インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

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こんにちは皆様、大極光です。

最近、紺碧の艦隊を見始めました。
蒼萊かっこいい…


第22話 不吉なる空襲

翌日

 

ハシラジマ海上技術研究所

 

学生の数少ない楽しみの1つである週末、だがエーレンには仕事があり、雪奈と共にハシラジマに来ていた。

そしてここはハシラジマでも最も機密な研究を行うレベル5研究室。

 

ハンス「これの完成も間近だな、少佐」

 

謎の発掘機体 マキナ・インコグニタを研究している部屋とは別の場所、まだレベル5の中でも比較的機密性の低いものを研究する部屋で、エーレンとハンスはガラス越しに1つの機体を見下ろしていた。

 

エーレン「ええ、機体番号 PROULA-X-000-03G

コードネーム アズール・レギオン。

明日にでも稼働実験ですか? 」

 

ハンス「その予定だ」

 

ハンスはどこか誇らしげに言う。

 

雪奈「ふーん、でもあれ明らかにISの大きさじゃなくて、MSのサイズでしょう?

そんなもの作ってどうするんですか? 」

 

すると、エーレンの左腕に抱きついていた雪奈がハンスにそういう。

実際、アズール・レギオンは全高約20mほどの巨体を誇っている。

MSのサイズとしては普通だが、IS基準とすると明らかに大きすぎる。

 

ハンス「雪奈君の言う通りだ。

アズール・レギオンはISでは無くMSとして作られた。

目的としては多彩な武装を搭載したヴァイスをMSにすることにより、男性でも搭乗可能とし、ゆくゆくはゼーロス航空隊のエース機として配備すること、だな」

 

まあ、他にも様々だが とハンスは明日に必要なデータが書かれた書類を見ながらそう言う。

 

エーレン「明日の試験飛行に参加出来ないのは残念ですね」

 

エーレンは学園祭の会場設営などを任されており、明日はそっちに顔を出さなければならないのである。

 

ハンス「安心したまえ、ちゃんと録画はするし、データも後で見せてやる、何せ私がテストパイロットだからな、その辺は抜かりない」

 

エーレン「はい!? ドクトルが搭乗なさるのですか!? 」

 

てっきり航空隊からテストパイロットを選出しているものだと思っていたエーレンは渡された書類を確認していたが、それを聞いてハンスの方を見る。

 

ハンス「うむ、この機体は通常のMSに比べて武装の数が豊富だ。

そのため武装の特性を全て把握している人間がテストを行った方が良いと判断した」

 

エーレン「それでドクトル自ら、ですか… 」

 

ハンス「まあそれなりに訓練はした、それに明日は別に戦闘をする訳ではないからな、安心したまえ。

……もうこんな時間か… 少佐、雪奈君と食事に行ってくると良い」

 

ハンスが研究室の時計を見ながらエーレンにそう言う。

 

エーレン「ではお言葉に甘えさせていただきます」

 

そう言いながら研究室を後にするエーレン。

ハンスは最終調整を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

ハシラジマ海上技術研究所 屋上

 

エーレン「いい天気だね」

 

そう言いながらエーレンは雪奈が今朝作ってくれたお弁当の唐揚げを食べる、今更だがエーレンはゼーロスの艦長に就任する前に、日本に研修に来ていたため、箸はそれなりに使える。

 

エーレン「それにこれも久々に食べたけど… また腕上げた? 」

 

雪奈「そう? あんまり自覚ないんだけど…

というより、それ作ってあげたのもう何年も前よ?

よく覚えてるわね」

 

何年も前、すなわち雪奈が戦艦奥遠和のメンタルモデルとして戦っていた頃の話である。

 

エーレン「すごく美味しかったからね、よく覚えてるよ。

というより、あの研修の期間の出来事はだいたい全部覚えてるよ」

 

雪奈「そうなんだ…」

 

そんな感じで思い出話をしていると…

 

ピロン

 

エーレン「ん? 」

 

エーレンの携帯から通知音がなった。

確認してみると、セシリアからのメールであった。

 

エーレン「えーとなになに…『学園祭用の服が届きましたわ、試しにエミリアさんに着てみて貰ったので写真をお送りします』と…」

 

