東方虚悪魔異聞(原作厨が原作キャラに憑依してしまう話)   作:イベリ子

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 いつも感想、誤字報告ありがとうございます。本当に励みになります。

 前回後書きで智霊奇伝の話をしたのですが、実際読んでみるとああフランドールって結構理性的なんだなとみんな思ったんですよ。
 だけどそのあと剛欲異聞でまさかの自機キャラになって、ワクワクしながらやってみると「破壊破壊破壊!私破壊神、破壊出来ないやつ全部破壊するぜキャハハ!」ってなってて脳が破壊されます。私フランのことわかんないよ!

 折角前回分けたのに長くなってしまいました。


こうりゅう caseひもうとさま(2)

 図書館の奥まったところにある扉を開けて、地下へと続く階段をドキドキしながら降りていった先でほぼ真っ暗な部屋の中で羽根をきらきらと輝かせながら佇むフランちゃんと遭遇しました。可愛い。けど中身バレしそうです。怖い。

 

「えーと、あまり面白い話ができるとは思えませんが……」

 

「期待はしてるけど、別に面白くなくてもいいよ? 習性だけでも知りたいから!」

 

 

 小悪魔の習性なんて私の方が知りたい!! でもお話が出来る事自体は嬉しいというかご褒美。ううう、小悪魔の習性もフランちゃんの習性もどっちも知ってればこんなに苦しまずに二つ返事出来るのに! ……いや、待てよ。

 

 

「……分かりました。じゃあ、フランドール様と私とで、お互いに質問をするというのはいかがですか? 私も吸血鬼について疎いので、色々教えていただきたいんです」

 

 

 これが私渾身の策! 時間稼ぎをしつつ、フランについて分からなかった色々を知れる! けど気分を害したらきゅドカられる危険性アリ! 本当に大丈夫!? 不安になってきた! やめとこっか! やめよう! 

 

「気分を害したのなら申し訳「いいよ。やろっか」……そうですか」

 

 にこやかに承諾されてしまった。いや嬉しいようなマズイような不思議な感覚だけど、話す以上は中身がバレないようにしながら、聞きたいことは聞こう! 頑張る! 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 探られることで威圧、こちらへの質問をするという提案でまた威圧。お姉様みたいに反発心の固まりなら絶対この提案受けないだろうなあ。ほとんど『探るなよ? 断るなよ?』って脅しだもん。もしくは断ることで質問されたくなかった? なおさら知りたくなっちゃうね。

 質問をし合う。謎掛けか儀式にでもつながるのかな? どっちにしろ質問の仕方でも興味の方向性はわかるから、"私"を知られる以外にリスクはなし。逆に"私"を知られることがどれほどのリスクかは分からないけど、興味を優先しちゃお。

 

 

「じゃあ最初の質問なんだけど、悪魔としての役割と階級を教えて」

 

「…………(えっとおおおおおお?? 役割? 階級? 役割って……司書? 司書って言っていい? でも小悪魔自体が司書する悪魔って訳ではないよね? どうしようどっちもわかんない!)」

 

「…………んー? 答えられない?」

 

「……はい、申し訳ありません」

 

 

 威圧が強まったけど、誤魔化すでもなく答えられない、か。嘘を言ってはいけない? 性格的なものか規則的なものか、もしくは()()()()? 絶対に分かるはずのことを聞いてみるか。

 

 

「じゃあじゃあパチュリーと契約してるんだよね? どういう契約内容にしたの? あなたがパチュリーに求めたものが知りたい!」

 

「えっと……私から希望したことはありません。ここで働けるということだったので、それだけで」

 

「えー、変なの」

 

「あはは……でも、大事なことだったんです。私にとって」

 

「ふーん」

 

 

 苦笑気味だけど自然な笑顔だね。階級を聞いた時よりも表情が柔らかいし威圧もない、これは本当のことを言ってそうかな? 

