インフィニット・ストラトス~【英雄】の迷い込んだ世界~ 作:芳奈揚羽
side 白銀武
「一体どうなってるんだこの世界は・・・?」
IS学園に近い駅へと向かう電車の中で、一人呟く。チラリと周りを見れば、この世界の異常性が一目で分かる。
「退きなさいよ。警察呼ばれたいの?」
「あ・・・スイマセン。今退きますよ。」
先に座っていたサラリーマンらしい男性を脅してその席に座る小学生とか、俺は今まで見たこともないぞ・・・。だが、この世界ではコレが普通らしい。その原因は、【IS】と呼ばれる兵器群だ。
【
束博士は、【IS】のコアを467個作った時点で行方不明になったそうだ。なのに、何で女性であることそのものがステータスになっているのかが分からない。だって、世界に467しか存在しないんだぜ?つまり、操縦者は予備を含めても千人にも達しないだろう(候補生などを含めれば実際はもっと多いかもしれないが)。それなのに、何故世界中の女性全てが優遇されるんだ?【IS】に乗るために努力している女性が優遇されるのは分かる。だが、その一部の人の努力に乗っかって、自分は何もしないのに甘い汁だけ啜ろうという人間が多すぎるだろうこの世界は。・・・もしかしたら、【あちらの世界】よりも腐っているかもしれない。・・・勘違いしないでもらいたいが、俺は別に男尊女卑にしろとか言ってる訳ではなく、女尊男卑にしてもやりすぎだろうと言っているんだ。さっきの子供が言っていたように、この世界の女性は、男性に対して気に入らない事があると警察すら呼ぶ事が出来るそうだ。それで、明らかに女性のほうに非があっても、男性が逮捕されるなんてよくある話なんだと。・・・やりすぎだろう?
実は、俺が学校をサボって電車に乗っているは、コレが原因なんだ。だって、【元の世界】では、結構仲が良かった女性生徒がかなり嫌な性格になっていたり、明るくて面白い性格だった男性の友達が、かなり暗い性格になっていたりと、兎に角居心地が悪かったんだ。しかも、純夏がIS学園に入学させられたのは知っていたが、委員長や綾峰、たまと美琴まで強制入学させられていたとは夢にも思わなかった。変わっていなかったのは涼宮と柏木くらいで、まりもちゃんや香月はか・・・先生も学校を辞めてしまったんだそうだ。
正直、そんな居心地の悪い学校に何時までも居たくない。今までの【この世界】の俺だったら我慢出来ていたんだろうが、別の世界を知っている俺としては、知人の性格が悪い方向に変化しているのは見ていて辛いものがあるんだ。
だから、図書室でこの世界の事を調べた後は、純夏に会いに行こうと思って電車に乗った訳だ。先程電話で話した限りでは、純夏はやっぱり純夏だったという印象だ。どんな世界でも、何処にいても、やっぱり純夏は変わらないんだと思った。多少の違いはあっても、根本的には変わらないんだと直感した。この世界でも、俺はアイツを愛することが出来るだろう。・・・だから、今日会ったら・・・