インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

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こんばんは皆様、大極光です。

書くこともないので本編をどうぞ!


第18話 1対180 後編

第2大隊壊滅後

 

某掲示板では…

 

名無しさん1「ゼーロスTUEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!

ISYOEEEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!」

 

名無しさん2「マジかよ… IS一個大隊がこんなにあっさり…」

 

名無しさん3「IS時代終わったかな? 」

 

名無しさん4「↑お、そうだな」

 

名無しさん5「↑↑そうだよ(便乗)」

 

とまあこのようにゼーロスの実力は全世界に知らしめられた。

元々この中継を始め、無人機での撮影など行う予定は無かったのだが国際IS委員会の一部の人間が、ISの絶対的な力を示そうと決めたものだったが、どうやら裏目に出たようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

観客席

 

ネットではテレビやPCなどの映像のため、幾分か迫力が落ちているため、ハイテンションで書き込みなどを行えたが、観客席に設けられた巨大スクリーンで見ていた人間にはそうもいかず、全員がスクリーンを見つめ、半ば放心状態であった。

約1名を除いて…

 

雪奈「ふーん、まあこんなものよね〜」

 

雪奈は微動だにせず、さもこの展開が当然のような事を呟く。

 

鈴「……雪奈、アンタはこうなる事を知ってたの? 」

 

雪奈「そうよ、だってISが作られてから1度も大規模な戦いは起こっていない、つまりあの部隊の中で実戦を経験した人は皆無。

対してエーレンは1939年の戦争からずっと戦ってきて、なおかつ生き残っている、これで経験の差は歴然。

次に装備、ISの武装はどれをとっても威力は戦車砲クラス、加えて射程も同様、せいぜい5000がやっと。

対してゼーロスは対艦戦闘を想定して造られており、対空火器を除くすべての武装が射程10000を超えるわ。

IS大隊の攻撃は届く前に全滅、もし仮に届いたとしても積層された装甲に阻まれ、反撃されて全滅。

どちらにせよ、ISに勝つ道はないわ」

 

そう言って、残り少なくなってきたポップコーンを口に放り込む雪奈。

もはや見るまでもないと思っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

ハシラジマ海上技術研究所 大会議室

 

クロエ「す… すごい…」

 

クロエは驚きのあまり、スクリーンから目が離せずにいた。

だが、驚いているのはクロエのみで、残りの研究員達は当然といった顔をしていた(アルコールが入っている人間もチラホラ)。

 

ハンス「まあ、完全に詰みだな、大隊の指揮官のみならず武装などのセッティングをしたメカニックも3流以下もしくは何も知らない… いや、ゼーロスをなめた結果だな」

 

束(煙草)「だね〜、ゼーロスだけじゃなくえーくんの指揮にりっちゃんの操舵、何よりエルちゃんの砲術の腕を軽視した結果だね〜」

 

そう言いつつハンスはコーヒーを、束はオレンジジュースを飲む。

この2人は酒は飲まないらしい。

 

クロエ「シューゲル様、パイロットだけでは無くメカニックも、とはどういう…? 」

 

ハンス「ふむ、クロエ君は勉強熱心だからな。

この世界の軍艦がどんなものか知ってるつもりで話す。

奴らは恐らく対艦戦闘をきちんと訓練したんだろう、だがそれが逆に奴らを苦しめる形になった」

 

クロエはさらに首を傾げた。

 

ハンス「つまり、奴らはゼーロスも現代のイージス艦やそこらの軍艦と大して変わらないと考えたんだろう。

イージス艦は被弾を考えていない設計のため、武装は戦車砲クラスでも、弱点を狙えばきっちり処理出来るし、攻撃手段もミサイルや砲、それも双方『点の攻撃』だ、ISの機動力なら回避など造作もない。

だがゼーロスは違う、対空火器群による『面の攻撃』も行えるし、威力や射程はもちろん、命中精度もIS部隊を軽く上回る、加えて防御も超兵器の攻撃に耐え得る装甲を持ち、なおかつ光学障壁もある。

