2018年12月某日
千葉大学キャパス内
「さみい......」
大粒の雪が降り続く中、俺は文化棟にある部室に向かって歩みを進めていた。今日は午後も講義が詰まっていたため、時刻は既に夕刻を指している。
早いもので、卒業してから二度目の年越しが間近に迫っている。......本当に早いもんだな。
因みに、雪ノ下と由比ヶ浜とは今年の夏に起こった"ある事件"以降会っていない。北都先輩がついているのだから、悪いようにはならないだろうが。
そんなことを考えていると、ポケットにしまってあった、スマホもといサイフォンが僅かに振動したのを感じた。
「はぁ......またかよ。最近ちょっと多すぎね?」
俺のサイフォンは少しばかり特別仕様になっており、異界に通じる門が出現しそうな場所や怪異に取り憑かれそうな人間が半径500m以内に存在していると、反応するようにカスタマイズされている。
――
その名の通り、異形の怪物達である。
「さてと、急がねーとな。陽菜の居ない間に何かあっても困るし。......まぁ、アイツが代わりに来てるから大丈夫な気もするが。」
多分"あいつ"のサイフォンにも反応はあったことだろう。部室に向かって更に歩みを早くする俺であった。
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約1年半前
2017年6月24日
日本国――千葉県《千葉市》
――この日、
"俺"の日常は引き裂かれた。
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2017年6月24日
23:00
舩橋駅前
「それじゃお疲れっす。」
「あぁ。気をつけて帰るんだよ。」
マスターから封筒を受け取り、一礼してから入口の扉を潜って外に出る。すると、冷たい風に思わず身震いしてしまった。
春到来――とはいえ、未だ夜風が冷たいこの時期、俺は千 でも有数の繁華街"舩橋"にてバイトに勤しんでいた。
なんでボッチがオシャレバイトなんかしているかというと......まぁ、気の迷いで応募しちゃっただけなんですよね。マスターと従業員の姉さんがいい人だったから何とか続いてるんだが。正直、毎日毎日知らないお客さんと会話するのは地獄である。だって俺ボッチだし、基本的に他人と関わりたくないし。......思い返せば、高3に上がったあたりから、俺の孤独体質は悪化したように思える。まぁ、2年から3年にかけては本当に色々あったから、その反動とも言えるだろうが。
「ふぅ......」
店の裏口にある喫煙所で仕事終わりの一服。同時に、今日の戦利品を袋から取り出し、中身を確認する。諭吉さんが1枚か......マスター太っ腹じゃねえか。初日から思っていたが、このバイトかなり待遇が良いんじゃねえか?まさか、危ない飲み物とか出したりしてないよね?と、馬鹿な事を考えつつ、初日にマスターが言っていた事を思い出す。
――苦学生には優しくしないとね。
苦学生って......。まぁ、家に金を入れなきゃいけない分、普通の学生よりも金を稼がなきゃいけないのは間違いない。両親は俺の大学の学費と小町の高校卒業までの学費は貯めておいてくれたみたいだが、小町の大学分までは流石に貯蓄できていなかったようだ。あいつも大学には行きたいって言っていたし、少しでも俺が稼いでやらないといけない。
――そういえば、早いもんでもう半年も経つのか。......親父とお袋が寝たきりになり意識が戻らなくなってから。
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備え付けの灰皿に煙草を押し付け、手元のスマホを見る。すると、時刻は既に23時を回っていた。......働きたくないって言い続けてた奴が今やバイト漬けの生活だもんな。人生ほんと何が起こるかわからない。
――原因不明の昏睡症状
親父とお袋の症状に病名はつかなかった。ある日突然、平塚先生が血相を変えて俺のことを呼びに来た。
――比企谷。落ち着いて聞いてくれ。君の両親が倒れた。妹さんは既に病院に向かっている。車を出すから君も急いで来てくれ。
