自由と白式   作:黒牙雷真

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第76話から出したアンケートの結果は、話しの中に出しました。

アンケートに投票してくれた読者の皆さん、ありがとうございます。






自由と白式78

 

《side簪》

 

 

 

 

簪「えへへ。乗せちゃった♪ いつもはお姉ちゃんの特権だったけど、今はいいよね」

 

 

休校中の課題レポートに行き詰まってしまったので、気分転換に学園内を散歩していると校舎と寮の丁度中間部にある人口芝生の上で、雷真が腕を枕にしながらすやすやと眠っていたので彼の隣に腰を降ろした。

 

そんな彼の寝顔を見ていたら、出来心で雷真の頭を自分の膝の上に乗せてしまったのだ。今までは、お姉ちゃんの前でさえ弱味を見せない雷真が、この頃は私たち、三人には弱味を見せてくれることに嬉しく感じている。

 

 

簪「少し、髪が伸びたかな?」

 

 

潮風に揺られて動く雷真の前髪が、眉毛の辺りまで伸びていることに気付き、そっと前髪を横に流してあげる。

 

それからしばらく彼の顔を見ながら頭を優しい撫でていると、ふと今の状況はアニメの主人公とヒロインがイチャイチャつくワンシーンなどではと気が付く。

 

 

簪「あ、アニメだと、ヒロインはこういう時、寝ている主人公にき、キスとかするん、だよねぇ‥…‥…。/////」

 

 

自分で口にしておいて何だけど、いざ言葉にしてみると、凄い勢いで顔が熱くなるのが分かる。夏休みバスタオル姿を見られて置きながら、キス程度で恥ずかしいがるなと言われても恥ずかしいものは恥ずかしいのである。

 

それでも────────

 

 

簪「//////」チュッ!

 

簪「えへへ‥…‥しちゃった。//////」

 

 

───恋する乙女は自分の欲求を抑えられない質なのである。それからしばらく、雷真の頬っぺたを伸ばしたりして遊んでいると遊び過ぎたのか彼が起きてしまった。

 

 

雷真「あれ‥…‥…簪?」

 

簪「お、おはよう‥…‥…雷真。/////」ドキドキ

 

雷真「おはよう。ところで、何で俺は簪に膝枕をされてるんだ?」

 

簪「その‥…‥私がしたかったからやったんだけど‥…‥…迷惑だった?」

 

雷真「いいや。簪の膝枕のお陰で懐かしい夢を見たよ」

 

簪「懐かしい夢?」

 

雷真「まだ、お義母さんが生きてた頃の夢だよ」

 

簪「ああ‥…‥そういうことね」

 

 

私たちのお母さんは、私たちが小学校を卒業すると同時に重い病気にかかり、そのまま亡くなってしまった。そんな不運を追うように、その中学二年生の時に突如として雷真が行方不明になってしまった。

 

母親を失い、家族だと思っていた幼馴染みも行方不明になるという不運が重なってお姉ちゃんは精神的に参ってしまった。当時、恋人ではなかった分、私は何とか精神が持ちこたえていたため、お姉ちゃんを奮い立たせることが出来たのだろう。

 

 

簪「雷真は、なんでこんなところで昼寝なんてしてたの?」

 

雷真「いやな、この学園に入ってからまたMS(モビルスーツ)ISと戦うことになって、ゆっくりする時間があまりなくてな‥…‥。だから、久しぶりに芝生の上で寝転がって視界一杯に青空を眺めてたら、そのまま‥…‥…」

 

簪「そうだよね‥…‥…本当は、雷真も戦いたくなんかないもんね」

 

雷真「けれど、この学園でMS(モビルスーツ)MA(モビルアーマー)の戦争をよく知っているのは俺だけ‥…‥…。正直、簪たちを巻き込まないためにいっそのことシノブやアキトたちに学園の防衛を任せて、一人でクルーゼを探しに行こうなんてことも考えたよ」

 

簪「ッ!!」

 

 

雷真のその言葉に、半年前にも感じた大切な者の損質感と絶望が私に襲いかかってきて、無意識に膝に乗せている雷真の頭を抱き抱える。

 

まるで、おもちゃを取り上げらそうになって、それを守る子供のように‥…‥…。

 

 

簪「ダメ! それだけは絶対にダメ!!」

 

雷真「簪?」

 

