これは、IFの物語である

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随分お待たせして申し訳ありません。2月頃に再び入院し無事に退院できたのですが、4月24日に緊急入院&手術してしまい、2週間程再び執筆が出来なくなりました。本当に申し訳ありません。この為、余りこの作品については自信がありません画良ければ楽しんでみてください。なお今後の予定は執筆を中断している作品は随時更新していきたいと思いますが、未だに体調が不安定の為更新時期については未定とさせてもらいます。今後ともつまらない作品かと思いますがよろしくお願いしたいと思います。
 ではどうぞ


りゅうおうの表裏仕事

 日本には、古来 “鬼” と呼ばれる者たちがいた。人間でありながら超人的な能力を持つ彼らは、魔化魍(まかもう)と呼ばれる妖怪の類から人々を守っていた。そして鬼をサポートする人々の体系は組織へ発展し、猛士(たけし)と呼ばれるようになった。しかし、魔化魍(まかもう)と呼ばれる妖怪の類にも多種多様性があり、一部は殆ど人間に害を及ぼすことはせずに、静かに生息して居たり人間社会に紛れ生活していた。其れを見守り時に保護する事も猛士や鬼の役割でもあった。

 

 

鬱蒼と茂る森の中を常人を遥かに超える脚力と瞬発力で駆け抜ける2つの人影と其れをほとんどぴったりと張り付く様に追いかける人影があった。追いかけられている人影は成人の男女2人組であった。そして、追いかけている人影は前を行く2人組より頭一つ分小さかったが、その追いかけっこの森の中にぽっかりと開けた場所に出ると、2人組が速度を落としながら停まると、追跡していた人影も距離を少し開けながら停まった。

 「やっと追いついたぞ童子、姫!さあ、その子を離せ!そして、森に還れ!」

と追いかけていた人物が声を荒げ警告を発した。その人物は何処かまだ垢抜けない顔立ちを持つ男子であったが、左目は黒い眼帯で覆い、右頬には鋭く裂傷の跡が残っていた。然しながら身体つきは黒いフライトジャケット姿で隠れていたが、その肉体は鋼の様に頑丈な身体を持ちながら、其処彼処に無数の大小の裂傷等が刻み込まれていた。

 すると、男性が腕に抱え込んでいた幼い子供と一緒に男子の方を振り向くと、まるで声帯が逆転したような声(男性が女性声、女性が男性声)で話し始めた。

 「それは出来ないねぇ。久しぶりの我が子の食糧だ」

 「鬼。貴様も一緒に我が子に喰われろ」

と同時と姫が言うとその身体つきも変化し着ていた衣服も溶ける様に変化し、背中から羽根のような突起が現れた。その様子を見た男子は驚きもせずに冷静に見ていたが、確信したように、

 「やはり、離れ野槌(のづち)の童子と姫か。やっぱり依田さんの読みは正確だな」

と言うと懐から笛を取り出し、それを吹き鳴らすと男子の額に鬼面が浮かび、そしてその音色は鬱蒼と茂る森の中で一際清らかに鳴り響いた。

 

 そして、男子の周りに電気を帯びた竜巻が発生し、男子を包み込みそれを一蹴りし吹き飛ばした男子の姿が一変した。その姿は、頭部には黒い鳶の意表を象ったモノに一本の白い角が生え、全身の体色も黒と茶を基本としていた。そして、一際目立つのは背中に羽が折りたたんだような形状があった。また足には3本の鈎爪と踵にも2本の鈎爪が装備されていた。

 

 彼が童子や姫が『鬼』と呼んだ正体である。古来から魔化魍と呼ばれる怪物から人々を守る戦士である。そして、彼の名は『俱羅鬼(くらき)』別名『仮面ライダー 俱羅鬼』と呼ぶ。

