また管理ミスにより、再投稿になります、申し訳ありません…
同時刻
アリーナ 観客席
簪「すごい…」
簪はそれしか頭に出て来なかった。
今まで、電撃でナノマシンをショートさせて水壁を突破を試み、なおかつ成功させた人間は皆無だからだ。
他のいつメンも度肝を抜かれているようだ。
エミリア「お兄ちゃんは兵器に詳しいからね、戦術の幅では通常のIS乗りの比じゃないよ」
エミリアは楽しそうにそう言う。
シャル「これでエーレンにかなり傾いたかな? 」
ギュエール「どうでしょう… ナノマシン発生装置はまだ残っています、そう簡単には…」
そう、エーレンが破壊した『アクアクリスタル』はあくまで半分、展開能力は減ったが、完全に使えなくなった訳ではない。
エミリア「大丈夫、お兄ちゃんとユキナお姉ちゃんなら何も問題ないよ」
何が根拠かは分からないが、エミリアはエーレンの勝利を信じて疑わなかった。
アリーナ内
楯無「へぇー、なかなかやるじゃない。
ちょっと舐めてかかっていたかも」
楯無は破壊された『アクアクリスタル』を見ながらそう呟く。
油断したつもりは無かったが、学園最強の称号が少し過剰な自信に繋がっていたようだ。
楯無「だけど、もうその手は通用しないわよ? 」
楯無は新たにナノマシンを放出させ、付近の水蒸気を指揮下におき、『蒼流旋』を構える。
エーレン「でしょうね… ですがそれはそちらにも言えることです」
エーレンも『ブリッツ・シュトローム』を収納し、『レギオンランス』を取り出す。
一瞬の沈黙の後…
楯無「はぁぁぁぁぁ! 」
先に動いたのは楯無の方だった。
一気に接近し、『蒼流旋』を振り下ろす。
エーレンも『レギオンランス』で迎撃、再び水蒸気が立ち上る。
エーレン「はぁ!」
単純な力比べになれば、超兵器機関を有するヴァイスの方が圧倒的に出力が高いため、楯無が吹き飛ばされる。
雪奈「畳み掛けるよ!」
エーレン「了解!」
エーレンは素早く『レギオンランス』から『アブソリュートマグナム』に持ち替え、発射する。
雪奈の照準補正は間に合わず、ほぼエーレンの腕だけで放たれた光線は『ミステリアス・レイディ』の中心に命中…
楯無「そうはさせないわ!」
する前に水壁によって防がれる。
楯無「ふぅ… 危なかった… でも準備は整ったわ…」
エーレン「(準備? 一体何の…)」
エーレンは目を細め、各センサーを念入りに確認する。
楯無「エーレン君、ちょっと蒸し暑くない? 」
エーレン「はい? 確かに言われてみれば… っ! クラインフィ…」
エーレンは楯無の問いかけで何かに気がついたようだが…
楯無「もう遅いわ! 『
ドォーーン!
