インフィニット・ストラトス 白衣の男と白き戦艦   作:大極光

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こんにちは皆様、大極光です。

アズールレーン1周年で狂喜乱舞していました。

あ、本編どうぞ


コラボ第3話 交流

深海棲艦殲滅後…

 

特一等級空中戦闘母艦 ゼーロス艦橋

 

ギュエール「……対空、対水上電探、共に感なし、敵の殲滅を確認しました」

 

目の前に広がるいくつものモニターや計器をチェックしながらそういう。

あの後、ゼーロスから発射されたV1は正確に敵艦隊を捉え、その火力を遺憾無く発揮、敵艦を全て海の藻屑にしたようだった。

 

エーレン「状況終了ですね、お疲れs… 」

 

エーレンがヘッドセットを下ろし、そう言うが…

 

ギュエール「ま、待ってください! 対水上電探に再び感あり!

先程の反応とは反対の方向から本艦に向けて侵攻中!

数は7、軽巡洋艦クラスが1、残りは駆逐艦と思われます!」

 

エーレン「反対側…… ! 攻撃中止! 主砲5番から10番、及びAGSの火を落とせ!」

 

ギュエール「は、はい!? しかし艦長、まだ味方と決まった訳では…」

 

ギュエールは普段とは違う命令に対し、エーレンに意見を述べる。

 

エーレン「敵がいかに未知かつ規格外だとしても、ゼーロスの索敵範囲を抜けて後方に展開するなんて事は考えにくいです。

仮にそれが出来たとしても、空中に浮かび、約3個航空大隊を無傷で殲滅し、空母をも一撃で沈める本艦に対し、水雷戦隊を送り込んでくるのは不自然です。

奴らは動物でも天災でもありません、人類と戦争ができる『思考する敵』なのですからね」

 

エーレンは影徳から聞いた情報を元に持論を述べる。

 

エーレン「ですので恐らくは、氷室提督の基地の艦隊かと…

違いますか? 」

 

エーレンは振り向きつつ、斜め後ろにたっている影徳にそう問いかける。

 

影徳「ああ… 数も一致する」

 

エーレン「というわけです、ギュエールさん、旗艦と思われる先頭の軽巡洋艦に通信を繋いでください」

 

ギュエール「分かりました」

 

ギュエールはコンソールを操作して、通信を繋ぐ。

 

エミリア「はいこれ」

 

エミリアは送話用のマイクをエーレンに手渡す。

ギュエールから通信が繋がった事を聞くと、エーレンはマイクのボタンを押そうとするが…

 

???『所属不明艦に告げます、直ちに停船してください! 』

 

エーレンが話す前に向こうから通信がくる。

 

エーレン「エミリア、機関停止」

 

エミリア「はーい! 機関停止します!」

 

エーレンはエミリアに機関停止を指示したあと、向こうの指示に従う旨を伝える。

 

影徳「艦長、少し変わって貰えないだろうか?

そちらの方がスムーズに済むと思うのだが…」

 

エーレン「ふむ、確かにそうですね…

ではこちらを」

 

エーレンは持っていたマイクを影徳に渡す。

 

影徳『川内、俺だ』

 

エーレンは静かに見守る。

念の為、エミリア官制で航空隊を発進できるようにしてある。

 

川内『提督さん!? その戦艦に乗ってるの!? 』

 

影徳『ああ… この艦の責任者と話はつけてある、この艦に敵意はない』

 

川内『そうなの? ならいいけど… でもこの後はどうするの? 』

 

影徳『それなんだがな… 俺は鎮守府に招待しようと思っている』

 

影徳がそういった瞬間、ゼーロス艦橋組は揃って影徳の方を見る。

前回もそうだが、他国の戦闘艦を保護するなどあまり無いからである。

 

影徳「艦長、それで構わないだろうか? 」

 

エーレン「ええ、もちろんです。

我々には他に行くあてもありませんからね、お言葉に甘えさせていただきます」

 

影徳はそれだけ聞くと、頷きながら通信を送る。

 

影徳『相手の了承も取れた。

川内達は先に帰投して受け入れ準備をしておいてくれ』

 

川内『分かったわ、気をつけてね』

 

それを最後に通信が切れる。

影徳もエーレンにマイクを返し、エーレンは受け取りつつ次の指示を出す。

 

エーレン「今度こそ状況終了ですね、全対空火器を収容、光学障壁を解除してください」

 

ギュエール「了解、対空火器を収容、光学障壁の火を落とします」

 

ギュエールがコンソールを操作すると、速射砲やパルスレーザー、CIWSは艦内に収納されていき、同時進行でゼーロスをおおっていた防壁が花弁が舞うように消滅していく。

 

ギュエール「弾薬を積んできて正解でしたね」

 

ギュエールは消費弾薬の一覧がまとめられたタブレットをエーレンに渡す。

 

エーレン「ですね… エミリア、氷室提督の鎮守府の位置は分かる? 」

 

エーレンはギュエールから渡されたタブレットを見ながらエミリアに問いかける。

 

エミリア「分かるよ〜、さっきこのあたりをトレースしてたからね〜」

 

