戦場黙示録 カイジ 〜 ザ・グレート・ウォー 〜   作:リースリット・ノエル

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第48話 異邦人のファースト・コンタクト Ⅳ

「……エス……ターシャ……大尉……」

 

カイジは記憶の底に眠せていた大尉の姿をターニャを通して重ね合わせていた。

同時に心の傷が疼く。

 

あの時、俺は……助ける事は……

 

カイジは過去に味わった耐え難い苦痛、辛酸を想起する。

 

そして腹に渦巻く黒い憎悪の焔が灯る。

もう過ぎた事であるが、今でもカイジを苦しめる記憶の数々が浮かび上がる。

 

「中佐、どうかされましたか。」

 

ジングフォーゲル中尉の声で、カイジは自分の黒歴史から目覚める。

 

はっとして周囲を見るとハインリツィ大佐、ジングフォーゲル中尉が不思議そうな表情を見せる。

 

カイジは、気持ちを切り替えて、その場をはぐらかそうとする。

 

「いや……気にしないで下さい。独り言です……しかし、アレですな……」

 

自分でも下手な誤魔化しを呈しているのを自覚する。

 

「アレっとは何だね?」

大佐が伺うように聞いてくる。

さて、どうするかと考えずにこれまた、適当なことを言う。

 

「……思った以上に……背が低いんだな……と……」

 

カイジは手を物差しに例えて、高さを表して答える。自分でも珍妙に思えてくる言い方だった。

 

周りが吹き出すように笑い出す。

 

「はははっ……中佐は、面白い事をいいますね。何を想像していたんです?」とジングフォーゲル中尉は言う。

 

「ふふ……中佐は、デクレチャフ少尉の姿を見て不意を突かれたようだな。」とハインリツィ大佐は語る。

 

カイジは、気恥ずかしそうに頭を掻いている。咄嗟の機転が、なぜかこう言う場所では聞かないのは、昔から変わらない。

前世界から来て、10年の時が過ぎて、年齢も30を超えてもだ。

 

そして、少尉から冷たい視線を感じる。

 

やはり、失礼な物言いだったか。

下手な事は言わない方がいいと人生を通して経験してのに、不甲斐ない。

 

とりあえず、謝っておこう。

 

「魔導師と言えば、長身な印象が強かったから……気を悪くしないでくれ。少尉。」

 

少尉はそれに対し「いえ、お気に為さらずに。慣れていますから。」と淡々と返答する。

 

カイジからしたら、気にしてるのか、気にしてないのか、よくわからない反応だった。

もしかしたら、少し根に持ってるかもしれない。そう自分の中で感じる。

 

しかし、今になってカイジは思うことがある。

 

少尉は、確かに背が低いがそれ以上に幼い。

いや……幼いとか童顔だとかの問題ではなくだ。まるで、子供……幼女だ。

 

確かに大尉も見かけは背が低く、歳と比べて幼い印象が強かった。

それで、良く周りからいじられて、子供のように憤激していたのを覚えている。

 

しかしそれでも大尉はギリ大人に見える感じだった。だが少尉は違う。見た目は10歳も言ってるかどうか怪しい。

 

カイジは頭の中で瞬時に分析する。

 

では、彼女は子供なのか。だが常識的に考えてあり得るのか。

 

確かに帝国の法律、軍規では、軍の入隊制限となる年齢に関しては明記されていない。

 

となれば、法律上では問題なく、合法的に子供から老人まで兵士として志願か徴兵が可能ではある。理屈ではそうなる。

 

だが軍事主導国家の先端を行く帝国であっても果たして、そこまでの事をやるのだろうか。まず非効率的だからだ。

 

確かに軍隊には幼少期から兵士に仕立て上げる制度はある。

しかし、それは幼年学校の育成過程を経る形で、やがて士官学校に行く前提のものだ。

 

彼女の場合はそうではない。

既に戦闘要員で投入されている。

 

思えば参謀本部時代に動員課、人事課の人間と兵士としての適齢条件について話した時があった。

 

