俺だって英雄になりたい   作:時雨。

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どうも時雨です!
本日からゴールデンウィーク開けということで朝10時からの定時更新から夜の不定時更新に変更となります!


今回は私最推しのあの娘が登場……!!
好きすぎて色々空回りした結果あれな感じになっちゃった気もしなくもないですが、とりあえずどうぞ!


俺だって高校生活で輝きたい

 

朝。

この間までの気怠さはすっかり抜け、あんなにも重かった頭もずいぶん楽になった。

ベッドから体を起こし、ぐっと体を伸ばす。

ふと、机の上の円盤状の物に目が行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雄英からの通知が届いたのは数日前。

書類か何かだと思っていたので封筒を手に取ったときはおかしな感触に首をかしげたが、封を切ってみて中を見てさらに驚いた。

いや、驚いた要因はその中身というよりは中身の中身、といったほうが正しい。

郵送されてきたのは小型のプロジェクター。

ボ机に置いてボタンを押すと映像が投影された。

 

『わぁーたぁーしーがぁーー!投影されたぁぁっ!!』

 

そこに映っていたのは平和の象徴『オールマイト』。

まさしくこの超人社会の平和を担っている人物で、彼がいなくなれば瞬く間にヴィランが活発化するであろうことは火を見るよりも明らかな事はこの超人社会に関わるすべての人々が知っている。

そう断言できるほどにヒーロー、ヴィラン双方に多大な影響力のある人だ。

それにしてもなぜそんな彼がこのビデオに映っているのか。

俺の当然すぎる疑問は彼がその後に告げた内容ですぐに解消されることになった。

オールマイトが雄英の教師として赴任することが決まったらしい。

プレゼントマイクの時同様これには俺も相当テンションが上がった。

何と言っても彼はヒーローを目指す者全ての憧れであり目標だ。

そんな彼がこれから自分が通うことになる学校に赴任してくる。

つまりは彼の授業が受けられるという事だ。

まぁ、俺はちょっとした理由で彼のヒーローとしてのあり方をあまり好いてはいないのだが、なにはともあれそんな最高のサプライズのおかげで一層これから始まる高校生活に胸を踊らせた。

ちなみに俺は70ポイントを超えて余裕で主席合格だったらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして今日。

俺の今世初、高校の登校日である。

真新しい制服に袖を通し、ネクタイをキュッと占めると思わず口元がにやけた。

ああ、俺、今日から高校生なんだ。

そう思うとなんだかいろんな感情が湧き上がってくる。

前回は高校を卒業することなくカルデアに来たせいで花の高校生活というものを半分以上味わう事ができなかった。

確かにその分普通の一般人のままじゃ経験することのできない沢山の出会いがあったけど、それでもやっぱり高校生活というものには憧れがあった。

だから今回は楽しい高校生活が待っていることを大いに願っている。

壁に立てかけたこれまた真新しいリュックを背負い、家の玄関へと向かった。

玄関に到着し、所定の場所から家の鍵を回収してドアを開ける。

途中までドアを開きかけて唐突にあることを思い出した。

そういえば随分と出掛ける前の挨拶をしていない。

ずっと両親が家を空けているため俺が家を出ると中に誰もいなくなるからだ。

ずっと昔は小さい俺のことを気遣って両親ができるだけ家にいてくれたものの、ここ数年はそんな機会もめっきりと減っていた。

一人で言っても寂しいだけだと思い、最近はずっと言っていない言葉。

だが今日は高校生活最初の門出だ。

ここまで生きてこれた幸せ、というのも聊かおかしな話だが、なんだか無性に言いたくなった。

確かに誰もいない家だけれど、誰からの返事も返ってこないけれど、けじめとして声に出しておこう。

 

 

「行ってきます」

 

 

 

誰に言うでもなく一言呟き、今度こそ眩い朝日の元へ向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

家の外に出ると、そこにはすでに人影があった。

どうやらわざわざ待っていてくれたらしい。

 

「おはよう、沖田」

 

「んにゃ?あっ、おはようございますリツカ!」

 

家の前で塀に背を預けて立つ人物に声をかけると元気な挨拶が返ってくる。

彼女がその場で回ってこちらを向くと、透き通るような白髪が遠心力でふわりと舞った。

 

