さよなら、ガフガリオン。   作:詠むひと

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今回は長いです。
分けようかと思ったけど、分け所がよくわからないのでこのままで。

※作中のデュラハンは首を抱えてないタイプです。
※捏造設定がいっぱいの回です。
※後書きを修正しました。キュクレインではなくザルエラの間違いでした。すみません。


騎士として・・・

 互いに向かい合ったまま、身動きをしないデュラハンとガフガリオン。

 

 

「(デュラハン、か。噂は聞けど遭遇した事は無かったな・・・。)」

 

「(アンデッドじゃ闇の剣を使うわけにもイカンし、かといってアグリアスに教えて貰った聖剣技はまだ使えるもんじゃねえしな。)」

 

「(とりあえず)」

 

「ひるがえりて来たれ、幾重にもその身を刻め・・・」

 

「ヘイスト」

 

 まずは騎兵の機動力に追従出来るようにしねえと・・・

 

 詠唱と同時に走り出したガフガリオン。

 

 それと同時に、黒一色の不吉な色をした槍をどこからともなく取り出したデュラハン。

 

「う、おおおおおおおおっ!」

 

 ガフガリオンは走りながら、力強く叫んだ。

 

 「おおらぁぁぁ」

 

 ガフガリオンは走り寄りつつデュラハンの左側面へ近付き、馬の左前脚へ斬り付けようとした。

 だがしかし、デュラハンは手に持った槍を振りかぶりガフガリオンの頭上から叩き付けようとした。

 

 「っぐ、っぶねえ。」

 身を屈め直撃は避けつつも、体勢が崩れ浅く斬り付けるに留まった。

 斬り付け、反す刃で腹に剣を突き入れたガフガリオンであった。

 

 しかし

 

「?おおン、手応えがねえぞ。」

 

 剣突き入れるも手応えが無く、想定して無かった為たたらを踏んでしまった。

 その隙を見逃して貰える筈もなく、今度は無防備な上半身に槍を突き込まれてしまった。

 

「っぐぅ。抜けはしねえが重い、な。」

 

 鎧により貫通はしなかったものの、強い重圧により上半身が押され仰け反ってしまった。

 

「っちぃ。だったらぁ、」

 引き戻し始めた槍を左手で掴み取り、

 

「ウエポン、ブレェイクッ!」

 

 左手で槍を掴み取ったまま、槍の中程を叩き折った。

 槍は半ば程で断ち切られ、最早やただの棒に成り下がった。デュラハンは引き戻した槍だった物を片手で振り抜きガフガリオンの脇腹に打ち付けた。

 

「っぅごっほ。くぉぉ。(だが、思った程じゃねえな。)」

 

 がら空きの横腹への強打により息が詰まりむせてしまいつつも、その場から離れ次の詠唱に移った。

 

「地の底に眠りし火の力、目覚め緑なめる、赤き舌となれ!」

 

「ファイラ!」

 

 デュラハンの腰辺りを中心とし、全身を覆い尽くす程の炎が生み出された。それは、赤よりも明るく、橙色から青白い炎へ変わり真昼であると言うのに眩い光を放った。

 

「アンデッドなら、こいつも効くだぁろぉ?」

 口元を笑みに歪ませ更に次の詠唱を始めた。

 

「清らかなる生命の風よ、天空に舞い邪悪なる傷を癒せ!」

 

「ケアルラ!」

 

 炎が消えつつもまだ煙が燻るデュラハンへ向け、更なる追い討ちを掛けたガフガリオン。

 

 何処か安らぎを感じる緑色の光は渦を巻き、デュラハンと首無し馬の全身を覆い尽くした。

 身を捩って逃れようとしているようにも見えたが、その光はむしろ更に身体に纏わりついていった。

 最早デュラハンは動く事すら出来ず、ただその場に立ち尽くすだけだった。

 

「ふはははは、どうだぁ。よーく効くだろぉ。」

 

 笑いを上げながらも、油断なくデュラハンを睨み続けているガフガリオン。

 使える物は何でも使う、モンスター相手なら正々堂々も関係無いとばかりに手段は選ばない男だ。

 

「せっかくだし、試すだけ試してみるか。」

 

 デュラハンからは、光は消えたがもうその姿には憐れみさえ覚える。

 黒一色の鎧は見る影も無く白っぽい灰のような物に覆われ、槍は原型すら無く棒状の灰の塊が地面に横たわっている。右腕は肩から先が無く左腕も手首は無いようだ。

 

 だが、兜から覗く眼は暗く赤い光を湛えている。何処と無く恨みがましく見える。

 

 しっかりと眼を合わせつつ、一歩一歩近付くガフガリオン。

 

 「命脈は無常にして惜しむるべからず・・・葬る!」

 

「不動無明剣(おっ成功したか。)」

 

 詠唱と共にガフガリオンが剣を振り下ろした。

 

 デュラハンの頭上より高い空中から突如として青白いクリスタルにも氷にも見える物体が降り注ぎデュラハンを押し潰した。

 

 首の無い筈のデュラハンから、怨念を凝縮したようなおどろおどろしい断末魔が響き渡った。

 