言うなればゼーロスは最新鋭のシステムを搭載した旧式艦艇なのだ。

もっと射程と威力のある武装を選択していたならばまだ戦えただろうが、あの装備では無理だ」

 

ハンスは一通り喋り終えると、もう一度コーヒーを飲む。

 

ハンス「だから奴らは降伏するか、全滅させられるまで戦うしかない。

それまでゼーロスのクラインフィールドの稼働率を2桁まで持っていけて僥倖といったところだな」

 

クロエ「な、なるほど…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

横須賀沖 上空

 

IS部隊 第1大隊

 

主に国際IS委員会の人間で構成されているこの大隊の大隊長は総司令官も兼任している。

そしてその大隊長は今、決断を迫られていた。

そこに…

 

美澄「総司令、敵はこちらの想定とは全く違います、ここは負けを認めるべきではないでしょうか? 」

 

主にアジア各国で構成されている第4大隊の大隊長を任された美澄は総司令官である女性に、そう進言する。

しかし…

 

総司令官「ダメよ! それはISの敗北を意味するわ!

ISは無敵なの! たかだか戦艦1隻に負けるわけないわ!

何かイカサマをしたに決まってる! それに敵の艦長は男よ!

そんな卑怯な男は我々が罰を与えるべきなのよ!」

 

美澄「……(またこれなのね、国際IS委員会の女尊男卑主義者… わざわざこんな陳腐な部隊を潰すのにヴァルトフォーゲル君が本気出す訳ないじゃない… って言っても無駄か…)」

 

美澄はため息をつき…

 

美澄「では総司令、この後はいかがなされるおつもりで? 」

 

総司令官「決まってるわ! 残存する全大隊で敵艦を包囲する! もう手加減はしないわ、行くわよ! 」

 

その声の後、第1大隊は飛び出していく、美澄も不本意だが命令とあらば仕方が無いので自分の大隊を第1大隊のあとに続かせる。

 

IS144機対戦艦1隻

 

ランチェスターの法則に置き換えるまででも無い圧倒的な数的優位の元、IS大隊は総力戦に移行、ゼーロスを包囲するべく動き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

横須賀沖 上空

 

特一等級空中戦闘母艦 ゼーロス艦橋

 

ギュエール「対空レーダーに感あり、恐らく敵は本艦を3次元的な包囲を画策しているものと推察されます」

 

IS大隊はまだ移動している段階なのに、ギュエールは既にその動きを掴み、なおかつ何をしようとしているのかさえ、判断した。

 

エミリア「諦め悪いなぁ〜、勝てないってわかんないのかな、お兄ちゃん? 」

 

エーレン「分かっていないのか、認めていないのか、どちらかだろうね。

まあどちらにせよ、僕達が圧倒する事に変わりない、変わりないけど…」

 

エーレンは何か言いたげに語尾を濁す。

 

ギュエール「? 何か問題でも? 」

 

エーレン「敵の狙いはギュエールさんの推察通りゼーロスの包囲でしょう、となればどこかで最大で小隊規模にまで分裂するでしょう、そうなるといかにゼーロスと言えど144機相手ではいささか厳しいでしょう。

そこでギュエールさん、敵が移動している今のうちに何機か仕留める事は出来ませんか? 」

 

ギュエール「可能です、可能ではありますがよろしいのですか?

