通して書いたのですが中々の量になってしまいまして、1度に読むのは大変かと思ったので、今回の対Bクラスは2つに分けたいと思います。
今回はキャラクター募集をしてくださったエクシリオン様のオリジナルキャラクター2名と私のオリジナルキャラクター1名を出したいと思います。これからオリジナルのキャラクターが増えていくと思いますので、ご了承下さい。
Dクラスとの戦争を終えた翌日、明久達は昨日の戦争で削られた点数を回復するためにテストを受けていた。当然Fクラスのモブメンバー達は真面目には受けておらず、睡眠をとっていたりシャーペンで絵を描いていたりと各々好き勝手にやっていた。
全てのテストが終わり、明日には点数が反映されているということで、次の戦争を仕掛ける日は明日ということになった。
「さて吉井よ、次の攻めるべきクラス、お前ならどうする?」
雄二がDクラス戦の前と同じ事を聞いてくる。明久は頭を悩ませていた。そう、今回も繋がりがあるのだ。
「正直僕はBクラスを攻めたい。だけど今回も繋がりがある。Bクラスの根本くんはCクラスの代表の小山さんっていう女子と付き合ってるみたいなんだ。前回はEクラスが増援だったからまだなんとかなったけど、Cクラスが相手だとさすがにキツくなってくる」
そう言うと、天井からムッツリーニが降ってきた。
「……明久、朗報だ。どうやら小山友香があいつと付き合っている理由は頭が良いからだそうだ。そんな薄い関係なら戦争前になにか仕掛ければ綻びができると思う」
その言葉を聞いた明久に策が浮かんだ。
放課後、人が減ってきた時間帯に小山は1人教室で本を読んでいた。悪評高き根本と付き合っているということもあり、友人は少なくこのように放課後一緒に過ごすということは行っていなかった。
「……はぁ、退屈ね。今日は気分も乗らないし、早めに帰ろうかしら」
そう言って荷物を持ち教室から出ようとしたとき、外から声が聞こえてきた。少し内容が気になった小山は聞き耳をたてることにした。
「………え、まじで?! お前ってBクラス代表の根本より頭良いのかぁ?! なんでそんなやつがFクラスにいるんだよぉ!」
「ほんとほんと! 冗談言うのはやめなよ明久ー」
小山はその言葉を聞いて苛立ちを覚えた。例え周りになんと言われようが今の彼氏は根本である彼女にとって、その彼氏を馬鹿にされることは許せなかった。
教室の扉を思い切り開いた小山は、近くにいる男子3人組に声をかけた。その表情はまさに鬼のようだった。
「あんたらかしら、今うちの恭二を馬鹿にしたのは?」
「ひっ! まさか、根本の彼女の小山かっ!?」
「おい、明久どうする!? 聞かれてたみたいだぞ!?」
取り巻きのような役を演じているのは、須川と横溝の2人である。その2人の抜群の演技により、小山の怒りはだんだんと強まっていった。
「そんな感じで他人にしか頼れないなんて、さすが本当の馬鹿は違うわね。Dクラスに勝ったからといってそんな調子に乗ったこと言う悪い口縫い付けてあげましょうか?」
ひぃとさらに小さくなる須川と横溝。当然演技ではあるのだが、演技さを感じさせない素晴らしい役者ぶりである。
「ふふ、ごめんね小山さん。でもね、僕たちFクラスは明日Bクラスに戦争を仕掛けるんだ。僕の実力なら、根本くんなんて捻り潰せる」
「はぁ? あんた調子のりすぎ。恭二があなたたちのようなクズに負けるはずないわっ!」
「そう。だから君が本当に根本くんを信じるなら、彼が率いるBクラスの援護をするのは止めてほしいんだ。まあ、どうしても根本くんが心配ならCクラスから助けをだしてもいいけど、まさかFクラス相手なのに、そんなことしないよねぇ?」
「ふん、挑発のつもり? でもいいわ、その挑発買ってる。どうせあんたらなんかに恭二は負けないわ!」
「うん、わかった。君の根本くんを思う気持ちは本物みたいだね。馬鹿にしてごめん。2人とも、帰るよ」
明久は須川と横溝を連れて、Fクラスまで戻った。その姿を最後まで見ていた小山の頭には根本を馬鹿にされたことへの恨みの他に、新たな思いが芽生えていた。仮にも自分より格上の相手にあそこまで余裕な態度でいれるのかということである。
