…某月某日、魔剣使いを対象とした討滅戦「トロイア討滅戦」の情報が開示された。
しかし、トロイアとは魔剣使い『煩悩の姫』であるので、『煩悩の姫』自身は困惑する。しかし、周りに魔剣使いがいることに気づくと、彼女は覚悟を決める…
「…なぁんで、こんな事になったんですかねぇ?」
こうつぶやいても、何も変わらないのは分かってる。でも、この状況は…「絶対におかしい」
何故、私、『煩悩の姫』ことトロイアがこんなことになっているのかというと…
何と、私の討滅戦が出ているというのです。
始まりは、ほんの些細なことだったのかもしれません。『第二魔界』だけの、ほんのイタズラだったと思います…。しかし、『魔剣機関』が全魔界に「私の討滅戦」の情報を回してしまったので、もう収集がつかなくなってしまった様です。あぁ、もうめちゃくちゃですよ…。
それで、今、この『魔界』には、私を倒す、いえ、「討滅する」為にたくさんの魔剣使いが、私を取り囲んでいるという訳です。
幸い、『第二魔界』の一部の方は、いつもの私を知っていることからか、私の味方をしてくれています。ありがとう、『第二魔界』。
「…んで、どうしますか?この状況?」
こう話しかけてきたのは、『煩悩の騎士』ことアクタル、私の同居人。いつも通り太刀2振り、騎槍一本を携えている。
「どうすると言ってもねぇ…この状況じゃ…」
勝ち目はない。それは分かっている。多分、私の味方をしてくれている誰もが思っているだろう。
「…分かった。なるべく『姫』に近づかせなければいいんだろ?なぁに、貴方の騎士は、こんなところで死ぬような奴に見えますか?」
「…それもそうね。『魔剣機関』までの道さえ出来てしまえば、あとはどうにでもなるしね…」
「じゃあ、そうしますか。…皆さん、とりあえず『姫』が『魔剣機関』に辿り着くまでの道を作ってくれると有り難いのですが…」
「…俺らに任せておけ」
こう言ったのは、私とも関係が深い1人の魔剣使い…確か…パイシズ使いの方だった。
「こうなっちまったのも、元を辿れば俺らの責任でもあるしな…」
「皆さん…本当にありがとうございます…」
私は泣きそうになった。『第二魔界』の方々の優しさで。
「あるじぃ?本当に大丈夫なの?」
「貴女がいれば大丈夫だよ、ニル。」
私の第一の仲間である魔剣『ニルヴァーナ』、彼女が私のことで心配するなんて珍しい。何せ彼女は「精神攻撃が基本中の基本」である魔剣なのであるから、マスターである私にも精神攻撃(物理ではない)をしてくる。そんな彼女が、私の心配をするなんて…よっぽど、この状況が気にいらないようね。
「ところで…相手側には…いるのよね?」
「…『カルマ』?」
「そう…」
『カルマ』。ニルヴァーナの妹にして、心を読むことが出来る「悟り」の魔剣。姉であるニルとは正反対の魔剣である。別に胸囲の話をしているのではないです。
「…私、カルマとは戦いたくないのよね…私が劣ってる様に見えちゃうから…」
確かに彼女はニルの「Sランク」を超える、いわゆる「SSランク」の存在なのだから、劣って見えてしまうのも仕方がない。…ウチのニルヴァーナはその例から外れるハズだが…。
「何言ってるのよ…貴女は『完熟・レベマ』なのよ。そんな卑屈になる必要はないじゃない…」
「…それもそうですか…」
…可愛いなぁ…(素)
そうこうしているうちに、魔剣使い達は私に向かってくる。『煩悩の騎士』達がそれを止める。私も何かしなければ…
「…私の出番かな?」
「…【極】で…お願い!」
そう、私が言うと、ニルヴァーナの髪が青から白になり、大鎌の刃が長くなる。
ニルヴァーナ【極】、力を解放したニルヴァーナ。彼女の力は、下手な「SSランク」の魔剣の力を超える。そのことを考慮すれば、並大抵の魔剣使いには負けないだろう…ただし「魔力が続けば」の話だが…
より強力な魔剣を使えば、より多くの魔力を使う。魔力が切れてしまえば、魔剣の実力を出せない。体感的に二十分の一位になる。そうなる前に、私は『魔剣機関』に辿り着かなければならない。
「…『姫』!もう行けるか?」
『煩悩の騎士』が叫ぶ。彼は彼の魔剣が一振「三池典太」を使い、魔剣使いを止めている。
「ええ、いつでも行けますわ!」
「そりゃあ、良かった!三池典太のブレイズドライブで相手を牽制する!その隙に!」
「…我が一閃に斬れぬものなし!ブレイズドライブ!!」
《霊光羅刹草子》