いくつかの議論の末に18から27歳の間が兵士として戦力化するに適切なものだと互いに結論をつけた経緯がある。

 

もちろん、状況によってはある程度、対象となる年齢は前後するが……流石に幼い子供を徴兵するトチ狂ったことはしないだろ。

やるのはゲリラかテロリストぐらいか。

 

仮にやったとしても14歳あたりがボーダーラインで、役割は後方勤務が主体になる。

主に弾薬や物資を運んだりする輜重部隊あたりの作業要員の扱いになる。

 

まず兵士にするには、明らかに早すぎるし、その必要が感じられないからだ。

そこまで帝国の人材は、まだ払底していない。

 

大戦末期の日本でも10歳いかない子供を兵士にした事はなかった筈だ。

 

では子供で志願したのか?その線も、かなりの愛国者で夢である軍人を熱望すれば、あり得るのかだろうか?

 

いやいや、ないだろう。ナンセンスだ。

 

そう判断する理由はある。

 

まず、精神面と教養、根本的な体力のレベルで全くの発展途上である子供が、素養試験と学科試験をクリアして軍面接官が立ち並ぶ面接会場でハキハキと明瞭に志望動機を語れるようにも思えない。

 

多少、知恵が回り、身体能力に優れる子供なら百歩譲って可能としても、担当面接官はキッパリと落とすべきだろう。

 

まず、年端がいかなすぎる幼女を軍隊に入れる事自体、間違い。あたりまえだが。

 

基準を満たさない上に、倫理的に不可であると。普通ならそうする。

 

何より彼女の兵科は戦場の尖兵となる魔導師である。

 

帝国魔導師の精鋭ぶりは、俺が身に染みるほど実感してるし、その魔導師になるには如何に難しいかは理解している。

 

たとえ最近採用された速成教育の弊害、魔導師の採用基準が緩くなった事情があっても水準は最低限維持されている。現在の時点では。

 

また根本的な話になるが魔導師になる為には、文字通り文武両道でなければならない。

 

俺の苦手な学問に秀でてなければならない。

 

魔力という不確かなモノを理論的に理解し、かつ実践的に術式を使用して体得しなければならない。

 

これは魔導適正がある大人でも、習得には時間がかかる。

魔導師としての育成カリュキュラムも多岐にわたり、クリアする難易度は高い。途中で脱落者が出るのも珍しくはない。

 

魔導師はエリート兵科だ。簡単になれるものではない。特に子供がなれるものか。

しかも幼女だぞ。

 

だが少尉の佇まいから、幼女の欠片も感じない。

 

整然とした軍人像を明確に感じる。

 

何より、一番不自然に感じたのは彼女の目つきである。先を見え透いた知性と、一種の冷徹さを覚える青碧の眼は、そこらの子供が持っているようなものではない。

 

では、少尉が子供である線は消える。

 

彼女の容姿の疑問を払拭するものはなんだろうか。

 

カイジが思いを巡らして、ピンと浮かんだのがあった。

 

もしかしたら……彼女は、小人症なのかも……

 

前世界にいた時、テレビで何かのドキュメンタリー番組か何かで見た記憶があったからだ。

 

幼少期に身体的成長が止まるが、知能には問題がない奇病の一つ。見た目が人形のようになるのが特徴なんだとか……そんな事を番組で言っていた記憶がある。

 

 

 

小人病 〜概説〜

 

正式名称 : 成長ホルモン分泌不全性低身長症 (下垂体性小人症)

 

この病気は、脳の下垂体というところの前の部分である前葉から出る成長ホルモン分泌が低下するために成長障害をおこす疾患。

他の前葉ホルモンの分泌低下を伴う場合がある。

 

症状として出生時体重は正常だが、幼児期から成長が著しく遅れ始める。身長は低いが、体格は均整が取れているのが特徴である。

性的成熟が遅れ、骨年齢の遅れも目立ち始める。声や顔が子供のままで、人形様のようになるが、知能は正常である。

つまり見た目は子供だが、中身は大人である事を形にしたようなものだ。

 

