ロアナプラから来た男   作:天膳桜

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はい、短いです。
オリ設定あります。
大変申し訳ない。


ロアナプラの双子

アリアとキンジが飛行機を不時着させてから少しの期間が空いた。

 

そんなある日の朝の事だった。

 

 

扉を叩く音がする。

 

「・・・レキか?」

 

二日酔いにクラクラする頭を抑えながら時計を見れば朝の6時。

無視を決め込もうにも、段々と叩く音が激しくなっていく。

 

ブチ切れた。

 

「うるせーな! ドタマをカチ割ってピーナツバターでも詰め込んでやろうか!?」

 

「あ、起きたわね、リク」

 

扉を開けてみればクソチビがふんぞり返っている。

哀れなほど薄い胸だ…。

 

「モーニングコールを頼んだ覚えはねえぞ…!」

 

「あっ、また飲んでたの!? 武偵のくせに!」

 

俺を無視したアリアは酒の匂いに顔をしかめてやがる。

まぁ、何にせよだ。

 

「まずはシャワー浴びさせろや、話はそれからだ」

 

 

シャワーから上がると部屋の中にはキンジやレキ、そして白雪までいやがる。

 

「いつから俺の部屋は集会所になった? 金取るぞ」

 

アヴェンジャーごっこなら他所でやってくれ。

 

「んなもんアリアに言え」

 

キンジ情けねえなぁ。

 

「童貞は早めに捨てておけよ。これから苦労するぜ?」

 

「ブッ!? 何の話しだよ」

 

アリアの話だ。後、白雪か。

 

「・・・と言うわけで魔剣(デュランダル)の対策会議を開くわ!」

 

無駄話をしている間に、話が進んでいたようだ。

 

「魔剣ねぇ……」

 

魔剣とは超能力者を連れ去らう犯罪者であり、アリアの母親に罪をなすりつけた奴の1人。

 

存在は疑問視されているか。

 

で、魔剣に白雪が狙われたと。

 

「白雪の占はどうなんだ?」

 

「災の相が出てるから近い内に何かあるとは思います」

 

そして、キンちゃんに助けられて2人は…!と妄想の世界へ突入したヤベー奴は放っておく。

 

性格や人格は兎も角、白雪の占の信頼度は高い。

 

なら、魔剣は存在する筈。

 

「魔剣は…女だな」

 

勘だが。

しかも、美人の予感だ。

 

「リクさん、一発までは誤射だそうですよ」

 

……レキの方がよっぽど超能力者めいてやがる。

 

「相手のスペック、誘拐手段も不明と……」

 

「対策の建てようがないんじゃないか? 大体、魔剣なんて実在するのか?」

 

キンジは非協力的だ。

 

どうにも最近、アリアと上手くいってないらしいからな。

 

アリアがキンジの最高のスペックを常時引き出す為に、特訓をさせてるのが関係してると見た。

 

キンジにエロ本かアリアのパンツでもみせれば一発なんだがな。

 

 

 

 

とりあえず暫くはキンジの部屋で白雪を護衛するらしい。

アリア、キンジが護衛。

レキは遠距離からの監視。

 

俺は何をするのかって?

 

痴話喧嘩に巻き込まれるのは勘弁だろ?

だから、したり顔でこう言うのさ。

 

「俺は独自のルートから探りを入れておく。護衛は任せたぜ」

 

ふわっとしたそれっぽい言葉で煙に巻いて誤魔化すに限るぜ。

コツは軽く殺気も混ぜておく事だ。

真実味が増す。

 

「あ、リク! お前、さてはサボる気だな!」

 

 

欠点はキンジには使い過ぎて通用しない事くらいか。

その後、キンジと一悶着あったが俺は無事に護衛から外され解散となった。

 

しかし、アリアから成果報告を義務付けられてしまった。

 

魔剣の情報なんて、武偵高の教師科の奴だってわかんねえだろうが。

 

とりあえず授業をサボり情報収集に明け暮れていたがラチが明かねえ。

 

「となると、ばあさん…はエダに絡まれて面倒くさいし、後が怖い。親父を頼るのは癪だし、お袋はブチ切れてるらしいから連絡したくない」

 

じゃあ、ロシアにするか。

暗記している番号を打ち込み暫く待つとつながる。

 

『はい、こちらバラライカ。何の用かしらリク?』

 

「あー・・・久しぶりです」

 

 

バラライカ。

ロシアンマフィア「ホテルモスクワ」の女頭目にして死のアフガン帰還兵の大尉でもある女傑にして、俺の師匠の一人だ。

もうそろそろ年齢がヤバイのに若さを保ち続けている怪物の一人だ。

 

 

『なんだその気の抜けた喋り方は? 貴様はまた遊撃隊に戻りたい様だな』

 

「すいません! 大尉、大丈夫です!」

 

『……よろしい。 さて、何の用かしら、レヴィならあんた見つけたら殺すって息巻いてたわよ。ロックもとばっちりよねぇ』

 

あー、聞きたくなかったなぁ。

その情報。

 

「いや、魔剣って知ってます? 最近話題の超能力者ハンターらしいんですが」

 

『あー、いたわね。そんなの。たしか、双子んとこに一回来たらしいわよ。なんでも冷たかったー!って言ってプンスカしてたわ』

 

双子の所に行ったのかよ。

命知らずな。

 

アイツらホテルモスクワの傘下扱いだろ。

 

『ま、二人がかりで何回か死んでるみたいだから中々強いんじゃないかしらね。あ、双子が会いたがってたわよ』

 

「アイツら旅に出てるでしょ…今何処なんですかね」

 

『さぁ? 指令がある時はしっかりと働いてるから問題ないわ。あの見た目でも成人してるし』

 

精神は子供みたいだけどな!

