俺だって英雄になりたい   作:時雨。

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どうも時雨です!
今夜も毎日投稿頑張っていきましょう!
( º дº)<キエェェェエエェェェ


俺だって今夜はハンバーグが食べたい

「やっとヒーローらしい記録だしたよーー!」

 

「指が膨れ上がっているぞ。入試の時と言い…おかしな個性だ……」

 

「スマートじゃないよね」

 

それぞれが緑谷の個性を目にして各々感想を述べる。

おかしな個性、と言われれば確かにそうだ。

個性とは自らの体の一部、身体能力の一部だ。

本来それは自身の本能的な身の守り、意識的な肉体の強化こそすれど肉体を破壊する諸刃の剣になどなるはずがない。

他の個性だって無茶をすればそりゃあ多少なりとも体を壊す。

しかし、それはただ壊すだけではなく基本的に個性という名の身体能力の成長、向上につながるはずだ。

例を挙げるなら筋トレと筋繊維の関係だろうか。

筋トレというのは筋肉を酷使し、わざと筋繊維をズタズタに切る行為のことを指す。

そうして食事をし、取り入れた栄養やらなにやらを使って切れた繊維を修復していくことでさらに筋肉は太く、硬くなっていく。

だが、緑谷の個性は違う。

ただでたらめに力いっぱいで加減を知らない。

こっちは言うなれば平常状態と火事場の馬鹿力だ。

まさしく0と100。

加減も調整もできない無理やりな力。

あのままではきっと遅かれ早かれ体がもたなくなるだろう。

 

「それは本人が一番よくわかってるか」

 

きっとそれは誰よりも痛みを感じている緑谷が一番わかっていることだろう。

さっきはああして先生に言ってはいたが、彼自身も今後ずっとこのままいくつもりとは思えない。

それならヒーローなんて目指そうと思わないはずだ。

俺が緑谷の元へ向かおうと立ち上がるのとほぼ同タイミングで爆豪が緑谷に向かって飛び出す。

 

「どーいうことだこら、ワケを言ゴボア!!?」

 

軽く杖をふって爆轟の顔の周りに水の塊を出現させる。

あくまで限りなく本物に近い幻覚だが、この場でそれを見抜ける奴はいないだろう。

 

「おいおい、何する気なのさ。相手は怪我人だよ」

 

何かものすごく抗議を受けている気がするが、水の中なので「ゴボガモガァ!」としか聞こえない。

てか顔怖いな。

息ができなくて苦しいのか顔をしかめているので余計に怖い顔だ。

 

「さてと、今ここで軽く処置しちゃおうか。緑谷」

 

「えっ!?ああ、えっと、とりあえずかっちゃんを解放してくれると……」

 

「ん?あ、そうか」

 

再度杖をふって水を消す。

激しくむせ込む爆豪と目が合うと、あからさまにむき出しな敵意をぶつけられた。

これで標的は緑谷から俺へとシフトしただろう。

彼のようなタイプは扱いやすくて楽だ。

そんな失礼極まりないことを考えながら緑谷に『応急手当』を行使する。

今回は指だけとはいえ、この怪我の具合ではかなり痛むだろう。

数秒の間光に包まれた緑谷の指は、瞬く間に元通りだ。

見た目はね。

 

「一応痛みはもうないだろうし、見た目もほぼ完治してるけど、あくまでそれは外見の話だ。これは応急手当。中身はまだ完全に治り切ったわけじゃない。強くぶつける、突く。そういうことになれば痛みはすぐにぶり返すだろう。あと当然ながら二日は個性を使わないでくれるとこっちとしては安心かな」

 

「ありがとう!入試の時と言い今回といいいつもお世話になっちゃってるね……」

 

「それについては気にしないでいいよ。これから三年間同じクラスの仲間なんだしね。爆豪も」

 

ちらりと背後にいる爆轟に視線を向けると、大きな舌打ちと共に「誰がてめぇと仲良くなんぞするか!ぶっ殺すぞ!!」と殺害予告、というか殺害宣告を受けた。

怖い。

というか言い直したけど変わってないな。

そしてふと、爆豪以外にもこちらへ強い視線を感じた。

どうやら相澤先生のようだ。

しまった、ちょっと警戒されてる?

