――本物なんてなかった。全て俺の独り善がりだった。



地元の国立大である千葉大学に進学した比企谷八幡。彼を待っていたのは、自分が生きていくために、他でもない妹のために働くことだった。


ある日突然意識を失った両親。さらには、彼にとって、今までとは比べ物にならない程の大きな挫折。失望、決別、逃亡。そして、喪失。



これは悲劇なのか喜劇なのか。はたまた、どこにでもある下らない物語なのだろうか。





――私達は特別なんかじゃないよ。良くも、悪くもね。
――見方によっては、今まであったことも全部、ありきたりな青春ドラマ。でも、こんな日常をありきたりだと思えることが、私は嬉しい。
――おかえり。ハチくん。そして、ただいま。


彼女の数々の言葉が、彼を"日常"へと連れ戻した。
  第一章.異界化千葉①()
  第一章.異界化千葉②()
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