 其れを見た童子が抱えていた子供を近くにあった巨木に向け投げると、口から泥の様な液体を子供に吐き掛け、巨木に磔にした後、俱羅鬼を挟む様に姫と童子が襲い掛かった。俱羅鬼は、姫と童子の連携攻撃を上手く回避や受け身をしながら、確実に足撃を中心としたカウンターを仕掛けていった。暫くすると童子と姫は唸り声を上げた後、背中の突起物を解放した。童子の背中には3対の延伸が出来る触手の先端には鋭利な鋏の様なものが出て、姫には所々破れかかっていた蝙蝠の様な飛行膜が現れ、姫は、それを羽ばたかせると、空に飛び上がった。

それを見た俱羅鬼は後腰に掛けていた黒と白が混ざり合った比較的大型のフルートの状の武器を取り出し、それにある種のパターンを指でキーを押すとそれが、戦闘形態に可変した。これが俱羅鬼専用の音撃吹道 強風改(きょうふうかい)である。

俱羅鬼はそれを槍の様に構えを取るのとほぼ同時に姫と童子が襲い掛かってきた。童子は新たに増えた触手を主とした攻撃に切り替え、その間隙を縫う様に姫が急降下しながら肥大鋭利化した脚撃を見舞うと、すぐさま上昇する戦法に切り替え、先程よりも綿密且つ強烈な連携を見せ、それを直に感じた俱羅鬼は槍を使い上手く防御しながらも、童子の触手の一部を手刀で切断しながら次の手の思考すると、再度姫が上昇した事を確認した俱羅鬼はすぐさま音撃吹道を姫に目掛け投擲し、見事に上昇中だった姫の背中に突き刺さると、姫は、急落下しながら爆散した。その光景をただ茫然と見上げながら見た童子はほんの少しだけ動きが止まった。それを見逃さなかった。俱羅鬼は、背中に折り畳んでいた翼を広げ上空に飛び上がり一定の高度に達し俱羅鬼は、両足に力を込め足先と踵にあった爪がその瞬間鋭く鋭利化し、そのまま童子に向い急降下し童子を捕えると俱羅鬼は、両足の鋭利化した爪を童子の両肩に突き立てて握る様に潰した。

 

両肩をつぶされた童子が叫び声の様な悲鳴が森の中に木霊しながら、童子が地面に残った力を振り絞りながら、足を打ちつけた瞬間粉微塵に粉砕されていったが、俱羅鬼は爆散した童子が最後にニヤリと笑った事が気になったが、その予感はすぐに現実のものとなった。

俱羅鬼の足元が突如揺れ、咄嗟にそこから退いた瞬間、今まで俱羅鬼が居た所の地面が消失したかのように消えた。俱羅鬼は、咄嗟に上空の方に目を向けると上空のある部分が陽炎の様に歪んで見えていた。そして、その歪みに向かって、俱羅鬼の両腰に其々装備されていた大きめのUSB擬きのような物体を両手に其々20個以上を取り出し、それを地面に落とすと、俱羅鬼が先程回収したばかりの音撃吹道を奏でると、このUSB擬きのような物体に其々鮮やかな色が付くと個々のUSB擬きが変形し、動き出した。動き出したUSB擬きは何処か昆虫と動物を模した物になった。

一つは、日本原産の兜虫と鋸鍬形虫と大雀蜂を模した物に変化し、体色は其々鮮やかな赤と澄んだ青と美しく彩った黄色をしていた。もう一つは、アルマジロと亀と燕とヤマアラシを模した物に変化し、其々が薄茶色や菫色、黒褐色、薄茜色を纏う。

これが、次世代型試製アニマル群として吉野系列研究開発機関が最近開発した本格的な戦闘用補助機体として初陣を飾った。

 

俱羅鬼が、全てのアニマルの稼働を確認すると、もう一度音撃吹道を奏でると、其々の集団が一斉に行動を開始し、飛行可能なアニマル群は上空の揺らぎに向かい、地上走行型は、比較的近場の高い木々をクライミングし始めた。揺らぎに向かい檸檬蜂(れもんばち)の群れが毒針発射口を模して搭載された可動式速射小口径烈火砲を揺らぎに向かい掃射する一方、朱兜(あけかぶと)と水鍬形(みずくわがた)の群れが其々鋭利かつ高温高熱化した両刃剣を模した角と極超低温化した鋏を揺らぎ方向に向けて繰り返し突貫と切断を継続していく間を縫うように黒橡燕(くろつるばみつばめ)の群れが一糸乱れぬ編隊を組みながら自身の翼部のふちが赤色化しながら高周波振動を発し、揺らぎに向かうと切り裂き攻撃を群れで仕掛けた。一連の連携した連続攻撃によって、今までの揺らぎの中から巨大な怪物がその姿を現していった。

