北斗の拳メロン味 ~ただし人工着色料で緑色なだけでメロン果汁は入っておりません~   作:far
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酒は飲んでも飲まれるなって言うけど、言われてできたら苦労は無い。

 気付けば、俺は馬鹿な実験をしていた。

 南斗の技で、闘気で体の一部を硬くする技法があるんだが。

 これで普通は手や足を硬化して、切れ味を出したり防御を固めたりするわけだ。

 

 普通はな。

 

 違うんだ。違わないけど、言い訳をさせてくれ。

 ……酒が、入っていたんだ。

 

 酒というのも、一応は事情があるんだ。

 シンにケンシロウの歓迎パーティーしようぜ、とそそのかして、宴会の許可をもらってな?

 カサンドラだと食材が無いからと、こっちに徒歩で追っかけてきた秋山師匠と一緒に、料理を作りまくってな?

 酒も北は北海道の男山から、南は九州美少年まで、覚えている限りの日本酒とビールを出しまくってな?

 

 しこたま飲んだわ。

 正直、途中から記憶が無い。

 蓬莱泉の(くう)(ぎん)はどちらが美味いかを、ハート様と議論してて―――ヒートアップして、ぶん殴ったような記憶がある、かも。

 ちなみに俺は空派だった。吟まで米を削っちゃうと、キレはいいんだけど、甘みや柔らかさが消えるんだよな。

 

 バドワイザーだせるんなら、バドガールも出せるだろ。という謎理論で、金髪のバドガールを出そうとしてた記憶もあるな。

 もちろん、出てこなかったぞ。一瞬だけ、あの衣装だけ出せた気もするが、酔ってたからなあ。たぶん、記憶違いだ。

 

 えっ? 前回の引き? リンはどうしたって?

 

 

 

 …………いいヤツだったよ。

 

 

 

 と、いうのは冗談だ。

 普通に元気に、宴会でバットの隣で一緒にメシ食ってたよ。

 

 なんかね。さらわれたわけじゃなかったらしいよ?

 

 ほら、ケンシロウとバットって、行き倒れてたじゃん?

 そうなりかけた時に、手前の村でリンだけは預かってもらえたんだってさ。

 ケンシロウとバットが村に置いてもらえなかったのは、アレだ。村人的には、怪しいんでアウト判定だったってわけだな。

 ちょっとだけ水を分けてもらって、追い出されたらしい。

 

 まあ世紀末だし、そういう事もあるよね。

 

 同じようなケースで、助けてもらえなかった旅人の逆ギレからのヒャッハーで村が壊滅する事件も、まれに良くあるからね。これでも、わりと有情な処置だからね?

 税のやり取りですらも、たまに人死にが出るから困る。

 勝手にヒャッハー行為をするような、村人をいたぶって遊ぶ超絶DQNでも村の統治者として採用されていたのは、その辺の問題もあるんだよな。

 

 普通の役人みたいなヤツを派遣すると、ナメられて税を取れないどころか「そんなヤツは村に来なかったよ」とイナイイナイされてしまうんだそうな。

 中にはね? その始末した役人が税を持ち逃げしましたって、税ごとバックれようとした村もあったらしいよ?

 

 さすがは世紀末の住人。村人でさえヒャッハーするぜ。

 

 余裕があると、人間、他人に優しくできるもんだけどさあ。

 でもさあ。この世紀末には、その余裕が誰にもないんだよなあ……

 

 自然が破壊されまくってるからなあ。船を出すやつが減りまくって、海洋資源は回復してるかもしれんけど、陸から流れ込む栄養が激減してるからそっちも怪しいしなあ。

 一応農業が出来るくらいには回復してきてるから、あと2~30年もしたら緑も復活するかもしれんな。

 ほっといたら、鳥取砂丘すら勝手に緑化してしまう日本だ。期待は持てると思うぜ。

 

 でもそうなるまでは、皆苦しいままなんだよなあ……

 ケンシロウとかだって、収入ないもんな。

 職業、世紀末救世主って、自宅警備員→近所警備員→村警備員→地域警備員とランクアップしていった先のナニカだもんな。

 

