ある日のハムマンと指揮官の話。
ハムマンが何か作ったらしいが……?

俺にはツンデレの思考回路というものがわからないのだ……(絶望)
しかも初のアズレン短編なのだ……(絶望)
リクエストにお答えしたから許して……(絶望)

pixivに同時掲載。

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悪魔の力 身につけたかった


ハムマン「指揮官なんか……うう……」

出撃も委託業務も演習も全く何も無いとある日。

彼女──ハムマンは母港の酒保で、あるものとにらめっこをしていた。

 

「うぅ……何がいいのだ……?」

 

頭についた猫耳を揺らしつつ、()()を眺める。

紅色。橙色。茶色。

円錐形。円形。円柱形。

様々なものを取り揃えているらしく、またその種類も豊富。

故に、彼女はそれの前で唸っていた。

 

「……何してるにゃ?」

「ひあっ!?」

 

ハムマンが突然掛けられた声に驚いて振り返ると、この酒保のオーナーがこちらを覗き込んでいた。

 

「な、あ、明石……びっくりさせるな!」

「いや、勝手に驚いたのはそっちにゃ……」

 

酒保のオーナー──明石は商品の陳列に来たのだろう。袖から手の出ていない腕で、青色の四角い箱のようなものを抱えて運んでいる。

 

「で、何してるにゃ?」

「うっ……な、何もしてないわよ!」

「ほんとにゃ?」

「ほ、ホントよホント!!」

「別にいいけどにゃー、冷やかしは帰って欲しいにゃー?」

「冷やかしじゃないのだ!」

「じゃあ何を買いに来たのかにゃ?」

「そ、それは……」

 

明石が何を目当てに来たのか尋ねると、ハムマンは言い淀んだ。あまり言いふらしたくないことなのだろう。

 

「にゃあ……果物コーナーの前で唸ってたってことは、()()()()()でも作るのかにゃ?」

「そ、そんなこと……」

「ホントのこと言うにゃら、ちょっとぐらいおまけしてあげてもいいんだけどにゃ〜?」

「うう……」

「……皆には黙ってるから言ってみるにゃ」

「……実は──」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「ハムマン。お前どこ行ってたんだ?」

「ど、どこでもいいだろ! 早く仕事しろ!」

「えぇ……」

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「……し、指揮官」

「おう、どうした?」

 

執務中の執務室で、彼女はふと指揮官を呼んだ。彼は何気無しに反応を返す。

 

「……お、お腹空いてない?」

 

一瞬戸惑ったが、彼女はそう声に出した。

 

「うん? 確かに空いてるには空いてるが……」

「そ、そう! なら──」

 

──ハムマンが何か持ってきてあげるわ!

そう続けようとした時だった。

 

「──夕飯まで我慢出来ないのか?」

 

彼はバッサリと切り捨てた。

それも、真顔で。

──ハムマンは、()()()()()()指揮官を睨みつけた。

 

「……どうした?」

「…………フン!」

「あっ、オイ! どこ行くんだ!」

 

それでもなお意図を汲んでもらえなかったハムマンは、癇癪を起こして執務室から出ていった。

指揮官にはそれがあまりにも突然過ぎて、呆然とするしかなかった。

 

「……良くわからないが、取り敢えず追うか」

 

──何か悪いことをしたのなら謝ろう。

そう考えながら、指揮官も執務室を出た。

 

 

 

◇◆◇◆◇◆◇

 

 

 

「…………」

 

食堂の調理場。ここは午後一時から午後五時までの間、誰でも使えるように解放されている。

その調理場で、ハムマンは佇んでいた。

 

「……ううっ……」

 

──否、泣いていた。

 

「どうして……いつもこうなるのだ……?」

 

──毎回自分に素直になれず、指揮官に当たってばかりで。

 

「ハムマンだって……ううっ……」

 

──今回も、用意した物を素直に渡せなかった。

心では渡そうと思っていても、口から出るのは望まぬ言葉ばかり。

 

「……頑張って作ったのに、ハムマンのせいで……」

 

──その結果が、今に至る。

手元にある()()を、渡すつもりだった。

 

「……捨てるのは勿体無いから、ハムマンが食べるのだ」

 

だが、自身の行動のせいで、それも無駄になった。

ハムマンは()()()()する為に、六等分に分けられた()()を一つ、皿に取り分ける。

そうして残りを冷蔵庫へ仕舞おうとした時だった。

 

「この()()()()()()()、美味いな」

「……へ?」

 

声に驚いてその場で振り返る。

 

「ハムマンも料理出来るんだな。結構な驚きだわ」

「し、指揮官!? 何してるのだ!?」

 

そこには、《皿に取り分けたタルトを頬張っている》指揮官の姿があった。

 

「何って、ハムマンが作ったタルトを食べてるんだが」

「ど、どうしてハムマンが作ったって知ってるのよ!?」

「そりゃあ、露骨にあんな態度取られてたら何かあるだろうなって思うし、さっきの話も聞いてたし」

「なっ……えっ、ど、どうして」

「どうしてって、そりゃあお前──」

 

──お前に指輪渡したのは誰だと思ってるんだ。

指揮官はその言葉が喉元まで出てきたが、手前で飲み込む。そのかわりに、彼女の名前を呼んだ。

 

「……なあ、ハムマン」

「な、なによ!?」

 

指揮官はハムマンの前まで歩き、目の前でしゃがむ。

 

「俺は、ハムマンのこと好きだぞ」

「……へぁ?」

「お前は、俺の事好きか?」

「誰が……指揮官、なんか……!」

「それが、ハムマンの答えか?」

「……ッ! そ、そうよ! 指揮官なんか──」

「…………」

「指揮官なんか……うう……」

 

ハムマンは分かっていた。ここで本当のことを言わなければ、ずっと後悔していくことになると。

だが、彼女のプライドがそれを許さないのだろう。

指揮官はそんなハムマンを見てもなお、ただ言葉を待つだけだった。

──そして、その時は訪れた。

 

「……そうよ! ハムマンも指揮官のこと、好きなのよ!」

「……そうか!」

「そうよ!」

 

──認めたのだ。

 

「じゃあ……戻ろうか」

「……うん」

 

──ただ認めるだけで、こんなにも気持ちが楽になるのか。

 

「……悪かったのだ」

「大丈夫だ。慣れてるから安心しろ」

「……な、慣れてるってどういう意味よ!?」

「そのままの意味だが?」

「うう~〜っ!」

 

ハムマンは少しだけ素直になろうと、心に誓った。

そうすれば、指揮官は喜んでくれるから。

──指揮官と並んで歩くハムマンの口元は、清々しい程に緩んでいたという。




書き方が雑いし少女漫画かよとか思ってませんよ!?

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