6~17歳では男児1万人あたり2.14人、女児1万人あたり0.71人で男女比は3:1で男児に多く見られる。

類別すると特発性で原因不明のものが2/3、後天性で腫瘍(頭蓋咽頭腫)などの原因によるものが1/3程、確認される。

 

特発性では周産期異常を有する場合で下垂体の切断、下垂体低形成、異所性後葉がMRI検査で確認が可能。

現代では、早期に診断し治療すれば身長はかなり獲得可能となっている。

 

 

 

この時カイジは、断定する。

彼女は、少尉は、小人症であると……その線が強いと……

 

ならば、辻褄が合うからだ。

 

体が人形みたいな容姿でも、知性は大人である。また魔導適正が非常に高いのであれば、魔導師になる条件は満たされる。

 

彼女が突発性の奇病を発症したのであればだ。

見た目は幼女だが実年齢は、20歳以上になっていても不自然ではない。

 

帝国の魔導師で最年少エースとなれば、記憶が正しければ22歳あたりがラインとなるはずだ。

 

それでも驚くべきものだが、幼女の身で歴戦のエースというよりかは、現実味がある。間違いなく。

 

という事情があるならばだ。

自らの体型に大きなコンプレックスを抱いてる形もあるだろう。

 

比較的医学が発達した帝国でも、その水準は前世界に比べれば低い。

 

小人症の治療がまだ確立される程には進んではいない。

まず、この世界では奇病に対する認識も浅いかもしれない。

医学に関しては専門外だから詳しくは、知らぬにしても。

おおよその予想は可能だ。

 

どちらにしても、なんらかの要因で奇病を発症した身であるなら、育つ過程の中で周りからは珍妙な目で見られてしまうだろう。

 

それに軍人であり魔導師なら、周りは屈強、精悍な軍人に囲われる中では、非力な存在にどうしても見える。

 

軍に入隊してから、容姿でからかわれ、馬鹿にされる事も多かったに違いない。

 

その精神的苦痛は、想像は出来ない。

身体的劣等感は思いのほか、人間に強い影響を与えやすいからだ。

 

何より同じ奇病を持つ人間が周りにいないから、心理的に孤立しやすい。

相談を出来る相手も少ないかもしれん。

 

では、奇病がもたらした容姿からくる蔑視の視線、異端の姿を持つ人間という立場を跳ね除ける為に、いやむしろ反動のバネとして生きてきたかもしれない。

 

必要以上に無茶な戦い方を行い、戦果を上げて、功績を認められるよう一生懸命に身を砕くように空で戦う姿。

 

歴戦の勇者となっている彼女の背景には、生まれてから持つ小人病という奇病のハンディキャップがあることが疑われる。

 

社会的には、その姿でいることが嫌な見世物的扱いになるだろうし……これは一概には言えないだろうが……

 

とうなれば、そのハンデを払拭するにはどうするか……色々あるが、簡単な答えとして浮かぶのは……何かを成した人間になり、社会的な立場を得ることだ。

 

帝国は、完全に実力主義の社会だ。

国の掲げる崇高な理念とは別に弱肉強食の世界が広がっているが、逆に食い込むチャンスはある。

 

国に役立つ人材であることを認められ成功を収まれば、国は相応の立場を与えてくれる。

 

これは人にもよるが、とりあえず何かの分野で秀でた能力があり結果を出せるならば、活躍の余地はある。

特に帝国軍ではその色が強い。

 

対象国で外国人の身である俺がよく理解している事だ。

 

実際、そうやって魑魅魍魎の世界を生き抜いて、曲がりながりにも軍中佐で役職は参謀という立場にある。

 

最初から望んでなったわけではないが、結果としてそうなった。いい意味でも悪い意味でも。

 

彼女も俺と全く同じとは言えないが社会的なハンデを克服するために、生きる為に軍隊を選んだのだろう。

 

そして高い魔導適正を活かして魔導師となり、精鋭部隊で鍛え抜き、戦功を挙げて今があるかもしれないな。

 

