病弱フランちゃん   作:猫の休日

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ども、はじめましての方ははじめまして。猫の休日です。

文章力はないし、基本的に自己満足ですが、それでもよろしければどうぞ。


あ、この話の都合上、結構「くる」描写があるかと思います。そういったことが苦手な方は、すぐさまバックステップしたのち全力疾走で走り去ることを進めます。

と、念のため脅して(?)いますが、あまりシリアスになりすぎず、フランちゃん可愛いヤッターを目指そうと思います。



プロローグ

 人間の住むそれなりに大きな町から数十キロ先の林の中に、大きな館があった。

 館の大きさに際して、しかし窓の類は驚くほどに少なく、一見堅苦しく不気味な雰囲気を醸し出すその館は人が住むにはあまりにも不釣り合いだった。

 しかし、人ならざる者どもにとって、その館はどうであろうか。

 そう、例えば太陽の光を苦手とする――

 

 

 ――吸血鬼のような。

 

 

 

   ◇

 

 

 

「フラン~? 入るわよ?」

 

 コンコンコンと三回のノックの後、私の大好きなお姉さまの声が聞こえてきた。私が返事をしようと重い体を起こし、「いいよ~」と声を発しようとして、

 

「グッ…ゴホッゴホッゴホッ!」

 

 咽喉の痛みと、言葉にするとイガイガする咽喉の気持ち悪さに軽く咽、咳が零れる。

 ドア越しに席が聞こえたのだろう。私が返事をするまでもなく、姉が慌てたように部屋に飛び込んできた。

 

「フラン! 大丈夫!?」

 

 血相を変えて慌てて駆け寄ってくるお姉さまに、口元を抑えていた手についた血を隠すようにひっこめ、服でふいた後小さく微笑んで見せた。

 

「もうお姉さまったら心配し過ぎ。私は大丈夫だよ」

 

 嘘だ。今も胸辺りが酷く痛くて苦しい。血を吐いたところを見るに、内臓の肺を少し痛めているのかもしれない。

 そんな私の笑みを見て、何故だがお姉さまは酷く泣きそうな顔をする。

 ああ、そんな顔をしないでほしい。大好きなお姉さまにそんな顔をしてほしくないのだ。

 

「もうお姉さまったら……ほら、笑って。お姉さまには笑顔が一番似合うんだもの」

 

 私がそう言うと、お姉さまは何とか笑顔を浮かべようと軽く顔を手で揉むと、それはそれは綺麗な笑顔を――見せようとして失敗し、何だかすごくおかしな顔になった。

 

「――ぷっ、お姉さま、何その顔! 変な顔! あはははは」

 

 笑われたのが恥ずかしかったのか、お姉さまはさっきまでのおかしな顔を引っ込め、途端に顔を赤くすると文句を口にする。

 

「な、何よ! フランが笑ってっていうから笑って見せたのに! ――もう! 笑うことないじゃない!」

「だってお姉さまの顔、すごく可笑しかったんだもの! お父様とお母様にも見せてあげたかったわ! そうしたら絶対、お父様もお母様も笑うもの!」

「そんなに変な顔をした覚えはないわ! このカリスマ溢れる私が、そんな顔をするものですか」

「ううん。すっごく面白かったわ。あはははは」

「むぅ……」

「あはははは――っ! ぅ…ゴホッゴホッゴホッ!」

「! フラン!?」

 

 ゴホッゴホッゴホ! …笑い過ぎて咳がでてしまったみたい。軽く競り上がってくるもの。口の中に鉄の味。そして少しばかり吐き出され、抑えていた手から数滴流れる赤い液体に、お姉さまは慌てて駆け寄ってくる。

 

「フラン! しっかり、大丈夫だから」

 

 そう言って、優しく背中をさすってくれるお姉さまは、やはり大好きだ。

 

「ほらっ、横になりなさい」

 

 お姉さまが背中を支え、ゆっくりとベットに寝かしてくれる。横になった後、お姉さまはどこから取り出したのかタオルで私の口元を拭いてくれた。

 

「ありがとう、お姉さま」

「いいえ、私はお姉ちゃんだもの。当たり前だわ。……それよりも、今の咳で骨、折れたでしょ? この体勢は辛くない?」

 

 ……やっぱりばれていたみたい。実は今の咳で、どうやら肋骨が1本折れたみたいなのだ。

 

「うん。ちょっと痛いけど大丈夫だよお姉さま。しばらくしたら治るから」

「でも…」

「お姉さま。確かに私は治りが遅い。けれどこれでも曲がりなりにもお姉さまと同じ吸血鬼なんだよ? このくらいならへっちゃらだわ」

 

 これは本当だ。肋骨が1本折れる程度の痛みは、もう慣れてしまった。

 お姉さまは再び泣きそうな顔をして、頭を撫でてくれた。

 気持ちいい。もっと撫でて欲しくて、軽く体を動かして頭を擦り付ける。

 お姉さまは頭を小さく振ると、今度は優しく微笑んでくれた。私の大好きな笑み。やっと笑ってくれた。きっと今の私も、笑顔を浮かべていることだろう。

 

「フラン? 眠たくなったの?」

「…ぅん」

 

 お姉さまの笑顔を見て安心したからか、それともお姉様の撫でる手が気持ちいいからか…たぶん両方が原因で、何だか眠たくなってきた。

 

「そう。じゃあゆっくりおやすみなさい」

「お姉さま…私が眠るまで、傍にいてくれる?」

「ええ。もちろんよ」

 

 その言葉を最後に、私はゆっくりと瞼を閉じた。

 

 

 




ありがとうございました。
気を付けてはいますが、誤字脱字があれば報告してくださると助かります。
まだ1話だけなのであれですが、感想など下さるととても嬉しいです。
また、感想全てに返信できるかは分かりませんが、その点はご了承ください。

本当は初めはパチュリーを病弱にした話をちらっと考えてたんですが……パチュリー、もとから喘息持ちやんけと気づいて、こうなった。

でもパチュリーで書いても良かったかもですね。

「もっと」病弱パチュリーちゃん

みたいな。
……誰か書きません?

それでは、不定期になりますがよろしくです。


ではでは。
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