 

 「終わってみれば、ラムザの方がよっぽどバケモノ染みてるくらいだったな。」

 

 

「おーい、お前ら。終わったから帰ンぞ。」

 一息ついて三人に呼び掛けた。

 

 

「「「・・・・・」」」

 

「おいっ!聞こえてねえンか?」

 

「あ、いいえ、いや。」

「あっ、はい。」

「いえ、そのぅ。」

 

 三人の元に近寄って行くガフガリオンを見て、僅かに震えながら答えた三人。

 

「えーっとそのぅ。さっきまでもうダメだと思ってたら、ガフガリオンさんがあっという間に倒してしまって。なんと言うか。」

 ヒューゴがおずおずと切り出す。

 

「漆黒のデュラハンってほとんど伝説って言うか居るのは知られてるけど、出会ったらまず生きて帰れないって言われてて。」

 信じられない物を見た様に言うヘッケラン。

 

「いや、その。驚き過ぎてなんて言ったら良いのか。というかガフガリオンさんって、魔法が使えるんですね。」

 我に帰りつつ聞くクライブ。

 

「うん?魔法なんて使える奴なんてゴロゴロ居るだろ?珍しくもねえだろ。」

 イヴァリース的常識で答えるガフガリオン。

 

「いやいや、多くないですよ。それも剣を振りつつ同時に使える人なんて少なくとも衛兵隊には居ませんし。」

 クライブはそう語った。

「俺の父は衛兵をしてるんで、時々訓練場にも行くんです。魔法を使える人も居ますけど動きながらではどちらかしか使えないですよ。ある程度平行して使えるのは、騎士団でも精鋭くらいだろうって言ってましたし。それに最初に使ったのって補助魔法ですよね?複数の系統の魔法を使える人なんてもっと少ないんですよ、何でも無いかの様に言ってますけど、これはすごい事なんですよ。」

 クライブは一息にまくし立てた。

 

「まあ、いい。歩きながら話すぞ。イヴァリースじゃこンぐらいはゴロゴロ居たぞ。そこらの山賊でも魔法ぐらいポンポン撃ってくるし剣も魔法も使える奴なんて下手すりゃ農民にすら居たぞ、って言うか俺の故郷の村長がそうだったぞ。」

 

「ええ・・・ガフガリオンさんの故郷って、どんな魔境なんですか・・・」

 割と本気で引くクライブだった。

 

「なんか、常識がって言うか。根本的に何かが違うような・・・」

 気が抜けた様に言うヒューゴ。

 

 

「そういやヘッケラン、さっき漆黒のデュラハンが知られてるだかなンだか言ってたな。アレはこの辺りでは有名なンか?」

 

「はい。漆黒のデュラハンはだいたい200年前、帝国の建国の頃に遡る話ですが。帝都の住人ならだいたい知ってることです。」

 

「ほー、ンじゃあ。一般的に知られてるようなものなのか?」

 

「はい。建国間もない頃、北東の都市国会連合のうちの獣人を主とする国に攻め込まれた事があったんです。帝国は法国の援助により建国されたんですが、もともと農民や流民が集まっていただけなんです。戦力はほとんどなく僅かばかりの魔法詠唱者と自警団程度しか無く、後は法国から派遣されていた騎士だけでした。」

 

「その騎士達は帝国に残り兵を育成する任務を受けていました。そして、攻め込まれた時は北東方面には騎士1個小隊と農民兵200人程と数名の魔法詠唱者しか居ませんでした。攻め込んだのは狼の獣人の部族でとても素早く力も人間よりも遥かに強かったそうです。」

 

「出来たばかりの村を拠点にして騎士と魔法詠唱者が主力になって応戦したと言われています。ですが多勢に無勢で帝都の本隊からの増援を待つ間にほとんどの騎士と兵討ち死にしたそうです。魔法詠唱者は貴重だから極力損耗しないように戦っていたと言われています。」

 

「そして騎士団の増援が駆け付けた頃、小隊長と獣人の族長が一騎討ちをしていたそうです。伝わってる話では獣人側からの申し入れだそうです、なんでも強者を打ち倒す事こそが最大の名誉だとかで。少数で持ちこたえた騎士達に一騎討ちに勝てれば兵を引くと言ったそうです。」

 

「そして、その騎士は打ち勝ちました。増援が来ていた事もあって獣人達は直ぐに撤退していきました。攻め込まれてから15日程だったと言われています。そして、英雄として凱旋しました。」

 

「帝国だけでなく法国にとっても獣人を退け人間を守ったとし、法国の偉い神官が来て労ったそうです。報奨として騎士達は帝都に屋敷を与えられました。」

 

「めでたし、めでたしで終われれば良かったんですが。その後、10年位して初代皇帝が退位した時に問題が起こりました。当時共に戦った農民兵が英雄を告発しました。」

 

「屋敷に獣人を隠して居ると。」

 

「当然、英雄と農民兵じゃ誰も農民兵なんて信用なんてしませんでした。ですが他にも告発が有り、獣人との間に子を作った。とか別荘には攻め込んで来た狼獣人達を住まわせている等と複数の告発があり、事実であれば法国騎士として重大な裏切りだと。」