エミリアは鎮守府とゼーロスの位置をメインモニターに映し出す。

 

エーレン「氷室提督、我々はどの辺に停泊すればよろしいでしょうか? 」

 

ゼーロスは全長896mの巨大艦かつ空中に浮いている。

ハシラジマのように、専用の港湾設備がなければ降りられないのだ。

 

影徳「そうだな…」

 

惣輔「あそことかどうだ? 」

 

惣輔はメインモニターのある1点を指差す。

 

影徳「ああ… 良さそうだな、艦長、そこに向かって欲しい」

 

エーレン「分かりました、では指定座標まで巡航で向かう、機関始動! ゼーロス発進!」

 

エミリア「はーい! 機関始動します!」

 

エミリアの声の後、ゼーロスのフラッペンが再び稼働し、目的地へと向かって行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

十数分後…

 

目的地周辺

 

エーレン「機関停止」

 

エーレンは目的地に着いたため、エミリアにゼーロスを停止させる。

 

エーレン「ここから先はヘリコプターですかね」

 

影徳「そうだな… 埠頭なら十分な強度があるはずだ」

 

エーレン「分かりました、エミリア、輸送ヘリを左舷飛行甲板にお願い」

 

エーレンはエミリアに指示を出しつつ、内線を使ってセシリア達に左舷甲板に来るように伝える。

 

エーレン「では僕達も行きましょうか、案内します」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

左舷飛行甲板

 

エーレン達が艦橋から出る。

既に日はかなり傾いていた。

ヘリの方を見ると既にセシリア達がにいた。

 

シャル「あ! エーレン!」

 

シャルがエーレンを見つけ、セシリア達と共に走って来た。

 

ラウラ「兄様大丈夫ですか? どこか怪我とか…」

 

ラウラをはじめ、皆がエーレンの事を心配しているようだ。

 

エーレン「ええ、あのような相手に遅れはとりませんよ

…そう言えばあの男は…」

 

エーレンは一夏が周りにいなかったので聞いてみる。

 

箒「ああ、エーレンの指示通り営倉? という所に入れて置いたが…」

 

エーレン「あ、そう言えばそうでした、ありがとうございます」

 

エーレンは咄嗟に出した指示だったため、すっかり忘れていた。

 

エーレン「さて、こんなところで立ち話もなんですし、ヘリに乗り込みましょう」

 

エーレンがそういったため、次々とヘリに乗り込んでいく。

程なくして、エミリアの操縦のもと、ヘリはゼーロスから飛び立った。

 

ちなみに余計な混乱を防ぐため、ゼーロスは光学迷彩を使い、周りの景色と同化させていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数時間後…

 

東都第6鎮守府 食堂

 

ヘリが埠頭に降りた後、今度は影徳の案内の元、鎮守府内を案内された。

そしてその後、影徳から交流会も含めて食事をしようと言われ、エーレンはそれを受諾、今に至るという訳だ。

なお、料理を作る際、エミリアも手伝っていた。

 

エミリア「つ、疲れた…」

 

エミリアは昼間の戦闘と今回の料理、加えて目まぐるしく変わる状況のため、心身共にくたびれていた。

 

簪「お疲れ様、エミリア」

 

エミリアの隣に座る簪がそういう。

ちなみにまだ食事会は始まっていない。

 

鈴「エーレン、あれ」

 

エーレンがエミリアの頭を撫でていると、鈴から声をかけられる。

 

エーレン「氷室提督ですね、という事はそろそろですね… 」

 

エーレンがそうつぶやき終わるのと同時に、影徳がマイクを持ち…

 

影徳「皆座りながら聞いてほしい、全員が知ってると思うが、今日の昼、深海棲艦の空母機動艦隊が進行してきた。

だがそれは、1発も攻撃を放つことなく殲滅された。

何故か、それは今日新たにこの鎮守府の一員となった者達のおかげだ。

紹介しよう、特一等級空中戦闘母艦 ゼーロスの乗組員達だ」

 

エーレンはエミリア達が準備をしている間、遊んでいた訳ではなく、元の世界への帰還までの間、この鎮守府の戦力に加わる事、技術の一部公開など、様々な取り決めを行っていた。

 

影徳「そしてこの食事会は交流会もかねた歓迎会だ、皆存分に楽しんでほしい、乾杯!」

 

影徳の音頭のもと、全員が乾杯し、食事会が始まった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

数分後…

 

惣輔「よう、楽しんでるか? 」

 

エーレンがパソコンを弄りながら1人で黙々と料理を食べてると、酒が入ったグラスを片手に惣輔がやって来た。

 

エーレン「ええ、おかげさまで」

 

エーレンは振り向きつつ、そういう。

 

惣輔「そんな隅っこに居ないでもっと喋りに行ったらどうだ? 」

 

エーレン「ええ、では…」

 

エーレンはパソコンを閉じ、グラスを持って立ち上がる。

 

惣輔「そう来なくちゃ、今日はエイトの奢りらしいからな、たんまり飲める… ってそっちはまだ飲めないのか…」

 

