東方虚悪魔異聞(原作厨が原作キャラに憑依してしまう話)   作:イベリ子

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 更新待ってましたと感想頂きとても嬉しいです。また途中で区切ってしまってるんですが、変に長引く前に出来た所までをぽいぽいと投稿していきたいと思います。不定期ですが。

 感想、誤字報告ありがとうございます。この3年で色々ご時世は変わりましたが、自分の誤字力は変わってないようでなりよりです()


こうりゅう caseひもうとさま(1)

「あ、そうだ。小悪魔」

 

「はい、どうなさいました? パチュリー様」

 

「そろそろだと思うから、地下室に行って本を回収してきてくれる? レミィの妹がいるから」

 

「はえ?」

 

「(蝿?)あの子、出不精だから魔法で本を持っていくんだけど、返すの忘れがちなのよ。結構溜まってるはずだから顔見せついでに取ってきなさい」

 

「なるほど、かしこまりました。じゃあ妖精メイドたちに指示を出し終えてから向かいますね。(唐突だし思ったよりフランク! あの子って呼んでるの!? フランって狂気に侵されてるとかそういうのなかったっけ!? 原作設定少なすぎて二次創作設定が共通認識みたいになってるから想像がつかない……! いきなり『アハハ死んじゃえきゅってしてドカーン!』系のフラン様ではないってことよね……!?)」

 

(また威圧が少し出ている……フランと出会うことが嫌? もしくは……ああ、私がこれを思いついたのが()()()()()()()()()()()()()()ってことに気づいたとか?)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 目が覚めた。辺りには寝る前まで読んでいた本が散乱していて、地下室の床の大部分が埋め尽くされている。ベッドに出来そうだな、と思ったがパチュリーに怒られるし、本が読めなくなるのは本意じゃないのでやめた。

 最近上の図書館に集まる本が増えたようで、適当に転送をかけても目新しい本がこっちに来るようになって嬉しい。活版印刷が発明された時よりも本の量が単純に増えてそうなのが外の世界の発展を表しているのだろう。まだ読んでない本は残っていたかな、と区別していると、図書館からの地下室に入る扉が開かれたのが分かった。

 誰だろう、と気配を探るが……知らない気配だ。侵入者? と頸を傾げるが、よくよく考えると最近何回かあった大っきな気配と同一人物だと分かった。お姉さまを殺しに来たのかなと思ったが結局どっちの気配も消えてなかったからどうでもいいかと忘れてた。なにしに来たんだろ? 

 警報もなってないし前に感じたほどの存在感もない。まあある程度の存在なら破壊できるしいいか、と自分の作業をつづけることにした。

 

 で、まあ周り道も特にない階段だけなので(律儀に空を飛ばずに歩いてた。暇人?)気配は段々と私の部屋に近づき、コンコン、と控えめなノックが響いた。

 

「入っていいよ」

 

 そう返すと、扉の前の気配が大きくなる。『(声かわわわわわわ!)』臨戦態勢でも取っているのかな? と思いながら待っていると、「失礼します」と言いながら一人の少女が入ってきた。

 

 悪魔だ。紅い髪に紅い眼、蝙蝠の羽に黒い服。

 いっそ模範的なまでに悪魔っぽい(山羊の角は生えてないけど)けれど、深々と頭を下げている姿勢だけが悪魔っぽくない。

 

 

「はじめまして、妹様。私は名も無き小悪魔ですので、どうか小悪魔とお呼びください。お会い出来て光栄です(超 か わ い い 。お人形みたいなって形容詞はこの子の為にあるんだな分かりました! ふわっふわの金髪にルビーみたいな紅い眼、そして羽根も宝石みたいにキラキラしてナチュラルレフ板みたいになってる凄……天使……?)」

 

 セリフも悪魔っぽくない。ただ、最近は低姿勢を貫いて契約をお願いして、契約したあとに本性をあらわす悪魔も増えてるからそういう系?」

 

「え、いや違います。私はすでにパチュリー様と契約していますので(悪魔っぽくないの!? 小悪魔ってこういうイメージあったのに!)」

 

「あれ、心を読まれちゃった。真名はダンタリオンだったりする?」

 

「心? いえ、普通に喋られていましたよ(ダンタリオン??)」

 

「あら失敗。じゃあしばらくは小悪魔って呼ばないといけないかー」

 

 

 名無しなんて悪魔はありえない。幻想の存在である私達はもう、曖昧な不安や自然への恐怖から発生することはほほとんどなく、名と伝聞によって骨組みがあるものだけが生き残っている。だからこの小悪魔も伝聞が人間の中で残っているか有名なものだったんだろうけど、今の姿と言動からじゃわからないな。別に分からなくてもいいんだけど。

 

 

「私はフランドール。フランドール・スカーレットって名前で、一応あいつの妹だね。妹様って呼ぶんなら分かってると思うけど」

 

「はい、よろしくおねがいします」(ほわー自己紹介聞いちゃった! あいつ呼びってことはやっぱりれみりゃーとは仲悪いのかな? お姉様呼びも聞いてみたいんだけどありのままで会話出来る幸運に感謝! ……殺されたりしないよね? 大丈夫だよね?)

 

 

 凄い良い笑顔。媚びてる感じじゃない、人慣れしてる自然な笑顔だ。会話もまともで、唐突なコッチの言葉に律儀に合わせようとするなんて、人でなしとは思えない。うーん? 