「野槌(のづち)」その姿は巨大且つ長大の姿を持ちながらもその体格に似合わず8対の未発達な小さめな羽根を交互に器用に羽ばたかせながら上空をゆっくりと身を悶えさえながら滑空していた。そして、その身体は又、ゆっくりと周りの景色に溶け込むかのように消えようとしたが、その行動も地上走行型の各アニマル群によって阻止されていった。

比較的高い木々の頂上付近の枝まで登った数機の緋豪猪(あけやまあらし)群が背中に装備されていた幾つのも針状の高感度空間受動レーダーと呼ばれる受動探知システムと各種送受信を統合したシステム「全天候3D多目的クリスタルレーダーフィンアンテナ」によって、他のアニマルとの迅速かつ多方面の相互情報共有等のアニマルシリーズ初の本格的多目的電子戦情報収集戦特化型アニマルによって、野槌の位置を正確かつ常時捉えていた。

そして、その位置情報と予想移動範囲をリアルタイムに各種アニマル群に瞬時に伝達していった。その情報を元に木々の中腹の比較的太い枝に集まった「菫亀(すみれがめ)」と「薄茶アルマジロ」がそれぞれ背中の一部を展開解放し、そこから大型通常砲身を装備する砲塔と円盤型砲身を装備する砲塔が其々現れ、速やかに上空の野槌に向けて射撃を開始した。

前述の檸檬蜂も装備するこの射撃装備は、元は鬼棒術 烈火弾(きぼうじゅつ れっかだん)と呼ばれるモノを小型軽量且つ発射構造の簡易化及び量産化に成功した専用鬼石を動力源として攻撃を生み出す歴代アニマルシリーズ初の射撃兵装である。

しかしながら、小型軽量化した為に威力は鬼が装備するオリジナル鬼石よりも劣化した為に技術部では威力低下を初速及び連射性能で補い、この問題を解決しようとしたが、結果的にアニマル一機あたりの生産コストや整備性の問題点等が指摘され、このタイプの地上戦型については先行量産機のみで以後このタイプの系列は今後暫らくは、全てのこの計画について凍結もしくは破棄された。俱羅鬼が持っているこのタイプも僅か各50機しか生産されておらず内各20機が俱羅鬼に供与されていた。しかしながら空戦型は、実戦試験等の総合的な評価は上々であった為今の所先行量産型の実戦結果後に今後の予定を決めるとの報告が技術部で決定した。

 

 幾つもの光弾が野槌の全身に多数命中していき、野槌は再び全身を風景で覆い隠そうとした現象が完全に停止するかのように止まると、この場所から逃げ出すかのように身をくねらせながら、飛行していくがまだ完全な状態ではない為、時折ふらつきながら高度を徐々に下げていき、周囲の木の頂点辺りに身体を擦っていきながら、暫く飛んでいたが突如、その飛行を止め、そのまま地面に急落下し、地面にその巨体を擦りつけながらゆっくりと止まった。

 その状況を見た俱羅鬼は、急いで野槌の落下場所まで自身の飛翔能力を使い飛んでいった。

 

 野槌の急落下した為に地面が抉られ、周辺の木々も多くが薙ぎ倒させていた。その後方に盛り上がった土が山のようになった所に身体の一部が埋もれている野槌が痙攣を起こしていた。本来の成熟体ならこのような墜落さえも全くの無傷である筈であったが、中途半端で姿を現した為に未発達だった羽根は悉く墜落の瞬間吹き飛んでいるか、変な方向に捻り曲がっていた。そして、その身体もズタズタに傷つけられており、時間が経てば自然に土に還る筈であったが、この騒動の影響を考えた俱羅鬼は、苦渋の表情をしながら、野槌に対し清めの音を聞かせる決断をした。

