休みムードになったクラスメイト、当然エーレンも夏はエミリアと旅行にでも行こうと計画を練っていた。
(といってもエーレンは夏休み中はほとんど仕事である)
そこに…
千冬「全員席につけ! HRを始める!」
千冬と真耶が教室に入ってくる。
その一言で音もなく席につくクラスメイト。
エーレン「(相変わらず速いな、皆…)」
エーレンもノートPCを収納する。
千冬「さて諸君、夏休み前に嬉しいお知らせだ。
今月に横須賀で行われる自衛隊及び各国の軍の演習にハシラジマ海上技研から招待された、よって急ではあるがその日は全員で横須賀に行く、なにか質問は? 」
エーレン「(ああ、あの件か…)」
エーレンには心当たりがあった。
「先生! どうして急に招待されたんですか? 」
真耶「実はその演習にヴァルトフォーゲル君達が参加します、ですのでヴァルトフォーゲル君がせっかくですのでという事です」
「「「えぇぇぇぇ!? 」」」
いつぞやの様な叫び声の後、全員がエーレンの方を見る。
千冬「静かに! 」
千冬が一喝すると、再び静まり返る。
千冬「ヴァルトフォーゲル兄、お前から説明しろ。
でないと休み時間が無くなるぞ?」
エーレン「分かりました、実はこの演習は僕が艦長を務めるゼーロスが自衛隊に入隊したときに既に決まっていまして、各国から抽出したIS5個大隊をゼーロスで相手にする、というものです。
まあ、言ってしまえばあの艦の能力を確かめる目的ですね。
各国の訓練時間の確保のため、今月まで行われなかったのです」
エーレンは普通に話したつもりだがクラスメイトからすればとんでもない爆弾発言が入っていた。
「IS5個大隊!? エーレン君正気!? 」
「IS3機あれば国だって滅ぼせるんだよ! そのIS180機を戦艦1隻で相手するなんて無謀すぎるよ!」
エーレン「そこまで無謀ですかね…」
エーレンは千冬の方を見ながらそう呟く。
千冬「諸君らの懸念は最もだ、だが逆に考えて欲しい、このようなどう見ても過剰な戦力を必要と各国に判断させたゼーロスの戦闘能力を、な」
千冬は当日行けば分かると言わんばかりの笑を浮かべる。
千冬「さて、連絡は以上だ」
そして話は冒頭より少し前に戻る。
横須賀沖 護衛艦いずも艦上
ゼーロス乗組員は今回の相手、IS5個大隊180名と対峙していた。
エーレン「日本国海上自衛隊 特装護衛艦ゼーロス艦長のエーレンフリート・ヴァルトフォーゲルです、本日はよろしくお願い致します」
エーレンはそう言いつつ握手を求めて、右手を差し出すが…
「ふんっ! よろしくする必要なんて無いわよ、あなた達なんて一瞬で撃沈してあげるわ、たかだか戦艦1隻でこの戦力に、しかもそちらは航空兵力とブリューナク? だったかしら、それらを使えない。
こんなのやるまでもないわ、あなた達では勝てないわ」
そう言ってエーレンの手を払い除ける。
エーレン「まあ、その通りですね、そちらの常識では。
しかしやる以上、せいぜい足掻かせて貰いますよ? 」
そう言った後、互いに一礼して、それぞれの艦に乗り込んで行った。
同時刻
観客席
今回の演習はドローンを使い、双方の映像が観客席に設けられた巨大スクリーンにゼーロスは艦橋の映像も含めて鮮明に映るようになっているのだ。
ラウラ「なんなんだあいつは!? 兄様があんなに丁寧に挨拶してると言うのに…!」
ラウラは先程の映像を見て、そこそこキレていた。
他のいつメンもラウラみたく声には出さないが良い思いはしてなかった。
雪奈「まあまあラウラちゃん、落ち着いて? 」
そうラウラをなだめる雪奈、ナノマテリアルの身体で彼女も演習を見に来ていたのだ。
ラウラ「…ああ、すまない、つい感情的になりすぎてしまった…
しかしお前は良いのか? 兄様があんな風に言われてて」
雪奈「良いわけないわよ? 正直あの女を51cm砲で吹き飛ばしたいところだけど…
そんなの私の頼れる妹が代わりにやってくれるわ。
それにあまり大声では言えないけど、ゼーロスはエーレンが持てる技術を全てかき集めて造った艦だもの、ISなんて欠陥機如きが何機集まっても烏合の衆よ」
雪奈は確信したようにそう言う。
雪奈「ISがあのゼーロスの光学障壁を突破出来るかどうかすら怪しいのに… うん、美味しい」
そう言い、まるで映画でも見るように持ってきていたポップコーンを食べる。
同時刻
ハシラジマ海上技研 会議室
