前話投稿後にFFTで検証してるが、これは不味い。
アンデッドはフェニックスの尾で一撃だが、どっかのボスもフェニックスの尾で一撃だった記憶が有るんだがよくわからなくなってきた。
※重要
■後書き等に書いてあるFFTの事柄は記憶違いである可能性があるので、実行する前にググって下さい。
ここは帝都にあるとある酒場。
宿屋としても営業しているここは、大盛の店として知られ繁盛している。そこそこの値段で腹一杯になれ、酒も飲めるそこにはいつも冒険者や衛兵達で混雑している。
「だーかーらぁー、ほんとだって。俺たちは見たんだってぇ。」
酔いが回り、赤らんだ顔で男は声を上げた。年の頃は三十路を幾つか越えた頃だろう、剃り残しの髭が疲れを感じさせる容貌だ。
腰には幾つかの革のポーチと大振りな鉈の様なナイフを下げている事から冒険者であろうことが窺える。
「そうは言っても、それはそう簡単には信じられる話じゃ無いぞ。」
そう返したのは、まだ今日の一杯目を口に付けようとした三十路前の男。短く切り揃えた髪で眠そうな眼をしている。着崩れた衛兵隊の制服を纏いやや腹回りが出ているが、腕は太く筋肉の塊の様な印象を受ける。
「衛兵さーん、ほんとよぉ。うちのパーティーはみんな見たんだってばぁー。」
こちらも酔いが回り若干呂律が怪しくなりながら言った。女の様な口調だが、低い声でそう言った。歳は二十台中頃のようにも二十歳前にも見える。中性的な顔立ちで銀髪をうなじの辺りで縛り背中の中程までの長さがある。チェインメイルを着込んでいるが、何故か地肌の上に直接纏っている。
彼は衛兵隊にも要注意人物として知れ渡っている。何人もの衛兵や冒険者を食ったと言う曰く付きのオカマであると。しかも厄介な事に、影響を受けその道へ転向してしまう者も出している。
そんな彼に近寄られ、
「わかった!わかった!話を聞くから寄るなぁ。」
焦り、声を上げた衛兵。つい先日彼の同僚と一緒に宿から出てくるのを目撃したばかりで、本気で身の危険を感じていた。
「まーまー、ディアスもそんな飢えた目で見てたら可哀想だからやめたげなよ。」
間に入ったのは二十歳位の金髪の女性でヘアバンドで髪をまとめ、膝上までしかないミニ丈の黒いワンピースを着て、腿の中程までを革の脚甲で覆っている。上半身は革を鉄のプレートで補強したレザープレイトを身に付け、腰にはアイアンソードを下げている。
「もぅ、そんな目してないってばぁ。でもぉ、ストロベリーだってチラチラ見てんじゃなーい?」
「スペンサーさんの事なんて見てないってば!」
「(目が合ったのは気のせいだったんだろうか・・・)」
スペンサーは内心凹んだ。
「あーもー、話聞けって。俺らが見た事をとりあえず聞いてくれよ。」
剃り残しの目立つ男が声を上げた。
「うっさいわね、ワインバーグそんな大きな声出さなくて良いでしょ!」
追及を避けるようにストロベリーは、ワインバーグに食って掛かった。
「はぁ、どいつもこいつも好き勝手言いやがる。」
心底疲れたように息を吐くワインバーグ。
「まあ、いい仕切り直すぞ。ちょっと連携の確認とアンデッドの間引きにカッツェ平野に行ってたのはお前も知ってるだろ。その帰り道で霧が濃くなった時に遠くをデュラハンが駆け抜けたのが見えたんだ。何で濃いのに見えるかって?そんなん知らねえよ、帝都出身のお前の方が詳しいだろうが。」
「んで、やべえって思ったがこっちを見向きもしないで行ったし今のうちに帰ろうってなったんだ。」
「その直後ってほど直後じゃねえがすぐ後だよ。デュラハンが向かった方から大きな音がしたから見たんだ、周囲の霧が赤く染まってんのが見えたんだ。」
ワインバーグは息をつきエールを口に含んだ。
「その時に私は時々周囲を警戒してたんだけど、なんか火柱みたいなのが上がってたのが見えたわ。そしてうちらは立ち止まってそっちを見てたのよ。」
ストロベリーがそう続き「あ、コレ美味しい。」とサングリアを飲んだ。
「で、そのすぐ後なんだが。緑色に光った後、重い物がたくさん落ちて来たみたいな音がしたんだよ。っくはぁー、エールがうめぇ。」
飲みつつ喋るワインバーグに、三人からの視線が突き刺さる。
「ん、おう悪い悪い。でその後、おどろおどろしい断末魔のような大声が辺りに響き渡ったんだ。アンデッドが叫ぶなんてそうそう聞くもんじゃねえし、あんな恐ろしい声なんて今まで聞いた事がねえ。デュラハンの向かった先から聞こたし、デデュラハンの断末魔じゃねえのかと想ったんだ。」
そう、言ってため息をついた。
「漆黒のデュラハンの話は俺も知ってるし、昔、帝国騎士団が討伐した時も断末魔を上げたって聞いたぞ?」