 

 俱羅鬼は音撃吹道を吹き矢の様を放つような態勢を取ると、野槌の口部に回り込み、弱々しい呼吸音を響かせていた口部の奥中に音撃吹道を向け、俱羅鬼は音撃管から数発赤い鬼石を野槌の口部に向けて発射し、素早く音撃吹道の歌口の部分を持ち換えると、俱羅鬼は頭部の変身のみを解除しながら奏で始めた。

 

 まだボンヤリと朝霧が立ち込める中、俱羅鬼は穏やかな表情で野槌に向かい合いながら、まるで子供を慰める様な優しい音色を音撃吹道から奏でると、それに反応するかのように撃ち込んだ鬼石が徐々に赤く発光するのが野槌の身体の外から見え、一段と赤く発光した瞬間、野槌が徐々に砂状に変わり、野槌が居た所に巨大な砂山が形成された。俱羅鬼は、野槌が完全な砂山になった事を確認すると静かに目を閉じ、姫や童子そして野槌に対し冥福を祈り、背部の翼を羽ばたかせ砂山を吹き飛ばした。風に乗り散り散りになった砂を見届けた後、音撃吹道をもう一度吹き奏で森の中から、数匹の黒橡燕が大きめなボストンバックを吊り下げながらやってくると俱羅鬼の目の前で落としていった。俱羅鬼は、全身の変身を解き、ボストンバックから着替えを取り出し着替えを済ませ、ボストンバックを肩に下げると先程童子と姫に拉致された少女の事を思い出すと俱羅鬼は風を纏う様に疾く走り出した。

そして、野槌の姫と童子を追い詰めた所まで一気に走り抜けると、野槌を追い詰めた後のアニマル群の一部が姫の口から放たれた粘着性を持つ唾で拘束されていた少女を解放する作業を行っていた。粘着質の唾は俱羅鬼の力で簡単にはがすことが出来ると、少女の身体を簡単に触れ、外的な傷等が無いか確認し、軽い擦り傷等が手先や首元の一部にあるだけだったが、俱羅鬼は用心の為に消毒等の応急措置を施した後、少女を背負うとボストンバックの周辺に展開していたアニマル群に笛を聴かせ、ボストンバックに収納形態で回収すると、ボストンバックのサイドポケットに入っていたスマートフォンを取り出し俱羅鬼は相手先に連絡を入れた。暫くすると連絡先の相手が電話に出た。

「もしもし、俱羅鬼です。例の野槌の件ですが、やはり未成熟体だった為か、暫くすると自壊を起し自然に消滅しました。ただ、姫と童子が野槌の餌として攫った少女は軽い擦り傷等が有りましたが、命に別状はありません。ただ、野槌が未成熟のまま飛行能力が若干あったのが不思議ですね。この時期は比較的各種魔化魍は殆どが休眠もしくは小型種だけのはずのなので、その点は調査が必要かもしれませんよ。そのあたりは、関西本部の方に後ほど報告書を送りますのでよろしくお願いします。桂香さん。では帰還します」

『わかったわ。八一君。気を付けて帰ってね。明日は、竜王戦最終日だからね。がんばって。それから保護した少女の件はこっちで処理するわ』

「ありがとうございます。それから任務中は俱羅鬼の方でお願いします。では只今より帰還します」

と一通り連絡した後スマートフォンの通話をOFFにしボストンバックに仕舞い、もう一度少女とボストンバックを背負い直し眼帯で覆われた左目に手を掛け眼帯を取り、鬱蒼と茂る森の中を走り抜けていった。眼帯で覆われていた左目は義眼だったが、只の義眼では無かった。

