リリかわっ!(挨拶&リスペクト)

 二丁拳銃を手に縦横無尽にダンジョンを駆け巡るリリって滅茶苦茶カッコカワイクね?という発想から考えた一発ネタ。多分続かない。


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白い少年、『銃』に出会う

 拝啓、天国のおじいちゃん 

 

 いかがお過ごしでしょうか。

 僕は現在、迷宮都市オラリオへと来ています。

 オラリオには全てがある。

 富も。

 名声も。

 そして――可愛い女の子との出会いも。

 そんな貴方の言葉に夢と希望を抱いた僕は、名を上げるべくダンジョンで過ごす日々を送っています。

 そんな僕ですが、今現在――

 

 

 

 冗談抜きで死にそうなピンチに遭遇しています。

 

 

 

「ブルァァァァァァアアアアア!!!」

 

「ホワァァァァァアアアアア!?!?!?」

 

 迫り来るは人外の怪物。

 真っ黒な体毛に覆われた筋骨隆々の体躯。

 牛頭人体のモンスター。

 ミノタウロス。

 

 本来、今僕が居るような浅い階層に出るわけのない筈の強力なモンスターに追われる僕の命は、風前の灯火となっていた。

 全身がもう限界だときしみ上げる音が聞こえてくるような気がするが、もしこの感覚に従って諦めてしまったら、今もなお風を切る音を立てて振るわれる剛腕が僕の体を圧し潰すことだろう。

 

 だが、その時はいつか訪れる。

 しかも、そう遠くない内に。

 

(もう……むり……っ!?)

 

 

 

「そこの少年、そのまま走りなさい!」

 

 呼び声の源に目を向ければ、そこには一組の男女の姿があった。

 しかしその体躯は男としては小柄な方である僕よりも更に小さい子供のようなサイズだった。一瞬、何であんな子供がダンジョン(こんなところ)に!?と驚いたものの、直ぐにとある種族について思い当たる。

 

小人族(パルゥム)……!?)

 

 小人族。

 文字通りに、その小さな体躯を特徴とする種族。

 その姿は他種族の子供のような姿まで成長して止まり、そのままそれ以上成長することはないという。

 そんな種族故に、見た目で年齢を判断することは難しいのだが――

 

 うだうだと考えている間に、全力疾走する僕は少女の傍を横切る。

 

「ブルァァァァァァアアアアア!!!」

 

 その瞬間、僕は何に追われていたのかを思い出した。

 

 ――逃げて、どうする?

 ――このままじゃ、僕の代わりにあの女の子が。

 ――そんなの、ダメだ。

 

 ――僕は、男だろう!

 

 今にも力尽きそうな体から、なけなしの勇気と、残り滓程度しか残っていない体力を振り絞って振り返る。そして――

 

 

 

 

 

 僕の目に飛び込んできたのは、ミノタウロスと真正面から対峙する、小さな女の子の鮮烈な後ろ姿だった。

 

 

 

 

 

「ブルァァァァァァアアアアア!!!」

 

 咆哮を上げて迫り来るミノタウロス。

 それに対して少女は、腰元から黒いL字型の『何か』を取り出すと、腕を交差させるように突き出して、その『何か』をミノタウロスへと向けて――

 

 ぱぱぱぱぱぱぁんっ!!!

 

 6連続で響き渡る、甲高い音。

 聞きなれないその音が、昔聞いた事がある猟銃の『発砲音』に近い事に思い当たり――

 

「ぶ……るぁ!?」

 

 直後、その体躯に相応しい大きな音を立てて、ミノタウロスが倒れ込んだ。

 その寸前、少女の体越しにごっそりと肉を削ぎ落とされて痩せ細った、ミノタウロスの片足を瞳の中に捉える。

 倒れこんでくるミノタウロスを避けるようにして、少女はバックステップで後退する。

 

「よくやったリリルカァ!」

 

 入れ違うようにして飛び出したのは、少女と共に居た少年。

 その少年は、異様な『何か』を肩に担いでいた。

 

 少年の身の丈と同程度大きさを誇る、黒々と光る筒状の物体。

 その中には、鈍い光を放つ鉄杭が備え付けられている。

 

「『螺旋射出式鉄杭砲塔(パイルバンカー)』……照準(セット)!」

 

 鉄杭の先端を、倒れ伏すミノタウロスの頭へと向けた少年は――砲声した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

発射(ファイア)ァァァッ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 凄まじい轟音と閃光が、視界を焼き、耳を貫いた。

 被害はそれだけには留まらず、ダンジョンが崩れるのではないかと不安になる程の衝撃が走り、グラグラと地面が揺れる。

 立っているのも辛くなった僕は、その勢いに負けてへたり込んだ。

 

 暫くして、ショックから回復した僕が目を開き、飛び込んできた光景は――僕の常識を遥かに超えた、散々な有様だった。

 