簪「絶対に一人なんかで行かせたりなんかしない! どうしても行くんだったら、私やお姉ちゃん、シャルロットも一緒じゃないとダメだからね! 一人で何もかもを背負い込まなくていいんだよ‥…‥…」

 

雷真「分かってる。ちゃんと、簪や刀奈、シャルロット、姉さん、一夏たちを頼るよ。大切な仲間たちだからな」

 

簪「絶対だからね?」

 

雷真「ああ」

 

 

私の問いに優しい笑顔で、答えてくれる雷真の眼差しを見て、一人安心する。

 

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

 

《side雷真》

 

 

 

 

中庭で昼寝していて、いつの間に簪に膝枕をされて、久しぶりにゆっくりとした過ごし日の夜。自室にて、諜報部隊から渡されたとある書類とにらめっこしている。

 

 

雷真「はぁ‥…‥…。IS学園の修繕状況視察も見せかけたメルカバー及びアストレイ、それからアビスたちの情報収集ね。くだらないな」

 

 

諜報部隊からの資料内容を見ているとクルーゼ襲撃事件でボロボロになったIS学園の状況をIS委員会の視察団体に来ると書いてあったが、その実、報告書に記載されていなかったメルカバーとアストレイ、アビス、ガイア、カオスの情報を得ようと大義名分を掲げながらIS学園へ侵入する気なのである。

 

そんな小学生でも分かるやり方にアホらしいと思わずには入れない。IS委員会のトップ連中は、国際規約でIS学園は─────

 

 

『学園の土地はあらゆる国家機関に属さず、いかなる国家や組織であろうと学園の関係者に対して一切の干渉が許されない』

 

 

 

────という物があるに何を考えているのか理解不能だ。そんなくだらん事よりも重大な案件が俺の目の前には存在している。

 

 

ソラ『ねぇ、本当にその子に乗るのー? ボクという相棒がいるのにー?』

 

雷真「仕方ないだろう。ISとして登録されているソラに搭載されているビーム兵器の全使用禁止されて、他に使えるのは実弾のCIWSやビーム刃無しのビームブーメラン、クスィフィアスしかないんだからさ」

 

ソラ『それでもさー!』

 

 

目の前のパソコンに写し出されているシルバーアストレアスペックデータを胸元で待機状態のソラが見て、ごねているのだ。

 

 

雷真「わかったよ。乗る機体はソラだけど、使うビーム兵器はシルバーアストレアのビーム兵器を使うからな。これ以上は無理だ」

 

ソラ『やったー!これでまた空を飛べるー、飛べるー、と・べ・るー!!』

 

雷真「明日、また織斑先生に報告書にして提出しないとか‥…‥…はぁ」

 

 

待機状態のソラから放たれるご機嫌な声を聞きながら溜め息を吐いて、実技授業で使うであろうシルバーアストレアの武装を織斑先生宛ての報告書に記して行く。

 

それから諜報部隊からの報告もそれとなく、書いて置くことにした。そうすれば視察団が来た時にメルカバーとアストレイ隊が一時、IS学園から放れていてもおかしくない理由になる。

 

しかし、それでも視察団の奴らも何としてもメルカバーとアストレイ隊、それから刀奈たちのアビスたちの情報も得ようとしてくるだろう。無論、それはソラことフリーダムにも言えたことではある。

 

 

雷真「ビームライフルはフリーダムと同じように二丁持ちでやりたいけど、フリーダムのビーム兵器禁止だからビームシールドも駄目だよなぁ‥…‥…」

 

 

新しいフリーダムの強みの一つとして、ビームライフルが両手で使いながら両腕から生成させるビームシールドでしっかり防御できるという点だ。そのため、今までよりも攻撃の手数が増えるので一々物理盾を構える必要がなくなったのだ。

 

これは、第二形態へと移行した一夏の白式にも言える強みである。それをフリーダムは実技授業で使うことが出来ない。フリーダムのビームシールドは、盾ありながら近接武器としても使えるほど威力があるため使用禁止なるはずだ。

 

 

雷真「下手にIS委員会の奴らに禁止されている武器の使用許可を得ようとすると、その見返りにメルカバーやアストレイの製造方法や性能の情報やらを寄越せと言われかねない」

 

 

フリーダムのビーム兵器を全て禁止するほど、俺がフリーダムで攻めてくることを恐れているのだから自分たちに被害がいかない方法で、何とか俺から情報を得ようとしてくるはずだ。

 