そう言い、スペンサーを見るワインバーグ。
「確かにそう言う話は伝わってる。だがな、前回の討伐では帝国騎士の精鋭300人とフールーダ様を始め、選ばれし30人すら出ての討伐だったんだぞ。しかも言い伝え通りなら強くなって復活するって言うんだぞ。」
「だがよー、精鋭300と選ばれし30人って言ったって一度に全員で戦ったわけじゃねえし。陣を張って索敵しながら散開してたって聞いてるぞ。」
「それでもだ、フールーダ様自らが戦場に立ち高弟を引き連れて戦ったんだ。それでも100人を越える負傷者を出し、少なくない死者すらも出したんだ。こんな話、そうそう上に報告なんて出来ん。せいぜいがデュラハンの目撃が有ったと報告を上げるのが精一杯だ。」
ワインバーグの主張を切って否定したスペンサー。
「とりあえず明日隊長には報告を上げる。デュラハンの目撃と戦闘については報告はする。どう判断されるのかは隊長次第だ。それに、隊長は最近息子さんの事でピリピリしてるから、くれぐれも直接言いに行くなんて止めろよ?いいな。」
念を押すように言ったスペンサー。
「息子の件ってのはなんだ?」
口に物が入ったまま喋ったワインバーグ。
「口を空にしてから喋れよ、ったく。聞いてんのは、隊長は息子も衛兵か騎士を目指して欲しいらしいんだが、息子は小説家になりたいって言ってるんだとよ。筋は良いのにってよくボヤいてるよ。」
「へぇー隊長さんの息子さんってクライブ君よねぇ?前に見かけた時に良いなって思ったから覚えてるわぁ。」
舌なめずりしながら言うディアス。
「おいっ、やめろよ。絶対に手を出すんじゃねえぞ。そんな事になったら怒り狂った隊長を誰が止めるって言うんだ。」
真剣な声で言うスペンサー。
「ディーアースー、やめなって。スペンサーさんは真面目だから、からかっちゃダメだよ。」
間に入ったストロベリー。
「ストロベリーってスペンサーが絡むとすぐ来るよなぁ?おおっ、やっぱりスペンサーが気になってんのかぁ?」
ニヤニヤしながら言うワインバーグ。
「うっさいわねぇ。良いでしょ別に。」
「お、図星か図星か?さっさと伝えちまえよ。俺達ゃ毎日悔いの無いように生きなきゃ、明日なんて知れねえんだから。」
悟ったように言うワインバーグだが、若い踊り子に貢いでるのは公然の秘密だ。
「ストロベリー、知識より経験よ。当たって砕けなさい。いい歳していつまで処女でいるつもりなのぉ?貰い手が居なくなっちゃうわよぉ。」
いい事言った風にしつつもゲスい顔をするディアス。
「っく、黙りなディアス。」
恐ろしい声音を出しディアスを睨み付けたストロベリー。
「おー怖い怖い、俺達ゃ退散するかねぇ。」
「じゃぁ、頑張ってね。お ふ た り さん?」
笑いながら言うワインバーグとディアス。
「お前らの分は払っといてやるから、明日はいい話聞かせろよぉ。わはははは。」
大笑いしながら去っていく二人だった。
「えっとあの。スペンサーさん?二人の事は気にしなくて良いからね。それで、えっとあの・・・。」
酔いかどうかは分からぬが赤面し、しどろもどろになるストロベリー。
「落ち着いて、一度深呼吸しようか。」
落ち着いた声でそう、促すスペンサー。
「落ち着いたかい?」
「はい、見苦しい所見せちゃいましたね。」
少し気落ちしながら答えたストロベリー。
「いや、まあその。君のそんな顔も可愛いと思ったんだ。君とは時々、目が合ったりしていたね。俺は気が着いたら君を目で追うようになっていた。」
「えっ、それって。」
「こういうのは、男の方から言うべきなんだ。言わせてくれ。気の聞いた事は言えないけれど、聞いてくれ。」
「はい。」
ストロベリーに目を合わせ、ゆっくりと言葉を紡ぐスペンサー。
「君の事が好きだ、これからは俺の隣にいて欲しい。」
「!はい、私も好きです。私も気がついたらあなたの事を目で追っていました。何度か助けてもらったりしましたよね、それでその。あなたの腕に目を吸い寄せられたのが始まりです。え、ええと、その。とにかく、私も好きです。」
顔を真っ赤にし手で覆ってしまったストロベリー。
「やっと伝えられた。俺はどうにも一対一になると上手く伝えられ無いんだ。」
大きく息を吐きそう言ったスペンサーはどこか肩の荷が下りたようであった。
二人を物陰から見守る、二対の目があった。
「あのヘタレ、やっと言いやがったか。何年掛けてんだよ。」
「でもぉ、良かったじゃない?いっつも見てて焦れったかったけどぉ、やっと落ち着く所に落ち着いたじゃない?」
「馬鹿言え、俺らは冒険者だ。後悔を残してちゃ、死んでも死にきれん。それも、両思いの奴等が目の前に居んだぞ?いったいいつ言い出すのか、気になってしょうがねえだろ。」