「もしかして今立ったまま寝てた?」

 

「あ、あはは。昨日興奮してちょっと寝られなくて」

 

少し照れながらそう言う彼女は沖田総司。

かつてカルデアで共に戦ってくれた英霊の一人で、彼女もこの世界の人間として生まれ直している。

カルデアでの記憶も俺同様持っているようで、たまに二人で当時の話をすることもある。

ちなみに今世での名前は沖田総司ではない。

彼女は土方家の次女として生まれ、信長の妹だ。

つまり今の本名は土方総司。

沖田はあくまで俺が呼ぶ上でのあだ名のようなものだ。

そんな彼女は現在俺と同じ高校の制服を着ている。

あの日俺たちは同じ高校を受験した。

受験会場こそ違ったものの、沖田もちゃんと合格できたようだ。

彼女の実力を考えると当然ではあるが、実際にこの目で見て安心した。

 

「確かにそれは俺もかな。沖田と一緒に同じ高校へ通えるなんて、すごくうれしいよ」

 

心からの本心を口にすると、沖田は目を見開いて驚く。

何事かと思うとその場で固まってしまった。

すると見る見るうちに彼女の色白な顔が赤く染め上げられていく。

 

「またあなたはそういう事を恥ずかしげもなく言ってしまうんですから……。まったく、私はいったいなんて返したらいいんですか。もぅ」

 

「ん?どうしたの?顔赤いけど大丈夫?具合悪いならちょっと遅れて行こうか?」

 

「わぁああーっ!大丈夫ですぅー!沖田さん絶好調!さぁ、行きますよリツカ!」

 

「えぇ!?ちょ、沖田!?急に走り出すとまた倒れるよ!?」

 

急に駆けだした沖田に手を引かれ、朝の住宅街を走り抜けていく。

新しい服、新しい日常、新しい生活。

どれもこれも輝いて見える。

朝の喧騒は遠く、まるで今この瞬間は世界に俺達二人だけのような気さえした。

これから彼女と共に前世では失ってしまった時間を一歩ずつ取り戻していこう。

ちょっとおっちょこちょいで恥ずかしがりやな少女を見て、俺はそう心に誓った。

ちなみにこの後先程までとは打って変わって顔を青くして息切れを起こした沖田を介抱していたため教室についたのは時間ぎりぎりだった。

 

 

「ほら、教室着いたよ沖田」

 

「うっ、うぅ……。頭がふらふらします……」

 

はしゃぎすぎたせいで体調不良を起こした沖田に肩を貸しながらなんとか教室まで辿り着いた。

もう着席指定時間までだいぶぎりぎりで、他のクラスメイトは全員そろっているかもしれない。

サーヴァントや前の世界での生前のように彼女の病弱な体質はこの世界でも受け継がれている。

これでも以前の喀血のような危ない症状はほとんどなくなり、軽い貧血や今のような眩暈が主な症状なため随分軽くなったと言えるだろう。

実際生身で戦闘毎に血反吐を吐いていたらヒーローどころではない。

その点では彼女もこの世界への転生は感謝していると言っていた。

チヘドヒーローとかふざけたネーミングで受けるのではないかとも思ったが、翌々考えてみると子供には少し刺激の強すぎるギャグだった。

ちなみに俺も沖田も無事同じAクラスだ。

教室の入口、閉じられたドアの前。

これから三年間を共に過ごす仲間がこの先にいると思うと少し緊張する。

 

「さてと、クラスメイトはどんな人たちかな」

 

期待に満ちた一歩。

教室のドアを開けるとそこには―――

 

「机に足をかけるな!雄英の先輩方や机の製作者方に申し訳ないと思わないのか!?」

 

「思わねーよ。てめーどこ中だよ端役が!」

 

うっわ。

きっつぅ。

既に前途多難感をひしひしと感じるA組教室。

果たしてこの先上手くやっていけるのだろうか。

そんな不安に駆られながらも、こうして俺の高校生活は幕を開けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




如何だったでしょうか!
今回は諸事情により短めでしたが、次回はみんな大好き抜き打ち体力テスト!
立香と沖田はどうやってあの難関を乗り越えるのか。
乞うご期待!!
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