インフィニット・ストラトス~【英雄】の迷い込んだ世界~   作:芳奈揚羽

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ラウラの不安

side ラウラ・ボーデヴィッヒ

 

 

「それでは、これで最終確認を終了する!」

 

 そう言って、今回の作戦の最高司令官が作戦司令室を出て行く。それに続いて他の作戦隊員も部屋を退出していく中、私は席を立たずに考え込んでいた。

 

「・・・キナ臭いな。どうにも嫌な予感がする。」

 

 そもそも、今回の作戦は最初から穴だらけだ。作戦内容は飛来する隕石を我々ドイツの第三世代兵器であるAIC(アクティブ・イマーシャル・キャンセラー)によって受け止め、地域への被害を最小限に防ぐというものだった。しかも、アメリカと中国に同時に落ちてくるため、急遽我々のAICのデータなどを他国に提供し、一時的に作戦に参加する他国のISが使用出来るようにするという、国益度外視、完全無視の作戦だ。

 

 上層部はこの作戦によって世界に恩を売ることが出来るとか喋っていたが、そんな薄っぺらな言葉に惑わされる人間が居ると思っているのか?AICの性能を知っている我々ドイツ軍人の中に、この作戦には裏があることを疑っていない人間などいない。

 

 だってそうだろう?そもそも、ISという兵器は元々【宇宙開発用マルチフォーム・スーツ】として開発されており、ちゃんと実験までして宇宙空間でも性能を十分に発揮出来ることを確認しているのだ。専用の装備さえ有れば単独で大気圏を突破出来るのだから、それこそAICを所持している我々ドイツ軍が宇宙に出て、その隕石の慣性を停止させて別の方向に少し押してやるだけで良い。それだけで、地球に迫る未曾有の危機を回避出来るのだから、ドイツは世界中に多大な恩を売ることが出来るはずだ。ただ慣性に従って浮遊進行しているだけの存在と、地球という巨大な物体の重力に引かれて加速した存在、どちらがより対処し易いかなど、子供でも分かる事だ。

 

 なのに何故、態々AICという我々の技術の結晶を提供してまで地球に近づける必要がある?どんな契約を交わそうとも、必ずこの機構の詳細な情報は盗まれる。そうすれば我が国が他国に有するアドバンテージの一つを失う事になるのだぞ?それが分からないほどに無能な政治家たちではないだろう。つまり、この作戦にAICを投入することで、損失を上回る利益を得るということか?それは一体何だ?AICと引き換えにした他国の第三世代兵器の情報だろうか?それとも何らかの権益だろうか?

 

「・・・駄目だな、考えても答えは出ない。」

 

 そこで私は無駄な思考を打ち切った。元より考えても無意味なことだったのだ。私達軍人は命令には絶対服従。それが例え、死ねという命令でも拒否することは出来ないのだから。・・・まぁ、あの学校(IS学園)で人間の生き方、楽しみという物を知ってしまった私としては、何があろうと絶対に死ぬ気はないのだが。・・・そう、何があろうと、どんな汚い手を使おうとも、絶対に生還してみせるとも。あの暖かい日溜まりに戻るためなら、私は何だってするさ。

 

 待っていてくれ、皆。

 




マジで短いですね。まぁ、あんまり間が空くのもアレなんで、これで投稿します。
・・・あと、実際ISって大気圏突破出来るんですかね?・・・まぁ、私の作品では出来る設定です。
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