ざわつく教室内。心配そうな表情を浮かべる由比ヶ浜と葉山達。俺は暫くの間、何が起こったのか理解することができなかった。
「それにしても、結構遅くまでかかっちまったな。酔っ払いのトラブルがなきゃ、もう少し早く上がれたんだが......ま、お陰でいい稼ぎにはなったが。」
何が起こったのかと言えば、禿げ散らかした酔っ払いのオッサンが泥酔した挙句、他の客にセクハラを始めたのだ。結局あのオッサンは出禁になったらしいが、俺はオッサンよりも姉さん――雪村京香女史に戦慄した。というか、あの太ったオッサンを軽々と背負い投げするってどうなんだよ......。あの華奢な身体の何処にそんなパワーが眠っているのだろうか。雪村さんだけは怒らせないようにしようと本気で思った。
「はぁ......疲れたしとっとと帰るか。遅くなったし小町に連絡しとかないと......ん?」
チャットアプリ"
「天堂......だっけか?......見間違い、じゃないよな?」
――
本人曰く、心境の変化があって髪を伸ばしたそうだ。腰辺りまで伸ばしたロングヘアーに陽乃さんばりのスタイルの良さと整った顔立ちを併せ持つ......うん俺の苦手なタイプだな。冗談はさておき、俺が所属するゼミに所属する同級生で、アイドルグループの元リーダーという異色の経歴を持つ少女だ。なんでも、高校までは東亰に住んでいたらしいが、大学進学を機に千葉に引っ越してきたらしい。......アイツの自己紹介の時の野太い歓声、もとい叫び声といったら煩いったらなかったぜ。いや、ホントに。それにしても、彼女は高レベルのルックスを持ちながら、殆ど浮いた話もなく、真面目すぎる性格の持ち主だったはずだ。だからこそ、治安がいいとは言えない"こんな所"を"こんな時間"に1人で徘徊していることに対して違和感しかない。
「アイツ、こんな繁華街を1人でうろつくような奴だったか?そもそも、顔も随分割れてるんだから普通に考えてあぶねーだろ......」
本人はどう思っているか知らないが、推しも押されぬアイドルグループの元リーダーである。周りのメンバーの個性が強い分、人気も分散していたようだが、俺の記憶が正しければ、天堂自身も相当な人気を集めていた筈で......。え?なんで詳しいからって?そりゃまぁ、人生でも最大級に辛いことが連続して襲ってきた時によくSPICAの曲を聞いてたってだけの話だ。
アイドルに興味はなかったが、不思議と彼女達の曲は荒んでいた俺の心の中にスッと入ってきた。言っておくと、別に天堂個人のファンでも何でもない。......ま、強いて言うなら彼女達に対する感謝の気持ちは持ち合わせている、とは言えるが。
「......ん?」
ぼうっと彼女の後ろ姿を眺めていると、真っ赤な服を身に纏ったガラの悪い連中がヒソヒソと話しながら天童の後ろをついていくのが目に入った。......あぁもう、言わんこっちゃない。
「......ったく、バイトが終わったばかりだってのに......。」
今思うと、俺らしくもなく自発的に動いた"この時"が、俺の人生の分かれ道だったのだと思う。
「スマン小町。お兄ちゃん今日は帰れないかも。主に身の危険的な意味で。」
小町にRINGでメッセージを飛ばし、天堂の向かった方向へと歩みを進める。というか、マジで何でこんな裏路地に入ってくんだよアイツは。怪しい店がチラホラと視界に入ってきて怖いんだが。
「......見失ったか?確かにこっちの方に歩いていったはずだが......」
この時、俺は深追いをせずに、諦めて帰れば良かったのかもしれない。らしくない......こともないか。自分の身をどうのこうのっていうなら、サブレを助けた時もなんであんなことをしたのかって話になる。
怪しげな夜のお店の客引きを避けつつ、裏路地の更に奥へと向かっていく。そうしているうちに、徐々に人気がなくなってくるのが、何とも言えない不気味さを醸し出しているように感じた。......というか、いつの間にか郊外まで来ちまったぞ。こんな所に天堂は一体何の用があるんだ?
