インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

25 / 34
こんにちは皆様、大極光です。

先週は文化祭の都合で臨時に休ませて頂きました、申し訳ございません…



第20話 IS学園の海魔

9月上旬

 

IS学園 1年1組教室

 

夏休みが終わり、皆元の生活に戻った今日、1組では文化祭に関しての話し合いが進められていた。

とりあえず模擬店をする所までは決まったのだが…

 

一夏「却下だ!」

 

その内容は一夏とエーレンが主になってなにかするものだった。

そのため、クラス代表として教壇に上がっていた一夏がそう叫ぶ。

 

「えー!? いいじゃん! せっかくの男子なんだからさ〜」

 

一夏「需要あるか!」

 

「多分あるよ! エーレン君もそう思うよね!? 」

 

話はついにエーレンに振られる。

 

エーレン「僕には分かりかねますが…」

 

エーレンがそうやって悩んでいると…

 

ラウラ「ならご奉仕喫茶とかはどうだ? これなら既存の案を加えつつ、売り上げとして資金が回収できるぞ」

 

「なるほどグッドアイデアね! それで行きましょう!」

 

ラウラが出した案はクラス中に広まり、1組の出し物はそれに決まった。

内容は喫茶店、ただし接客担当は執事服もしくはメイド服で行わなくてはならない、というものだ。

 

エーレン「接客ですか… ちゃんと出来ますかね…」

 

調理の方はともかく、やった経験の無い接客はいまいち自信が無いようだ。

 

「練習すれば大丈夫だよ! それに見たくない? エミリアちゃんのメイド服姿!」

 

エーレン「経験? そんなもの無くとも出来ます! やってやります! 」

 

「「「そうこなくちゃね!」」」

 

このテノヒラクルーである、エミリア絡みになるとこの調子だ。

そんなこんなで準備物の話になる。

と言っても、服やテーブルなど、必要なものはセシリアの家にあるのを持って来るらしいので、こちらは早めに片付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

午前授業終了後…

 

IS学園 食堂

 

昼休みになり、エーレンはいつも通り、セシリア達と食事を摂っていた。

 

鈴「www エーレン、アンタそんな手のひら返ししたのwww? 」

 

鈴は朝の話を聞いて呼吸ができないくらいに笑っていた。

 

簪「エーレン、エミリアちゃんの事になるとダメ人間になっちゃうからねw」

 

簪も鈴程ではないが笑いながらそう呟く。

そこに…

 

本音「エレレ〜ン、ちょっといい〜? 」

 

いつもは簪と一緒にここで昼食を食べている本音が、今日は遅れてきたのだ。

 

エーレン「どうしました? 」

 

本音「今から生徒会室に来て欲しいんだけど〜、いいかな? 」

 

エーレン「ええ、すみません皆さん、お先に失礼します」

 

エーレンは昼食の食器を返却し、本音と一緒に生徒会室に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

IS学園 生徒会室前廊下

 

本音に案内され、エーレンは今、生徒会室の前にいる。

 

コンコン

 

本音「お嬢様、連れてきましたよ!」

 

本音はノックをしながら室内に向けてそういう。

すると中から扉が開かれる。

 

本音「エレレ〜ン、入って〜」

 

エーレン「分かりました、失礼します」

 

エーレンは本音に言われるまま、生徒会室に入る。

部屋の中には高級感のあるソファとテーブルがあり、そこには生徒会長 更識楯無と楯無と同じ学年であろう三つ編みの人、そして一夏がいた。

 

エーレン「(あの方は確か布仏虚さんでしたか… 更識家に代々仕えている… やれやれ、面倒事になりそうですね…)」

 

エーレンはあえて一夏を無視し、これから起こるであろう事態に心中でため息をついていた。

 

楯無「よく来てくれたわねエーレン君、さあどうぞ、座って」

 

エーレン「はい、では…」

 

