キャラの性格を考えた上で、話のネタを一から作り上げなくてはならないのでアイマスの二次創作って大変なんだなぁと改めて思いました。でも、諦めないで完結……完結ってどこでやるべきなんだろ。結婚?
なぜ、俺は今。
なぜ俺は、居酒屋で。
なぜ右側に楓さん、左側に片桐さん、後ろ側に川島さんの編成で抱き抱えられるという修羅場状態のど真ん中にいるのだろう。
――――――
「飲み会?」
「ええ、親睦を深めるために、一つ」
元はと言えば、この誘いがやばかったのではないだろうか。それをホイホイ受けた俺も俺だが。いやぁ、でも、アイドルから飲み会のお誘い受けたら断れないよねぇ?
約束の時間になり、俺は346からちょっと離れたの飲み屋に向かった。店の前で楓さんと川島さんが待っていて、俺と会った瞬間に楓さんが「夕食が肇ちゃんと食べられなくてYou shock?」と聞いてきて、空気が凍りついたのは言うまでもない。確かに肇と食べられなかったのはショックだが。
店に入ると、慣れ親しんだ安い居酒屋……よりは少し上等な酒の香りが漂ってくる店だった。少し上等な酒も置いてあるのだろう。
楓さんが取ってくれていたらしい、個室に入る。大体3畳無いくらいの少し広めの部屋だった。……待て、なんでこんなに広いんだ、嫌な予感しかしないぞ。
ちなみに、2人は店に入ると同時に「生!」と頼んでいた。俺はハイボールを注文。大学入って20になった時に初めて飲んだ酒がトリ○ハイボールで、それ以来ハイボールにハマってしまった。おのれサン○リー!
『かんぱーい!』
掛け声と共にゴクリと一口。あ^~生き返るわ^~。これだよコレ、仕事終わりの1杯は体に染みる。もうこれが俺の血液でいいや。体はトリスで出来ている。
「あぁ……これよねぇ」
「いいですねぇ……」
「……でだ、なんで俺が連れてこられてるんです、これ?」
「あー……色々と聞きたいことがありましてね……」
ふむ。俺より年u……人生経験が豊富な二人が一体何を俺に聞くつもりなのだろうか。
「肇ちゃんの事なんですけど」
「あの子に過去を聞いてもはぐらかされちゃうのよね……ねぇ、確か妹尾くんって彼女の近所だったんでしょ?何か面白い話はなかったの?」
「うーん……」
なるほど。確かにあいつは余り過去を話したがらないからなぁ……話しても大丈夫そうな話題は……
「あぁ。あの子、名前が『肇』で結構男の子っぽいじゃないですか」
「まぁ、そうねぇ……」
「だから子供の時……小学生くらいですけど、その時は男の子と混じって遊んでましたよ。山の中に秘密基地作ったり、泥遊びしたりとか」
「え、そうなの?あの子かなりアクティブなんだ……」
確かに陶芸の話ばかりするからあの子はインドア系に見られるかもしれない。だが、元々運動神経はピカイチだったのだ。持久走で俺はあいつに勝てたことがない。球技は余裕の勝利だけど。
「それで?これだけのために呼び出した訳じゃないでしょう?」
そう言いながらハイボールをゴクリと飲む。すると楓さんは散歩するかの容量で地雷を踏み抜いてきた。
「妹尾さん、貴方……肇ちゃんのことは好きですか?」
「ブッファッ!?」
やっべぇ、噴いたからテーブルの上びしょびしょになっちゃったじゃないか……スーツにかからないだけマシだけど。ところで……え?異性として意識しているか?……そりゃ勿論、あんな可愛くなってたら意識しますって。小学生の頃はあの子ショートカットだったんだぞ……
「異性としては意識してますけど、好きかどうかと言われると……どうなんでしょうかね、わからないです」
苦笑いして武内氏のように首筋を掻くと、楓さんと川島さんは揃いも揃ってクソでかい溜息をついた。
「これは、ダメですね……」
「そうね、鈍感とかいうレベルを遥かに超えているわ」
いや、どうすりゃお前ら満足するねん……そう思っていると、ドアが開いて新しく人が入ってきた。
「いよーっす!あれ?妹尾くんもいるの?」
「あ、片桐さん。こんばんは」
この人は、片桐 早苗さん。警察をやめてアイドルになったという異質……いや、346だとこれ普通に入るわ。なお、警察官としてはかなりイレギュラーな模様。
「でー?今なんの話してたのさ?」
『妹尾くんが鈍感だって話』
「あー、成程ねー」
「失敬な。鈍感なわけがないでしょう」
『嘘を言うなっ!』
銀○万丈ボイスが聴こえそうだし、猜疑に歪んだ黒い瞳がせせら笑いそう……そして何より、むせそう(小並感)
とまあ、なんだかんだ言いつつも酒は進み、今に至るというわけだ。勿論俺以外みんな酔ってる。まあ、俺は途中からジンジャーエールにシフトしたからなぁ……
「だからぁ……アンチエイジングが効いてない気がするのぉ〜……」
「な〜にが、『叔母さん』だよブ○○すぞあのクソガキ……」
「すぅ……布団が吹っ飛んだ……ふふっ……」
とりあえず電話して、武内氏呼んで回収しようかな……
――――――
武内氏が、今西部長を連れてきて車の中に回収、事務所(の仮眠室)に投下して戻ってくると、店員さんが苦笑いして待っていた。ごめんなさい。
「部屋は、使えるかな?」
「あ、さっきの部屋でいいのなら……」
「ああ、そこで構わんよ。久しぶりに事務所の男性職員で交流を深めるとしようじゃないか」
今西部長は人懐っこい笑みを浮かべてこちらを見てくる。それを受けて武内氏はちょっと困ったように首筋を掻いていた。
さっきの惨事があったところにもう一度戻る。今見ると大惨事である、なんで一升瓶が5本転がってんねん。