となると、容姿に惑わされずに、同じ大人の軍人として見るべきだ。

下手なことは言わず、珍妙なものを見るような視線を向けないように注意を払うべきだ。

 

ともあれ、まずは彼女によって救われた事に感謝の念を伝えるべきだ。

 

「ともあれ、助かったよ。えと、ターニャ……」

 

名前が出てこない……なんだっけか……

そう頭をひねっていると、少尉が補足するように名乗る。

 

「ターニャ・デクレチャフ少尉です。今は戦術任務部隊の部隊長を担っています。寄せ集めで申し訳ないですが。」

 

デクレチャフって言うんだな。変な名前だな。しかし、同じ臨時編成部隊か……

 

「いや……それは、ウチも同じだ。少尉……よくやってくれた。」

 

確かによくやった。何処の馬の骨ともつかない見知らぬ人員で編成された部隊で、よく指揮して戦ったと純粋に思う。

 

一応握手しておくか。

俺は身を屈めて、少尉と握手する。

自分の手と釣り合わないほどに、彼女の手は小さかった。

 

「いえ、与えられた任務を遂行したのみです。当然のことです。」

 

職務上の義務に忠実であるか……だから、当然だと。兵隊として見るなら十分な人間だな。堅物な感じはするが……

 

「当然か……勇ましい姿勢だが、中々できるわけではないからな……」

 

「そうでしょうか。魔導師ならば、どんな状況でも即応するのが……」

 

と彼女は何かを言いかけようとして言葉が止まる。

 

「……どうした……」と俺は少尉に問いかける。

 

「いえ……なんでもありません。戦闘後で少し疲労が祟っているようです。」

 

少尉は少し目を伏せて答える。

ああ、そうか。相当量の魔力を消費したのだから当然といえば、当然か。

少し疲労の色を見せているようにも感じた。

 

「当然だろうな。あれだけの魔力を消耗したのだから、無理もない。中尉、衛生兵を呼べるか。一度見てもらった方が良い。」

 

俺は、そばにいたジングフォーゲル中尉に衛生兵を呼んでもらおうとしたが、少尉は断りを入れる。

 

「いえ、大丈夫です。時間が経てば、回復します。」

 

そうとも言えないが、自分の身の立場を考えて、こちらを気遣っているのだろうと判断する。

 

「そうか。だが、宝珠の交換は必要だろう、後で連隊火器曹長から予備の宝珠を回してやる。」

 

少なくともその必要はある。

戦術レベルの破壊力がある大規模術式展開は、魔力の素体となる人間が耐えても媒介となる宝珠が駄目になっているだろうと思ったからだ。

 

しかし、それに対しても断りを入れる。

 

「いえ、その点も大丈夫です。宝珠にも異常はありません。」

 

「いや、そんなはずはない。大規模な光学術式を発動したんだ。普通なら溶解して使い物にはならない。」

 

これは、俺にとって間違いようのない認識だった。従来型の宝珠なら、使い物にならない状態だと……

 

そう疑っていると、中尉が間に入ってはなす。

 

「中佐、少尉が持つ宝珠は特別仕様らしくて、簡単には壊れないそうで……」

 

「そうなのか、そんな宝珠の存在は聞いた事もないが。新型か。」

 

新型だと……もう配備が始まっているのか……しかし、まだ時期が早いはずだ……

 

「簡単にいえば、新型宝珠の試作品です。」

と少尉は淡々と答える。

 

俺は新型宝珠の試作品と聞いてピンと来る。

 

「新型宝珠の試作品か……じゃあ、少尉はクルスコス陸軍航空教導隊の出身か……」

 

宝珠関係の試作、開発を担当する部隊は、あそこしかないからだ。

 

「ええ、そうですが。」

 

やはり、そうか。そこしかないから、アレだが……ならば、必然的にアイツが関わってくる。

 

脳裏に浮かぶのは、一人の男。

 