 ……いや、ちょっと違うか? いや、だいたいあってるだろ。どっちも収入無いし。

 

 どうやって食ってるんだろうなあ。

 ラオウはカツアゲで、トキは医者で、ジャギはヒャッハーで食ってるだろうけど、ケンシロウはマジで謎だよな。

 

 実はケンシロウもヨガの奥義で、食べなくてよくなっている説。

 

 いや。もしかしたら、北斗神拳の奥義にそういう技か秘孔があるのかも。

 ほら、トキも原作でカサンドラに閉じ込められてた時に、ただ放置されてたっぽいけど生きてたし。

 たぶん中国原産の拳だけに、仙術かなんか混じってたりするのか?

 北斗系の拳法も後付けでたまに増えてるみたいだけど、神拳と名乗ってるのは北斗神拳だけだしなあ。

 

 まあ、いいや。今回倒れてたし、そうだったとしても限界はあるんだろう。

 あとでバイトでも斡旋してやるか。

 シンがなぜかケンシロウにピッタリのスーツとか白衣とか用意してる事だし。バーテンでも用心棒でも医者でも、ケンシロウなら出来るだろう。

 

 さて。

 

 そろそろ現実逃避を止めて、現実と向き合うとしよう。

 

 というか、パンツを履こう。ズボンもだ。

 

 うん。まあ、なんだ。

 冒頭に戻って、言い訳をしよう。いや、させてくれ。

 

 酒が、入っていたんだ。

 

 それで何を思ったのか、南斗の技の実験を思いついて、実行したんだ。

 その場で、大勢が集まっている宴会場で、即実行しようとしなかった事だけは、我ながら褒めてやる。

 それで修行場へ移動して、さいわいにも誰もいなかったそこで、ズボンとパンツを脱いだんだよな。

 

 でもって、テキトーに置いてあった石めがけて突っ込みながら、ノリノリで叫んじゃったんだよな。

 

 南斗 中心脚局部斬!

 

 …………成功した。

 うん。まあ。なんだ。どんな技かは、明言を避ける。避けさせて下さい。

 

 [P:13→17 トロフィー(銀):独自の技を開発する を達成しました!]

 [P:17→23 トロフィー(金):独自の奥義を開発する を達成しました!]

 

 それでね。アレで岩を斬った感覚と、闘気を使ったんで体がシャッキリしたのと、ウィンドウさんを見た事で酔いが醒めたんだ。

 醒めたとたんに、また酔いたくなったけどな。

 

 うわぁー。すごーい。ぽいんとがいっぱいだー。

 やーめーろーよー。登録するなよ。カウントしないでよ、こんな技。むしろ無かった事にしてよ。

 

 [独自の技は、配下に使わせる事ができます。覚えさせますか?(Y/N)]

 

 やめろ。殺すぞ。

 集団でズボン脱いで下半身さらして、飛び掛ってくるモヒカンの群れとか、見たいのかキサマ。

 

 [時間切れです。この選択肢は消滅しました]

 

 オッケー。それでいい。

 もう完全に受け答えできてるけど、今はいい。

 二度とこの技について、持ち出すなよ? いいな? フリじゃないからな?

 絶対だぞ?

 おい、返事しろよ。いるんだろ中の人ぉー!

 

 ……あーもー、返事が無いか、くそう。

 

 しかし、あれだな。江戸時代の川柳に 酒のない 国に行きたき 二日酔い また三日目に 帰りたくなる ってのがあったが、その通りだな。

 俺も、こんな事やらかしちゃったけど、酒やめようとか思わないもん。

 

 古代メソポタミアのシュメール人ですらエール飲んでたらしいから、そっから何千年だ? 記録が残ってないだけで、原人が飲んでたら万年だな。

 はるか古代から、代々人間は酒を飲んできたわけだしな。

 だから俺もその一人として、飲み続けてもいいんじゃないかな。

 今回、他人に迷惑はかけてないからセーフだしさ。結果的にはポイントもたくさん入ったわけだしさ。

 

 でもさすがに今日は、もう大人しく寝るよ。

 じゃ、おやすみ。

 

 

 



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