 にしてもここで働きたかった、か。ヴワル魔法図書館のことを言っているのか紅魔館全体のことを言っているのか、ああ幻想郷のことを言ってる可能性もあるね。でもここで"働く"だもんなあ。"ここにいる"ことよりも"働く"が大事ってことは、何でもいいから契約をしたかった? 言葉全体の意味を素直に取るならパチュリーの使い魔で働きたい、ってことに聞こえる。それがコレにとって大事なこと。んーーーーー何でだろうね? 破壊魔女の使い魔知識の獲得魔導書破壊審判契約によって生きるもの実在破壊マザーグース忘れられた存在悪魔ではない破壊威圧社会性魔界神破壊

 

「(急に静かになってしまった……不興を買ってしまった? でも目が爛々としてるんだよね、綺麗。……あれもしかして私の質問待ち?)あの、私からもいいですか?」

 

「ん、なぁに?」

 

 また危ない。他人がいる時に考えに集中し過ぎちゃうのはよくないわ。久しぶりの話し相手に興奮しちゃってるみたい。まさか吸血鬼がアドレナリン分泌してる? 可笑しな話ね。

 

 

「(良かった、質問待ちだったみたい。えーと、何から聞こうかな……あっじゃあ)不躾な質問なのですが、フランドール様はどうして外に出ずにいるんですか? (原作の屈指の謎聞いちゃお!!)」

 

「なんだ、そんなこと。出る意味がないからよ」

 

「意味? というのは……」

 

 ちょっとドキドキしてたけど、予想の斜め下の質問だな。私があっちの立場だったら()()()()()()()()()が他にあると思うんだけど、というか外に出たことがないって事誰に聞いてたのかしら? 

 

 

「私達吸血鬼はそういうものでしょ? 日に一度血を啜れば生きていける。年も取らない、ビタミンもタンパク質も必要ないのにわざわざ外に行ってなにするの? 日にあたれば死ぬし、流水にあたっても死ぬし、銀にあたっても死ぬ。わざわざリスキーな行動を取るほうが変な話だわ」

 

「ああ、なるほど(すごい納得しちゃった)」

 

「その気になれば出れるけど、出る気は更々ない。Instinct is a shabby thing、ざまあないわ。理屈ではなく、それでも人間を襲いに行くプライドの高い凶暴で残忍な妖怪(モンスター)が吸血鬼のはずだから、生まれながらの本能が麻痺してる私が変ってことも理解しているけど」

 

「へえー(じゃあれみりゃのプライド高いムーブとか宴会派手好きとか吸血鬼の本能的なものなんだ。それでフランは本能が麻痺してるから興味が無いし、閉じこもってた方がいい、と。それが気が触れているとか狂気の妹とか言われる元になったのかな)。ありがとうございます、とても勉強になります」

 

「苦しゅうないぞ」

 

 

 まあ麻痺じゃなくて破壊したんだけど。産まれてからずっと頭の中に思考を歪ませる何かを感じていて、それが人間によって形作られた吸血鬼(わたし)の中にある吸血鬼の本能という枠組みと知り、鬱陶しくて鬱陶しくて仕方なくて破壊した。半分消滅したけど生き返ったしあの時の私の行動のIQ高かったなあ。あれしてなかったらお姉様のクローンみたいな性格になってたかもしれないって考えるとゾッとするね。破壊してよかったよかった。

 

 うーん、にしても今のところ全然ピンと来ないんだよな。72柱かその軍団に属するものであれば階級でも役割でも何かしらはあるはずだし、魔界に住んでる一般小妖怪なら紅魔館に執着する理由も無ければ威圧みたいな能力を持てない気がする。弱点? 出身? 使用言語? 血縁関係? 何となくどれを聞いても意味が無い気もしちゃうな、彼女の元となる強固なイメージの枠組みは無いとおかしいんだけど。価値観を聞いてみるか。

 

 

「あなたは何で出来てると思う?」

 

「何で出来てる? ですか」

 

「うん。私達は生物じゃないけど生きていて、人間を元にした姿を取っているけれど人間じゃない。じゃああなたは、自分の内側は何で出来てると思う?」

 

「えっと……(初耳学なんだけど。いや冷静に考えれば人間じゃないんだから人型でも中身は人間とは違うのは当たり前……なのか? 普通に生きてる間も中身なんて意識してなかったし小悪魔になっても身体に違和感とかないから人間のまんまなんじゃないの? 