三次元空間把握感覚レーダーと超高倍率立体双眼鏡と強化発展型パッシブ可視近赤外光兼熱線暗視装置、更には多機能視認式高精度分析の機能を持ち合わせ、それを総称して「視神経直結式高性能高機能義眼(通称 義眼)」と呼び、それは視覚神経管を直接義眼の機械神経と繋ぎ機能させる装置であった。しかしながら、此れには相当なリスクがある事も覚えなければばらない。主に視神経に直接つなげる際に強烈な痛みを伴い更にかりに繋げたとしてもそれが脳が受け入れなければ最悪死に至る可能性もある等のリスクが有り、さらに定期的に義眼を整備交換、アップグレード等も勿論あり、なおかつこの使用者は全員ナノマシンを定期的に投薬しなければならないという問題もある。また、視神経直結式高性能高機能義眼単体価格の相当な高額である。

彼がこの義眼を取り付けた経緯は複雑だったが、ここでは省略させて貰う。

彼はこの義眼を稼働させ、最短距離のルートを瞬時に割り出し、それに沿って、速やかに走り出した。

僅かな時間帯で森を抜けた俱羅鬼は、すぐに近くの駐車場に停めてある一台の車の窓を叩いた。

「お待たせしました。俱羅鬼、只今帰還いたしました。桂香さんすみません少し遅くなりました。報告書は後程パソコンに文章を起こしてからプリントした報告書を持っていきますので少々お時間の方をもらいます。」

「大丈夫よ。何か飲む?それとも何か食べる?準備するわ」

「いえ、大丈夫です。其れよりもこの子をお願いします。まだ眠って居る様なので介抱をお願いします。自分は、近くにバイクを停めていますので、其方を使い宿の方に向かいます。それから宿に着いたら何時もの様に八一と呼んで下さい。ではお先に失礼します桂香さん。」

と言うと俱羅鬼は助手席側のドアを開け、助手席に少女を乗せシートベルトを留め助手席のドアを閉めると、すぐさま踵を返しバイクが停めてある方に歩き出して行った。其れを運転席越しから見送った桂香が、

「まだ少し彼には私達に打ち解ける時間が掛かりそうね。でも無理はないかな。明日はいよいよ彼が竜王に王手が係るかと言う瀬戸際だからね。それも若干18歳の彼が史上最年少で竜王の称号が手に入るか否かの時に今回の出来事があったんだものね。でも今は少しそっとしときましょう。私もこの子を宿に連れて行かないとその前に連絡しときましょうか」

と言うと懐からスマートフォンを取り出し、電話を掛け始めた。

 「あ、もしもし。桂香です。おつかれさまです。ええ、姫と童子は無事に討滅できました。ええ攫われた少女も無事に保護しました。はい、心配有りません。ええ俱羅鬼君が言うには攫われた直後から気を失っていたようなので、特に攫われた直後からの記憶の方にも問題は無いようです。今から北陸本部がある宿の方に向かいます。ええお願いします。では」

と言って連絡を終えた桂香はハンドルを握り車をスタートさせた。

 

桂香が電話を終えた同時刻

俱羅鬼は、バイクを停めてあった場所に着くと愛車を固定したチェーンを馴れた手つきに素早く解除すると、すぐにバイクに跨りエンジンをスタートさせ、宿の方にバイクを走らせた。

 

 そして次の日、彼は順調に将棋の勝負に勝ち段位8位と竜王のW称号を獲得し、其処で今日助けた少女に出会った。その夜、祝賀会で一騒動起こそうとした彼の師匠を手刀で気絶させ、部屋に叩き込んだ後、彼は祝賀会に出席後普段と変わらなく就寝した。彼の一連の行動を見ていた周囲の人々は、彼を怒らせてはいけない人と認識された。彼の名は本名『九頭竜八一』そして裏の顔は、猛士所属の鬼である。

 

 そして、竜王習得の三か月後、自宅で弟子入りしたい少女がやってきた。そして、彼の新たな一ページを刻んでいった。

 

 プロフィール

 

氏名 九頭竜八一(鬼名『俱羅鬼』)