「(もしかしたら、あの余裕……本物なのかも、ね。信じたくはないけれど)」
そう心の中で呟いた小山は教室を後にした。
「坂本くん、作戦は成功したよ。これでCクラスが攻めてくることはなくなったと思うよ」
「よし、よくやった。ひとまずBクラスが相手となると、それこそ正面突破、時間稼ぎはできない。Dクラス戦とは難易度が違う。吉井、どうする」
明久は思考を巡らせた。
「……正直、この戦争も、時間稼ぎが必要だ。振り分けの結果をもらって、その時に一クラスずつ見て回ったんだけど、Bクラスには室外機があったはずだ。それを止めさせて、暑くなってたまらなくなったBクラスの生徒が窓を開けるまでの時間を作らなきゃ……。Bクラスの上には柵がしっかりとついている屋上があるから、ムッツリーニにそこは仕掛けてもらう。お得意の機敏性、見せてもらうよ?」
「……わかった。とりあえず今回はしっかりと大島を見つける。ボコボコにやられてイライラしたしな」
Dクラス戦の時に保健体育の大島先生は丁度予定があったようで早帰りだったらしい。
「そして、一番大きな問題がある。それは、鬼神と呼ばれている存在だ。Bクラスの副代表、相模美鶴……女子なんだけど、自分よりも弱い人間は雑魚扱いするような人なんだ。でも自分よりも強い人にはすごく従順で、根本の言うことは絶対に従うみたいなんだ。ただでさえ強いのに、そこに根本の悪知恵が入ったとなると、相手は手段を選んでこないと思うんだ」
「へぇ、そいつ、中々に面白そうじゃん。俺にやらせろよ」
莉苑がその話を聞いて立ち上がった。明久は満足げな表情をして、彼に鬼神討伐の命を与えた。
「よし、これで対策は一通り練れた。さあ、明日のために今日は早く帰って英気を養う!」
その日は解散となった。
「うん、やっぱりあそこのメンバーは興味深いね……。このクラスにきてやっぱりよかった。これほどまでに最下層クラスに逸材が集まってるなんて……。でも、これ以上彼らを知るにはもっと近づかなきゃな……よし、明日の戦争で名乗りをあげよっと!」
明るい声でそう言った少年は、スキップをしながら校舎を後にした。
翌日、Bクラスはどよめいていた。
「はぁ?! Fクラスの馬鹿共が、俺達に宣戦布告ぅ!?」
「はい、根本様。先程Bクラスの者に果たし状と銘打った封筒が渡されたようで、今日の午後一から戦争を始めたいと記載されていた模様です」
「ぐっ……くそっ下位クラスからの戦争は受けなきゃならねぇ……めんどくせぇが、俺も色々作戦を練ろうかねぇ。おい美鶴、Fクラスの連中に気づかれないようにちょっかいだしてこい。俺はその間に友香のところに行って援軍要請をしてくる」
「了解しました、根本様。あなたの仰せのままに」
相模はそのまま教室を出ていき、工作に向かった。根本も急ぎCクラスの元へ向かった。
しかし、そこで根本を待っていたのは想像もしていない言葉だった。
「援軍を、拒否する、だとぉ?」
「ええ。ある人から言われたの。恭二の本当の強さを私に見せて」
「くっそ……誰の入れ知恵だ……?」
根本はCクラスの全員を見渡すと、1人見知った人物がいた。
「おい……テメェか、不動くぅん?」
不動(ふゆるぎ)と呼ばれたその男子生徒は、鼻で笑った。
「僕の入れ知恵ではない。だが、お前みたいなヤツに協力をする気なんて毛頭ない。さっさと出ていってくれないか? 君の姿を長時間見ているとイライラする」
不動は根本と同じ中学校の生徒であり、昔からお互いの性格や性根を嫌っており、衝突を繰り返していた。
「不動くん、ごめんなさい。あなたの過去に何があったかは詳しくないけれど、恭二を愚弄するなら許さないわよ?」
「くっ……。すまない、恭二、くん……」
心底嫌そうな顔をしながら謝った不動に、根本は不愉快な笑みを浮かべながら彼に近づいた。
そして、根本は耳元で囁いた。その言葉を聞いた瞬間、不動は根本のYシャツの首を掴み上げる。不動の目は怒りで鋭くなっており、余程のことを言われたというのは一目瞭然だった。
