俺だって英雄になりたい   作:時雨。

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どうも!
本日二話目の投稿です!(しぐれんにとっては寝るまでが一日)
眠くなってきたので私はそろそろ寝ます!
みんなもこれ呼んで高評価と私を褒めて悪いとこをを優しぃくオブラートに包んだ感想書き終えたらちゃんと寝るんだぞぅ!


俺だって体育祭で活躍したい

快晴。

燦々と照りつける太陽の元、俺達は雄英高校の所有するスタジアムに整列していた。

ああ、暑い。

この熱気は季節と天気的な要因だろうか。

確か今日は天気予報だと結構気温が上がると聞いた気がする。

今朝はこれからのことに思いを馳せながらの朝食だったからあんまりニュースを良く見ていなかった。

だが、きっとこんなにも暑いのはそのせいだけじゃないだろう。

きっとここに集まるすべての人が、みんな一様に胸に熱烈と燃ゆる闘志を持っているからに違いない。

 

「うーん、ちょっと気取り過ぎかな?」

 

「リツカ?」

 

「いや、なんでもないよ。体育祭がんばろうね、沖田」

 

「――もちろんですともっ!」

 

雄英高校の暑く、熱い体育祭が――――今始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――とか言ってた開会式当初が懐かしいね……」

 

「こっ、こんな、はzブッフォアッ!!!ゲッホゲッホ!!!」

 

「はいはい、大丈夫ですか沖田さんやい」

 

むせまくる彼女の背中をゆっくり擦る。

沖田はコヒュー、コヒューとどこかの暗黒面最強仮面のごとき呼吸音を立てながら道端にうずくまった。

 

「だから無理しない方が良いって言ったのに」

 

「その場の勢いに流されてでつい………」

 

体育祭第一種目は障害満載の長距離走。

スタジアムの外周4キロメートルを迫り来る障害を退けて走り切るというものだ。

開始直後に縮地を使って一気に先頭に躍り出た沖田だったが、体力はみるみるうちに削られていき、気がついたら轟君を筆頭にどんどん追い抜かれていった。

そして後ろから俺が追いつく頃には顔真っ赤にしてフラフラと端の方を走っていた。

というかもう歩いたほうが早いくらいのスピードだったので走っていたという表現は少し正しくない気もするが。

 

「それで、立てそう?」

 

「はぁ、はぁ、な、なんとか」

 

と言いながら立ち上がるもののすでに疲労困憊といった様子だったので、後ろからすくい上げるように起きたの体を持ち上げる。

そこまで力を入れていなかったというのにすんなり手の中に転がり込んできてたところを見ると、本当に体力がそこを付いているらしい。

 

「なに、してるんですか」

 

「何って?お姫様抱っこだよ」

 

「そ、そんなの見ればわかるんでよバカ!ていうか早くしないとリツカまで順位が――」

 

「大丈夫。もうすでに()()は打ってある」

 

「布石?というかリツカ、なんであのろくでなしの格好してるんですか?個性使うタイミングありましたっけ?まぁ、第一関門はありましたけど、このあたりではまだないですよね」

 

「まぁ、ちょっとね」

 

そう言ってニヤリと笑う。

沖田は意味がわからず頭上にはてなを浮かべて首をかしげる。

現在位置は第二関門直前。

俺たちの少し先では予期せぬアクシデントに戸惑う先頭集団達が立ち往生していた。

 

「さっきミッドナイト先生が言ってただろ?コースさえ出なければ何をしてもいいってさ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何をしてもいいとは言ったものの、これは一本取られたとしか言いようがないわね」

 

「あれは………いったいどういうことですか?」

 

驚く教師陣のうちの一人、セメントスはまるで何が起きているのかわからないというようにそうつぶやく。

 

「おそらく後続の誰かがやったんでしょ」

 

「それはわかりますが、あんな個性の一年生いましたか?」

 

「思い当たる子はいないけど、実際起こってるんだからそうなんでしょう」

 

ミッドナイト、セメントス、及び各雄英高校教師陣とスタジアム内に困惑が満ちる。

本来であれば現在生徒たちが立ち止まっている先には第二関門としてそこの見えないほどの穴がそこら中に掘られたいかに渡されたロープと島状に残された少ない足場を使って対岸へ渡るかというアトラクションがあったはずだ。

だというのに、今現在そこに()()()()()()