性別 男

年齢 18歳。福井県大野市出身。2000年8月1日生まれ。

職業 将棋棋士竜王兼猛士関西方面所属の『鬼』(現在出向中)。本来は、九州に本部を置く『依田』直属の鬼。

 

猛士所属までの経緯

中学2年までの人生は原作通りだが、プロ棋士入門前の家族で九州旅行中に魔化魍『キュウソ』の群れに襲われ、彼以外全員食い殺され死亡した。彼もキュウソによって右手の中指と人差し指を喪失したのち食い殺されそうになった時にキュウソを追跡していた鬼によって何とか一命を取り留めた。プロ棋士入りを返上した後、放浪生活と家族の復讐の為に全国放浪生活中に風の噂で聞いた猛士総本部の門を叩くが、猛士内で彼の入門について本部内で反対意見が続発した為彼の入門は拒絶されたが、当時の吉野の本部長であった『立花 勢地郎』の伝手で九州に拠点を置く『依田』を紹介され、そこで当時現役の鬼の『依田辰則』に弟子入りした。そこで約2年半徹底的に猛士や依田、鬼や魔化魍についてあらゆる事を徹底的に叩き込まれた。其処での経験や修行によって古くから日本に居た魔化魍の生態についても深く学んだ後に史上最年少で鬼の称号になったが、鬼になって半年後に『カワヒメ』の生態確認の任務中に本来は其処に居ない筈の『キョウコツ』の襲撃を受け、左目と左手小指と中指を喪失するが、何とか『キョウコツ』を自身初の討滅に成功する。その後居合わせた同僚の手によりすぐに依田の本部に緊急搬送後、緊急手術を開始するが、完全に左眼球を摘出しなければならなかったが、手術後彼が覚醒後、彼が入院中で調べていた米国で試験中であった「ソリッドアイ」と「視神経直結義眼」の技術を統合転用した「視神経直結式高性能高機能義眼(通称 義眼)」を移植して欲しいと師匠に提案、最初は師匠は断固反対したが、彼が周到な事前準備した後に提案した為に最終的に個人の自己責任と言う形で許可を出し、日本政府に米国の「ソリッドアイ」と「視神経直結義眼」の技術と依田と吉野の持つ一部技術(主にディスクアニマル関連技術)との交換条件を提示し、米国も日本の極秘技術が手に入る為に相互の利が一致した事と彼が「視神経直結式高性能高機能義眼(通称 義眼)」の導入を本人が強く希望した為、義眼の接続手術が行われ、それが上手く適合したが、定期的なアップデートや整備等とそれに伴うナノマシンを義眼の周辺に定期的かつ永久的に投薬を続けならなくなった。

 また、『依田』にお世話になっている時には、『依田辰則』の娘である『依田芳乃』に将棋について教えてほしいと頼まれ、基本を教えてたはずだったが、芳乃は瞬く間に八一の実力をわずか半月で上回る急速な棋力を見せつけ、八一はその一連の出来事により心を完全にへし折られ、八一はその挫折を心機一転の機会だと思い、改めて自身の将棋について改めて振り返り、再度将棋の世界に足を踏み出す決心を決めたのもこの時期からだった。

 17歳の時に、師匠から猛士から依田への相互協力の名のもとに関西支部に出向と言う形で受諾後、大阪に拠点を移す。その後、大阪で将棋時代の師匠であった。清滝 鋼介(きよたき こうすけ)に再び出会いもう一度将棋界に戻らないかと誘われるが、一度は辞退するが、ある時魔化魍『カッパ』の集団に襲われていた清滝 桂香(きよたき けいか)と空 銀子(そら ぎんこ)を助けた後に、銀子が魔化魍の呪いの体液を浴びてしまった為に魔化魍を引き寄せやすい体質になったしまった為、急遽身辺警護を兼任する為にもう一度将棋界に戻る決心をし、将棋界に舞い戻り、わずか半年で6段まで上り詰めていくと言う実力を叩きだし、非公式だが、電脳戦2連覇を成し遂げるという実績を積み上げていった。主な戦法は、居飛車戦法を主とする攻めを重視する型だったが、現時点では、柔軟かつ変幻自在な戦型にシフトしつつある。確実にじわじわと相手の駒及び精神を確実に消耗させていき、最後に自滅に追い込む戦法も得意。更に竜王戦では、対戦前から相手に様々な盤外戦術を相手側に仕掛けながら、全戦相手を嬲り殺しにしつつ、自らは堅牢な守りに徹する戦術を基本とした。

