柱なんてさっさとやめたい。   作:いろはにぼうし

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頭で動く前に、先に体が動いてたんだ。
オレの、悪い癖だよね。


そういって彼は昔を思い出しながら笑った。


『桜は蝶の夢を見る 伍』

私、仇散華 桜花は、めったにない事だが、困惑していた。

 ふたりきりで想い人たる十二支 兎に会おうとしたら、何をどう間違ったのか、恋敵であり友人の胡蝶カナエの妹、胡蝶しのぶが十二支 兎について現れたのだ。

 フンス、とやけに気合の入った顔で私を睨みつけている。

「…業柱、これはどういう」

「え、いや違うんだ桜花さん。実は」

「私が自ら志願しました!」

 十二支 兎の声を遮って、胡蝶しのぶが声を張り上げた。

「最近は物騒ですからね。いつ何時なにが起こるかわかりませんので!私が志願して付いてきたのです!」

 カナエの妹が鬼殺隊の隊士であることは知っていた。

 往来であることを考え、言葉を選んでいるようだが。

「業柱、私は二人で会いたいとお願いしたのですが」

「ちなみに!」

 かぶせるように、またもしのぶが声をあげた。

 懐から手紙を取出し、私の前に付きつける。

 

「お館様からのお許しもいただいております!」

「えっ!?」

「なっ」

 

 驚きの声をあげる私と十二支 兎。どうやら彼もそこまでは知らなかったようだ。

 手紙をみれば、確かにお館様の名で今回の護衛の許可が降りている。

 もはや、断れる理由は無くなってしまった。

「し、しのぶちゃん。桜花さんだって事情があってオレを呼んだんだろうからさ」

「必要なお話がおありでしたら、私の前でお願いします」

「いや、でもさぁ」

 十二支 兎が説得に当たっているが、全く引く様子がない。恐らく道中も同じように説得を試みていたのだろう。

 なら、これ以上言っても無駄か。

 

「…いいですよ。貴女もいっしょに行きましょうか」

「えっ」

「えっ」

 何故二人とも驚いているのだろうか。

「? 何か問題でも?」

「え、だってオレと二人きりがいいって」

「こうなってしまっては、もう無理でしょう」

「な、なにか特別な話がオレにあるんじゃ」

「…ありましたけれど、まぁ急ぎではありませんし」

 なんだろうか。あからさまにがっかりして。

 そんな表情をしないでほしい。

 貴方も同じ気持ちなのかなどという都合のいい妄想をしてしまう。

 

「さぁ、あっちに茶屋があったはずです。話はそこでしましょう」

 私は二人の前に立って歩き出す。顔に落胆の色が出ていないか、こっそり鏡で確認しながら。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

胡蝶 しのぶは驚いていた。

 彼女、仇散華 桜花は意外なほどあっさりと護衛を承諾した。

 兎を暗殺するつもりなら、自分は邪魔でしかない筈なのに。

(私なんて歯牙にもかけていない。そう言う事かしら)

 だとしたら悔しいことこの上ない。確かに柱と並の隊士の間には絶対的な壁が存在する。仮にしのぶが10人束になって桜柱に勝負を挑んだとしても、一本も入れられずに蹴散らされるだろう。そのぐらいの差がある。

 実力差は解っている。だがそれでも、ここで引き下がるわけにはいかなかった。

 

 兎の為に、カナエの為に。

 

(大丈夫よ、しのぶ。昔とは違うわ。もう二度と、家族を失ったりなんかしない)

 決意を新たに、しのぶは拳を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

氷柱 霙は驚いていた。というか、引いていた。

(なにあの男、なにあの男!? 女との逢引に別の女連れて来たわ!)

 しかも桜花と比べて随分と幼いように見える。もしや『そっち』の趣味が…。

 

(いやでもまさか。桜花様が不器用ながらあんなに真っ直ぐ恋する殿方がそんな不埒な糞野郎な訳…)

 

 

 あり得る、と霙は冷や汗をかきながら松の木の影から桜花を見守る。

 

 

 『恋文』と言う名の『報告書』を書く女、仇散華 桜花。

 自分と違って恋愛経験値ゼロの彼女が、悪い男に引っ掛かってしまっているのだとしたら――。

 

 

 

 

 甘い言葉でまどわされほいほいとついて行けば金の無心をされ。

 

 男の苦悩した顔にほだされて「大丈夫、私がなんとかしてあげる」などと安請け合いし。

 用意したお金を持ち男は逃亡して。

 

 その後全く身に覚えのない借金の督促が我が家に届き。

 

 とぼとぼ町を歩けば男が別の女と手を組んで歩き私のお金で豪遊していて。

 