エーレンは一夏が座っているソファとら真逆の所に腰掛ける、隣に座ろうものなら声をかけられるのは必至だからだ。

 

虚「どうぞ」

 

エーレンが座ると、目の前にティーカップが置かれた。

 

エーレン「ありがとうございます布仏先輩、いただきます」

 

エーレンはお礼を言ってから差し出された紅茶を飲む。

その味はエミリアにも劣らない美味しいものだった。

 

エーレン「(すごいですね…)」

 

エーレンは素直をそう思っていた。

すると…

 

楯無「さて、じゃあみんな揃ったことだし、本題に入りましょうか… おっと、一夏君ははじめましてだよね? IS学園生徒会長の更識楯無よ、気軽にたっちゃんって呼んでね!」

 

一夏「は、はぁ…」

 

一夏は楯無のテンションにいささか引いているようだ。

最も、エーレンはどうでもよさそうに眺めていた。

 

エーレン「更識さん、僕もそんなに時間があるわけではありません、ご要件はなんでしょうか? 」

 

エーレンはまだ一夏に何か言おうとしていた楯無にそういう。

実際、今は昼休みなのであまり時間があるわけでは無かった。

 

楯無「おっと、ついうっかり、えーと本題ね。

話は主にふたつよ、ひとつは一夏君とエーレン君には部活に入って欲しいの」

 

一夏「部活… ですか? 」

 

楯無「うん、実は2人しかいない男子生徒をだいたい全ての部活が取り合ってるの、『ぜひ我が部に!』ってね、それで生徒会室でも処理が追いつかなくなってるから、どれでも良いから部活に入って欲しいの」

 

楯無はそう言いながら、部活動の一覧を見せてくる、中にはいつメンが入っている部活もあった。

エーレンはそれを眺めながら、良さそうなのを見繕っていた。

 

一夏「すみませんが俺部活はちょっと…」

 

楯無「だったら生徒会に入らない? って一夏君はクラス代表も務めてるから無理か… だったらエーレンk…」

 

エーレン「僕は仕事がありますので、不参加が認められているはずですよ?」

 

エーレンは生徒会に勧誘しようとしていた楯無の声を遮り、そういう。

 

楯無「そ、それはそうなんだけど…」

 

エーレン「でしたら良いではありませんか、それでもう1つと言うのは? 」

 

楯無「まあ、そのあたりはおいおい決めてもらうとして… もう1つって言うのは、二人とも、これからは私が練習を見てあげようと思ってね」

 

エーレン「ほう…」

 

IS学園生徒会長、その役職は他の学園とあまり変わらないが、その選出方法が異例なのだ。

その方法は至極単純、この学園で一番強い人間が選ばれるのだ。

つまりエーレン達は学園最強から直々に指導してあげると言われているのだ。

 

エーレン「しかしまた、なぜ急に? 」

 

楯無「それは単純にあなた達が弱いからよ」

 

一夏「なっ!? 俺は強くなりましたよ!」

 

楯無がいささかトゲのある言い方に対し、真っ向から反論する一夏。

しかしエーレンはともかく、一夏は専用機持ちの中では最低レベル以下の練習量なので実力があまり無いのは事実であった。

 

楯無「ううん、君はまだ弱い。

エーレン君、君もね」

 

一夏「おいエーレン! 黙ってないで何か言えよ! こんなこと言われて悔しくないのかよ!? 」

 

エーレン「悔しいもなにも事実でしょう? 僕らは強いわけではないですよ? 」

 

一夏に絡まれるがエーレンは楯無の言葉を事実として受け止める。

実際、エーレンの実力はかなり伸びてきてはいるが、実力で勝った試合はそんなに無い。

入学時のセシリア戦は、セシリアが慢心していたため、また情報戦で完全に勝利していたため、その差を最大限に活用し、勝利した。

クラスマッチ時のシャル戦は、相性の問題で勝利した。

暴走したラウラや福音は、オーバーロードや雪奈のサポートで、からくも勝利した。

唯一実力で勝ったのは鈴くらいのものだが、フリューゲルのサポートを受けていたため、完全に実力で勝ったとは言い難い。

まあ、それらを活用するのも実力の内かもしれないが、今回は置いておく。

 