「あっれぇ、いいのかなこんなことして。友香の眼前だぞー?」
「っ! くそっ!」
小山の名前を出された瞬間、不動は根本を解放させた。普段冷静で通っていたため、周りの生徒はその豹変に驚きを隠せなかった。
周りから変な視線を向けられている不動を見て満足したのか根本はそのまま教室を去っていった。
「小山さんっ! やはり根本のやつは……っ!」
不動は言い切る前に、言葉を止めた。それは、自分をまるで敵をみるかのように鋭く冷たい目で見つめる小山が自分の目に入ったからであった。
無言の圧に負けた不動は、俯きながら自分の机へと戻った。
「……」
その姿を小山はなにも言わずに見続けていた。
「……何、これ?」
四時限目の体育を終え、教室に帰ってきた明久達一同は、Fクラスに入り目を疑った。
クラスはメチャクチャだった。卓袱台の脚は折られ、窓ガラスは全壊、クラスに置いたままにしていた文房具は無惨にもへし折られていた。
誰がこんなことを……と呟いた明久にある男が声をかけた。
「これは、Bクラス代表根本恭二が命令し、相模美鶴が実行した、立派な作戦妨害ですよ」
明久に声をかけたのは、背丈の小さな少年だった。
「君は、確かうちのクラスの……えっと、天願朝陽くんだったかな?」
「うわぁ! 僕の名前知っているんですね! 何か嬉しいです!」
朝陽はその場で嬉しそうに飛び跳ねていた。身長と声とがあいまって、見ていてとても微笑ましくなる。
だが、教室の現状を見るとそうも思っていられない。
事情を知っている朝陽に話を聞くと、その場にいる明久を含む全ての人が驚いていた。明久自身、根本の悪知恵を聞いて、相模が何かしらの行動を取ってくるとは予想していたが、ここまで犯罪行為スレスレのことまでも実行することは予想しておらず、動揺を隠せなかった。
「これじゃあ補充テストを受けることは厳しいのう。どうするのじゃ?」
「……これは、教師に要相談の案件。器物破損で停学になるかもしれないが」
「でも、相模さんがやったという証拠はない。BクラスとFクラスの信用の差なんて、たかがしれてるしね。今回の件は諦めよう」
明久がそういうと誰も何も言わなかった。実際にその通りであるし、もう戦争が始まる。
「ごめんね、吉井くん。僕は報道部員なんだけど、流石に体育の時間まではカメラ持っていかないからさ……」
そう謝る朝陽に、明久は優しく大丈夫だよ、と声をかけた。その言葉を聞いて朝陽は少し笑顔になり、
「そして、新しい策を思い付いたんだけど、坂本くんは前回に引き続き、どこかに隠れてるんだよね?」
「あぁそうだな。俺はFクラスの代表だが、明らかにうちのクラスには俺よりも頭のいいやつがいるしな。死なないっていうのが俺の役目だしな」
雄二がそういうと、明久は頷きながら莉苑を見る。
「今回佐久間くんにはFクラス内に残ってもらうよ」
「あ? なんでだ?」
Dクラスとの戦争で戦闘狂なことがわかっているはずの明久がそう言ってくるのは莉苑にとっても不可解だった。そこに明久は続ける。
「多分だけど、今回も敵は特攻を仕掛けてくると思うんだ。何でも言うことを聞く存在である相模さんを使ってね。それで相模さんを敢えて教室に招き入れ、待ち構えていた佐久間くんが倒す……これが今回の作戦の要だよ。これを成功させればBクラスの士気は下がるだろうけど、もし失敗したらしらみ潰しに坂本くんを探されちゃうし、責任重大だけど頑張ってね、佐久間くん」
「あー……重要かどうかとかよくわかんねぇけど、とりあえず、Fクラスに入ってきたやつを片っ端からやっつけりゃいいんだな! 任せてくれ!」
どうやら作戦の重要さを理解していないようだが、やるべにことは理解しているようなので明久は深く言わなかった。
そして、明久はもうひとつの作戦である室外機の停止に関しての策を練っていた。昨日から一晩中といって良いほど長い時間考えていたのだが、良い案が浮かばずに悩んでいた。
そんな明久に朝陽が声をかける。その内容は、室外機を止める役割を任せてほしい、というものであった。