そう書かれたメールだった。

エーレンは早速その画像データを開く。

雪奈はエーレンの隣にいたので、エーレンの携帯の画面をのぞき込む。

するとそこには…

 

エーレン「おお…」

 

雪奈「これは…」

 

どこぞの店にありそうなミニスカートのメイド服を着て、さらには恐らく周りのクラスメイトの悪ノリで付けたであろうネコミミを頭につけ、笑顔で猫のようなポーズをとっているエミリアの姿があった。

 

つまり何が言いたいかというと、エーレンにとっては破壊力抜群なのである。

 

エーレン「……(ピッピッピッピッ)」

 

雪奈「は、速い…」

 

一瞬でその画像を保存、保護を掛けてからロック画面の画像をその写真に変更した。(ちなみにホーム画面はエーレンと雪奈のツーショット)

 

エーレン「今年の年賀はがきの1枚はこれで決まりだな…」

 

どこか満足気にそう呟くエーレン、その表情は狂気を纏った笑顔であった。

 

雪奈「ホントエミリアちゃんのことになるとすぐこの調子なんだから…」

 

雪奈は呆れたようにそう言う。

そんなこんなで、ランチタイムは平和? に過ぎていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

IS学園 一年生寮 食堂

 

エーレンはあの後、仕事をしてから雪奈とIS学園に帰った。

そして到着する頃にはすっかり日は暮れ、夕食の時間となっていた。

ギュエールからエミリアを連れて食堂に行っているとの事だったので、エーレンは車を停めて直接食堂に向かった。

 

ギュエール「艦長、こっちです」

 

残念ながら、雪奈に関しては学園では公にするな、とのお達しがあるので、ヴァイスの中に待機してもらった。

そのためエーレンは、1人でエミリア達を探していると、ギュエールから声が掛かる。

 

ギュエール「お疲れ様です、艦長」

 

エーレン「ええ、そちらこそ。

ところでエミリアは…」

 

エーレンは席に座っていたのがギュエールだけだったので、辺りを見渡す。

 

エミリア「お兄ちゃん!」

 

すると右から衝撃が加わる。

エーレンは見るまでもなく、それが誰だか分かった。

 

エーレン「走ると転ぶよ? 」

 

そう言いながら突進してきたエミリアの頭を撫でようとするが…

 

エーレン「ん? 」

 

頭に何かあったため、いつものように撫でられなかった。

エーレンはすぐにエミリアの方を見ると…

 

エミリア「じゃーん! どう? 似合ってる? 」

 

エミリアは昼間写真で見たメイド服のままだった。

 

エーレン「うん、良く似合ってるよ」

 

エーレンはそう言いながら、ネコミミを避けてエミリアの頭を撫でる。

 

セシリア「エミリアさん! 走るとシワになりますわよ!

ってエーレンさん、おかえりなさい」

 

するとエミリアの後を追いかけてきたセシリアが食堂に現れる。

 

エーレン「ええ、ただいまです、ところでセシリアちゃん、エミリアのこの格好は昼間からずっとですか? 」

 

セシリア「はい、エーレンさんに直接みせるんだって聞かなくて」

 

エーレン「なるほど… エミリア、セシリアちゃんの言うことはちゃんと聞くこと、良い? 」

 

エミリア「はーい!」

 

なら良し、とエーレンは言ってからセシリアに礼を言う。

 

セシリア「いえいえ、そう言えば、エーレンさん用の服も届いていますわ、試しに着てみてはいかがでしょう? 」

 

エーレン「分かりました」

 

そしてこの後、試着したエーレンが再び皆の前に出てくると、撮影会のようなものが始まり、織斑先生が止めに来るまでかなりの盛り上がりを見せた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翌日

 

IS学園 1年1組教室

 

学園祭が間近に迫った今日。

1組の教室では机が片付けられ、セシリアが自分の家から持って来たという家具を並べていた。

特に重たいものはエーレンと一夏が運んでいるが、流石は海軍人、一夏とは違い、丁寧かつスピーディに運び込んでいった。

 

エーレン「良しこれで良いかな… あと何かありますか!? 」

 