そんなことを考えていると、どこの誰とも知らない男の声が聞こえてきた。......いや、実際はどこかで聞いたことがある声だったが、この時は全くもって気づかなかったのだ。
「おいおい、嬢ちゃん。つれねえじゃねえか。」
「ほんのちょっとくらいお喋りしてくれてもよくね?」
おお、あれが噂の壁ドンってやつか。......なんて思う暇はなく、俺はどうしたものかと頭を抱えていた。目の前で不良に絡まれて壁ドンされている美少女......さすがに見て見ぬふりはできそうもない。
「......」
「あっれ〜、とことん無視ィ?」
「なんだかお兄さん、そろそろムカついてきちゃったなあ。」
イライラしだした不良達を見た天堂の対応は......ひたすらに無視!それにしても、アイツ度胸あるな。凄んでくる金髪の不良を二人も相手にして、俺ならどげさして謝り続けるまであるぞ。そんでボコボコにされるまである。......結局殴られるのかよ。
イライラする不良達と天堂の姿を物陰から見ながら、出来ることなら、反応してくれない時点で引き下がって欲しいと思ったが、そうは問屋が下ろしてくれなさそうだった。
「ん〜、見れば見るほどキレーな顔してるじゃねえか。」
「そんな顔してないで笑顔のひとつくらいサービスしてくれてもいいっしょ!」
詰め寄る不良達。ひたすらに顔を背けてシカトを続ける元アイドル。マジで警察来てくんねえかな。そして、しょっぴいてくれ、アイツらのこと。
「......」
「ハハ、はんま怖がらせんなよ。」
というかあいつら、最近噂になってるチンピラチームの西舩キャッツか?しかも、あのロン毛どこかで見たような。って!まさか......戸部!?
――戸部翔
高校時代の同級生で、当時からチャラチャラした風貌の奴だったが、女相手に二人がかりで絡むような奴ではなかった筈だ。むしろ、女に対しても男に対しても優しい奴......いわゆる"いい奴"だった印象が強い。そんなアイツが、何でチンピラの真似事なんかしてやがるんだ?
「アイドル引退してぶっちゃね退屈してるべ?たまにはオレらと思いっきりハメ外してもいいっしょ!」
戸部は顔をしかめている天堂に向かって、ニヤニヤしながら詰め寄っていく。本当に......あの阿呆は一体何やってんだ......ちっ、仕方ねぇ。
「おい、お前ら――」
天堂の居る方向へと1歩、2歩と踏み出す。その時、不良達の背後で何かが割れるような音が耳に入った。そして、次の瞬間俺の目に入ってきたのは、周辺の空間が血の色のように真っ赤に染まりひび割れていく、異様な光景だった。
「な、何だ...?!?」
「赤い、ヒビ......?」
焦りと恐怖の表情を浮かべるのは戸部たちだ。俺はというと、ガクガクと足が震えていた。今すぐ逃げろ。"アレ"に近づいてはいけない。俺の第六感がそう告げている。......だが、そうも言っていられない状況が目の前に広がっている。
「な、何だよ!あ――」
「う、うわあああああっ!?」
戸部の身体がグニャりと歪んだ。すぐにもう一人の身体も左右に、上下に歪み、"赤い空間"へと吸い込まれれるように消えていく。俺はといえば、目の前で何が起こっているのかわからず、心拍数だけが跳ね上がっていく。
「"
"赤い"空間が広がり、"彼女"の方へと迫っていくのが見えた。顕れた......?こんな時に、天堂は何故落ち着いているのだろうか。何を言っているのだろうか。疑問は沢山あった。だが、彼女が呟いた言葉の意味を考える前に、俺の身体は動いていた。
「ハルナ―――――ッ!!」
「え......!?」
天堂が"飲み込まれる"のと同時に、ほとんど無意識に、俺も"その中"に飛び込んでいた。
――そういえば、私のこと名前で呼び捨てにしてくれたのはあの時が最初だったよね。......あの後、あんなことしてゴメンね。もっといい出逢い方ができればよかったのになー.........。