 僕にトラウマレベルの恐怖を植え付けたミノタウロス――その姿は、もはや原型すら判然としなかった。

 何故ならば、ミノタウロスの威圧感あるあの肉体が、四肢だけを残して『消失』していたからだ。

 一体何をどうしたらこんな情景を作り出せるのか。

 正中線に沿う形で射出された鉄杭は、その途上にあるミノタウロスの肉体を、頭蓋も、肉も、骨も、臓腑も関係なく、全て一まとめに吹き飛ばしていた。ダンジョンにこびり付き壁面を真っ赤に染め上げたそれらの残滓が、存在を強く主張していた。

 その遥か先、ミノタウロスの肉体をごっそりと抉り取ってもなお止まることなく、ダンジョンの壁面に深々と突き刺さった鉄杭が、その衝撃の強さを物語っている。

 

「これは……また派手なものを作りましたね、彼は。……あ」

 

 目の前の光景に唖然とする僕の姿に気付いた少女が、にっこりと笑顔を浮かべて手を差し伸べてきた。

 

「あの、大丈夫ですか?」

 

 これが、僕ことベル・クラネルと、銃士リリルカ・アーデとの出会いだった。

 

 

 







☆リリルカ・アーデ
原作における最カワランキングぶっちぎりの一位(作者基準)を獲得している超絶薄幸苦労人系ヒロイン。
 拙作においては、一年前に転生者にして銃鍛冶師であるオリ主と、その作品である銃と出会う事によって、その生活を激変させている。
 長年のサポーター生活によって培われたモンスター達の弱点・行動パターンに関する知識故に、その命中率は9割という驚異的な数値を誇り、しかもそのうちの半分以上が即死。
 オリ主をサポーターとして伴った実質ソロのダンジョン探索では、十一階層までを踏破している。


 
☆オリ主(名前:ノブナガ(予定))
 本編において、「よくやったリリルカァ!」と叫んでパイルバンカーをぶっ放した大馬鹿野郎。ちなみにその後、反動で肩関節が外れた上、吹っ飛んだ先のダンジョンの壁面に鉄杭と同じように突き刺さった状態で放置されている。「そんな無傷の少年よりも俺を助けて。せめて肩だけでも治すの手伝って」と心の中からリリにメッセージを送りながら、助けられるその時を待っている。

 銃器狂いの転生者。
 生まれた当初は転生というシチュエーションに快哉を叫んだが、銃がないという現実に絶望する。
 しかし鍛冶師達の仕事を見る機会があり、『ないなら作ればいいじゃない』と天啓を得て、5歳の時にゴブニュ・ファミリアに小間使いとして仮入団。
 3年間の下働きの末、ようやっとゴブニュからステイタスを授かる。
 その後、本格的に銃器開発に着手し、工場なんて上等な設備もなく鋳造するための鋳型を作るところから始めなければならない、『オール手作業』という地獄に直面してまた絶望しかける。
 「いやむしろ燃えるし。バッチコイだし」とヤケクソ気味に、前世の知識を存分に活かして銃器開発にのめりこむこと十年、ようやっと『完成』と言えるクォリティの一品を開発することに成功する。
 その後、銃弾の量産態勢(要するに大量の鋳型や、効率的に溶かした鉛を注ぎ込むための機構、等)を整えたり、銃器整備の為の用意をしたりと言った『痒い所に手が届く』ように自らの工房を作り上げることに注力していった。
 ちなみに新たな拳銃を作ろうとしないのは、自動拳銃を作ろうとして失敗したから。
 筒状の金属に火薬と弾を詰めるところから始め、最終的に構造が比較的簡略であることや整備のしやすさの観点から回転式自動(リボルバー)拳銃を見事制作したオリ主。勢いそのまま自動式拳銃を作ろうとしたところ、手作業の限界にぶち当たり、出来上がったのは持てば暴発打てば弾詰まり(ジャム)という失敗作以下の鉄くずだった。そのため、まずは制作現場の足場固めからと落ち着いて工房の整備を始めた模様。
 
 リリと会ったのはそうして過ごすようになった頃の事。
 自らが作った銃を見事に使いこなす技量も去る事ながら、どれだけ苦境に立たされても他者を犠牲にすることを許容できない心優しい性格に惹かれたオリ主は、リリへ専属契約を結ぶことを提案する。
「銃ってのは最高にカッコイイ兵器だ。けど兵器である以上、どうしても命を奪うって行為からは逃げられねぇ。だからこそ、奪うべき命については真剣に考えなきゃならねぇ」
 そんなポリシーの元銃器を作るオリ主は、リリとの出会いを運命的とすら感じていた。
 ただし銃狂いであるため恋愛感情は一切ない。
 ちなみに、リリを金づるとしか見ていないソーマ・ファミリアの冒険者に関しては後ろから頭をカチ割る勢いで愛用のハンマーを叩きつけた。以来、ソーマ・ファミリアには目を付けられてしまったが、ゴブニュ・ファミリア所属という立場を盾にのらりくらりとその追及を交わしている。リリのような最高にうってつけの人材を逃す気はなく、もしリリが自分を見捨てて去るというなら号泣しながら土下座してでも引き留める心づもりである。



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