目がパキッた不気味な顔、変な頭髪、そして何考えてるか分からないヤバそうな笑顔……時代の先を行き過ぎた科学者の姿。

 

「そこにシューゲル技師って、色々とぶっ飛んだ奴がいただろう。」

 

「はい……その通りです」

少尉は、少し重みのある声で答えた。

 

やはり、あいつか。

 

アーデルハイト・フォン・シューゲル 帝国エレニウム工廠の主任技師。

 

天才というか、奇才の類である科学者で、謎で未知数しかない分野である魔導学の最高権威。

 

あらゆる工学の最先端を突っ走る形で具現化する技術者でもあり、バイリンガルな能力を持つ。

あれほどの人間は、帝国でも片手で数えられるくらいしかいないだろう。

 

「なるほどな……アイツが作ったのなら、話が見えてくる。」

 

「シューゲル技師をご存知なのですか」

 

「……まあ、以前少し仕事の絡みでな。それで知ったんだ。」

 

空軍と陸軍で、ある兵器を共同開発する際に、彼の能力を借りた事があったからだ。

最初は、散々なものだったが……結果的に形になったから良しと言えた。多分。

 

「はあ……中佐も顔が広いようで」

 

「逆に兵器開発関系の人間で、知らない奴はいないんじゃないか。あの人は、めちゃくちゃヤバイし目立つからさ。」

 

ちなみに意外な事であるが、科学界では聡明な人物として高く評価され、科学者や技術者からの人望はやたらと高かったりする。

人格が破綻しているように見えるが、ああいった人間の牽引力は凄まじいものがある。

中身はヤバイが、反面 その道の人間からすれば感じ方も変わるのだろう。

 

「……それには、強く同意します。」

 

「あの人の発想は、凡人には意味分からんからな。なんというか……凄いのは分かるが、安全性を諸々無視するのが、難点でな。」

 

あの博士の重視する点で厄介なのは、究極の機能美にある。

美的センスを兵器に対し。極限に求める為にその邪魔になるものは徹底的に排除する傾向がある。

また、妙に凝った技術を組み込む為に不具合が必ず起こる。

だから、タチが悪い。

結果、使用者の安全など考慮された代物が出来ることは稀である。

大体が、致命的な欠陥を持つものが爆誕する。

 

「ええ、全くその通りです。あの博士と言ったら無茶もいいところです。おかけで、このエレニウム95式の実証実験では、何度も殺されかけました。」

 

怒気を孕む言い方をする少尉を見て、散々な目にあったのだなと、理解する。やっぱりかと……

 

「なるほどな……少尉も苦労したようだ。」

 

果たして、それが苦労の一言で片付くものかは別だったが、一応 同情しておく事にする。

よく死なずに済んだものだ。

 

「ええ、いつかあの博士の顔面に1発入れたいところです。」

 

「とりあえず、その1発を入れるためには、明日生き残るために策を練らねばならないな。」

 

「そうですね。今の戦況を乗り越えなければ、未来はないでしょうから。」

 

色々あったが、比較的優勢に最後は勝てたが明日はわからない。

今のうちに手段を講じなければならない。

 

「だからだ。少尉も協力して欲しいのだが、どうかな。」

 

「はい。小官にできることならば。」

 

「そうか……なら良かったよ。」

 

その返答を聞いて、俺は真っ先に思う。

 

戦場でジョーカーを手に入れた……僥倖……僥倖である……

 

「まずは会議の準備だな」

 

俺は作戦図がある机に向かい出す。

新たなプランを練る為に。

 

 

俺自身、少尉が如何なる人物であるかをまだ知らなかった。

 

もし事前に知っていたら、もう少し賢いやり方があったのかもしれないが。

それは結果論にすぎない。

 

この時点で言えることは、俺にとって少尉は……使える人間であった事だ。

 

周りが恐れ悪魔呼ばりにするが、だからこそ価値はあった。

 

これ以上に使える特別な存在は、この大戦を通して彼女しかいなかった。





カイジが妙な勘違いする感じです。
一応、勘違いものだったし。
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