エーレンは車は運転出来たりするが、一応未成年である。

酒やタバコはまだ無理だ。

 

???「だからって飲みすぎはダメよ? 」

 

エーレン「うん? 」

 

エーレンは声のした方を振り向くと、電と同じようなセーラー服をきた、エミリアと同い年くらいの茶髪の女の子がたっていた。

 

???「明日も任務があるかもしれないんだから」

 

惣輔「そう固いこと言うなよ… 雷」

 

雷「もう… えーとそっちの人が…」

 

雷は今度はエーレンの方を向く。

 

惣輔「ああ、戦艦ゼーロス艦長の…」

 

エーレン「エーレンフリート・ヴァルトフォーゲルと言います、エーレンとお呼びください」

 

雷「暁型駆逐艦雷よ、よろしくねエーレンさん」

 

エーレンは頷いてから握手をする。

すると、エーレンの白衣の内ポケットが光出した。

 

エーレン「おっと」

 

エーレンは慌ててその光源、ヴァイスの待機状態である懐中時計を取り出す。

すると銀色の粒子が出現し…

 

雪奈「ふう、やっと出られた…

ひどいよエーレン、私放置は趣味じゃないんだけどな〜? 」

 

雪奈は頬を膨らませてエーレンにそういう。

エーレンからすればただ可愛いの一言ではあるが。

 

エーレン「ごめんごめん、やることが多くて…」

 

エーレンは雪奈に謝る。

まあ最も、雪奈もエーレンの性格は知り尽くしていると言っても過言ではないので、本気で怒っている訳ではない。

 

惣輔「と、時計から女の子が!? 」

 

一方、雪奈の存在を知らない鎮守府組は唯一声を上げられた惣輔を除き、呆然としていた。

 

夕立「エミリアちゃん、あの人誰っぽい!? 」

 

夕立は近くにいたエミリアに声をかける。

ちなみにエミリアは大体の駆逐艦とは既に仲良くなっている、たった数分しかたっていないのに恐ろしい…

 

エミリア「あの人はユキナお姉ちゃん、まあ一言で言えばお兄ちゃんの彼女さん」

 

エミリアは特に驚くこともなく、夕立の質問に答える。

 

影徳「エーレン、彼女持ちだったのか… しかしあの銀色の粒子は一体…」

 

電と一緒にいた影徳はエミリアの答えにそう呟く。

 

エミリア「えーとね…

 

 

エミリア説明中…

 

 

……って訳だよ」

 

一通り説明し終えたエミリアは持っていた飲み物を飲む。

周りの艦娘達は信じられないとまだ驚いている者や…

 

暁「エーレンさんって一途な人よね!」

 

響「そうだね、雪奈さんが亡くなっても想いが変わらないって…」

 

などと、年頃の女の子らしい会話をしている者もいた。

 

電「(もし私が沈んだらエイトさんは…)」

 

自分も同じような状況になってほしいと思っている者も約1名。

 

そんなこんなで、交流会はどんどん盛り上がって言った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一時間後…

 

一通り食べ終えた頃、鎮守府にあったカラオケの機械を誰かが見つけてきたため、エーレンと惣輔が即席で最新バージョンに改良し、カラオケ大会がスタートしていた。

そして今…

 

エミリア「青く澄みきった水のよう♪ All I see♪」

 

エミリアがマイク片手に綺麗な声で歌っていた。

(なお、どこぞの白衣が録画していたのは言うまでもない)

 

惣輔「エーレンの妹、歌上手だな」

 

エーレン「ええ! 自慢の妹ですから! 」

 

何故こんなに意気投合してるのかと言うと、カラオケセットを直す際に、どっちかが武器の話をし始めたため、後は武器オタどうし、あっという間に仲良くなったのだ。

 

惣輔「しかし羨ましいぜ、あんな可愛い妹と婚約者がいるなんてさ」

 

惣輔は酒がかなりまわってきたのか、そこそこテンションが高いようだ。

 

エーレン「あげませんよ? 」

 

エーレンはエーレンで、マジレス? しながらカメラを回す、ちなみに話し声や雑音は編集でカットするらしい。

 

惣輔「くれないのか? なら仕方ないが… って終わったみたいだぜ? 」

 

エーレン「ですね」

 

エーレンはカメラをとめる。

すると…

 

吹雪「あのエーレンさん!」

 

エーレン「おや、吹雪さん、どうしました? 」

 

吹雪「エーレンさんも歌いませんか? 」

 

そう言いながら、マイクと選曲用のタブレットを渡してくる。

エーレンはこういう場では乗った者勝ちと考え、吹雪の誘いに乗り、曲の一覧表を見ていく。

 

エーレン「ではこれで」

 

エーレンは曲を選択し、マイクを持って立ち上がる。

 

エーレン「加速する♪ 新時代♪ 果てしない競争は一体どこまで続くのか♪」

 

そんな感じで交流会は過ぎてゆく…




今回はここまでです、お疲れ様でした。

次回はまだ未定です。
ある程度は決まっていますが…

誤字や脱字、アドバイス、質問、おかしな表現などがありましたらお知らせください、お待ちしております。

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