 そしてそしてそしてそして。

 

 

 

 

 

 

「ウワーーーっ!!」

 開きかけた過去につながる地獄の門を閉じようと、霙は絶叫しながら松の木に連続で頭突きをかまし始める。

 通りかかった通行人が、「ぎょっ」として距離を取り、母親に手を引かれた少女が「母上、あのお姉さんなんで松の木とお相撲してるの?」と母親に問い掛け「ああはなっちゃだめよ?」なんて言われて大人になっていく。

 しかし、霙はそんなこと気にしない。気にしている場合ではない。

「あ、甘かった…」

 額にこぶを作りながら、霙はおのれの浅はかさを悔いた。

 

 そうだ、男など碌な生き物ではない。妹にも口をすっぱくして言ってきたではないか。

 

 桜花にも同じことを言ってあげるべきだった。

 彼女はまだ何も知らないのだ。

 男性に恋い焦がれた時の炎のような胸の熱さも、それが裏切られた時の、氷のような絶望も。

 

「桜花様…。待っててください。私があの愚図男の化けの皮をはがしてやりますからね!」

 完全にずれた決意を抱き、橋の上のしのぶ同様、霙も拳を握りしめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私の案内で町の茶屋に入った十二支 兎と少女、胡蝶しのぶ。

 茶屋に座り、みたらし団子と吹雪饅頭を注文する。みたらし団子はカナエと彼、三人で茶屋に行くとき、いつも十二支 兎が注文していたのを覚えていたので、好物なのだろうと気を利かせて注文しておいた。

 ちらりと、彼を伺えば嬉しそうな顔で団子が来るのを待っているので、判断は間違っていなかったようだと確信できた。ほっ、と息をつき、それから彼女に目を向ける。

「あなたは? 何か食べますか?」

 するとしのぶは驚いたように目を見開き、それから、「いえ」と短く返事をした。

「護衛任務中ですので、お二人でどうぞ」

「しのぶちゃん、遠慮しなくてもいいよ? ほら、金平糖もあるってさ」

「う、兎兄さん! 私子供じゃないのよ!?」

 彼女の言葉に、兄さん? と不思議に思う。

「業柱。貴方以前家族は居ないと言っていませんでしたか?彼女はカナエの妹でしょう?」

「え?あーそれはうん。そうなんだけどさ、義理の兄みたいなもので」

義理の兄‥。

 義理の兄。

 

 カナエの妹が、十二支 兎の義理の妹。

 

「お、桜花さん! どうしたの!? なんかお茶を持つ手が凄く振動してるけど! 器割れそうだけど、ねぇってば!?」

 爆弾情報に動揺する私に、慌てたように十二支 兎が声をかけた。

 

 

 心臓に悪い情報だった。

 てっきり私が一人で舞い上がっていただけで、二人はとっくに夫婦の関係なのかとまで思ってしまった。

 どうやら同期隊士であるカナエと兎は常に共に戦ってきた相棒のようなものらしく、そこから転じて兎は彼女の妹とも親しくなったのだと言う。

 油断はできないが、完全敗北したわけではなさそうで安心した。油断はできないが。

 

 

 

 

 

 

「そ、それで桜花さん。話って何?」

 運ばれてきたみたらし団子を口にしながら兎が発した何気ない一言に体がはねた。

 必死に霙さんから叩き込まれた台本を頭の中で読み返す。

「え、ええ。手紙に書きましたが、実はあなたに」

 お礼がしたくて――そう言って懐に手を入れた時だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「危ないっ!」

「へっ? おわあっ!?」

 とつぜん、しのぶが兎の身体に覆いかぶさるようにとびかかった。

 あまりの急展開に反応が遅れたのか、力が上のはずの兎が押し倒されたような形になる。

 どんがらがっちゃん、と茶屋の椅子がひっくり返り、店主が悲鳴をあげた。

 

 私に人生に於いて貴重なことだが、唖然としてしまった。

 そんな心境、知ってか知らずか。

 胡蝶 しのぶは兎を体で隠しつつ、私に向かって叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「ようやく尻尾を出したわね!この悪女! 兄さんに近づかないで!」

「・・・・はい?」

 

 

 

 

 

 

 状況がまったく飲み込めず、しばし呆然としていると。

 

 

 

 

 

 

「あっ―――――!?」

 今度は背後から聞きなれた声がした。

 振り返ると、そこには荒い息をしながら水色の髪を揺らす女性―――氷柱 霙が立っていた。

 私がなにか声をかける前に、彼女は十二支 兎を指さしながら叫んだ。

 

 

 

 

 

 

「やっぱりボロを出したわね! この女の敵! 桜花様から離れなさい!」

「・・・え?」

 今度は十二支 兎が呆然とする番だった。

 