明久としては、案も浮かんでいなかったこともあり、かなり助かるような提案であったが、不安もあった。
「僕はね、これでも意外に頭はキレる方なんだ。任せてほしいな?」
その言葉を信用した明久は、室外機停止の作戦を朝陽に一任した。
その時、校内にチャイムが鳴り響いた。それが、今回の戦争の始まりの合図だった。今回は補充テストが受けられないため、同じ科目で戦い続けるのは非常に危険な状態である。戦力の差も当然ながらDクラスとは訳が違う。必然的に全員の顔に緊張が浮かぶ。
「み、みなさん、頑張りましょう! おー!」
そんな中で、瑞希が声を上げる。
その声はあまりにもか細く、士気が高まるようなものではなかったが、今のFクラスの全員には効果覿面であり、皆の表情が柔らかくなった。
「姫路さんのためだ! 俺は本気でいくぜ!」
「姫路さん、この戦いが終わったら、俺と付き合ってく……」
「異端者だ、つまみだせぇぇぇ!!」
「ぐっ……! 吉井、俺は出陣する! じゃあな!」
「待たんか、異端者がぁ!」
Fクラスの男子陣の大半が今の騒ぎで出ていってしまった。秀吉やムッツリーニは呆れ顔で眺めていたが、明久は質より量考えていたので、特に止めはしなかった。
気づけばその騒ぎに乗じて、雄二もどこかに隠れたようであり、明久は感心していた。
「(確かにあの大群が出ていったら、皆は間違いなくそっちに注目する……。今回に限ってはFFF団に感謝しなきゃかな)」
「さて、佐久間くんはここで待機、秀吉と美波はさっきの大群についていって交戦、ムッツリーニは大島先生を確保して屋上で待機、朝陽くんは君の考えた作戦で動いてくれ!」
今後の動きを聞いた皆は、各々の指名を果たすために行動を開始した。そして、教室には3人の生徒が残った。残ってほしいと言われた莉苑、作戦を伝えた明久、そして、瑞希の3人である。
「姫路さん、さっきの言葉、良かったよ。おかげで緊張が解れたよ」
「い、いえ、気にしないでくださいっ! ところで、あの、私はどうすれば?」
「姫路さんには、教室の扉の前で待機していてほしいんだ。そして、僕が姫路さんの携帯を鳴らすから、そうしたらBクラスの方に走っていってもらいたいんだ」
「理由は、わからないですけど、了解しました!吉井くんも、気を付けてくださいね」
瑞希からの言葉を受け、明久も教室を去っていった。今回の戦争、明久は自分自身に特に何の役割も課せていない。強いて言えば瑞希への連絡をするということだけである。
「(戦死したら姫路さんに連絡を送ることはたぶんきつくなる。なら、僕はあそこに行こうかな)」
明久は階段を降り、昇降口から外に出た。付近を確認し、誰もいないことを確認すると、部室棟……第2校舎まで走り出した。
「さーてと、Dクラスの代表さん、いますか?」
「Dクラス代表は俺だが……一体何の用だ?」
「僕はFクラスの天願朝陽って言います! 実はお願いがありまして……」
「戦争に関することか? Fクラス代表と交渉したと通り、俺達は今Fクラスについている。気にせず言ってくれ」
平賀はそう言うと、朝陽は嬉々として話を進めた。
その内容は、明久が悩んでいた室外機を止めるということであり、平賀は真剣に話を聞いていた。
「室外機のスイッチは職員室にあるんだけど、それを気づかれないように押してほしいんだ。今は戦争中だから教師の数は少ないし、行けるはずだよ」
「あぁ、わかった。気づかれたときが怖いが、致し方ない。その任俺が果たそう」
「ありがとう、平賀くん。じゃあ、僕はまだやることがあるから、失礼するね、ばいばい!」
朝陽は教室から出ると、次にCクラスの教室に向かった。
「瞬、いるー?」
「……朝陽か。どうした?」
探していたのは、根本と因縁をもつ不動であった。朝陽と不動は同じ報道部員であり、校内の報道新聞はこの2人がほぼ全てを作っている。
「瞬。根本率いるBクラスを、潰さない?」
その言葉を聞いた不動は、目を見開いた。そして、口角を上にあげ、すぐに参加の表明をした。先程までバカにされてきた不動にとって、思ってもいないチャンスに、興奮気味になっていた。