なお、恋愛に関しては原作と同様に疎い。鬼になってからは、体力面の維持にも気を付ける様になり、朝と夜の10キロジョギングと公園での各種トレーニングが日課になり、休日や遠出の時は大型バイクと普通自動車免許を取得した為、マイバイクで仕事や趣味の遠出するようになった。なお、鬼のシフトは平均週2回程である。なおディスクアニマルの基本整備等も自宅で自己流カスタマイズをしながらやっている。

 

 

氏名 清滝 桂香(きよたき けいか)

性別 女

年齢 28歳。大阪府出身。

職業 女流棋士2級兼「猛士」関西支部所属。俱羅鬼専属サポート役

 

猛士関西支部所属までの経緯

奥山雨山自然公園まで清滝一門の門下生一同を連れたキャンプ中に空銀子と一緒に公園内で道に迷ってしまい、川原沿いにスマートフォンで父親に連絡を取っている所、川から強襲したカッパの群れに2人して襲われた所、カッパの群れを追跡していた八一=俱羅鬼に出会い、カッパの群れと俱羅鬼の一連の戦闘を終始見たが、最後のカッパが俱羅鬼の音撃吹道によって倒される瞬間にカッパが、自らの腕に傷を付け其処から流れる自分の体液を飛ばし、それが不運にも気絶していた空銀子に降り掛かってしまい、空銀子が半永久的に魔化魍を引き寄せてしまう体質に変化した事を俱羅鬼に教えられたが、俱羅鬼に他言無用と釘を刺されたが、彼女自身は納得がいかず、女流棋士資格が得られるこの年のマイナビ女子オープンチャレンジマッチに挑み、其処で人が変わったような獰猛さと狡猾さを併せ持ったかのような将棋を指し、時には盤外試合も駆使しつつ瞬く間に優勝を果たした。なおこの時対戦した相手は口をそろえ「まるで阿修羅と魔王だ」と評した。その一方、猛士についても独自に調べを進めていき、1年後に猛士の門を叩き、猛士のサポート役を願い出た約1年6か月間猛士のサポート役に付いての各種学習と女流棋士を並行させた生活を送った後、正式に猛士から関西支部の鬼のサポート役として任務が正式に降りたのち初めての鬼との顔合わせの時に元門下生であった八一が鬼になった事を知り、彼の専属のサポート役に徹する事を密かに誓う。

なお、サポート役に徹する為に各種ディスクアニマル及びUSBアニマルの整備管理等や野外拠点の設営や食事等もこの一年半でプロ並みの腕前に成長した。そして、なぜか水陸の各種ディスクアニマルに好かれる傾向があり、日常生活でもアクティブステルスを使用しながら、勝手稼働し、彼女の周囲に居るアニマルが多数存在している。吉野の技術部でもこの現象について頭を抱えているが、現技術部開発実験試験最高顧問の滝澤 みどり(たきざわ みどり)曰く「ディスクアニマル及びUSBアニマルに使用された生物のDNAが何らかの作用を引き起こしている可能性が有るけど、現時点では全く良く解らないわ」とのこと。なお、偶々任務中に遭遇した幼体の『スネコスリ』を迷子猫と間違って保護した事が有り、その経験から魔化魍の中でも共生できるのではないかと思うようになる。なお、保護した『スネコスリ』は今でも実家の清滝家の付近でたびたび目撃されており、周辺住民のちょっとした有名になっている。

 

 

氏名 空 銀子(そら ぎんこ)

性別 女

年齢 15歳 大阪府出身。2002年9月9日生まれ。

職業 女流プロ棋士、女流四冠(女流王座・女流名人・女流王位・女流王将)