幸い、日本のIS委員会のトップにはハルバートンさんがいるので日本代表候補生(仮)をしている限りは、あの人が色々と配慮してくるはずだ。

 

 

雷真「よし、これで武装の報告書は完了。あとは、刀奈たちに視察団の情報を教えて置かないとな」

 

 

アビスたちを使用する際は、織斑先生の許可があれば使っていいと伝えある。そこへ偶然に偶然が重なって視察団がいる中でアビスたちを使ってしまうかも知れないので、そうならないためにも刀奈たちにも視察団の情報は連絡して置く。

 

そんな訳で、夕食を摂り終えたあとに刀奈、簪、シャルロットの三人を俺の部屋を招き入れた。

 

 

シャル「それで、僕たちに伝えて置きたいことってなに?」

 

雷真「まず、一応これは国家機密の情報に当たるが確認してくれ。少なからず、お前たちにも関係してくる」

 

 

そう説明しながら、諜報部隊が掴んでくれた視察兼情報収集を仕掛けてくる視察団の情報が書かれた報告書を見せた。

 

すると、三人とも直ぐに食い入るように報告書を読み進め始める。そして、読み終わると全員が真剣な目に変わっていた。

 

 

刀奈「この情報は本当なの?」

 

雷真「間違いない。その報告書は、俺の部下たちからだ」

 

簪「それじゃあ、カオスたちの使用は控えた方がいいね。私とお姉ちゃんは、ハルバートン委員長が何とかしてくれるけどフランス代表候補生のシャルロットはそうはいかないと思う」

 

シャル「そうだね。ぶっちゃけちゃうと、本国からは雷真と仲を深めて置くようにって指示が来てるしね」

 

雷真「国からの命令を教えるとか、本当にぶっちゃけたな‥…‥…」

 

 

わざとらしく言ってやると、シャルロットは可愛らしく小さく舌を出して、にっこり笑顔を作る。

 

 

刀奈「アビス、ガイア、カオスの方は分かったけど、メルカバーとアストレイ隊の皆はどうするの?」

 

雷真「視察団が来ている間は、IS学園から一時離脱させるつもりだ。そうすると、校舎の修繕工事にも影響が大きく出るがそこは何とかカバーして行くつもりだ」

 

刀奈「はぁ、普通の視察だけなら良いけど情報収集だなんて面倒なことをしないで欲しいわ」

 

雷真「まったくだ。その所為で、修繕工事を任さている部下に工程を変更してもらわないと行けなくなる。元現場監督してた者だが、これは怒るだろうなぁ‥…‥…」

 

 

視察団の所為で苦労する部下に、後日なにかでお詫びすることを頭の中に留めながら話を続ける。

 

 

簪「そういえば、フリーダムについて織斑先生に呼ばれてたけど、何があったの?」

 

雷真「いずれは分かることだから話すが、実技の授業でフリーダムに搭載されている既存のビーム兵器の全使用禁止をIS委員会から織斑先生伝で言い渡された」

 

シャル「なにそれ!? あの時の襲撃を乗り越えられたのは、雷真とソラのお陰なのに………フリーダムのビーム兵器を全て禁止だなんて」

 

雷真「襲撃を受けた際の映像を見て、更にフリーダムの性能テストの報告書を読んでしまえば普通はこうなる。最も、日本以外のIS委員会のお偉いさん方の本音は、俺がフリーダムで攻めてくるのを恐れているみたいだがな」

 

刀奈「確かにそうね。今のフリーダムは、クルーゼの機体以外で太刀打ちできるISは存在しない」

 

雷真「そういうことだ。前に刀奈には言ったが、今のフリーダムが一機であれば国の一つや二つは簡単に落とせるだろうな」

 

シャル「笑えない話だね………」

 

簪「うん」

 

刀奈「笑えないわ」

 

 

こうして、面倒な視察団とフリーダムのビーム兵器禁止の報告会は終了した。






アヴァロン・フリーダムの使用禁止&別機体の使用の投票が合わせて、計51。

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器禁止&別機体のビーム兵器を使用の投票が合わせて、計54。

雷真は見学の投票が34。

アンケートの結果、別機体のビーム兵器使用となりました。

ありがとうございます。

アヴァロン・フリーダムのビーム兵器を実技演習の授業でも使用するかについて

  • アヴァロン・フリーダムの使用禁止
  • アヴァロン・フリーダム ビーム兵器の禁止
  • 別機体のビーム兵器を使用
  • 別の機体を使う
  • 雷真は見学
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