アリーナ全体にまでおよぶ巨大な爆発は、ヴァイスに直撃し、アリーナのシールドに叩きつける。
雪奈「エーレン!? 」
雪奈の悲鳴のような声が響く。
エーレン「……大丈夫、平気だよ」
エーレンは咄嗟に衝撃をやわらげたようで、怪我はしているが軽傷だった。
エーレン「機体は? 」
雪奈「…『シュテルンガトリング』、及び『アブソリュートマグナム』が大破、機体のVPはクラインフィールドで防いだから大丈夫だけど、
エーレン「そうか… まあでも、まだ負けてない」
エーレンは『レギオンランス』のみを持ち、再び立ち上がる。
雪奈「でもエーレン怪我してるじゃない!」
エーレン「こんなのかすり傷だよ、大破した武装の修理、お願い」
エーレンは雪奈に『ナノマテリアル』での武器の修理を頼み、上空の楯無を見る。
エーレン「(さあヴァイス、ここからが本番だ、邪魔な鎖は外してやるから、あの生徒会長様に見せてやれ、超兵器がどんなものかをね!)」
『超兵器機関、出力制限を解除します』
その瞬間、ヴァイスの蒼色だった目が赤く染まり…
楯無「は、速い!? 」
先程とは比べ物にならないくらいのスピードで航行する。
楯無も『蒼流旋』のガトリングガンで弾幕を張るが、速すぎてあたらない。
楯無「何が起こったの!? 」
エーレン「よそ見しないでくださいよ! 」
エーレンは速度を維持したまま、『レギオンランス』を楯無に投擲する。
楯無「投げた!? 」
楯無は予想外の攻撃に一瞬固まる。
しかし直ぐに向かってくる槍を躱す。
だが、それはヴァイスから目を離す事に繋がった。
楯無「しまっ…」
慌てて対処するが…
エーレン「もう遅い! 必殺ファンクション!」
『アタックファンクション ECMボマー』
超兵器機関の枷を取り払ったヴァイスから逃れられるはずもなく、エーレンの攻撃は綺麗に楯無にきまる。
そして、『ECMボマー』の効果により、ナノマシンが機能不全に陥り、再び使用不能になる。
エーレン「これで邪魔なのは無くなった! 行け!『ダイモン』!」
エーレンは攻撃の障害となる水壁を無効化した後、トドメと言わんばかりに64機の『ダイモン』を展開、四方八方から楯無に砲撃する。
楯無「きゃあ!? 何よこれ、報告より威力も発射レートも高いじゃない!? 」
『ダイモン』に搭載されているエターナルサイクラーの出力制限も同時に解除しているので高威力と速射が合わさった危険な代物と化していた。
楯無も必死に迎撃を試みるが、ただでさえ数が多く、それらがバラバラな回避機動を取るのでまだ全然落とせずにいた。
そして、もう一度、エーレンから目を離してしまった。
エーレン「これで終わりです!」
『アタックファンクション グングニル』
赤い円錐型の巨大な槍が、楯無に突き刺さる。
『
そしてエーレンの勝利を告げる機械音声がアリーナ内に響いた。
十数分後…
アリーナ ピット内
雪奈「全く、何考えてるのエーレン!? 私がちょっと目を離した隙に…」
エーレンはヴァイスの前で正座させられていた。
そして目の前にはかなりご立腹の雪奈がエーレンに向かって叫んでいた。
それはさながら、子供を叱る親のようだった。
後からエーレンの元にやって来たエミリア達も、これには苦笑い。
雪奈「超兵器機関の出力制限が一体何のためにあるのか、それはエーレンが一番よく分かっているでしょう!? 」
エーレン「はい… おっしゃる通りです…」
雪奈「じゃあ何で…」
エーレン「いや悪かったと思ってるけど、雪奈と一緒に戦っているのに負けるの嫌だし…」
エーレンは子供の様な言い訳をする。
雪奈「……その言い訳はずるいよ…」
子供っぽい言い分だが、雪奈はそう言われると何も言えなくなる。
エーレン「あとドクトルが『1回思いっきりやってこい』って言ってたし」
雪奈「…前言撤回、やっぱり今夜ゆっくりO☆HA☆NA☆SHIしましょ?(ハイライトオフ)」
雪奈は急に笑顔になってそういう。
エーレン「え、えーとあの雪奈=サン…? 」
エーレンは本気で雪奈を怒らせたため、かなり焦り気味にそういう。
雪奈「イイワネ? 」
エーレン「アッハイ」
そして翌日、げっそりしたエーレンが目撃されたとか、されなかったとか…
同時刻
生徒会室
虚「何考えているのですかお嬢様!? あんな大きな爆発を起こすなんて!」
楯無は生徒会室でエーレンと同じく正座させられていた。
目の前には同じくご立腹の虚がいた。
楯無「いやだって、あんな短時間で『アクアクリスタル』を破壊するような相手だったから…」
虚「だからといって、アリーナのシールドにヒビが入るような攻撃をしてどうするんですか!?