 いや、これはあれかな? 社会心理学というかアイデンティティ的な問いでは。要するに自我はどこにあるのみたいな奴)魂、ですね(脳変わっても私は私だし、魂とか脳に付着してるだけの何かだと思ってたけど憑依できてるからそう答えるしかないなあ)」

 

「魂? じゃああなたを潰したら魂がまろびでるのかしら」

 

「(物騒!!! こわ!!!!)……いえ、この身は人間と変わらないものですので、まろびでるのは人間と同じようなものですよ。でも、私の内側は……私の精神は姿かたちが何であろうと変わりません。この小悪魔(すがた)でも、私はどうあっても人間(わたし)としてしか動けないのは、身にしみて分かってますから。(もう本当に。魔力とか感じたことないし空も飛べないし、そこらへん出来たらもうちょい小悪魔っぽくなるのになー)外見も内臓も、大事ではあるけれど私の全てではない。そう思いますよ」

 

 

 

 破壊したい。うわ、なんだろうコイツ、嫌。なんか苛つく。背筋がぞわぞわする。何? なんでこんな嫌悪感があるんだろう、破壊、いや違う、冷静になれ。

 

 苛つくわ。いや分かった、そうか、私この質問でコイツにも不安になって欲しかったんだ。価値観を聞くとかじゃない、理性的で変わった悪魔だから何がなんだかわからない私と同じUNKNOWNだから幻想の存在であることが嫌なんじゃ破壊の本能も嫌い不安に共感してほしい

違う!! 

 苛つく! ああ苛つくわ、コイツ自分の存在に全然不満も不安も抱いてない! うらやましい

 きっと甘やかされて育ったんだわ良い経験をしたんだわそれこそ悪魔かどうか疑わしいくらいに力を制限されても楽しいみたいに! 

 

 

 

「意見が銀河の彼方まで異なるわね。私にも人間みたいなものが詰まってるけど、一つだって意味がないわ。吸血鬼は死人がなるものだって論調が主流だったころには心音はなく、常に飢えてると言われれば胃が収縮して、見目麗しいと言われてるからこんな外見になった。人間が得た幻想に振り回されるのが私達なのだから、人間のイメージが曖昧になれば中身もスカスカになって消滅しておしまい。存在そのものが人間に依存している幻想に魂も何もあるわけないわ!」

 

 

 

 魔力が噴出する。苛々する苛々する苛々する! やっぱり話さずに破壊しておけばよかった、面白そうだからって話し始めたのが間違いだったわ! 

 私の魔力に応じて彼女の存在感が飛躍的に大きくなる。ああ、やっぱり強大な存在だったんでしょうね。それがUNKNOWN(名無し)になっても変わらないのは、消滅する不安に駆られないのは何故、何故、何故! 

 

 

 

「(ひえええええ何々怖い! ビリビリ殺気を感じるどうして!? 何か間違えたねこれ! ヤバイヤバイ私の初見コミニュケーション能力低すぎなマジで!)……すいません、私の返答に不備があったのですね。差し支えなければ教えて頂いてもよろしいですか? (もうとにかく落ち着いてもらうしかない! 怒ってる人をなだめるためにはこっちは落ち着いて相手の言い分を聞く! そんで謝る! しかない!)」

 

「それが次の質問ってことね! ええ、ええ不備だらけよ! あなたの質問も回答も不備不足不全! 魂があれば無問題なんて認めないし、あなたの質問も意味が分からないわ!」

 

「申し訳ありません。確かに魂なんて不確かなものを回答とするのはふざけてると思われても致し方なかったです。……質問についても、申し訳ありません。ふと思いついたのがあの質問だったので、他意はなかったのです(ヤバイ、何が問題だったのか全然わかんないわ! 頭わるわるなの本当に気になったのがあの質問ってだけなの!)」

 

「へえ、ふと思いついたのがあの質問? 私をアイツの妹だと知っておいて?」

 

「…………(ええええええわかんない! 何、なんて質問するのが正解だったの!? れみりゃの妹がフランって、いや当たり前じゃん! いや普通なら当たり前じゃないのかもしれないけど! なに本当の小悪魔ならここでなんて質問が思い浮かんでたんだ!?)」

