フェイクというには程遠い   作:若葉ノ茶

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お久しぶりです。本当にお久しぶりです。きっとこの小説を忘れてる人が多いかと思うけど。

久々にワンピース熱が来たので続きを書きに来ました。マイブームが変わるまでの間はよろしくお願いします。
というわけで原作編スタートです。






パンクハザードで麦わら一味とローと……
原作への始まりと共に


 

 

 

 

 

 

 海難事故により船が沈没。何とかヴェルゴを救出することに成功したが、それ以外は全員行方不明。このグランドライン──それも新世界で船が沈むとなると、生きている可能性はゼロに等しい。

 

 センゴクの指示により半年以上もの間捜索を続けたが、彼以外は全員死んでいるだろうと諦めきっていたのだ。

 

 その後からだったか、リードの様子が少しだけおかしくなったのは。

 

 たしぎはリードを慰めたが、リードは幼児らしからぬジト目で不機嫌なままだった。ある日「ロナンは死んじまったんだよ!」と心無いことを言う海兵と喧嘩して幼子のくせに一発ぶん殴ったのは誰もが目を見張ったが……。

 

 その事件によって皆が理解した。こいつはもう、ただの幼子ではなくなっているのだと。

 

 

「リードはどうした」

 

「ここ最近は部屋に引きこもってばかりです。ご飯はちゃんと食べているので心配はありませんが」

 

「フン、やはりオリジナルとは違うか」

 

「あの、スモーカーさん。リードを見る限り彼は────」

 

「ああ、明らかにあの麦わらだろうな。見た目は兄にそっくりだが」

 

「あの子は、ロナンを失ったことが原因でオリジナルとしての記憶が戻ってしまったんでしょうか。だからあんなに敵意をむき出しで……」

 

 

 兄を失わせた行為。

 それは、かの麦わらのルフィが頂上戦争でエースを失った時と酷似している。

 もしかしたらそのショックで記憶が戻ってしまい、海軍に保護されている状況が嫌なのではないかと。警戒しているのは、スモーカーたちを敵と認識しているからかと。

 

 

「たしぎの言う通り、記憶が戻ってる可能性は高い。何を企んでるのかは知らねえがな……」

 

 

 物凄くショックを受けた様子のセンゴクとは違い、ガープ中将が騒がしく「リードを寄越せ。ワシに預けんかい!」と要求してくるのでもう仕方がないとヴェルゴが保護観察を終わらせ、そちらへ移送する手立てになっていた。

 記憶が戻ってるのは確かだ。オリジナルに近いガープに会うのはその記憶をより鮮明に思い出させ完全なものにしてしまうのではないかと上から危惧されていたが、あいつはエースではなく麦わらのルフィ。確かに危険人物だがエースよりはマシ、というレベルへ落とされた。

 

 それに、オリジナルに会わせるわけにはいかない。

 だから新世界からより安全で絶対に遭遇することが難しい海軍本部へリードを行かせると決めたのだ。

 

 

「あれから二年か……」

 

「はい。シャボンディ諸島の通達により、海賊たちが魚人島へ入ったとの連絡がありました」

 

「ああ、麦わらもそこにいる」

 

「はい」

 

「……船を出せ! 俺達は奴らと会うまでここへ戻ることはねえ。そのための準備をしろ!!」

 

「はい、スモーカーさん!」

 

 

 ここから始まるのだと、彼らは気合いを入れる。

 

 

 

「いいか、大人しくしてろよクソガキ」

 

「……」

 

 

 

 ジト目でスモーカーを睨むリードを第五支部に待機している海兵へ預けて、グランドラインへ。

 海の上で続々と海賊がやってくるのでそいつらを捕らえつつ、次に向かうのは海賊麦わらのルフィがいる島──へ向かう途中、だった。

 

 慌ただしい声。

 奇妙な悲鳴と共に駆けてくる海兵の男。

 

 

「スモやん!」

 

「うるせえ! 急に何だ!」

 

「リードのクソガキが船に侵入してました!!!」

 

「うるしぇーはなせ! おれはろなんにあうんだ!!」

 

「は────っ!?」

 

 

