さよなら、ガフガリオン。   作:詠むひと

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今回は転生ラムザの回です。


僕はニセモノ

 僕の名前はラムザ。

 武門の棟梁たるベオルブ家の三男だ、そのはずなんだ。

 

 

 僕には物心ついた時からずっと違和感が付き纏っていた。

 

 

 ラムザはここに居るけど、僕はここに居ない。ここは僕の居場所じゃない、居てはいけない。

 

 なんだか自分自身が異物のようで酷く居心地が悪かった。

 

 父、母、兄、妹。家族のはずなのにどこか遠く感じ、自分はなんだか場違いの場所にいるみたいだった。

 

 なんとも言い難い気持ち悪さがあり、落ち着かなかった。あんまり覚えて無いけど、酷く不安定で取り乱しがちだったと思う。

 

 もう、顔も思い出せないけれど母に抱き締められていた事は覚えてる。

 自分が誰なのかも分からなくなって錯乱した僕を強く抱き締めて、頭を撫でていたのを覚えてる。

 泣きながら喚く僕に

「ラムザ、あなたはここに居るわ。大丈夫よ、ずっとついててあげるから。」

そんな言葉を言ってたと思う。

 

 錯乱して泣き喚く僕に父や兄達は成す術が無く、いつも母が宥めていたそうだ。

 親族内で僕はベオルブ家に相応しく無いと言われ養子に出す検討もされていたが、母が強く反対しラムザを養子に出すなら自らも家を出ると言い父達は酷く困っていたようだ。

 妹が産まれると共に落ち着いていったそうだ。

 

 だがしかし妹が産まれた後くらいから母は体調を崩しがちになった。

 

 僕が六歳になった頃、母は亡くなったそうだ。

 

 僕にはその前後の記憶が無い。何も覚えていない。

 母が亡くなってからは錯乱しなくなったが感情が無くなったように常に無表情だったそうだが。

 その時の事はザルバック兄さん曰く、アルマと一緒に居る時だけは笑っていたがそれ以外は無表情だった。と言っていた。

 

 その後、たぶん八歳の時だと思うけどディリータに会わされた。両親が亡くなったから妹と共にうちで引き取ったから、今後はうちで面倒を見ると聞いて漠然と可哀想と思ったくらいだと思う。

 

 正直、あまり他人に興味がなくて割りとどうでもよかった。兄弟同然って言われても実の兄達との距離感すらわからないのに、どうすれば良いのか分からなかった。

 僕の中では母と妹だけが特別で後はそれ以外だった。父も兄もそれ以外。たぶん怖かったんだと思う。

 

 

 時は流れ、ガリランドの士官アカデミーに通う事になったが頻繁に既視感があり居心地が悪かった。

 

 いつもどこかで見たような聞いたような気がしておかしくなりそうだった。

 

 

 その気持ち悪さは、アルガスに会って最高潮に高まった。訳がわからないけど、イライラして気持ち悪い。その自己主張の強さも野心も全てがイライラしてくる。

 

 殺したい。

 

 そう思ってしまった。

 

 完全に八つ当たりだ、こんな自己中心的な自分が醜くて吐き気がした。気持ち悪い、頭をかきむしりたい。ずっと毎日思ってた。

 

 盗賊の砦に行った日はもう訳が分からなかった。この光景を知ってる、僕は知ってる。彼女達事も何が有るのかも知ってる。知らないはずの事を知ってるなんておかしい異常だ、僕は遂に狂ったのか、と絶望した。

 

 白魔道士の女性が命乞いをしているのを見つつ、アルガスが容赦なく殺したのを見て僕はどうしたいのか分からなくなった。

 殺したくない、彼女達は殺したくない。けど捕縛すればどの道縛り首だ。見逃すわけにはいかないけど、でもどうすれば良いのかも分からなくなっていた。

 僕は甘いんだろう、敵であっても女性に手を掛けるのを躊躇ってしまう。

 

 

 そしてあの女騎士、ミルウーダとの問答。知らないのに知ってる、なんで知ってる。このあとアルガスがこう言うんだ。

 

「家畜に神はいない」

 

 人を人と思わぬ発言。強く反感を抱くけど、でも弱者が強者に蹂躙される世ではあるのはわかってる。でも、だからこそそれが嫌なんだ。

 