 

 

 深々と頭を下げたまま微動だにしない小悪魔。姿勢だけは一貫して低姿勢だけど威圧はどんどん強まっていく。深入りするなってこと? 気づいていない? そんなわけない、吸血鬼がどんな存在か知ってるコイツなら真っ先に疑問に思うのは、

 

 

 

 

「吸血鬼であるレミリアお姉様の妹である私が、吸血鬼ならありえない羽根をしてることに。疑問に思わないのはどうして?」

 

 

「え?」

 

 

 

 私の姿を見たコイツは、羽根までしっかりと確認した。()()()()()()()()()()()()()()謎の羽根を。

 

 

 

「私は幻想によって生きていることが嫌だった。人間に媚びを売り人間に存在を認められないと持続出来ない生なんてまっぴらごめんだった! 本能を破壊した。蝙蝠の羽を破壊した。内臓を破壊した。そうして吸血鬼(わたし)じゃないUNKNOWN(フランドール・スカーレット)になろうとした結果がこの羽根さ。……何故疑問に思わない? お前は知ってるのかこの羽根を!」

 

 

 知っているはずがない。だってUNKNOWNでいるために外に出ていないのだから。知っているのはパチュリーとお姉様だけ、それも絶対にこの羽根を口外しないように契約した。それが既知の存在だったなら、私はまた幻想に縛られてしまう! 

 

 

「今はまだ吸血鬼の妹さ。吸血鬼のように血を吸わなければならない、流水も駄目日光も駄目。だがこのまま誰にも知られずにいたのなら、誰も知らないものになったのなら人間に縛られずに生きていけるかもしれない! まだ証明の途中だが、いつの日か証明してみせようとしているのに……なぜお前が私を知っているんだ!!」

 

 

 最悪だ。400何十年の月日の中でまだこの夢想を捨てられない自分も、幻想の本能を捨てきれていないのか、知られていることに安堵している自分も破壊したくてしかたない。

 羽根について質問してから呆けたようにして、存在感が元に戻っているこいつも。苛つく、苛つく、羨ましい、苛つく! 

 

 

 

 

「お前の質問には答えた、最期に質問に答える権利をやるよ。

 

 

 

 

 Who am I (私は誰でしょう) ?」

 

 

 

 

 

 

 "目"を掴んだ。どんな反応が来たとしても「フランドール・スカーレット様です」

 

 

 

「(色々衝撃の事実があって呆けてしまったけどこれは真剣な質問だよね。ちゃんと答えなきゃ)フランドール様がその羽根を持っているということを、私は知っていました。私は、ちょっとした理由で紅魔館に住まう方々を知っています。どんな姿形で、どんな能力を持っていて、そしてこれからどうなるか、をちょっとだけ知っています。でも、あなたはU.N.オーエンではなく、フランドール・スカーレットでした」

 

「おかしな話だね。何を知ってるって?」

 

「フランドール様について知ってることはほとんどありません(本当に謎が多いキャラだった)。でも、あなたが望んでいるのが誰でもないものになることで、その研究をしてたとしても。その495年の波紋は突破されます」

 

「495年の波紋? 何の話?」

 

「フランドール様が495才になるとき、人間が紅魔館に訪れます。その人間がフランドール様の遊びとして勝負して、あなたに勝ちます。この地下室は、そしてだれもいなくなることはなく、人間との遊びに満足したフランドール様はちょっと外に出るようになるんです」

 

 

 

 こいつ頭がおかしいのか。真剣な目で私を見つめながら語る内容は荒唐無稽な話だった。人間が来る? 私が負ける? 自慢だけど私は強い、しかも人間なんて見るだけで鳥肌が立ちそうな奴と遊んで、そして外に出るようになる? 私のUNKNOWNへの証明が人間によって破られる? 