 

元門下生であった八一の姉弟子(ただし弟子入りの時期は2週間しか違わない)。しかしながら、八一の家族が事故(現状では、多くの魔化魍による人的、物的被害は自然災害等として処理されている)により死亡した事により唐突に将棋界から姿を消したことを受け、精神的なショックを受け自身も一時的に塞ぎこんでいたが、その後の彼女は今まで以上に寡黙且つ冷徹な将棋を指し続けていき、女流棋士との対局では公式戦85戦無敗(原作第1巻前時点)という圧倒的な強さを誇る(後述の「白雪姫」も、実は「黒星がついたことがない、すなわち降り積もる白星一色である」ことに由来している)。

 しかしながら、この科目且つ冷徹な態度は、同門に対してもこのスタイルを貫いていた為、その姿を間近で見ていた同門最年長の桂香が銀子を心配した為に桂香の親兼師匠である清滝鋼介に相談し、門下生一同を奥山雨山自然公園まで清滝一門の門下生一同を連れたキャンプに連れて行くが、キャンプ中に桂香と一緒に付近を散歩中にカッパの集団に襲われ、一時的に川の中に引き摺り込まれたが、俱羅鬼=八一に助けられたが、カッパの襲撃時から気を失った為、最後のカッパが俱羅鬼によって討滅される際に放ったカッパの体液を浴びた為に特に人を襲う魔化魍を意図的に呼び寄せてしまう体質に変化した事に気づいていない。この為、八一がその護衛及び監視の任についている事を知らないが、八一が再び将棋界に戻ったことについては表に出さないが、とても喜んでいるが、その表現の仕方がどうしてもツーデレ且つクーデレに成ってしまう事に悩んでいる模様。

 

 

氏名 雛鶴あい(ひなつる あい)

性別 女

年齢 10歳

職業 小学4年生 2007年10月7日生まれ

 

石川県七尾市にある和倉温泉の旅館『ひな鶴』を経営する夫妻の一人娘。八一が竜王戦第七戦前に野槌の姫と童子に餌として拉致されたが、拉致の際に気を失っていた為、この時に一連の騒動について記憶がない。なお、竜王戦第七戦後の勝利した八一に水を差し出したことで八一と知り合った後については原作と同様。なお今作は、石川県七尾市にある和倉温泉の旅館『ひな鶴』は表向きは旅館だが、裏では猛士の北陸本部として機能しており、旅館の従業員は全員優秀な猛士の要員であり、鬼である。その統括室長は彼女の母親である雛鶴 亜希奈(ひなつる あきな)であり、副室長は彼女の父であり元鬼である雛鶴 隆(ひなつる たかし)である。この為,幼い頃から各種ディスクアニマルを遊び相手に育てられた為、この歳で全ディスクアニマルの整備製造等が一通り熟せられる優秀な腕を持つ。

 

氏名 夜叉神 天衣(やしゃじん あい)

性別 女

年齢 10歳

職業 小学4年生 2007年12月10日生まれ

 

「もう一人のあい」であり、

神戸市の豪邸に祖父の弘天(元博徒で現在は実業家)と暮らしている。父親は元アマチュア名人、母親も大学時代将棋部に在籍しており、将棋が縁で結婚したという家庭のため幼少時から将棋に親しんできた。その両親が事故で亡くなり祖父の元に引き取られたが、祖父に甘やかされて育ったため、典型的な「高飛車なお嬢様」キャラとなってしまった。

表では、彼女の両親は事故死とされたが、真相は魔化魍の中でも狂暴とされる「ツルベオトシ」によって殺された。なおこのツルベオトシは、最終的に俱羅鬼と響鬼と轟鬼の連携によって討滅された。しかしながら、俱羅鬼この一連の出来事が未だにトラウマの一つとして刻み込まれており、彼女の両親の死については、本当なら吉野及び猛士の規範で厳罰に値する事だが、彼は密かに祖父に伝え、彼女の両親を救えなかったことについて謝罪した。

 

 



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