「はいはい。これ以上は野暮だからアタシ達はもう行くわよぉ。さっきの可愛い男の子が待ってるから、もう先に行くわぁ。」
「っはぁ、・・・コイツは。まあいいや、俺も行こう。エリーちゃんが待ってるしよ。」
その後、二人は夜遅くまでまで語りあっていたそうだ。
その後も冒険者で賑わう酒場は夜遅くまで喧騒が続いていた。
■■■■
時は遡り、夕方頃日が沈む前。
帝国魔法省の一室には五人の魔法使いの姿があった。
「師よ、コレをご覧下さい。」
そう言って取り出したのは何やら装飾が着いた水晶球であった。
「コレは予てより開発が進んでいた、遠視と記録を同時に行えるマジックアイテムの試作品です。」
テーブルの上に4つの水晶球を置く高齢の魔法使い。
「帝都近郊で試作のテストを行っていた所、数人がカッツェ平野でこのような物を見たので報告に上がった次第です。」
水晶球を手に取り魔力を込めると、光が走り天井に映像を写し出した。
「コレは本日正午頃、帝都から10km程度でのカッツェ平野の映像です。黒い騎兵の様な物が北から南へ駆け抜けて行くのが見えます。」
「次の物に。」
「駆け抜けて行く者を近くから写した物です。異常に濃い霧の中でも明確に見えている漆黒の首無しの騎兵、あのデュラハンに間違い無いとおもわれます。」
「次を」
「コレは漆黒のデュラハンと何者かの戦闘を写した物です。映像左側の人物が魔法とおぼしき光を纏い異常に速い速度で駆け抜け、デュラハンと打ち合っています。」
「炎の魔法を使ったのが確認出来ます。詳細は不明ですが、第3位階のファイヤーボールよりも火力が高いのが見て取れます。」
「次に」
「緑色の渦を巻く魔法を使用しています、コレもまた帝国の記録には無い魔法です。効果は不明ですが、治癒魔法を使用した時の光にも似ています。」
「最後の水晶球を。」
「屈強な戦士が映っています。彼の着込んだ鎧は少なくとも帝国には存在していない物で魔法を籠められた武具であると断定出来ます。」
「何かを詠唱し剣を振り下ろし、デュラハンの頭上より氷の様な物が降り注ぎました。この一撃によりデュラハンは力尽き消え去りました。」
「以上です。この人物が何者かは現在調査中です。わかり次第ご報告にあがります。」
高齢の魔法使いは報告を終えると着席した。
「ふぅむ、かのデュラハンが現れるのは15年前討伐して以来だな。恐らくはあの頃よりも強くなっていただろうに。そして、私ですら知らぬ魔法を使いデュラハンを討ったと・・・。」
白く長い髭をさすりながら中空を見て考えている。
「恐らくだが、一つ目の魔法は身体強化の魔法であろう。あの速度は魔法による物だろう。二つ目は攻撃魔法なのは明らかだ、使用者により効果が増大するとしても第3位階以上なのは確実であろう。」
「そして、三つ目。浄化魔法か治癒魔法かなのは確実だ、対アンデッドで治癒魔法は有効であるしな。だが、これもデュラハンに有効な威力だと最低でも第3位階。私が推察するに第4位階には到達しているであろうよ。」
「帝国には私以外に三重魔法詠唱者は居なかったと記憶術している。となれば、国外からとなるだろう。私も未だ知らぬ魔法、興味深い。彼との語らいは私を更なる魔法の深淵へと導くであろう。お前達に取ってもこれは、またと無い機会だ。」
「他の研究を一時的に止めてでもいい、私が許可を出す。彼を探し出すのを最優先にしろ、門に伝令を出せ。特徴が一致する人物を探し出せ。衛兵だけで足りんなら騎士団も動員しろ。権限?私がの命令だと言えば逆らう者はおらん。もし居れば、私の前に来いと言え。」
「さあっ、何を呆けておるんだ。さっさと行け!!」
「っはい、師よ。」
弾かれたように急いで部屋から出て行く魔法使い達。
「まったく、どうしてあれほどの発見をしたと言うのに直ぐに報告に来んのだ。一体いつになったら言う前に動けるようになるんだアイツ等は。人間の寿命は短いのだ、一秒たりとも無駄にしてはならんと言うのに。」
「だが、やっとだ。やっと新たなる道が見えた。もう、長い間停滞していたが前に進める。あの御仁がどれ程の使い手であるか、楽しみだ。」
「ふふふふ・・・」
部屋には老人の静な笑いが響いていた・・・
閑話って言いながら、過去最長になってしまった。
ワインバーグ「このあいだまで、農夫やっとりました。」
ディアス「知識よりも経験!」
ストロベリー「告白してもいいですか?やっぱりやめます・・・。」
スペンサー「あの子と相性が合いますように・・・。」
エリー「タフなだけじゃね、優しくなければね。」
書きながら考えてるので、どんどん長くなっていく・・・。