本艦の正確な位置を敵に教える事になりますが…」

 

エーレン「構いません、ここで決着付けます」

 

ギュエール「……分かりました、主砲! 対空榴散弾装填! 照準開始!」

 

ギュエールはエーレンに確認をとった後、ゼーロスの主砲を敵の大隊のひとつに集中させる。

 

ギュエール「エミリアちゃん、主砲全門使いたいので高度を敵に合わせてください」

 

エミリア「りょうか〜い! 敵大隊と高度をリンクさせます」

 

エミリアはレーダーからの情報を元に、敵との高度を合わせていく。

ギュエールは最後の微調整に入っていた、その雰囲気はいつもの優しさをまとったものではなく、日本刀のような鋭いものとなっていた。

そして…

 

ギュエール「撃て!」

 

ギュエールの号令の後、ゼーロスの主砲全門 計30発もの砲弾が、優秀な発砲遅延装置によって、少しタイミングをずらされて発射され、侵攻中の敵大隊に向けて飛翔し…

 

エミリア「全砲弾の炸裂を確認、敵大隊は全機撃墜判定です」

 

エーレン「良し! 間髪入れないでください、次!」

 

「「了解!」」

 

再びギュエールは照準を付け、エミリアは高度を合わせる。

敵の進路はゼーロスが発砲したため、軒並みゼーロスに向かってきているが、逆にそれが照準を付けやすくした。

 

ギュエール「撃て!」

 

再びゼーロスの主砲が咆哮を上げ、砲弾がまっすぐ敵に向かって飛んでいき、先程と同じく近接信管が作動、その威力を遺憾無く発揮し、瞬く間に敵二個大隊を殲滅した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ほぼ同時刻

 

IS部隊 第1大隊

 

総司令官「嘘よ…」

 

総司令官はゼーロスが発砲した事で位置を特定し、その時点で勝ったと思った。

だが、その位置を特定するのにIS部隊が払った代償は二個大隊分、いささかどころか、完全に割に合わないのだ。

 

隊員「大隊長、残っているのは我々と田中一尉の第4大隊のみです、いかが致しますか? 」

 

総司令官「続行よ!」

 

隊員「はい!? 正気ですか!? 数の優位さえ、奴らには通じないのですよ!? 武装や経験、戦略、我々が唯一勝っていた数の優位すらたった2回の砲撃で半分にまで減らされたのですよ!」

 

もはやIS大隊に勝てると思っている人間は皆無であった。

ただ1人を除いて…

 

総司令官「う、うるさいうるさい! ISは無敵なのよ! 負けるわけがない! それにさっきの砲撃はほぼ奇襲じゃない! 不意打ちしかできない、臆病者には絶対負けないわ! 行くわよ!」

 

そう言って飛び出す総司令機。

だが…

 

隊員「ッ! 敵弾来る!」

 

総司令官「こんな事… ありえない…」

 

ドォーン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻

 

特一等級空中戦闘母艦 ゼーロス艦橋

 

ギュエール「敵の総司令官のものと思われる大隊を殲滅致しました」

 

ギュエールは空域に停止していた第1大隊にすぐに照準を付け、発砲した。

結果、第1大隊は壊滅、元々指揮などあってないようなものであったがこれで一応、敵の頭は潰せたというわけだ。

 

エミリア「後はあの一個大隊で止め! 」

 

ギュエール「ですね、次弾装填! 砲撃よu… ん? 艦長、敵大隊から通信です」

 

エーレン「繋いでください」

 

するとメインモニターにエーレンもよく知る人物の顔が映る。

 

美澄『我々IS部隊 第4大隊はこれ以上のゼーロスへの攻撃は無意味と判断し、投降するわ』

 

エーレン『了解しました、受け入れましょう』

 

エーレンはマイクをとり、返事をする。

 

美澄『…強いわね、エーレン君』

 

エーレン『いえいえ、僕なんてまだまだですよ』

 

それを最後に通信が切れる。

 

エーレン「演習は終了した! 進路反転! ハシラジマに帰還する!