「うーんと… もう無いよ! あとはやっておくから休憩しておいてー! 」

 

エーレン「分かりました!」

 

そう言いながらエーレンは軍手を外し、教室を後にする。

次は生徒会に呼ばれているのだ。

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

生徒会室

 

エーレンは楯無との試合の後、楯無から生徒会が行う学園際の催しに手を貸してほしいと言われたため、その程度ならとエーレンは協力することにした。

 

そしてこの日、最終チェックを行い、問題が無ければそのまま決行し、問題があれば修正し、本番に備える予定だった。

しかし…

 

コンコンコン

 

楯無「どうぞ」

 

生徒会室の扉が開かれる。

入ってきたギュエールは何やら血相を変えていた。

 

ギュエール「艦長! 緊急伝です!」

 

エーレン「何があったのですか? 」

 

ギュエール「はい、たった今通信が送られてきて…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハシラジマが何者かに襲撃を受けているとの事です!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数十分前…

 

神奈川県横須賀市沖 人工島ハシラジマ近海

 

ハシラジマの演習区域に指定されている海上を1機の巨人が飛行していた。

 

ハンス「ふむ、予定以上のスペックだな」

 

その機体 PROULA-X-000-03G アズール・レギオンのコックピットでハンスは予定された実験項目の約半数をこなし、その結果を見ながらそう呟く。

 

『テスター1 これより武装の実験に入って下さい』

 

テスター1とは、今回の稼働実験でのアズール・レギオンのコールサインである。

 

ハンス『こちらテスター1、了解、的を展開してくれ』

 

『了解』

 

ハンスはアズール・レギオンの数ある武装の内、大口径レーザーライフルである『アズールライフル』を翼から取り外し、的に向かって構える。

そしてトリガーをひこうとしたその時…

 

『テスター1! 南南西から所属不明機接近中! 直ちに実験を中止し、帰還してください!』

 

ハンス『こちらテスター1 落ち着きたまえ! まずハシラジマのデータベースから目標の機種を割り出せ!

話はそれからだ!』

 

この実験を中止する考えはハンスには無かった。

技師として、なんとしてもこの機体を完成させたいと思っていた。

故に、未確定情報で実験を中止したくなかったのである。

 

『了解!……機種判明! クラス代表戦の時に学園を襲撃した機体です!

コードネームはゴーレム、数は1個航空大隊規模!

テスター1! あれは敵です! 一刻も早く退避を!』

 

普通なら、操縦にまだ慣れていないハンスは撤退を選ぶだろう。

だが…

 

ハンス『いや、実験を継続する、ゴーレムの性能は束君から聞いている。

このアズールの敵では無いよ。

それに、航空隊が発進するまでの時間稼ぎがいるのでは無いのかね? 』

 

ハンスはこの新型機の性能を信じて疑わなかった。

そのため、ハンスは武器を構え、目標に向かっていった。

 

『……了解です、ご武運を』

 

ハンス『任せたまえ』

 

そう言いながらハンスは機関出力を上げ、増速しながら敵部隊に向けて突っ込んでいった。

そして射程距離内に入ると…

 

ハンス「全火器一斉射撃!」

 

ハンスは右腕の『アズールライフル』と両腕部に固定されている20mm連装ガトリング機関砲『アズールガトリング』2基、計5門の火砲を敵編隊に薙ぎ払うように発射する。

 

ドォーーン!!

 

高出力のレーザーと何十発の20mm機関砲弾を受けたゴーレムは墜落こそしなかったものの、無視できないダメージを被った。

無論、以前のデータを知っているハンスはこれで撃墜できるなどとは思っていない、すぐさま次の一手を打つべく行動する。

一方ゴーレムはすぐさま、下方から撃ってきたアズールに対し荷電粒子砲による砲撃を行う。

 

ハンス「無駄なことを」

 

アズールの機動力をもってすれば、ゴーレムの放った弾幕などいとも容易く躱すことが出来る。

もし仮に命中したとしても、アズールの強制波動装甲から発生するクラインフィールドによって防がれる。

つまり、ゴーレム隊がアズールを撃ち落とすには、相当量の攻撃を命中かつ直撃させなくてはならないのだ。

 