 

『とりあえず、女で剣を使うって事くらいしかわからないわね。詳しく私から双子に聞いておきましょうか?』

 

「・・・いや、十分すぎます。ありがとうございました」

 

『そう、元気そうで良かったわ。いずれ顔見せに来なさい! その時はバラライカおばちゃんで構わないわよ? じゃあね』

 

電話が切れると同時に疲れが沸いてくる。

冬山でナイフ一本で行軍。

五歳の時のトラウマが蘇るぜ。

 

「しかし、情報を握ってるのがあの双子かよ」

 

ヘンゼルとグレーテルと呼ばれる双子はロアナプラではそこそこの知名度がある。

ロアナプラで知名度があるってのは腕が立つって事だからな。

 

アイツら今どこにいるんだよ。

あの双子とは因縁がある。

 

小さい頃から殺されかけたり、掘られかけたり、犯されかけたりした関係。

 

・・・クソだな!

 

「いずれハンニバル・レクターみたいに奴らの肉を引き裂いてやるさ…」

 

「あら、物騒だわ。兄様」

 

「そうだね、姉様」

 

反射的に身体は動き、全弾を声のした方向にぶち込んだ。

 

飛び散る血と硝煙の香りを無視して、その小さな肉体を蹴り飛ばす。

 

「おい、早く起きやがれ。どうやって部屋に入った?」

 

「あら、もうハンニバルごっこは終わりでいいの?残念ね、兄様」

 

「うん、僕たちも気持ちよかったのにね、姉様」

 

血みどろの体を起こし、立ち上がる二人の子供。

その髪色は幻想的な銀髪で一種の神秘性すら伺えた。

 

「久しぶりね? リクお兄さん?」

 

「元気にしてた? リクお兄さん?」

 

「相変わらず化けもんだな。超能力ってのはよォ、エルム街の悪夢さながらだぜ?」

 

ロアナプラが産んだ変態双子。

ヘンゼル&グレーテル。

 

「相変わらず、リクお兄さんやレヴィおばさんの前に出ると一回殺されちゃうわね?兄様」

 

「ほとんど条件反射みたいだよね? 姉様」

 

「相変わらず気味が悪い。お前らシャイニングに出てきそうなんだよ」

 

すると二人は頬を膨らませて文句を垂れ始めた。

 

「何よー!昔は良く遊んだじゃない! ぶーぶー!」

 

「そうだ、そうだー。昔見たく小さく可愛くなれー!」

 

「黙れ、実年齢不詳」

 

こいつら双子はブラックラグーンと境遇が違っていた。

この世界に生まれ変わって既に忘れてきているブラックラグーンのシナリオで、この双子は死んでいる筈だった。

 

なのに小さい頃、事もない様に現れ腰を抜かしたもんだ。

 

コイツらは、この世界で超能力を手に入れていた。

その力とは死んだ他人の魂を吸収しストックする能力。

それを使い、普通にロアナプラで傭兵として生活をしていた。

 

 

「まったく失礼しちゃうわ! ぷんぷん!」

 

「お寿司もってこーい! じゃないと暴れちゃうよ!」

 

「ああ、うるせえ…。わかった、わかった。お前ら殺し尽くすには弾が足りねえよ!」

 

携帯で出前を頼み、本題を聞く。

 

「で? 何の用だ?」

 

「うーん? レヴィおばさんに様子を見るようにも言われてだけどまぁ、半分は遊びだよね、姉様」

 

「そうよね、兄様」

 

コイツらマジでムカデ人間にでもしてやろうかな…?

 

「そうかい、くたばりやがれ。部屋の掃除していけよ」

 

「掃除と言えば、掃除屋のお姉さんが」

 

「よし、掃除はしなくていいぞ。運が良かったな」

 

「相変わらず、女好きだね。リクお兄さん?」

 

「はっ! 私も狙われちゃうのかしら!?」

 

セクシーポーズをとる見た目6歳に足元の酒瓶を投げつける。

 

「いい、もういい。こっちから聞きたいのはコレが最後だ。魔剣について教えろ」

 

その単語を聞いた、二人は顔を見合わせて怒り始めた。

 

「まったくムカつくわ! 私たちの超能力は死にはしないけどそれだけなのよ!」

 

「そうだね、姉様。氷漬けにされて身動きが取れなくて二回死んだものね!」

 

氷の能力か。

対策を練っておくとするか。

 

「ありがとよ、お礼にリコリス飴はいかが?」

 

「ふざけろー、飴ならもっといいものよこせー」

 

「そうだー、そうしないと学校で虐殺の限りを尽くすぞー」

 

二人の頭を撫で、普通の飴をくれてやる。

 

しばらくして寿司が届き、ほぼ全てを平らげ双子は部屋を出た。

 

どうにも次は中国に行くらしい。

 

「じゃあな、無闇に銃をぶっ放すなよ?」

 

「またね、リクお兄さん! 次は一緒にピクニックに行きましょう!」

 

「ロックお兄さんも一緒にね! 皆んなで歌って楽しむんだ!」

 

二人は手を繋いで歩き始めた。

 

「本来なら死んでいる…か」

 

だがそうはなっていない。

素晴らしい事だと感じ、俺は酒をグラスに注いだ。

 

部屋の中は血塗れだった。

 

「チクショウ、外で殺すんだった…!」

 

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