 

「騎士は否定するも、もうすでに捜査の為に衛兵隊が留守の間に屋敷に踏み込んでいました。そこで、半獣人の少女と狼獣人の女を見つけました。騎士は知らない、何かの陰謀だと否定するも投獄されました。別荘には獣人は居なかったものの、狼の毛が至るところに残されていました。」

 

「罪を認めれば減刑すると皇帝が言うも、騎士は認めず私は知らないの一点張りでした。その後僅か一月半後、処刑が行われました。人間への重大な裏切りだと言われ愛馬も首を落とされました。そして、騎士と愛馬の遺体はカッツェ平野に打ち捨てられました。」

 

「そして半年後くらいから時折、視界が効かない程に濃い霧の日には首無し馬に乗った首無し騎士が目撃されるようになりました。霧が濃く視界が効かない筈もなのに何故か漆黒の騎士の姿がハッキリと見えていたそうです。ただ、目撃しても遠くから見ているだけで視線を外すと消えてしまうとして不気味がられているだけでした。」

 

「それからまた3年位して、事件は起こりました。当時の生き残りの騎士と農民兵が突如貴族の屋敷を襲ったんです。そしてそこで北東都市国家の商人を捕らえました。そして隊長は冤罪だった、都市国家の商人と貴族の共謀で陥れられたんだと告発しました。衛兵が殺到する中で騎士達は証拠と商人を捕まえ、自らの命と引き換えでも良いから捜査のやり直しを要求しました。」

 

「歴戦の騎士と古参の兵を相手にしては衛兵隊では手が出せず、上に判断を仰ぐしか無かったようです。襲撃の罪で捜査が終わるまで投獄されると言う事で決着しました。」

 

「結果は、騎士達の言うとおり冤罪でした。」

 

「杜撰な捜査と貴族の圧力で、帝国は英雄を殺したんです。」

 

「・・・・さっき、デュラハンは見ているだけで手を出して来ないって言ってた件はどうなったンだ?」

 

「それは、冤罪だと分かって貴族は有罪として投獄されたんですが、商人はほとんどお咎め無しだったんです。都市国家との貿易に影響が出るって言う事で帝都からの追放と半年間の入国禁止だけでした。」

 

「そして、帝都を出た商人一行をデュラハンが襲い一人を除き皆殺しにしました。その一人は嘗ての部下の騎士でした。」

 

「そして、こう言ったそうです。「私は忘れない、この裏切りを。私は忘れない、この仕打ちを。私は滅びず、何度でも立ち上がる。お前達が真に悔い改めるまで。」と言い立ち去ったそうです。それからは目撃した時に武器を持っている場合、武器を持つ者だけを殺しにくる様になったそうです。」

 

「うちにある本だともっと色々詳しく書いてあるはずですが、覚えてるのはここまでです。あと、デュラハンは倒されるたびに強くなっているらしいです。」

 語り終えて一息を着いたヘッケランだった。

 

「これは帝都の住人ならだいたいの人が知ってる話なんですよ。寝物語に聞かされたり、帝国の歴史を学ぶ時は必ず聞くし、帝国劇場の演目にもなってるくらいだし。」

 と、ヒューゴは補足した。

 

「それに村の防衛戦の時の魔法詠唱者の中には、若き日のフールーダ・パラダイン様が居たんだ。帝国最強の魔法詠唱者と帝国の英雄が共に戦い帝国を救ったんだ。知らない人なんてまず居ないって。」

 興奮気味に言うクライブ。

 

「フールーダ・パラダインってのは?」

 

「ああ、そこからですよね。帝国魔法省長官で帝国最強にして最高の魔法詠唱者でフールーダ様お一人で帝国全軍を打ち破れると言われてる人です。そして200歳を越えて、今も帝国に君臨し帝国を守護されている方です。」

 テンションが上がりっぱなしになっているクライブ。

 

「ああ、わかった、わかった。」

 クライブに若干引きぎみのガフガリオンだった。

 

 

 

 

「あ、もうすぐです。ここを登ったら帝都の門が見えますよ。」

 ずっと黙っていたヒューゴがやっと喋ったな。

 

 

 

 

「「ガフガリオンさん、「バハルス帝国首都、」アーウィンタールへようこそ!!」」

 

 若干ズレ気味な三人の言葉に苦笑いしつつも、眼は優しげに笑っていた。

 

 

 

 

「(年甲斐もなく、わくわくするな。イヴァリースはあっちこっち行ったし。まだ見ぬ地、まだまだ知らン事はあるもンだ。第二の人生として楽しむかねぇ。)」

 

 

 

 




だいたいの事はラムザが悪い。

ラムザならば

ラムザ「フェニックスの尾!」

首無し「うぼぉぉぉ」

アンデッドにフェニックスの尾で一撃とか、みんなやりますもんね。

ラムザ「さけぶ」

ガフ「さけぶくれえ、俺にもできるだろ。」

何故、ラムザ専用なのかと。
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