ハンス「うまく操る自信は無いが… 行け! 『セイライⅡ』!」

 

アズールの翼端部に4機ずつ、計8機搭載された半自律稼動浮遊放題『セイライⅡ』はヴァイスに搭載されていた『セイライ』を改良し、レーザーブレードや複数合わさることにより、シールドを作り出すことも出来る、新型兵器である。

 

ハンスはそれを4機だけ切り離し、アズールからの弾幕を陽動とし、切り離した『セイライⅡ』をソードモードにし、別ルートから侵入させ、コアのある部分を正確に貫く。

これにより4機が墜落した。

 

ハンス「良し! この調子で… 持っていけ! 」

 

『アタックファンクション 我王砲』

 

アズール胸部から強力な一撃が放たれる。

それをまともに受けた8機が墜落、中心にいた3機は跡形もなく消えた。

 

これで計12機、中隊規模を殲滅した。

だが…

 

ハンス「はぁ…はぁ… やれやれ、研究所漬けのこの身体には堪えるな…」

 

ハンスの方も限界であった。

そこに…

 

ドドドドドドドドッ!

 

後方から機関砲が多数発射され、接近中のゴーレムを怯ませる。

ハンスが振り返って確認してみると、11機のISがハンスを守るように展開していた。

 

???『ご無事ですか? ドクトルシューゲル』

 

そしてその部隊の隊長であろう人物から通信が入る。

 

ハンス『ああ、どうにかな… ところで君たちは…』

 

クラリッサ『申し遅れました、私はゼーロス航空隊 第666中隊副隊長、クラリッサ・ハルフォーフ2尉であります』

 

ハンス『ゼーロス技術班班長 ハンス・シューゲル大尉だ。

なるほど、君たちが少佐の言っていた例の…』

 

クラリッサ『はい、我々が一番早く出撃出来たので、援軍として来ました。

後は我々に任せて、ドクトルは退避してください』

 

クラリッサはライフルを構えて、敵に射撃しようとするが…

 

ハンス『どうやらその必要はないようだぞ、中尉』

 

クラリッサとハンスの視線の先には、既に撤退を始めている敵機の姿があった。

 

ハンス『深追いは厳禁だ、ハシラジマに戻り、状況を整理しよう』

 

クラリッサ『分かりました』

 

そしてこの襲撃の数時間後、エーレンがハシラジマに到着し、夜遅くまで、敵の分析を行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

同時刻…

 

現在地???

 

スコール「これがコードネーム『青』の性能、パイロットがまだ素人だったというのを加味してもここまでの性能を誇るなんて…」

 

この前と同じく一企業の会議室のようなところで、スコールはオータムと共に、ゴーレム大隊と戦うアズールを映像で見ていた。

 

オータム「全くイレギュラーにも程があるぜ、こんな化け物をポンポン作り出すんだからな…

だとしても貴重なゴーレムを12機も犠牲にするほどのものだったのか?

計画に支障が出ると思うんだが…」

 

スコール「まあ、ないと言えば嘘になるけど、ゼーロスさえ抑えてしまえば、後はこちらのものよ。

それに…」

 

スコールはノートPCを操作して、1枚の画像をオータムに見せる。

 

オータム「ほう… 上はこれを狙ってるのか? 」

 

スコール「ええ、最近入った情報よ、ハシラジマ海上技術研究所のレベル5実験室で最重要事項として研究されている機体、こちらでのコードネームは『紫』。

上は計画にこれの奪取と、コードネーム『青』の破壊を加えるそうよ」

 

オータム「なるほどな、しかしハシラジマのレベル5って… 相当厳しいな… それに仮に奪取出来たとして誰が乗るんだ? 」

 

スコール「今のところはMを予定しているわ」

 

オータム「妥当な選択だな、分かった、こっちも準備を始める」

 

オータムはそう言いながら立ち上がり、部屋を出ていく。

スコールはオータムを見送った後、計画の確認を始めた。

スコール達の計画は着々と進んでいたが、エーレン達は知る由もない。




今回はここまでです。

次回は学園祭ですかね。

次回 インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦
第23話 最後はエミリアが勝つ!

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