 

 

 

 

 

 

 向こうでやれ! という茶屋の店主の悲鳴を無視し、胡蝶しのぶが立ち上がる。

 視線は私とさらに、後ろにいる霙さんに向けられている。

 

「な、兎兄さんのどこが女の敵なのよ! すごく優しくて仲間思いで、私の自慢の兄さんよ!たしかに優柔不断で姉さんをいっつも困らせてるときには『ああ、駄目だな。この人駄目だなぁ』って思うときもあるけど!」

「し、しのぶちゃん? いま庇ってくれてんの? 攻撃してんの? ねぇってば」

 

 

 

 困惑、というか普通に傷ついている兎としのぶに向かって、今度は霙さんが言い返す。

 

「そっちこそ、桜花様のどこが悪女よ! たしかに女子力ゼロのかわいそうなお人だけど、磨けば必ず光るお人だわ! そんな純真無垢な人を騙して、あまつさえ他の女と抱き合うなんて! 私の壱拾(10)番目、弐拾参(23)番目の恋人とやり口が同じだわ!」

「霙さん、今何と? 男女交際に於いて中々でない桁の数字が聞こえた気がしたのですが」

 

 

 

 

 やはり助言を受ける相手を間違っていたかもしれない。

 二人の言い合いは当人たちと泣きわめく店主を置き去りにして加熱していく。

 

 

「そいつは兎兄さんを懐の暗器で殺そうとしたのよ! 守ろうとして何が悪いの!」

「桜花様がそんなことする訳ないでしょ! そもそもそんな愚図殺す価値もないわ!桜花様にやらせるくらいなら私がやってやる!」

「やっぱりあなたも仲間なのね、この人でなし!」

「白昼堂々その歳でそんな男と不埒なことしようとする人に言われたくないわ! こんなちんちくりんに一体どんな需要があるのやら!」

「ちっ‥!? 言ったわね!!」

「言ったわよ!!」

「なにを、この年増!」

「やるの、この餓鬼!」

「向こうでやれ!!」

 

 

 

 

 

 終いには町を通る人々も私たちを見ながらひそひそと囁き始めた。

「なにかしら、喧嘩?」

「なんか男の取り合いみたいだぞ?」

「そうなのか、そんなに色男って感じでもないけど」

「でも女の方は三人とも美人だぞ。あの水色の人なんかこう…違うが」

「でも顔は良いな、三人とも」

「とりあえず白髪は死ね!」

「そうだ、一人だけいい思いしやがって、ゆるせねえ!」

 

 随分ないわれよう。

 終いには男衆たちが菓子の器や椀を兎に向かって投げつけ始めた。店主が泣き崩れた。

「いやいやいやいや!なにこれどういうこと!? オレか?オレが悪いの!? ねぇってばぁぁ!!」

 うわぁあ、とさけびながらも飛んでくるものをすべて掴み取ったり避けたりしてかすり傷一つおっていないのは、さすがに最強の業柱といったところか。もちろん、投げつけている彼らをも本気で当てるつもりはないのだろうが。

 

 ともかく、はやく誤解を解かなくては。

 しのぶが言っていた、暗器とはなんのことだろうか。

 懐をまさぐると、指先に手鏡が触れた。まさか、これを暗器と勘違いしたのだろうか。

 確かに日光があたれば光るし、小型の刃物と見間違う可能性もあるにはあるけれど。

 

 今だ言い争う二人に近づこうとした時だった。

 

 

「この紫頭…っ!? 桜花様、危ない!!」

 

 

 

 霙さんの叫び声が聞こえた。 反射的に振り返ると、目の前に湯呑が飛んできていた。兎を狙ったものが、方向を誤って飛んできたものらしい。投げたらしき男も、慌てた様子で私の方を見ている。

 

 湯呑は目前まで迫ってきてはいたが、私も柱。こんなものは簡単に避けられる、そう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっ?」

目の前に、彼が割って入るまでは。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がんっ、と音がして、飛んできた湯呑が

間に入って私を庇うように抱きかかえた十二支 兎の頭にぶつかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ころころと湯呑が転がり、あたりが静寂に包まれる。

あれだけ騒いでいた野次も、店主も、霙さんもしのぶも何も言わない。

 

 

 

 

 

 

 

私は抱きしめられながら困惑していた。

なぜ、どうして。

簡単に避けられた。

貴方だって避けられたはずだ。

なのに、どうしてわざわざ。

 

ぎゅ、と抱きしめる力が強くなった。

「桜花さん」

 

見上げると、十二支 兎は心配そうな顔で私を見つめる。

綺麗な、紅い瞳と目があった。

「大丈夫? 怪我、してない?」

 