 

 

 

「私は、その物語が好きでした。そこで戦うのはフランドール様だけでなくレミリア様も咲夜様もパチュリー様も美鈴様も、ついでに私もその人間と戦って、仲良くぼこぼこにされるんです。そのあと人間たちとも仲良くなって、……素敵な話なんです」

 

 

 

 そっと目を瞑り、大事なものを抱えるように胸に手を当てて話す小悪魔。お姉様もパチュリーも美鈴も人間に負けるとかそいつ本当に人間? というかこいつが負けるところも想像しづらいんだけど。

 

 

 

「フランドール様の悩みは知りませんでした。あなたの望みも知らなかったけれど、それでも私が知るあなたはフランドール・スカーレットとしてこの世界に存在していて、それはきっと素敵な話なんです。

 

 

 私があなたを知っていたことがあなたにとって許されないことだったなら、謝るしかありませんし、私の記憶を破壊しても構いません。でも、あなたにはフランドール・スカーレットとして生きていてほしい。吸血鬼でも吸血鬼じゃなくても、あなたは世界にいていいんです」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……………………はあ。もういいよ」

 

 

 手のひらの"目"を霧散させる。もうやってらんないわこいつ。恥ずかしいセリフばっかり言って、聞いてるこっちの顔が熱くなりそう。結局私の能力も知ってるはずなのになんの抵抗もせずに握られっぱなしだし、Una Nancy Owenも知ってるしなんだかなあ。クリスティを知らないってことは古い存在のハズとか能力については把握されてなさそうとか色々考えてたのがバカみたい。

 こっちが臨戦態勢を崩したことでまたこいつぽかんとしてる。あんなん聞いてたら破壊する気も失せるわ、全く。

 

 

「もういいって。充分暇は潰せたし、本持って帰って」

 

「え? え、あの」

 

「はいもう疲れたから寝ます。起こしたら殺すわよ」

 

 

 棺桶の中に入って目を瞑る。ベッドも用意しているけど棺桶の中の方が落ち着く自分が嫌で無理やりベッドで寝てたんだけど、今日はもういいわ。久しぶりに話す相手がこんなんだった私が運の尽きね。

 

 戸惑っている雰囲気が続いていたけれど、そのうち控えめに周囲を本を集め始めたようだ。音を立てないようにしてるみたいだけど、飛ばず浮かさず本を運ぶのにどれくらい抱えていくつもりなのかしら。結構図書室まで長い階段のはずだけど。……5冊程度にしたようだ。何往復するつもり? 

 

 身体を起こして地下室の錠をきゅっとしてドカン。「わっ!?」あいつが抱えてる以外の本を全部魔法で浮かせて扉を開け放して階段の上の方へぶん投げる。よし。寝る。

 

あ……ありがとうございます

 

 小声で呟いてから、そっと開け放たれた扉へと向かっていく小さな気配。……………。

 

 

「ねえ」

 

「は、はい!」

 

 私が喋ると思っていなかったのか、不必要に大きな声で返事をするあいつ。なんだかなあ。本当に。

 

 

 

「……私、お前を小悪魔とは呼ばないわ。私がUNKNOWNになれずにいるのにお前だけ名無しなんて癪だもの。いつか、……あなたの名前を見つけ出して、それから名前を呼んでやるわ」

 

 

 

 ああ柄じゃない。顔が熱い、もう寝る、寝るわ。引きこもりに求めるにはこんなやつとのコミニュケーションはハードルが高すぎるのよ。さっさと出ていけばいいのにあいつはこっちをじっと見て離れずにいる。もう用は済んだでしょ何よ! 

 

 

「ありがとうございます。……いつか、私の名前を教えられればいいですね」

 

 

 

 そう呟いて、地下室から出て階段を登っていく気配。…………

 

 

 

 

「…………名も無き小悪魔なんて、嘘ばっかり」

 

 

 

 

 

 そして、私は眠りに落ちていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ──────────

 

 

 

 

 

 

 

 

 原作に小悪魔が出るのが紅魔郷だけなら多分紅霧異変のあとは教えても良いはず……だけど不安なんだよなあああ、ごめんねフラン、すっごい名前で呼んでほしいんだけど駄目なんだ! 小悪魔として登場する可能性があるなら駄目、私のポリシーだけなんだけどここは譲れないの!

 

 

 




 うちのフランドールはこんな感じです。書くのは楽しいんですけど伝わってるか不安。
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