楯無「でしょう? だかr…」

 

エーレン「ですが、あなたに練習を見てもらっても、僕の伸びは変わらないと思いますね、むしろ悪くなるかも知れません」

 

エーレンは反撃の意味も含めて、そういう。

楯無は目を細め、『疑問』と書かれた扇子を広げる。

 

楯無「ふーん、理由は? 」

 

エーレン「あなたが全てを極めている訳ではないからです。

あなたの自身の元である『学園最強』はあくまで総合の戦闘能力です、エミリアの様に剣術を、ギュエールさんの様に射撃や砲術を、何かひとつの事柄を極めている人達が僕の周りには大勢いて、そしてそれらの人は僕にわかりやすく解説してくれます。

彼女たちが居てくれたからこそ、僕はここまで来れたのです、今僕が強く無いのは、単純に僕に原因があり、教える側が悪い訳ではありません。

故に何もかもが彼女たちより中途半端なあなたひとりにに教わっても、僕の伸びは下がるだけです」

 

エーレンは教えてもらう側として、何か譲れないものがあるようだ。

 

楯無「へえ… それじゃあ…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数日後…

 

IS学園 アリーナ ピット内

 

エミリア「頑張ってね、お兄ちゃん! 」

 

エーレン「うん、それじゃあ行ってくるよ」

 

そう言ってエーレンはカタパルト上にヴァイスを展開する。

 

なぜエーレンがアリーナに来ているのかと言うと、あの後、楯無から試合を申し込まれたのだ。

当然メリットが無いとエーレンは断ろうとしたのだが、楯無のしつこさから、これからも絡まれる可能性があった。

そのため、面倒事は早めに処理しておきたいエーレンは今回の申し出を受けることにした。

ちなみにギュエール達は既に観客席にいる。

エミリアもそれだけ言うと、観客席へ向かって行った。

 

雪奈「エーレン、生徒会長さんはもうピットを出てるわ」

 

エーレン「了解、じゃあ行きますか! 」

 

エーレンはピットから出て、既に上空にいた楯無を見る。

すると楯無がゼーロスがこの世界に来た時に見た青いISをまとっていた。

 

エーレン「あれが更識さんのISか…」

 

雪奈「うん、ロシアの第三世代IS『霧纒の淑女(ミステリアス・レイディ)』、主にナノマシンで空気中の水蒸気を操って戦うらしいわ」

 

エーレン「分かった、じゃあ雪奈、サポートよろしく」

 

雪奈「任された!」

 

エーレンはそう言いながら、両手にいつもの武装、『アブソリュートマグナム』にシュテルンガトリング』を持つ、既に安全装置は外してある。

そして開戦…

 

楯無『ふーん、それが第二次形態移行(セカンド・シフト)した『極限の白軍(ヴァイスレギオン・エクストリーム)ね…』

 

と思いきや、楯無から通信が入る。

 

エーレン『ええ、そうです、それが? 』

 

楯無『さっきからハイパーセンサーにノイズがかかってあなたのISがロック出来ないのだけれど… 何か知ってる? 』

 

エーレン『おそらく本機の機関に原因があるかと… まあ、別にこちらは損はしていませんがね』

 

エーレンは各モニターの数値を一つ一つ確認しながらそういう。

エーレン含めハシラジマの研究者達は超兵器の製造に関するデータの一切を秘匿している。

仮にそのデータが流出すれば、ISは瞬く間に駆逐され、その先に待っているのは男対女の超兵器戦争…

そして、ISにしか熟知していない女性の敗北と男性の反撃だろう。

 

