フェイクというには程遠い   作:若葉ノ茶

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表に出ない研究所

 

 

 

 

 

 グランドラインというのは果てしなく様々な可能性が眠っている。

 自然で起きた現象であれ、人が人工的に起こしたものであれ、それらすべては危険視されている物が多い。

 

 そのうちの一つ、生体研究所もそうだった。

 

 

 グランドラインの無人島のような場所。

 その中でひっそりと建っている大きな研究所。表には『生体研究所』と書かれていたが、その中身が問題だった。

 

 何か事故でも起きたのか、ほとんどが燃えた後の残骸しか残ってはいないが。

 

 

 

 

 

「ああ、これは酷いですね……」

 

 

「数十ものよく分からねえ種族の燃える残骸。それと同時に発見された様々な細胞情報」

 

 

「確か過去の名だたる海賊の細胞ですよね? いったい何に使うつもりだったのでしょうか」

 

 

「…………」

 

 

 

 葉巻の煙を吸い、その研究所の残骸を見つめる。

 燃え残ったものの中には生きている生き物もいた。それは人の姿を辛うじてしているもの。過去見たことのあるような海賊の顔をした生き物ばかり。

 

 だがそいつらには自我がなかった。

 呻き声を上げるだけで、抵抗も何もない。

 研究途中であったんだろう。それかあれらはまだ失敗作か。

 

 Dr.ベガパンクの元へ運ばれたあの生き物たちがどうなるのかは知ったこっちゃないと男は考える。

 

 問題なのはこの研究所の中で作り上げた生き物がクローン体であるということ。

 その研究が成功し、クローンである生き物に自我などが芽生えたその日には――――――。

 

 

 

 

「新世界へ行く前の仕事だ。分かってんだろうな、たしぎ」

 

 

 

「はい、スモーカーさん」

 

 

 

 

 資料に載っていた中で成功体とされる一つの実験体の書類が見つかった。

 一部分は燃えていたが、写真付きで記載されていたそれは海軍にとって素通りしてはいけないもの。

 そしてその実験体を連れ出したクローン体についても燃え尽きた資料の一部に載っていた。それに関しては海軍は捕まえて解剖し、何かしらの武器として使用できないかと考えているみたいだが…………。

 

 クローンを生み出した科学者についても、海軍は危険視していた。

 

 

 

 

「それで、なんだったか」

 

 

「この島から脱出した小舟が別の島で見つかったそうです。確かその島の名は……エンジュ島」

 

 

 

 たしぎという女が男に見せたのは、そのエンジュ島の映像電伝虫から撮られた例の小舟に乗る金髪の少年と赤ん坊だった。

 

 

 

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

「ん゛だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」

 

 

 

「きゃぅー!!!」

 

 

 

 

 リードちゃんや今は笑って身体を捩って暴れないでくれ!

 ヤバいからマジでヤバいから!!!

 

 

 

 

「見つけたぞ重罪人のガキ!」

 

 

 

「早く海軍本部に連絡しろ! 例の黒髪と刺青入りの赤ん坊を抱きかかえる金髪の少年を見つけた!!」

 

 

 

 

 

 

 何で俺海軍に追われることになってんの!? もしかしてあの桃色の男のせいか!?

 あいつのせいで俺達追われてんのか!?

 

 つーか重罪人ってなんだよ! 俺なんも悪いこと…………いや、研究所はうっかりスイッチ入れて燃やしちまったけどあれ俺のせいじゃないから!

 あんなところにスイッチ置いたあの変人科学者が悪いんだろうが!!

 

 

 

「くそっ。この分だとばあさん達の家に戻るのも危険か……!」

 

 

「あぶぅ!」

 

 

 

 リードはお気楽そうだ。なんせ赤ん坊だから何が起きてるのか分かってない。

 ぶっちゃけ俺も良く分かってない。

 

 

 

「探せ! この島のどこかにいるぞ!」

 

 

 

 

 路地裏の隅っこに隠れて、海軍の人間たちが遠ざかるのを待つ。

 海賊の男たちの時のように、転んで捕まるような真似はしたくない。

 

 隠れてれば何とかなるはずだ。たぶん。

 

 

 

 

 

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