 

 

「あなたはもしかして人間?」

 

「はい?」

 

 

 瞬間、彼女の気配が大きくなる。気配? というよりは、存在感? 彼女から焦点をずらして周囲をちらり。異常なし。魔力感知。パチュリーもお姉様もいるし、いつもと変わりなし。幻覚幻惑の類じゃないね、視覚も魔力も変わらないけど存在感が大きくなれる。器用なことするなあ。 ()()()()()? 

 ちょっと萎縮してる身体だけど縫い止められてるような固まりじゃないな、本能的なものっぽい。じゃあきゅっとして、あれ? 

 おっきい。"目"がこんなに大きいのは初めてだ。でも……潰せそう。

 

「それは一体、どういう意味ですか? (え? え? 原作バレに続いて憑依バレ? いやそんなことなくない!? ちょっと悪魔っぽくない、いや小悪魔っぽい言い回しで挨拶しただけでそれは理不尽じゃない!? なにかすれ違いとかそういうので言われてるとかそっちじゃないですか?)」

 

 おっと。危ない危ない、壊しちゃったら元も子もないぞ、私。折角面白そうな娘が来たんだから謎解きに勤しもう。

 

「んー、ダンタリオンを知らないし幻想のくせに人に合わせるし。でも無理して合わせてる感じじゃないから、合わせ慣れてるってことは社会性に親しんでる人間の大人みたいな精神性だよね。私人間見たことないし、もしかして最近の人間は蝙蝠の羽生えてるのかなって」

 

「あ、あはは、そういうことですか。(めっちゃ鋭い! 何幻想郷のみんな探偵になれる洞察力もってるの!?)いや、私は由緒正しい小悪魔ですよ?」

 

「由緒正しき名無しかあ。Una Nancy Owen って名乗ってみる?」

 

「ユナナンシーオーエン?」

 

「特に意味はないよ。それで、何しにきたの?」

 

 深入りせずにいると、存在感は小さくなっていく。それに応じて、"目"も。存在感は扉を開ける時よりも小さく、"目"は片手サイズ。ふーん? 私の能力を知った上での対策だったのかな、それとも本来の大きさがさっきのもの? 小さくしているのか大きくしているのか、彼女の大元を知らない限り答えは出ないね。

 

「読み終えた本を回収するようにと、パチュリー様からのご指示で参りました。……(あれ? 小悪魔ってフランのことなんて呼んでるっけ? いや会話したことないんだもん一回も呼んでないわ! マズイ妹様かフラン様かフランドール様か決めてくればよかった! ええとどうしよっか雰囲気を感じ取って……いや)フランドール様、と呼んでよろしいでしょうか?」

 

「うん、いいよ。パチュリーの下に付いてるなら、私とお姉様は対等だもんね」

 

「ではフランドール様と(よし! そうだよね、れみりゃに仕えてる訳じゃないんだから妹様は変だよね!)」

 

 名前を呼ぶ前にまた威圧。うーん、意図も脈絡も掴めないなあ。呼び名に文句を付けられたくない? 自分が決めた通りの呼び名にすることに意味がある? もしくはこの威圧がこの妖怪にとっての本能だったりするのかな。その場合なんだろ、見上げ入道とか? でもどう見てもこの国原産の幻想ではなさそうだね。

 

 ふふ、面白そう。良い材料を拾ってきてるなあ、パチュリーってば。

 

「うん、ほとんど読み終わってるから全部持って行っていいわ。その代わり、少しお話に付き合ってくれない?」

 

「え、お話……ですか? (何それ、ご褒美以外の何物でもないですが! あ、いやまて、もしかして深追いすると憑依バレの可能性ある?)」

 

「ええ。私"小悪魔"って初めて見たの。貴方のこともっと教えて!」

 

 

 

 

 

 

 

 貴方という幻想(にくぶくろ)には、一体何が詰まっているのかしら? 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───────

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「パチェ、小悪魔はフランの所に行ったかしら?」

 

「勿論。レミィの意図通りでしょ?」

 

「糸細工は得意なのよ。新しく入荷した裁縫道具が随分手に馴染むから、ちょっと1回ね」

 

「可愛い妹に恐ろしい悪魔をけしかける吸血鬼はここかしら」

 

「可愛くないわよあんなの。本読んでばっかりの引きこもりのくせして変な正論でボコボコにしてくるんだから」

 

「あら、随分読書家の引きこもりに縁が繋がってるのね」

 

「おっと。やぶ魔女をつついたか」

 

「シャーってね。でも戦闘になったらどうするつもり?」

 

「うーん、謎小悪魔もフランもやる気にならないと思うけどね。あいつの悲観主義もお察しだし。まあもしやる気になったとしても封印が効いてる今ならきゅきゅっとしてお終い、じゃない?」

 

「……まあ死んだら死んだで人手が減るだけだしね。別に構わないわ」

 

「素直じゃないわね」

 

「は?」

 

「フフ、パチェにも美鈴にも怒られたくないからな。まあ私もあいつとは話したいことがあるから、悪い吸血鬼に襲われても救いの手を差し伸べるくらいはするさ。糸を垂らすのも得意なのよ」

 

「レミィが蜘蛛の糸? 策を練って釣り糸を垂らしてる方が似合うわね」

 

 

 

「私から言わせればそれこそフランのが似合いそうだけど。引きこもりの癖に知恵だけは回るんだから、困ったものよ」

 

「さて、ね。釣り人が逆に釣られることにならなければいいけど」

 

 

 

 

 

 




 3年前の自分の後書き前書き読むの恥ずかしいですね。消したい。けどこれも小説投稿サイトの醍醐味だと歯を食いしばってます。

 3年前との違いだと知霊奇伝が始まりましたね。フランドールのイメージが結構変わるくらいめっちゃ喋ってるので気になる方は是非。
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