 猫をひょいっと掴むように持ち上げられつつ、抵抗を続ける小さな子供。

 日付があっているならちょうど明日、海軍本部へ引き取られるはずだった。

 

 

 

「ス、スモーカーさんどうしますか!? 子供をここに放置するのは難しいですし……しかも麦わらのルフィと遭遇するかもしれない状況なのに」

 

「……いや、仕方ねえ。このまま先を行くぞ! パンクハザードだ!!」

 

 

 

 きっと、全てが終わった後ガープに文句を言われるだろう。それにこのリードが大人しくしているはずがない。絶対に騒動を引き起こすだろう。

 

 そんな未来を想像し、スモーカーは深い溜息を吐いたのだった。

 

 

 

・・・・

 

 

 

 

「リード、あいつ大丈夫かな……」

 

「フッフッ。半年以上も経つのに心配してるのか? 心優しいことだなロシー」

 

「うるせえ桃鳥変態馬鹿。あと俺はロナンだ!」

 

「フッフッフッ……」

 

「あっ! 糸で俺を操るな馬鹿―!」

 

「フッフッフッフ……」

 

「うわーんごめんなさい許してあにうえ―!!」

 

「それでいいんだロシー。ロシナンテ。憎たらしいほど馬鹿で愛しい弟よ」

 

 

 ああもうこいつやだ!

 海難事故と偽っていろんな人たち殺されたの見てるの辛かったのに。城に連れてこられたと思ったら急にオリジナルがやってた服装に着替えさせられるし、メイクされるし!!

 周りにいる奴ら全員「懐かしい」「また裏切ったら殺す」「ドジで死にそうね」とかなんとか囁いてくるし!!

 

 

「ロシー。お前はローに会いたくないのか?」

 

「あ、いた……くても、会うつもりはない!」

 

「フッ、そうか」

 

 

 リードの事が心配だ。あいつちゃんとご飯食べてるかな。

 俺死んだことになってるけど、大丈夫かな。ショック受けてないと良いけど……。

 

 いつか絶対にここから脱出してやるんだ。逃げた後は、リードが大丈夫か見てから、もしも俺がいなくても平気そうだったら離れるか。

 俺の我儘でずっと一緒に居たけれど、リードはあのガープ中将と一緒に居た方が良いかもしれないし。センゴクさんと同じで、孫だーってなんかいろいろ言ってたみたいだし。

 

 

 大事にしてくれる家族がいるなら、そっちにいた方が良い。

 俺よりはマシだろう。絶対に。

 

 

「ドフィ、俺がここにいたって仕方ないだろ! もう行くからな!!」

 

「待て。急に歩くな転ぶぞ」

 

 

「でぇっっ!!?」

 

「フッフッ」

 

「ッ~~! 笑うな馬鹿!!」

 

 

 すっ転んだせいで頭を打って悶絶しているのに静かに笑うドフィが許せなくて涙目で睨みつけた。

 それでも奴は楽しそうに笑う。きっと俺の行動は酒の肴にピッタリなんだろう。ディアマンテが俺を見て「酒が上手い」とか言いやがったことあるし。

 

 リードに会いたい。無事かどうかだけでも見たい。たしぎ大佐ならきっと悪い扱いはしないと思うから大丈夫だろうけど。

 

 ローは……きっと、俺を見ても苦しいだけだと思うから、会うつもりはない。

 オリジナルが死んだあと、普通に生きてほしかった。あのまま幸せになってくれたらよかったのに。もう無理だよなぁローが何か企んでるって言うのは分かったけど、ドフィに近づかなくてもよかったのに。七武海なんかにならなくても、よかったのに。

 

 

 不意に、プルプルプルと変な音が聞こえてくる。

 ドフィが持つ電伝虫からだった。

 

 

「俺だ」

 

「────トラファルガー・ローが接触しました」

 

 

 何も考えられなくなったのは、その大切な名前を聞いたせいか。

 それともドフィの殺意を浴びたせいなのか。

 

 何も起きないでほしい。

 どうか、生きていてくれればそれでいいのに。

 

 

 でもきっと、もう無理だ。

 

 

 

 

 

 

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