ハシラジマ海上技研の研究員全てが入るスペースがある、大会議室でハンスや束を初めとする研究員達が演習が始まるのを今か今かと待っていた。
クロエ「シューゲル様、エーレン様は勝つことが出来るのでしょうか? 」
束が室長を務める第5研究室の副室長 クロエ・クロニクルは隣で腕組みをしながら画面を見つめているハンスにそう質問する。
ハンス「そうだな、180機全てが少佐や篠ノ之研究員、君のような優秀な人間が造ったものかつ、パイロットが織斑教諭のような人間ならば危ういが…」
束「今回の相手は全て量産機、なおかつパイロットは一応軍人だけどちーちゃんどころかえーくんやくーちゃんにも及ばない。
悔しいけどゼーロス無双して終わりだろうね〜」
束は持っていたペットボトルを飲みながらそう言う。
ハンス「加えてISの武装はどう足掻いても威力は戦車砲クラス、あれでは轟沈判定のクラインフィールドどころか超重力電磁防壁やディストーションフィールドすら突破出来るのか怪しいな…」
この演習、ゼーロスはクラインフィールドが臨界になり、消失した場合。
ISは180機全ての
ハンス「まあ、やれば分かる」
クロエ「はぁ…」
ハンスは意味ありげに笑い、クロエは心配そうに画面からの音声に耳を傾ける。
その頃 ネットでは…
名無しさん1 『IS5個大隊とか並ぶと壮観だな』
名無しさん2『対戦相手の戦艦。 ゼーロスとか言ったか?
勝てるのかこれwww』
名無しさん3『↑(勝てる訳)ないです』
名無しさん4『↑↑だってIS180機だろ? ぶっちゃけこの地球の最高戦力じゃん、あの隊長さんの言葉を借りる訳じゃないがたかが戦艦1隻じゃ無理だろ? 』
とまあこの様にIS大隊が圧勝すると誰もが信じて疑わなかった。
そして話は冒頭に戻る。
エーレン「機関始動! 巡航速度で高度5000まで上昇!グランドスフィアを除く全ての防御障壁を展開! 火器システムに火を入れてください!」
エミリア「はーい! 機関始動、巡航速度で高度5000まで上昇します」
ギュエール「防御障壁及び火器管制システム、オンライン。
ゼーロス、戦闘形態に移行します」
ゼーロスのフラッペンが唸りを上げ、瞬く間に896mの巨艦を80knotまで加速させる。
ギュエール「艦長、久々に演説でも如何です? 」
ギュエールが艦内放送のマイクを差し出しつつそう言う。
エーレン「良いですね、久々にやりましょうか」
そしてマイクを受け取り、立ち上がる。
エーレン『親愛なる諸君、各々の作業をしながら聞いていただきたい。
今回、我々はこの世界では初めての作戦行動に入る、敵はこの世界の最高戦力とも言えるIS5個大隊180機だ。
この世界の常識では戦艦1隻で勝てる戦力では無いらしい、それに挑み、勝利するためにはには並々ならぬ知恵がいるだろう。
だが諸君、何も気にする必要は無い、諸君らが乗ってる艦はなんだ?
ただの一介の戦闘艦か?
否っ! 諸君の乗っている艦はドイツ最強の戦艦である!
諸君が今までくぐり抜けてきた死線に比べれば、慢心かも知れないがこんなの大した事は無いと思う。
むこうの隊長は我々は勝てないと言った、僕はその通りだと思う。
あの程度の戦力では我々は勝ちも負けもしない、圧倒しか出来ないからである!
故に諸君らは特別な事をする必要は無い、ミスを極力無くし、いつも通り各自の仕事をこなして欲しい、それだけで十二分なのだから。
以上だ、ご清聴ありがとう』
エーレンはギュエールにマイクを返し、艦長席に座る。
ちなみにこの演説もスクリーンで観客に聞こえている。
ギュエール「お疲れ様でした艦長」
エーレン「久々にあんなに喋りましたね、さてそろそろ敵さんが見える頃ですかな? 」
エミリア「えーと、対空電探に感あり! 10時方向から1個大隊接近中!」
エーレン「来ましたか… 対空戦闘用意! 機関戦闘出力! 全主砲に対空榴散弾装填! 副砲を誘導モード及びヴァッサーファル改、照準開始!」
エミリアからの報告の元、エーレンは指示を飛ばす。
ギュエール「了解! 主砲、対空榴散弾装填、照準開始!」
エミリア「誘導荷電粒子砲及びヴァッサーファル改発射用意良し」
※無双が始まります、お好みの処刑用BGMをご用意してお楽しみください。
同時刻
IS隊 第2大隊
主にアメリカ軍で構成されたこの第2大隊はゼーロスをこの1個大隊のみで沈めるべく、先行していた。
隊員「ハイパーセンサーに目標を捉えました!」
大隊長「分かったわ、さあ皆! ISに無謀にも挑んできた命知らずに華麗に勝つわよ!