 

「だ、だいじょうぶ、です…」

私はそんな言葉をしぼりだすので精いっぱいだった。

 

 

 

 

 

十二支 兎は「そっか」と言って笑うと、私を離した。

心臓が、ばくばくとけたたましく音を鳴らす。

 

 

 

 

湯呑を拾い、店主の前に置き、彼は頭を下げた。

「お騒がせいたしました。壊したものや商品のお金は、オレがかならず立て替えます」

 やや呆然とする店主は「あ、ああ」と声を絞り出した。

 次に、兎はしのぶに向かって声をかけた。

「しのぶちゃん、君もいっしょに、皆に謝るんだ。とくに桜花さんに」

「で、でも兎兄さん」

「桜花さんはオレを傷付けたりしないよ。間違いない」

 その言葉を受けて、彼女はなおもやや迷ったが、私の前まで来て、しっかりと頭を下げたのだった。

 それを見て霙さんも、大人げなかったと思ったのか、店主と私に頭を下げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後、壊したものや散らかしたものは、しのぶや霙さん、それに勢い余って物をなげていた町衆たちで片づけることになり、私は今十二支 兎と一緒に町の出口に向かって歩いている。街を出たところで、隠が迎えに来てくれる手はずになっているのだが

 

「たくさん迷惑かけたし、オレが送って行くよ」

と兎が言い出して今に至る。誰も、彼を止めようとはしなかった。

 

(でも、やっと二人きり)

 私は柄にもなくそう思った。

 隣を歩く彼は、どこか消沈した様子だった。

 

 聞いてもいいですか?

 二人きりで歩く道が、帰り道だと言う事を寂しく感じているのは私だけですか、って。

 

 そうこうしていると町の出口についた。

 もう少し待てば、隠が迎えに来るだろう。

 

「…じゃあ桜花さん。オレはしのぶちゃん達の所に戻るよ。片づけも手伝わないとね」

「…わかりました。あの、業柱。今日は、その」

「桜花さん」

 

 私が言いかけた言葉を、彼が遮った。

 みると、すこし悪戯っぽく笑う彼が居た。

 

「こんどこそ、二人きりでお話ししようか」

「っ、は、はい。き、機会があれば、ぜひゅ」

 

 ・・・・。

 思い切り噛んだ。

 

 恥ずかしい、穴があったら入りたい。

 

 兎をみれば顔を背けている。その顔は赤く染まり、口元は僅かに笑っていた。

 自分の顔に、かぁっ、と熱が昇るのがわかった。

「わ、笑ってますか!?」

「わ、笑ってないよ!」

 慌てたように彼は取り繕った。

 

「じゃあ、もう行くね」

「は、はい。また、今度」

 

 そういって兎は背を向けた。

 すこしだけ歩いて、「あ、そういえば」と呟いた。

「ねぇ、桜花さん」

「な、なんですか」

 

 

「今日のお化粧、とってもか、可愛いよ。素敵だ」

 

 

 

 それだけ言って、そ、それじゃあ! と慌てて背を向けて去ろうとする兎。

 

 

 

 

 気が付けば私は彼に走り寄って後ろから抱きしめていた。

 

 

 

「お、おうかしゃんっ!?」

おおきな背中から声がする。

貴方だって噛んでるじゃないですか、なんてからかう余裕はなかった。

必死に、言葉を絞り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、あなたも、今日は、か、か、かっこよかったで、す…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「あ、ありがとう。・・・・・『兎さん』」

 

 

 

 

 

 この日、私は彼を初めて名前で呼んだ。

 この後どうやって屋敷まで帰ったのかは、まったく覚えていなかった。

 




大正コソコソ噂話(偽)

冨岡 義勇
「…胡蝶」

胡蝶 しのぶ
「おや、なんでしょう冨岡さん。あなたから声をかけてくださるなんて、めずらしいですねぇ」

冨岡 義勇
「…桜花、さんに悪女と言ったことがあると言うのは本当か」

胡蝶 しのぶ
「…あらあら。誰から聞いたのですか、そんな与太話」


冨岡 義勇
「(自分にはそんな勇気はないけれど)どうしてそんなことを言った?
 (怖い相手にもしっかり自分の気持ちを表現できるようになりたいからよければ)教えてくれ」

胡蝶 しのぶ
「おやおや、あなた、どうしてそんなことを知りたいのでしょうか?」

冨岡 義勇
「(昔のお前のように)笑いたいからだ」





その日、冨岡 義勇は帰らなかった。
後日、蝶屋敷の一室でひたすら「オレは嫌われてない」と繰り返す彼の姿が発見されたと言う。

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