「えっと、私はCクラス代表だけど、それを私が承認するとでも思っているのかしら?」
「悪いけど、急いでいるんだ。行こう、瞬!」
「あぁ、了解だ朝陽!」
「不動くん!? はあ、これじゃBクラスが勝ったとしても、恭二には嫌われちゃうじゃない……。こうなったら私だけでもFクラスに殴り込んでやるわ!」
小山は足早に教室を去り、Fクラスの方へ向かっていった。
「さーてと、ここは本当に見通しがいいな。まあ、屋上だからだけどさ」
明久は第2校舎の屋上に来ていた。ここから、ある一点を凝視していた。それはFクラス前の階段……宏美達が攻めていこうとしたあの場所である。
Bクラスの前にも階段があり、前回のEクラスのような大回りをしなくてもFクラスの前にまで簡単にたどり着いてしまう。その為、明久は誰にも気づかれないであろう第2校舎の屋上を選んだのだ。
「お、あれは相模さん達だね。予想通りの動きをしてくれて助かるよ。多分だけど姫路さんがあの場に立っているから、不用意には攻めないだろうね。なんせ相手はAクラスレベルの才女、戦闘で何人犠牲者が出るかわかったもんじゃないしねっと。さて、かけようかな」
明久はスマホで瑞希の電話番号を選択し、着信を鳴らした。
「……なぜ、こんなところに姫路瑞希が……?」
相模率いる強襲部隊は立ち往生していた。攻める教室の目の前に瑞希がいるからである。
「根本様のご命令では、誰にも気づかれずにというものでしたし、どうするべきか……」
そう考えていると、瑞希の携帯に着信が入った。
「はい、姫路です。吉井くん、どうかした……えっ、前線が!? わ、わかりました、すぐに向かいますぅ!」
瑞希は明久の言葉を聞いて、Bクラスとの戦闘を行っている前線へ走り出した。
「ふふふ、何て愚かな……吉井という者は阿呆だな。守備を前へ出させるとは。さあ、雑魚の大将首、この私がいただく!」
相模は教室の扉を開け、すぐにフィールドを展開させ、召喚獣を出した。科目は明久の予想通り物理だった。
Bクラス生徒×6人:平均187点
相模美鶴:414点
「おいおい、Bクラスの鬼神さんよ……ちゃんと相手は確認した方がいいぜ! サモン!」
佐久間莉苑:472点
「なっ!? この私よりも上位の存在だと……!? 貴様ただの雑魚ではないな、何者だ!」
「あー……何者だとか言われてもなぁ。まあ、Fクラスでいうお前みたいな感じかねぇ、鬼神さんよぉ!」
安定の特攻をし、避けきれなかった2名の生徒は一瞬で戦死となってしまう。
「っく、さすが400を越える成績優秀者枠の火力だ。Bクラスの者でも歯が立たぬか……雑魚クラスの分際で、生意気なやつだ!」
相模は自身の武器である長剣を構え、一気に間合いを詰める。武器のリーチの差で、少し押される莉苑だが、彼は笑顔だった。
「へっ、この気迫、Dクラスの野郎とは一味違うなぁ! 面白くなってきたじゃねぇか。吉井さんよぉ、俺にこの命を与えてくれてサンキューな!」
そう叫び、相模から一定の距離をとった。そして、腕輪が光り始めた。
発動を阻止しようと、Bクラスの生徒が多方向から突進してくるが、一歩間に合わず彼らの武器は莉苑を貫くことはできなかった。
「へっ、そんな低火力じゃ仕留められないぜ、雑魚がっ!」
双鎌の一振りで、襲いかかってきたBクラス生徒の大半は戦死ギリギリにまで点数を下げられた。限界まで高められた防御力と元々の高い攻撃力を有している彼の召喚獣は、最早誰にも止められることはない。そう思っていた時だった。
「ふふふ、中々に面白いやつだ、佐久間という男よ。だが、これならどうだ?」
相模の腕輪も光りだした。莉苑は腕輪の力を警戒し、おもいっきり後ろに下がった。しかし、相模は特に攻撃もしてくる様子もなかった。
「あ? 俺と同じ自己強化型の腕輪か? なら恐れるに足りねぇな! ここでくたばれや、鬼神さんよっ!」
莉苑は何もしてこない相模に突撃した。そこで相模はふっと笑った。