1個中隊は艦底を攻撃しなさい!
残りは私に付いてきて!」
隊長の指示のもと、3個中隊にわかれ、ゼーロスを挟み込むように攻撃する。
隊員「流石ね、あんな巨大艦を相手にしても一糸乱れぬ動き、訓練した甲斐が有るわ。 今回はフィールドが無くなるだけだけど…
現実ならあっという間に海の底だろうね! 」
ゼーロス艦橋
ギュエール「敵大隊、3個中隊に別れました」
エーレン「上昇中の2個大隊を目標群
「「了解!」」
IS隊 第2大隊 第3中隊
中隊長「全機! 突入進路確保! アタックポイントまで5マイル!」
隊員「たかが1隻の戦艦で何が出来る!」
中隊がまもなく攻撃を仕掛けようとした時、ついにゼーロスが動いた。
ゼーロス艦橋
エーレン「左対空戦闘、CIC指示目標、撃ち方始め」
ギュエール「目標、低空から侵入中のC群、主砲5番から7番、撃ち方始め」
ギュエールが主砲のトリガーを引く。
次の瞬間、ゼーロス艦底部に備え付けられた6基の38.1cm主砲の内、3基が咆哮を上げ、計9発の対空榴散弾が発射される。
だが、彼女達は回避などせず、そのままの速度を維持したまま突っ込んでくる。
彼女達は現代戦しか訓練しておらず、この世界では1世紀前に行われていた古い戦い方を知らなかった。
そのため…
ドォーン!
砲弾の近接信管が作動し、猛烈な勢いで榴弾の能力をもつ散弾をばらまく。
それをまともに受けた中隊は半壊する。
ギュエール「目標群C 6機撃墜、残りも中破ないし大破です」
エーレン「残りは副砲で対応、上空の中隊に向けて砲撃用意!」
エーレンはギュエールからの情報を元に次の指示を出す。
まだ焦ってはいないようだ。
そしてその後、誘導荷電粒子砲が発射され、IS隊 第2大隊 第3中隊は文字通り壊滅する。
IS隊 第2大隊 第1中隊
隊員「大隊長! 第3中隊が!」
大隊長「なっ!? 」
声を出したのは大隊長のみだが残りの隊員も驚いていない人間はいなかった。
無理もない、量産機とはいえISが12機、大国に喧嘩が売れる戦力をたかだか戦艦1隻が無傷で殲滅したのだ。
大隊長「ハリネズミ… いや、モンスターめ!」
隊員「ッ! 敵艦の主砲、こちらに指向中!」
大隊長は隊員からの声で現実に引き戻される。
大隊長「総員! 小隊規模に散開! 固まっていてはあの主砲の的だぞ!」
大隊長からの指示の後、流石にこの当たりは訓練しているのか、すぐに散開し、四方八方からゼーロスに襲いかかる。
だが…
ドドドドド!
ゼーロスの対空火器、127mm速射砲、対空パルスレーザー、35mmCIWSが射撃を開始、弾幕を形成し中隊の侵入を阻む。
ISの機動力なら回避出来ない訳でもないが、ゼーロスから発せられる弾幕は現代の艦船の物とは比べ物にならないくらい密なものであり、熟練以外は避けるのもままならずにいた。
大隊長「(ん? なんだ? 散開を指示したはずなのに、どうしてあそこはあんなに固まっているんだ…? ッ! まさか!? )」
大隊長が気づいた時にはもう遅い。
ゼーロスの主砲から対空榴散弾が発射され、固まっていた新人、12機が砲撃を受け、退場する。
大隊長「(弾幕でこちらの進路を誘導しただと!?
ええい! あの戦艦の砲手は化け物か!? )」
ゼーロス艦橋
ギュエール「今の砲撃で12機を撃墜、目標群A 残存戦力4機。
目標群B 残存戦力8機」
エーレン「目標群Aには副砲で対応、目標群Bにヴァッサーファル改発射! 」
エミリア「了解! 8基照準、ヴァッサーファル改発射!」
ギュエール「了解、誘導荷電粒子砲、照準開始」
エーレンの指示の元、エミリアとギュエールは残敵を掃討するべく、ミサイルと荷電粒子砲を発射する、荷電粒子砲はもちろん、エミリアが照準したミサイルを既に戦意喪失しているIS隊が回避出来るはずもなく、ゼーロスからの攻撃が全て命中し、IS隊 第2大隊は壊滅した。
今回はここまでです、お疲れ様でした。
思ったより長くなりそうなので前後編に分けます。
次回後編です。
誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたら教えてください、お待ちしております。