極端かもしれないが、ありえない話では無いため、エーレンとギュエール、ハンスの3人で話し合い、決めた事だ。

そのため、ヴァイスの第二次形態移行(セカンド・シフト)後の詳しいデータはハシラジマによって厳重に隠蔽されている。

 

楯無『まあいいわ、私が勝ったら一切合切喋ってもらうからね? 』

 

その言葉の後、試合開始の合図があり、戦闘が開始された。

先手を打ったのはエーレンだった。

 

雪奈「照準補正完了!」

 

エーレン「撃ち方始め!」

 

ゼーロスを指揮しているかの様に叫びながらエーレンは『アブソリュートマグナム』の引き金を引く。

放たれた光線はエーレンの腕前はもちろん、高度な処理能力を有する雪奈の補正により、寸分違わずに楯無に向かう。

だが…

 

楯無「そんなに甘くは無いわよ!」

 

突如現れた水の壁によって防がれる。

『アブソリュートマグナム』の反物質ビームは水壁に命中し、対消滅反応のエネルギー波で水壁を吹き飛ばすが、本体にはダメージは入っていないようだった。

 

エーレン「あれがナノマシンによる水蒸気の操作… 予想以上にやっかいだね…」

 

エーレンも内心驚いていた。

減衰するが、貫通するだろうと思っていたのに完全に防がれたからだ。

 

雪奈「どうするの? 『グローストゥルム』で吹き飛ばす? 」

 

エーレン「さあ、どうしようか…」

 

エーレンが戦術の練り直しをしていると…

 

楯無「考え事なんてさせないわよ! 」

 

一気に間合いを詰めて手持ちの槍『蒼流旋』をエーレンに向けて振りかざしてくる。

エーレンは咄嗟に高速切替(ラピッドスイッチ)で『レギオンセイバー』を取り出し、楯無の槍を受け止める。

本来、ビームの刃を持つ『レギオンセイバー』を実体武器で受け止めることは不可能なのだが、楯無は槍に水を纏わせているため、ビームとぶつかっている所から水蒸気が出るだけですんでいた。

 

楯無「ついでにお返しよ!」

 

楯無はゼロ距離で『蒼流旋』のガトリングガンを発射、まともにくらった『レギオンセイバー』は粉々に破壊された。

 

エーレン「くっ…」

 

エーレンはそれに対し、『シュテルンガトリング』を発射しながら距離を取る。

『蒼流旋』のガトリングガンが4門なのに対し、『シュテルンガトリング』は2門、門数で劣ってはいるがエーレンのガトリングは35mm、これには楯無もたまらず距離を取る。

 

エーレン「(どうする!? ビーム兵器で蒸発させても直ぐにナノマシンで指揮下に入れられ…

ん? ナノマシン…? そうか!)」

 

エーレンは空いていた右手に狙撃銃『ブリッツ・シュトローム』を取り出す。

 

雪奈「ちょっとエーレン! 何する気!? 」

 

エーレン「こうするんだよ、必殺ファンクション!」

 

『アタックファンクション サンダーバースト』

 

狙撃銃から放たれたのは弾丸ではなく、雷のような電気を纏った光線だった。

エーレンはそれを片手で撃っている、ヴァイスの強度があって初めてできる芸当だった。

エーレンはそのまま、ゆっくりと機体を回転させ、楯無の指揮下にあるであろうナノマシンを、全てショートさせた。

結果、楯無を守っていた水壁が消失する。

 

楯無「そんなっ!? 」

 

エーレン「今だ!」

 

エーレンはすぐさま『シュテルンガトリング』のβレーザーを発射する。

放たれた光線は3つに別れ、菱形を半分に切ったかのような軌道を描き…

 

ドォーン!

 

楯無のナノマシン発生装置『アクア・クリスタル』に命中し、破壊した。

 




今回はここまでです。

次回は後編です、お楽しみに。

誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたらお知らせください、お待ちしております。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。