ヒーロー番付なんて堂々とやってるから襲撃したくなっちゃうよねと咄嗟に思い付いた。

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ヴィラン達の宴

ヒーロービルボートチャートJP。ヒーロー番付と言えるランキングの起こる会場へ向かう集団がいた。

 

「なあ止めようぜ、襲撃なんて。トップヒーローが集まった所へ殴り込みなんて気が狂ってる」

「あんしんしたまえ、ヒーローも人間だから話せば分かりあえるさ」

 

心配する袴姿の男に黒いスーツの青年は楽しそうに言う。

 

「だから如何にヒーローが有害なのかきっちり納得してもらって自殺してもらおう。誰も争わずに済むのが一番さ」

 

笑顔で物騒な事を言うのは凶悪ヴィラン。暴力ではなく言葉を武器に様々なヒーロー達を自殺させた【ネゴシエーター】

 

「それに君は誰か一人でも向かうなら見捨てず参加するのだろう?」

「ルール無用だからこそ絆は重んじなきゃいけねぇ。何せ悪だからな!」

 

笑顔で悪党宣言するのは袴に刀を帯刀した武士姿の青年。ヒーローを殺して回る切り裂き魔【チカチーロ】。普段は子供に飴を、困っている老人には手を差し伸べて助ける好青年だ。

 

「ねぇ、チカチーロ?私の個性で潰しちゃ駄目なの?」

「今回は宣戦布告だからな、飴上げるから我慢してくれ」

「ん、分かった……」

 

頭を撫でられて目を細めるワンピースを着た幼女は絞殺魔【デザルポ】。可愛らしい見た目とは裏腹に質量や大きさ問わずに建物ごと民間人を握り潰すという虐殺事件を起こしている。今はチカチーロから貰った飴を口の中で転がして味わっている。

 

「じゃあそろそろ始めようか。チカチーロ、デザルポ、宣戦布告をお願い」

「了解だ」

 

二人へリーダーが指示を出し、チカチーロは刀を抜いて近くにあるビルのある方角に刀を横凪ぎに振るうと斬撃が飛んでビルを両断する。

 

ズズズとビルがヴィラン側に倒れて来たのをデザルポが片手で容易く受け止める。彼女の個性は【絞殺】、質量や大きさを問わずに物体を掴むことが出来、握り潰す程の握力を持つ。それは建物を圧縮して潰せる程である。

 

「じゃあいっくよー!」

 

掴んだビルをヒーロービルボードチャートが行われている会場へ向けて振り下ろす。ビルは会場へと激突し、轟音を立てて崩れ去る。

 

「神野区での戦いで平和の象徴も悪の帝王もいなくなった。だから私達の存在を刻み付けるんだ」

 

「私が終わらせに来たってね♪」

 

白い制服に金髪碧眼の美少女が口にする。その瞳には闘志が宿っていた。彼女の名は【エンド・フォー・ワン】。まだ犯罪歴こそないが、かつて平和の象徴と対峙した事のあるヴィランはその威圧感を受けて口を揃えて言う。彼女こそ『オールマイトの再来だ』と……

 

「相変わらず恐ろしい女ですね。エンド・フォー・ワン」

「普段は運命の男(オム・ファタール)とやらを見て妄想するイカれた女だがな。あの体育祭で身体ぶっ壊しながら戦ってた子供だろう」

運命の男(オム・ファタール)は私と同じなんだ。誰よりも無力だったのにそれでも諦めきれなくて託された。だから私達は託した者達へ報いる為に頑張れるんだよ」

 

目を瞑って腕を胸に手を当て嬉しそうに言うエンド・フォー・ワン。夢見る少女のようだが問題は彼女が今からやろうとしているのは大量虐殺であることだろう。

 

「きっと私という存在を胸に刻み付けてくれるよね。戦えるのを楽しみにしているよデク(オム・ファタール)♪」

 

平和の象徴が欠けたヒーロー達へ向けてヴィラン達は宣戦布告の為に向かった。

 

 

 

 

 

 




一応他で書いてる全ては少女の為に(オール・フォー・ワン)と同じ時系列になる予定。


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