「さて……はじめましてだね、妹尾
「はい。お話は耳に入ってきております、よろしくお願いします」
「そんなに固くならなくてもいいさ、今日は無礼講だ」
無礼講だ、とは言われたが彼から出てくる独特の雰囲気というかオーラというか、そういうものに圧倒されて無礼講なんて出来そうにない。しかも、例の346アイドル部門閉鎖事件で一番活躍したのも彼だと聞く。相当なやり手なのだろうが、温厚な顔つきからは想像もできない。
「タバコは構わないかね?……あ、僕にはウォッカのストレートを」
「はい、大丈夫です……ウーロン茶で」
「オレも大丈夫です。あ、俺はまだあるんで大丈夫です」
それにしても、部長はウォッカを飲むのか。酒にも強いとかなんじゃこの人は……
「では、シンデレラプロジェクトが軌道に乗ったこと、そして何より妹尾くんの入社を祝って。乾杯!」
『乾杯!』
――――――
「うーむ……妹尾くん。何か、言いづらそうなことがありそうだね?何かあれば言ってみなさい」
「…………」
言っていいことなんだろうか。さっき楓さん達に言われたことが胸に引っかかりすぎて顔を顰めていたところをどうやら部長は見逃さなかったらしい……とりあえず、相談だけしてみようか。
「あの……アイドルとプロデューサーの恋愛って、どうなんでしょうか……」
「…………」
今西部長はさっきからの笑顔を変えることなくタバコを一服すると、煙を吐きながらこう呟いた。
「世間一般、それとそのアイドルのファンは恋愛を認めないかもしれないね。そりゃアイドルは皆の『idol』でなくてはならないからさ。」
「はい……」
やっぱりダメだよなぁ……そりゃそうだ。
「だが……僕は構わないと思ってる。寧ろどんどんやっていってもらいたい」
「……は?」
「訳がわからない、という顔だね。ただ、考えてほしい。アイドルは皆の『idol』で無くてはならないと言ったが、346のアイドル……勿論346に限った事ではないが、彼女たちはアイドル以前に人間なのだよ。だから、人を嫌うことだってするし、誰か一人を愛することだってする。誰かの気持ちを受け止めて、その人に尽くすようになるかもしれない。僕は、それでいいと思うんだ」
……とても意外だった。彼の事だし、認めないかと思っていたが……しかも、更にその言葉は別の方向からも飛んできた。
「……妹尾さん。私も、構わないと思っています。アイドルには休息も必要です。その休息を支えてあげられるのはプロデューサーの仕事ではありますが、『プロデューサー』という立場からではキツいものもあるかもしれません。それ故に『それを何とかしてあげたい』『彼女と共にいたい』と心から思うのならアリだと思います」
「武内……」
武内氏は、たしかアイドルを何人か辞めさせてしまった経歴があったはずだ。故に、思い悩むところも大きいのだろう。二人の言葉が、ずしりと背中に載って重さを増していく。だが、その重さは気持ち悪いものではなく、義務感。つまりは背負わなくてはならないものを再認識した感じであった。
「まあ、第一に言わなきゃ損だよ。言って後悔するよりも言わないで後悔するほうが辛いよ、うん。そして、言えるかどうかが君の度胸、ということになるんじゃないかな?」
「え……ちょ、ちょっと待ってください!なんで俺の話になってるんですか!?」
俺今そんなこと一っ言も言っとらんぞ!?なんでだ!?
そうやって焦る俺を尻目に彼はタバコを吸って一言。
「だって、普通はプロデューサーからそんな言葉出ないからね。基本、『仕事つらい』か『次の仕事の話』になるから、そんな話が出たら基本的に話し手本人の話をしているんだろうって容易に想像出来るだろう?」
「ぐっ……」
正にぐうの音も出ないというのはこういうことだろう。何だこの人、推理力高すぎねぇ?杉下右○か、古畑任○郎か?
「さあ、話してみたまえ。何、これを外に言うつもりはないよ。僕は口が堅い男だし、約束は守るよ」
「……私も、気になります」
彼ら二人の眼差しは断れないし、武内氏の目線が怖い。いや、彼自身は純粋な好奇心から聞いているのだろうが、目付きが三白眼なので明らかに睨んでいるようにしか見えない。
「……わかりましたよ、お話します」
――――――
彼ら二人に洗いざらいを話した。肇と幼馴染であること、高校に入る時に別れたこと、ここに入って肇と再開し彼女の変化に驚いたこと、そして、彼女のことをどう思っているのかを考えると頭の中が何も考えられないくらいにこんがらがること。
彼等は、今西部長は真剣にこちらを見つめて、タバコに火をつけた。
「ふーむ……恋愛感情……と言っていいのかはわからないけど、とりあえず言えることは、君の中には多分彼女に伝えたい何らかの感情があるはずだよ。とりあえず、ゆっくりでいいからその気持ちを整理して、ケジメをつけるべきなんじゃないかな。告白にせよ、別れるにせよ、さ」
「そうですね……わざわざありがとうございます」
「人生の先輩からのアドバイスだよ……僕ももっと若かったらなぁ……」
「ふふっ……」
「あ、武内くん今笑ったなぁ?よし、給料減らすからね」
「やめてください」
それで俺も含めて三人揃って笑う。ああ……相談して、そしてこの職場につけて、本当に良かった。
(コメントくれくれ妖怪なので、コメントくれたら飛びつくように返信します。だからコメント下さいどんな些細なことでもいいので、待ってます)