今回のヴァルトフォーゲル君は何ヶ所かの怪我で済みましたが、最悪死んでいたかもしれないのですよ!」
実は楯無の放った爆発は、アリーナの観客を守るシールドにも影響を及ぼすレベルであり、あと少し加減を誤っていたらアリーナのシールドは崩壊し、観客である生徒達に死者が出たかもしれないのだ。
虚「それに、ヴァルトフォーゲル君が軽傷で済んだのも、彼のISが頑丈だからです、普通のISなら大破してもおかしくありません!」
楯無「それくらい分かってはいるわよ… でもそうでもしないと超兵器には勝てないわ、虚ちゃんだって分かっているんじゃない? あの機体の異常さに? 」
楯無は立ち上がりながら虚にそういう。
実際、楯無の目的のひとつは、実戦を介してのヴァイスの情報収集にあった。
その点では大成功と言えるだろう、ヴァイスのデータはバッチリ集まっていた。
虚「ええ… 特にお嬢様があの爆発で攻撃をした後から自分の目が信じられなくなりましたよ」
虚はヴァイスのデータが書かれたタブレットを見ながら呟く。
虚「イレギュラーの塊…
積層された装甲…
圧倒的な力…
私たちの世界のものであるISも、彼らの手にかかればこんな化け物に変貌するのですね…」
優秀な技師である虚の目から見ても、やはり規格外すぎるようだった。
だが無理もない、超兵器とはそういうものだ。
ただただ『兵器』としての能力を最大限にまで高めた究極兵器、『破壊』という言葉の権化である。
楯無「だからこそ、きちんと情報を精査する必要があるわ、虚ちゃん、そのデータから分かることはある? 」
虚「そうですね… まだ予測の域を出ないのですが…」
虚はそう断わったあと…
虚「今まで、ハシラジマから公開された数少ない超兵器の情報から、私達は超兵器を『超兵器機関を最大限に活用した兵器』と予測してきましたが…
これを見てください」
虚はタブレットを操作し、1枚の画像を楯無に見せる。
楯無「これは… ヴァイスのサーモグラフィー?
でもこれがどうしたの?
かなり高温だってことは分かるけど…」
虚「確かにただ高温なだけでしたら特筆するようなことではありませんが…
問題は、後一歩でISのパーツにダメージを与えるレベルだったということです」
それを聞いた瞬間、楯無の目の色が変わる。
楯無「ちょ、ちょっと待って、それってつまり…」
虚「はい、あのスピードですら、機体へのダメージを考慮した上での、限定的な制限解除と思われます。
すなわち、超兵器とは今までの仮説『超兵器機関を最大限に活用した兵器』では無く『超兵器機関に枷をつけることにより、無理矢理現代兵器の枠に押し込んだ兵器』では無いかと思われます」
楯無「なんてこと… もし仮に超兵器機関の技術が流出したら…」
エーレン達の世界より、耐久力のある素材が大量にあるこの世界ならば、もしかしたらもっと強力な超兵器が造れるかもしれないからだ。
楯無「虚ちゃん、その仮説、裏付けお願い出来る? 」
虚「かしこまりました」
同時刻
現在地???
一企業の会議室のような部屋に、1人で紅茶を飲んでいる女性が1人いた。
そこに…
???「おーいスコール、頼まれてた物持って来たぜ? 」
スコール「あら、もう? 流石ね、ありがとうオータム、早速見せてもらえる? 」
スコールと呼ばれた女性は、タブレットを持って部屋に入って来たオータムという人物にそういう。
オータム「任せろ」
そう言いながら、部屋に備え付けられているスクリーンを下ろし、プロジェクターにタブレットを繋ぎ、データを見せる。
それはエーレン対楯無の試合を上空から撮影したものだった。
スコール「これが本物の超兵器… 私達のISを完膚なきまでに叩き潰した、あのゼーロスとかいう悪魔の敵…
予想以上に強力ね」
スコールはそう言いながら笑う。
オータム「しかしこんなデータ集めてどうすんだ?
はっきりいって化け物だぜ、あの機体」
スコール「そうね、あなたには伝えてなかったわね」
そう言いつつ、スコールはそばに置いてあったノートPCを操作し、1枚の画像を見せる。
オータム「これは…」
オータムはにやけながら呟く。
スコール「目には目を歯には歯を…
化け物には化け物よ」
その画素に映る双胴式の強襲揚陸艦は、まるでいずれ起こる戦争を今か今かと待ち望んでいるようだった。
今回はここまでです。
次回は学園祭…
なのですが来週はお休みをください。
またあれです… テストです…
次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦
第22話 タイトル未定