後々になって陽菜に言われた言葉。恥ずかしすぎて死にそうになったが、不思議と悪い気はしなかったな......。
結論。俺と元アイドルの出逢い方はとても間違っていた。
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2017年6月25日
千葉大学
西千葉キャンパス
教育学部1号館教室内
「......であるからにして、虐待を行ってしまう心理的な背景としては、幼少時代に満たされないまま封印した気持ちが関係している場合がある。 話を聞いて欲しい、甘えたいなどの気持ちのことだな。これは、心理学的にも証明されており......」
教授が説明する内容をカリカリとノートにメモする。俺ってこんなに真面目だったっけ?なんてことを思ったが、答えはやはり否である。興味がある"心理学"の範囲だから眠くならずに聞けているが、その他の授業は大体は眠気が襲ってくる。まぁ、"ある事情から"半年ほど前からバイト三昧の日々になっており、疲れが半端ないことを考えれば仕方ないとは思う。......だご、まだ入学したばかりなのにこんな調子で、果たして俺は大丈夫なのだろうかという不安があるのも事実だ。
それにしても、とてつもなく眠い。そして、身体全体が筋肉痛にでもなったように、やたらと重く感じる。昨日のバイトはいつも通りだった筈だが......そういや、何時まで働いてたんだっけ?そもそも、どうやって家まで帰ったんだ?
靄がかかったように、バイトの終盤から帰宅までのことが思い出せない。いや、違うな。思い出そうとすると、頭がズキズキと痛むのだ。......まさか、風邪でもひいたか?
まぁ、疲れてたんだろ。多分......。
釈然としない気持ちを紛らわすため、俺は高校時代のことを思い浮かべる。
......母校である総武高校を卒業してから約1ヶ月が経った。結論から言うと、修学旅行以降、俺達はどこかギクシャクした関係を卒業まで続けることとなった。その間、色々な出来事があったが、それでも1度ヒビが入った関係を完全に修復するには至らなかった。そんな中、一色や小町、大志は俺達の仲を何とか元に戻そうと頑張ってくれた。だが、肝心の俺達が不甲斐なかったということだろう。......あぁ、本当に不甲斐なかったと思う。
卒業以来、あいつらとは連絡を取っていない。なし崩し的に継続されていた奉仕部も今は存在しない。今の状況は決してプラスではないのは確かだろう。だが、決してマイナスになったわけでもない。思えば、今までの日々が異常だったのだ。プラマイゼロになってぼっちが還るべき場所に還っただけの話だ。......どうでもいいけど還るべき場所ってなんかカッコイイよね。と、この時の俺はそんなことを考えていたのだが、この後に起こる数々の出来事を知っていれば、口が避けてもこんなことは言えなかっただろう。まぁ、こんな風に黄昏ちまうくらいには、この時の俺は荒んでたんだろうな。
――ちょいちょい
(!?)
不意に、肩のあたりに何かが当たったような気がした。ビクッと身体を震わせた後、隣をちらりと見ると、こちらを見つめる可憐な女子の姿が。......うん、幻影だな。いよいよ目まで悪くなってきたらしい。え?元々腐ってるだろって?勿論そんなことは知ってる。あー俺も重症だな。いくらなんでも可愛い女子が肩をツンツンしてくる幻影を見るなんて、痛すぎる。何ならどこぞの剣豪将軍並に痛いまである。......今日は早めに帰って寝るか。なんて、そんなことを考えながら教授に目線を戻すと
――ツンツンツンツンツンブスッ
ん?ブスッ?
美少女が俺の右腕をシャーペンで連打していました。てか、痛えよ!!!