入試の時と言い今さっきのマーリン式瞬間移動(笑)といい少し派手に動きすぎたかな。

ただでさえ訳の分からない個性の俺を学校は少なからず注視しているだろう。

悪目立ちしてそれ以上に警戒レベルを引き上げられでもしたら三年間先生方からのプレッシャーで学校に生きづらくなってしまいそうだ。

それは流石に嫌だな。

とりあえずこちらから相澤先生に話をふろうか迷っていると、何か諦めたようにこちらへ歩み寄ってきた。

 

「藤丸本人も言っていたが、あくまで応急手当なんだろう。なら一応リカバリーガールんとこいってしっかり見てもらってこい」

 

といいながら相澤先生は一枚の紙を渡す。

相澤先生本人のサインの入っているところを見ると、恐らく保健室へ教師公認で行くということを証明する書類だろう。

俺が以前の世界で通っていた高校にもあった気がする。

あれ正式名称なんて言うんだっけか。

その後先程の退学は嘘だという事が告げられ、生徒一同は入学初日早々グラウンドで絶叫を上げた。

沖田は「へー、そうだったんですかぁ」とどうでもよさそうな顔をしていたが、彼女はもっと自分の今後について深く考える機会を設けるべきじゃなかろうか。

その日はそこで教室へ戻され、カリキュラム等の説明を受けた後に解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そして翌日―――

 

 

 

 

「戦闘訓練?」

 

午前中はごく普通の高校で受けるような当たり前の高等教育。

ちなみに英語の授業でもプレゼントマイクのテンションは最高潮だった。

そして午後、今はヒーロー基礎学の時間だ。

三年間で最も単位数の多い教科らしく、おそらくここ雄英高校が最も力を入れている授業だとわかる。

入試の時にバスから見えたへんてこな施設達もそれぞれ有力なヒーローを育て上げるために設計された施設達なのだろう。

現在俺達はコスチュームを身に纏いモニタールームに来ていた。

進行中の戦闘訓練はヒーローチーム緑谷&麗日vsヴィランチーム爆豪&飯田の組みだ。

結果として緑谷は個性を使った。

爆轟が得意とするであろう右の大振りな攻撃がここ一番で来ると予測し、左を犠牲にして右で建物を破壊、麗日との連携を図った。

結果として勝利したのはヒーローチームだ。

敗北した無傷のヴィランチームに、勝利したとはいえボロボロのヒーローチーム。

その異様な光景に周囲がどよめく中、オールマイトについて俺も緑谷たちの元へ向かった。

俺が気絶した緑谷を治療している間オールマイトは爆豪に何やら話しかけている様だったが、距離的に何を言っているかは聞こえなかった。

その後授業は先に進み、途中轟君というすさまじい個性の持ち主が居たりと場は大いに盛り上がる。

部屋の気温はとてつもなく下がったが……。

そして、順番はどんどん進んでいき―――

 

「そして藤丸少年。君の番なわけだが……」

 

「……どうしましょうか」

 

現状ここに残っているのは俺と沖田の二名のみ。

先程までのツーマンセルで二対二という形式は取れない。

となるとタイマンかすでに訓練を行った組とぶつかるのが妥当か。

 

「君たちには一対一のタイマン勝負をしてもらうことが決まっていてね。すまないが、これは学校側からの指示なんだ。他のみんなと内容が少し違って申し訳ないが、ルールは基本的に先程と変わらない。では、準備に入ってくれ!」

 

タイマン。

その言葉を聞いた瞬間に俺と沖田の目が光った。

 

「びっく〇どんきー!」

 

「ガ〇ト!」

 

キッとお互いを睨む。

こうなったらもうどちらも止まれない。

よろしいならば戦争だ。

チーズ・イン・ハンバーグなんぞに遅れなど取るものか。

 

「え、ちょっと、君らなんのお話してるのかな?先生完全に置いてけぼりなんだけど……」

 

見た目の風格にはそぐわないちょっと情けないオーラを出しながらおずおずと問いを投げるオールマイト。

だが、すでに俺たちの思考はお互いを負かして夕食を勝ち取ることでいっぱいで返答などない。

 

「オールマイト先生。ルールは先程と基本的には変わらない。それで合ってますね」

 

「え?あ、うん。そうだね」

 

にやりと笑う俺。

そして俺の思考が分かったのか、それとも分からずとも勝てると思っているのか沖田は不敵に笑った。

 

「なんだ、随分余裕だね」

 

「ええ、もちろんです。前回の雪辱、晴らさせてもらいますから」

 

 

 

今ここに、今夜のハンバーグを廻る戦いが始まる―――!!!

 

 

 

 

 

 




ハンバーグ食べたい!!!
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