近づいてきた莉苑に先程と同じように長剣で攻撃を仕掛ける。仰け反らない効果を持つ莉苑は気にせずその攻撃を受け、相模に連続斬りを行う。しかし、途中で莉苑は違和感を覚えた。与えられているダメージが今までと比べると明らかに下がっていたのだ。そして、自分の点数が徐々に低下していっていることにも気がついた。
「っち、これがあんたの腕輪か?」
「そう。私の腕輪は与毒。これを使って攻撃をして、相手に当たれば、点数の低下に攻撃力ダウンのデバフを付与することができるの。しかも毒に関しては私が戦死にならないとほぼ解毒不可能……もう、あなたの負けよ、おとなしく諦めなさい?」
「……はははは、くっふ、あっははははは!」
突如狂ったかのように笑いだした莉苑に、相模はそこはかとなく恐怖を感じた。実際に戦場を見れば優劣は一目瞭然であり、点数の低下、攻撃力低下をしている莉苑に対し、相模率いる強襲部隊はまだ5人も残っている。
「こんな危機的状況なのに、笑うなんて、あなた中々に変態なのね?」
「何とでも言え! 俺はよくわかんねぇけどここを任せられてんだ、易々と戦死するわけにゃいかねぇんだよ! 戦死するにしても1人でも多くこの戦場から退場させてやんぜ、覚悟しろや!」
1人、また1人と彼の鎌に切り裂かれていく。その迫力に、相模は大きな恐怖を覚えながらも、自分と同じようなその戦いぶりに、大きな興奮を得ていた。自分の事を指揮する根本とは明らかに異質なその強さに、惹かれていた。
「あぁ……なんて激しくも美しい戦いぶり……。まさか最下層のクラスに、私をここまで昂らせてくれる人がいるなんて……! 本気でいくわ、あなたも本気でかかってらっしゃい!」
「あっははははは!! いいぜ、どっちが本当の狂鬼か、白黒つけようやぁ!」
Bクラスの生徒を全滅させた莉苑は、鎌を上空に投げ、素手で特攻した。そのあまりにも想定外の行動に、一瞬の戸惑いを見せる相模だが、すぐにその動きに対応する。莉苑は正面から殴りかかると、当然見え見えの動きであるため相模は簡単に避ける。そしてその隙を狙い長剣を横に一閃した。
「残念だったな、Fクラスの猛者よ。此度の戦いは、私の勝ちだ」
そう宣言する相模であったが、攻撃をした場所に莉苑の姿は無かった。
「甘い。後ろがら空きだぜ!」
ドゴッという音と共に相模は吹き飛ばされた。吹き飛ばされた相模が、起き上がろうとしたその時、上から先程投げた鎌が落下し、腹部に突き刺さった。
「な、なんだ、と?!」
「悪いな、ここまで上手く行くとは考えてもなかったが、どうだ? 中々に芸術的だろ?」
「ふっ、ふふふ……まさかこの私がFクラスなどという雑魚戦で戦死するはめになるとはな……見事だ、佐久間殿」
「へっ、殿とかやめろ。まあ、いい勝負だったぜ、俺ももう毒で戦死ギリギリだ。きっと、同士討ちだろうな」
「毒が無かったら負けていた、か。さあ、一思いにやってくれ」
莉苑は相模の武器である長剣を拾い上げ、一突きした。その瞬間、莉苑の点数は0になり、戦死した。そして、長剣で貫かれた相模もまた、戦死した。
連行される前に、2人は握手をし、お互いの功績を讃えあった。
……to be continued
今回は今回活躍してくれた佐久間莉苑のキャラクター設定をここに記します。
名前:佐久間莉苑
性別:男
所属クラス:Fクラス
性格:普段はマイペースな感じだが、戦争になると戦闘狂になる
容姿:背は雄二よりも少し低めでつり目の銀髪で髪は長め
得意科目と苦手科目:理数系が得意で400点を越えるが、文系は壊滅的にできず、古典に関しては50点前後
召喚獣の武器と見た目:特攻服のような格好に2つの鎌
趣味:寝ること、激しめの曲を聴くこと
原作キャラとの関係性:特になし
腕輪:硬化(消費150点) 防御力をあげ、仰け反らなくなる。
CV:岸尾 だいすけ
備考:成績などに興味を持っておらず、最低限のことができればよいと考えているため、理数系の授業はテスト点が良いため寝ているが、文系の授業は点数がとれない分真面目に受けている。しかし理解はしていない。
次回も、オリジナルキャラクターが登場しますので、よろしくお願いいたします。
※誤字脱字、矛盾点、修正点がございましたら、ご報告ください