 

「「了解!」」

 

こうして世界でも類を見ないこの大規模な演習はゼーロスの勝利という形で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

人工島ハシラジマ 中央公園

 

夕焼けで空が橙色になってきた頃、エーレン達は各所への挨拶を終え、この中央公園へと来ていた。

そこにはテーブルやBBQセットが所狭しと並べられ、端っこの方には肉や野菜がかなりの量が置かれてあった。

そしてそのテーブルの大半が、ゼーロス乗組員やハシラジマ技研の研究員、そしてエーレンが招待したIS学園の生徒達で埋まっていた。

 

エーレン「賑やかですね」

 

エミリア「わーい! お祭りだ!」

 

実際にはハシラジマ主催のBBQパーティーなのだが、規模が規模なので、エミリアの祭りという解釈も当たらずとも遠からずといったところだった。

 

ハンス「お、諸君! 主役のご到着だ!」

 

ハンスがそう周りに向かって叫ぶと、全員がエーレン達を拍手で迎えた。

 

ハンス「少佐、そこに座るといい」

 

エーレンはハンスに導かれるままにテーブルに案内された、そこには…

 

「「「おめでとう! エーレン! エミリアちゃん!ギュエール!」」」

 

雪奈やセシリアなどのいつメンが勢ぞろいしていた。

 

ハンス「さて、これで全員か… では少佐! 乾杯の音頭を取って貰えるかね? 」

 

エーレン「勝利の立役者はギュエールさんなのですが… まあ良いです」

 

そう言いつつ、エーレンはハンスから貰ったグラスを片手に、広場の中央に移動する。

 

ハンス「諸君! では乾杯と行こう! 少佐、よろしく頼む」

 

エーレン「分かりました。 えー、こういう場面では何か真面目な話をするのでしょうが、あいにく考えてきておりません!」

 

エーレンがそう言うと会場から笑い声が上がった。

 

エーレン「ですのですぐに乾杯と行きましょう! 宴は今宵、この時より開かれるのです! prosit!(乾杯)

 

「「「prosit!(乾杯)」」」

 

そしてエーレンはグラスを1口飲んでから自分の席に戻る。

(ちなみにグラスの中身は酒ではなく、某国民的乳酸菌飲料なのでご安心を)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

エーレンは肉を焼きながら、いつメンと談笑していた。

ちなみにセシリアはギュエールと終盤の狙撃のことについて意見交流していた。

 

ラウラ「しかし兄様のあの演説はすごくかっこよかったです!」

 

シャル「うん、『勝ちも負けもしない、圧倒しかできない』ってところ好きだな〜」

 

簪「うん、ちょっと悪役っぽい所もかっこいい…///」

 

エーレン「そんなにですか? 」

 

エーレン達は、開戦前のエーレンの演説について盛り上がっていた。

エーレン自身、向こうの世界でも作戦前には割と頻繁に演説を行っていたため、あまり特別なようには思えなかった。

 

雪奈「うん! とっても。 惚れ直しちゃった♥」

 

そう言いつつエーレンの左腕に抱きつく雪奈。

 

エーレン「ちょいちょい雪奈、人前だよ? 」

 

エーレンはそう言うが、本気で嫌がっている訳では無いようだ。

 

雪奈「ダメ? 」

 

雪奈は対エーレンの定石、上目遣い+首傾げでエーレンに迫る。

 

エーレン「い、いや別に、ダメじゃないけど…」

 

エーレンはそれを最後に何も言わなくなった。

 

「「「(うそぉ、あのエーレンがいとも容易く…!? )」」」

 

雪奈「(エーレンはこれが弱点なの、覚えておくと良いかもね? )」

 

「「「(べ、勉強になります!)」」」

 

誰とは言わないけど主に金髪と銀髪と青髪が反応した。

 

エミリア「お兄ちゃん! 私もご褒美欲しいな〜」

 

エミリアがエーレンの右側からエーレンにもたれ掛かる。

 

エーレン「良いよ、何が良い? 」

 

エーレンはそう言いつつ、エミリアの頭を撫でる。

恐らくエミリアは今、1番上機嫌だろう。

 

エミリア「やったぁ! じゃあね…」

 

こうして夜は更けていく…

 

 

 




今回はここまでです、お疲れ様でした。

次回はあれですね、エーレン宅に全員集合、ただし漬けもn… 違った、織斑、テメーはダメだ。

次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦

第19話 夏だよ! 全員集合!
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