「…獲物さえ記憶に残さず…これぞ『霊光羅刹』…」
三池典太のブレイズドライブで、周りにいた魔剣使いは、私を囲むのをやめた。…苦しんでいる魔剣使いもいる…悪魔の魔剣使いもいるのね…
「せぇい!」
私がニルヴァーナを振れば、大抵の敵は防御を崩す。ブレイク値を上げ続けた賜物だ。
行ける、これなら…
そう思った矢先、目の前を一閃するモノが見えた。私は、咄嗟に回避行動を取ったおかげで無傷で済んだ。
「はぁ…今のを避けるのか…手強いなぁ…」
先程攻撃してきた魔剣使いの青年が呟いた。手には杖棒の様な魔剣を握っている。…いや「杖棒」ではない。あれは…「大剣」。確か名前は…
「バールのようなもの…『ばよの』ですか…」
「ふむ…この魔剣を見破るとは…とんだ不届き者かと思いましたが、なかなか博識のようで…」
「博識?違うわ。『ばよの』は有名な魔剣よ。それを知らない人など…」
「それがぁ…いるんですよねぇ!『タダの工具だろ』とか、『杖棒ごときで何が出来る?』とか言ってくる不届き者が!」
「…こんな話をしている場合ではないわ。そこをどいてください。」
「嫌です!最初から通すつもりなら邪魔なんかしませんし!」
「なら…戦うしかないってことね…」
私がそう言い、ニルヴァーナを振るう。いつもならこの一撃で防御を崩せる。しかし、この魔剣使いは違った。防御せず、前に突っ込んできた。
大鎌は懐に入られると不利になる。それを、あの魔剣使いは知っている。しかし、ニルヴァーナはその例から外れている。何故なら…「刃は斬りつける時のみ出る、それ以外の時はまるで剣の様な姿をしているから」。
「ちぃ…ニルヴァーナってのが厄介だ。斬られたら精神がやられちまうんだもんな…」
『じゃあ、もうブレイズドライブを使えばいいじゃん』
「ばよの…お前のブレイズドライブは、『本当に危なくなったら』使う…」
そう魔剣使いが言っているのを、ニルヴァーナは聞き逃さなかった。
「ねぇ、あるじぃ?敵さん、あるじのこと舐めてますよ?」
「ふぅん…じゃあ出しちゃいますか…力を…」
そう言って、私は魔力をニルヴァーナに送る。しかしブレイズドライブにあらず。ただ、「少し凶暴になる」。
「くっ…こんな力を…仕方ねぇ!ばよの!ブレイズドライブだ!」
《絶体絶命致命傷エンド》
ばよののブレイズドライブをマトモにくらってしまった私は弾き飛ばされた。あと、青年が少し回復した気がした。
「よし…これで…」
「これで…何ですかね?」
「な…お前…生き…」
「さよなら…若き魔剣使いよ…」
私はニルヴァーナを振り、青年を倒していった。
「魔鍵都市ユグドラシル」、『魔剣機関』がある場所だ。噂では『東京の六本木』にあるとか言っていた気がするが気のせいだった。
途中、ジャガーノート【極】を使う魔剣使いとか、ネクロノミコン【極弐】を使う魔剣使いとか…あとヴァジュラ=リラ【極】を使う魔剣使いもいた気がしたが、何とか倒した。辛かった。特にジャガノ【極】、ルナ【極】、グラム【極】の3本を使う魔剣使いは本当に強かった。
何とか、『魔剣機関』の『キョクチョー』に話を聞いて頂き、今回のことは『魔剣機関』の勘違いであったことが分かった。後にダイヤもらった。嬉しい(小並感)
「何とかなって良かったですねぇ。」
ニルヴァーナも慰めてくれた。やっぱり違和感。
あの後、『第二魔界』の人達に感謝を言った。
「なぁに、気にする事はねぇ…。俺らは、同じ魔界にいる仲間じゃねぇかよ」
パイシズ使いがこう言ってくれたのは、本当に嬉しかった。
あれから、私はいつもと変わらない、平和(?)な魔界生活を過ごしている。
はぁ…疲れた。
どこぞの誰かさんが「目指せ10倍」とか言ったから10倍目指した結果のこの作品です。見てみ?あんな「頑張れば行ける」って言っておいて…3倍だよ?(腑抜け)
…あ、この作品で『煩悩の騎士』の本名が出てて、勘のいい魔剣使いなら気付くかもしれませんが…今連載してる『あの話』の後の話となっています。
じゃあ、今回の見どころー
・ニルヴァーナ、珍しくデレてる
考えてみ?凄く可愛いじゃん()
・ばよの使いの青年の話
これね、ばよの使いの人にマジで怒られた…実話なんね…みんなも、気をつけよう!
・『魔剣機関』までに現れる魔剣使い
はい、間違いなく私の記憶に残ってる魔剣使いさんです。本当にありがとうございます。
・パイシズ使い
この方だけ創作です。(適当)