 なんて言えばいいんだ、気持ち悪い。僕は知ってる人が人として生きられる世界をここには無い世界を。何故知ってるんだ、わからない、わからない。

 

 声には出さない、けれどもう限界だ。僕は何だ、僕は何を知っている。僕は誰だ。

 

 

 

 そして、思い出した。

 

 ここはイヴァリース、そうだ。獅子戦争?FFTだ。僕はラムザになっているのか、僕は何故ここに居るんだ。

現実は現実の僕はどうなった?いや、もうここが現実だ。僕は何故、何故だ。

 

 更なる混乱に襲われたけれど、同時にずっと感じていた既視感の理由がわかった。

 

 とりあえず整理しよう。僕はラムザ・ベオルブになっている。ミルウーダを見逃して逃がした。

 

 まだミルウーダは生きてる、ティータも生きてる、ジークデン砦はまだだ。まだなんだ、知ってるなら未来を変えられる筈だ。ここが今の僕の現実なんだ、じゃあシナリオもきっと変えられる、いや、変えるんだ。死なせたくない。

 

 

    ◇ ◇ ◇

 

 

 僕は変えたかった。変えようとした。

 

 でも、彼女達は・・・。

 

 僕はジークデン砦の後、逃げ出した。変えられないシナリオを現実を見たくなかった。認められ無かった。

 

 足りない物はなんだ、力だ。力が足りない。力を着ければきっと未来を変えられる。とりあえずどうするか。

 

 着の身着のままで路銀は尽きようとしているが、仕事が見つからない。仕事はあるんだが、騎士崩れの若僧じゃ信用が無くて日雇いの仕事くらいしか無い。

 

 世間を舐めてたわけじゃ無いけど、でもやっぱりそうなんだろう。原作じゃガフガリオンに拾われて傭兵になってたけど、実際どうすりゃいいんだよ。

 このままじゃ飢え死にする、いっそ盗賊にでも。いや、ダメだそれはダメだ。

 

 日雇いで食い繋いで居たとき、遂に会えた。

 

 ガフガリオンに。

 

「行く宛てがねえンなら、俺達の所に来るか?」

 

 渡りに船だ、行くしかない。

 

 

 ガフガリオン達とともに傭兵になった。わからない事だらけで右往左往してた。ガフガリオンには事ある毎に甘い、甘ちゃんだと言われ続けている。

 

 でも、レベルは上がる。ゲームと同じだ。ここは現実だけど同じだ。

 

 

 だからこそ、僕はこの世界を知ってると自惚れたんだろう。鍛え込んで力を着けた。

 

 力が有れば今度こそ変えられる。

 ガフガリオンをこちらに引き入れよう。殺したくない、死なせたくない。

 

 僕は相変わらず現実が見えてなくて、力だけじゃ権力や立場に抗えぬと。

 それに、思い違いをしてた。

 ガフガリオンが僕に何をさせようとしてたのか。ガフガリオンが権力に従ってるんだと思ってた。

 

 でも、そうじゃ無かった。僕の事を心配してたのに、僕は気付かず。光の当たる道を歩かせようとしてたのに・・・。

 

 そして、僕は。

 

 

 ガフガリオンを殺した。

 

 

 殺したくないなんて言ってたのに。結局、僕は自分勝手で自己中心的なクソ野郎なんだ。

 

 

 でも、もう迷わない。手段なんて選ばない。欲しい未来を手に取る為に力ずくでも引き寄せてやる。

 僕は、自分勝手なクソ野郎なんだから。好きにやろう。原作なんてもう知らん。

 

 

 僕が、ラムザだ。

 

 

 僕だけが、ラムザだ。

 

 

「さよなら、ガフガリオン。」

 

 

 

 ガフガリオンと共に、これまでの僕とさよならだ。

 

 僕は、僕だけの道を歩くよ。

 

 

 




転生ラムザにとっての己の人生とガフガリオンへの想いです。


転生ラムザのスペック

ステータスドーピング2回、全ジョブマスター、アルテマラーニング無し。
Lv.      99
ジョブ    忍者
アビリティ  投げる
       拳術
       ハメドる
       格闘
       HP回復移動
       

とりあえず物理で殴れば勝てる、殴り殺してから考えよう。みたいな。

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