そう、なにもないのだ。

本来あるはずだった奈落の如き闇が広がっていた深い穴が。

各島へと渡されていたロープが。

その場所にはなにもない。

ただ当たり前のように地面がある。

現在先頭を走っている一年A組の轟、そしてその背中を追う爆豪両名は持ち前の個性でこの関門をクリアした。

特に轟はあのナンバー2ヒーロー『エンデヴァー』の息子としてこの体育祭でも一際注目されている。

その彼がつい先程なにもない地面に吸い込まれるように落ちかけた。

体が浮いた瞬間に個性で氷を発生させて後方の地面から足場を作ることでなんとか堪えたが、そのまま警戒して後ろに一度下った。

結果として爆豪にかなり距離を縮められてしまったが、今重要なのはそこではない。

詰まる所見えないが穴は間違いなくそこにあるのだ。

だが、どこが安全でどこが危険なのか全くわからない現状殆どの生徒が第二関門をクリアできずにいる。

 

「これも言ってしまえば正当な進路妨害。これをいかに乗り越えるかがポイントになるわね」

 

ミッドナイトは第二関門を映し出している会場の大きなディスプレイをじっと見つめながら呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沖田を抱えて第二関門まで来ると、予想通りみんながみんなここで止まっている。

 

「思ったよりも結構な人数ここで止まってるな。もっと向こうに渡れる人はいると思ってたのに」

 

「渡ってる?なにもないように見えますが、なにかあるんですか?」

 

「んー、めっちゃ深い穴?」

 

「どこに?」

 

「眼の前に」

 

一度そちらへ目を向けた後に再度沖田は俺の顔を見る。

 

「いやいやいや、なにもないじゃないですか」

 

「ああ、俺が隠したからね」

 

「隠したって、幻術で?」

 

「そう。ほら、こんな感じだよ」

 

沖田に対して個性を解除すると、目の前で何が起きているのか理解したのか「うわー、性格わるっ」と引かれてしまった。

これのおかげで俺たちは順位を離されずに済んでいるというのになんて言い草だろうか。

 

「とりあえず、口閉じてないと舌噛むから気をつけてね」

 

「へ?ってちょちょちょっ!?」

 

瞬間強化で脚力を強化して一番近い島までジャンプする。

この体育祭に向けてみんな体を仕上げてきている。

それは当然俺もだ。

といってもそこまで大きな変化はないが、それとなく体が前より鍛えられてかつ個性も少し伸びた………気がする。

何よりマシュに自慢できる活躍をしておきたい。

しっかりと衝撃を受け止めるように着地し、沖田をなるべく揺らさないように扱う。

どうやら体も地面も特に問題はなさそうだ。

無事足場に問題がないことを確認して次々に飛び移っていく。

見えている俺は特に問題なく対岸に到着する事ができた。

流石にこれ以上放置しておくのは可愛そうなので俺たちが次へ走り出すのと同時に個性を解除する。

 

「大手を振って個性を使えるって楽しいね!といっても俺のはみんなの力を真似してるようなものだけどさ」

 

「それでもそこまで使いこなせてるのは一重にリツカの頑張りで――って違う!早くおろしてください!自分で走りますから!」

 

と言いながら沖田は鋭い肘打ちを繰り出し、突き出された肘は見事に俺の腹部に沈み込む。

 

「ぐえっ!?そ、それはちょっとひどいんじゃないかな沖田……」

 

「ほっ、ほら早く行きますよ!もう後ろから追いかけてきてるんですから!」

 

といって沖田は先へ走り出す。

どうやら今度はちゃんとペースを考えて走るらしい。

とりあえずまたカルデアのときみたいに血反吐を吐かれると心配なので、体には気をつけてもらいたいなと思いながら顔を赤くした沖田を追いかける。

なんだか青春してるなぁ。

前世ではずっとそれどころではなくて経験することのできなかった学校行事。

確かにネロ祭りはみんなで盛り上がった楽しいお祭だったけど、あくまであれはカルデア内のものであって、公的な機関の学校における体育祭は、俺にとってあまり馴染みのないものだ。

 

「よし、行くよ沖田!」

 

「ええ、もちろんですとも!」

 

体育祭はまだ、始まったばかりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ、はぁ、はぁ、結構ギリギリセーフ……」

 

「いやぁ、思いの外危なかったなぁ」

 

いい感じの雰囲気醸し出してた割には第二種目に進めるギリギリで通過することとなった長距離走。

続く第二種目の騎馬戦は二人から四人の騎馬を作ると聞いて沖田と二人で組んだところあっけなく通過できた。

やはり長年培ってきたコンビネーションは急造チームとはわけが違う。

レクリエーションを挟み、あっという間にお昼休憩になった。

 

 

そして――――――

 

 

 

 

「ここがうちの駄妹とお人好し馬鹿がくんずほぐれつしてるという噂の雄英高校じゃな?ふむ、いっちょあばれてやるかのう!!」

 

 

 

幻の第六天魔王、見参。

 

 

 

 

 

 

 

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