「.........」
「あ、あはは......」
「何やってるのお前。」
「いや、まさかシカトされるとは思わなくてですね」
愛想笑いを浮かべる女子。そんな引き攣った顔をするなら初めからするなよ......
「............」
「............」
じっと俺の顔を観察するように見てくる。一応今は講義中だからちょっかい出さないで欲しいんだが。え?普段はいいかって?答えは否だ。駄目に決まってる。
そう思い、ひたすらに無視していると、天童は苦笑いを浮かべながら、ノートの切れ端を俺の目の前にそっと置いたのだった。
――教科書見せて下さい
この子はどうやら教科書を忘れたらしい。
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「比企谷さんはサークルとか入らないんですか?」
またしても夕方の講義中。先日、俺の右手をシャーペンで注射してきた女子は俺の隣に陣取っていた。あの後になって気付いたのだが、この女子――天堂陽菜は驚くべきことに元アイドルだった。......いや、あの後軽く自己紹介をした(強制的にさせられた)のだが、第一声がアイドルやってました!だった。その時は頭が少し弱い子なのかと思ったが、顔をまじまじと見てみると確かに見覚えがあったのだ。
――
東亰都杜宮市を拠点としたご当地アイドルグループで、一昨年辺りから急激に知名度を上げてきたグループの筈だ。はじめは地元限定だったようだが、今は全国ツアーなども行っているとか。
そして、そのSPICAの一員であった筈の天堂がなぜこんな所で俺と駄弁っているのだろうか?という疑問は当然でてくるだろう。これに対する答えは単純明快。アイドル稼業は今年の春で引退したのだそうだ。引退宣言した時は相当な反響があったようだが、残念ながら俺はその頃のことをよく覚えていない。何より、奉仕部絡みで色々大変だった時期だったため、他のことに気を回している余裕がなかったのである。そもそも、元々俺はアイドルに興味ないし余計だろう。そして、アイドルに興味はないし、サークルにはもっと興味がない。よって、天童の質問に対する俺の答えを決まりきっている。
「入らん。リア充共がウェイウェイしてるだけの溜まり場なんかに行きたくない。想像するだけで疲れるわ。」
「ウェイウェイって......サークルへの偏見強すぎません?」
「ほっとけ。てか、何でお前は俺に構うの。」
「......から」
「ん?」
「め、目が死......特徴的だったから気になったんです!」
「今、目が死んでるって言おうとしたよね。何、俺の心を痛めつけようとしてるの?殺しにかかってるの?」
「す、すみません......」
無言である。この子は一体何がしたいのだろうか......
「......そういう天堂は何かサークル入ってんの?」
「入ってますよ~。その名もX.R.Cです!」
「えっくす......?」
「XRCです。正確にはXRC千 支部なんですけどね。」
何故かドヤ顔を浮かべる美少女。だがしかし、全くもって説明になっていないことに、彼女は気づいているのだろうか?ひょっとして、由比ヶ浜並みに頭が弱い子なのか?いや、由比ヶ浜でももっとマシな説明はしてくれるような気がする。......由比ヶ浜を超える頭の弱さ、想像するだけでも恐ろしい。
「すまん。それだけ聞いても何やってるのかさっぱりわからん。」
「んー、わかりやすく言うと、学生のためのお悩み相談室ですかね。それと、千葉の不思議の発掘および検証です!」
「お悩み相談室ね......大学生にもなって奇特なことをする奴らがいるとはな。」
「その奇特な奴が君の目の前にいるんですけどね。」
「......ま、俺には関係ない話だ。」
「む......つれないですね~。」
当然だ。俺には関係ない。それにしても、どっかの誰かさん達と同じようなことをする奴らがいるとは思わなかったな......。
「ま、講義も終わりしましたし、そういうわけなので、そろそろ行きましょうか。」
「ん?どこに?というか、どういうわけで?」
「部室です♪」
俺の質問の一部を完全にスルーしながら、万遍の笑みで答える元アイドルであった。